イヤホンマン【ピンク地底人】161130
2016年11月30日 ライト商會 (65分)
久しぶりのピンク地底人だったが、自分が植え付けているイメージとあまり変わってはいなかった。
シュールな設定の中で、厳しい現実をもがきながら生きる人たちのこれからへの道を描いているような。
これまでのことは、どこかで終わりを迎える。それが正しいと言われていたことでも、誤りだったとされて終わるかもしれないし、いつまでも正論として生き残るかもしれない。
それでも、時間は経ち、自分たちはその流れにのって、その先へと流されていく。
過去に囚われて、それにしがみついて、感情をその頃のままに残していては、前へは進めない。
変わっていかないといけない。前へ向かって歩まないといけない。自分のしたいことを実現しながら。
不条理だろうが、そうやって生きていかないといけないのだろう。
そんなどうしようもないやるせなさのある悲哀に辛さも感じるが、それが出来る、そうしてきた人間の強さもほのめかされたような話だった。
京都のとある喫茶店。
銀色1が、ノートパソコンを開きながら、さほど好きでもないのに、ドリアを食べている。
こんな夜遅くに食べても太らないと言う銀色1に、ダイエット中の店員は羨ましさも込めて、呆れたように話しかける。人間は見かけを気にし過ぎると銀色1は平然としている。
毎日ドリア。さほど好きでもないのに。その理由が知りたい。それに、なんでドリアって名前なんだろう。
ドって言うキツイ感じの響きかな。それがグツグツしている見かけの地獄感とマッチする。
そんな会話をしていると、銀色2が入って来る。店員はちょっと女の表情を見せる。
銀色2は、デスメタルを聞きながら、ドリンクバーを注文。地獄感が高まる。
銀色2は、今日も街中で人間から嫌な思いをさせられた模様。
銀色2は、脚本を机の上に出す。銀色1が執筆した脚本。
日清戦争のくだりはいい。でも、銀色が最後、人間を殺して終わりというラストは厳しい。何とか対話で解決したみたいにはできないか。
そんな銀色2の言葉に銀色1は反発。迫害の歴史を描いて何が悪いのか。甘過ぎる。
怒りを鎮めるために、銀色2はパフェを奢る。注文を受ける店員に、さりげない褒め言葉をかけて、デレデレにさせて、さらには、パフェを食べれる店でのデートの約束を。
すっかり人間と仲良くやっている銀色2に、銀色1は苛立ちを隠せない。
外からおかしな音がする。スースー。
窓を開けて、外を見ると、そこにはバンクシーが、スプレーアートをしていた。
自分たちの反逆の魂を絵に込めたスプレーアート。
銀色1は、顔を拭いて、その銀色を輝かせて、外へ向かう。
店員がパフェを持って来る。
銀色2は、銀色1はトイレに行ったと嘘をつく。どうやら、友達である人間にも知られてはいけない行動らしい。
店員は、それを聞き、複雑な表情を浮かべながら、よく分からない自分のおかしな癖を語り出す。誰かがトイレに行くと、その排泄する姿を思い浮かべてしまうらしい。
銀色2が、話を合わせて、トイレのフタの必要性という素朴な疑問を話すと、店員は思った以上に食いついてきて、トイレのフタの必要性を、臭いものにフタをするという歴史的な観点、排泄物を流す時にフタをしておかないと人に害があるという機能的な観点から説明を始める。
調子に乗って、バカな話をしてしまった。自分を責める店員を銀色2は、きどって、慰める。二人はいい感じに。
そこに客がやって来る。
店員は露骨に嫌そうな顔をその客に向ける。
客の男は軍服を着ている。
兵役中で、憲兵の仕事をしているらしい。
外にはバンクシー。自分の管轄する地域にややこしい奴が現れた。だから、見て見ぬふりをしている。
憲兵は、銀色2に話しかける。お土産屋で働く銀色2。そんなことをしていたらダメ。だって宇宙船を造る技術を持っているんでしょ。あの対馬の宇宙船が動く噂があるみたいだけど。憲兵は上から目線で、どこか銀色2を揶揄している。
銀色2は、反論する。そんな技術は分からない。自分たちが、いつ、どこから、どうやって、ここにたどり着いたのか分からないのだから。
でも、それは、実は人間だってそうなんじゃないだろうか。
歴史の教科書には、1492年、コロンブスが新大陸を発見した頃、日本では倭寇が日本海を騒がしていた。その海賊船が沈み、対馬沖の無人島に流れ着いた一人の船員。その上空で、銀色の宇宙船が発見された。銀色は地球に上陸し、これまでの日本を変えていく。そして、日清戦争後、銀色は、危害を及ぼすと隔離区域で生活をさせている。
銀色1が戻って来る。憲兵の姿を見て、震えながら、トイレに行っていたと嘘をつく。
憲兵は、その不自然な言動、険悪な雰囲気を察して、銀色1と接触を図る。
机の上の脚本の内容、たまたま開いていた爆弾の作り方のページ。憲兵は銃を取り出し、銀色たちを拘束しようとする。
でも、そんなことをした経験が無いのでどう振る舞ったらいいのか分からない。憲兵と言っても、兵役中の身分。この前は、飲み屋で騒いで、上層部から相当、叱られたばかりなくらいだ。でも、そんなミスを相殺しようと、緊張しながらも、やたら使命感に燃えて張り切っている。
そんな憲兵の緊張っぷりを見て、銀色2は落ち着くよう説得。
しかし、憲兵の緊張は極限まできていた。
昔からそうだったみたいだ。何故か人前で緊張してしまう性格。なのに、中学生で吹奏楽部に入り、毎回、緊張。いつしか中学生の小遣いではきつかったが、オムツをするようになる。便意がオムツをさせるのか、オムツが便意を呼ぶのか。オムツはかっこ悪い。でも、それは人前に晒された時にそうなる。と、わけの分からない禅問答のようなことを言い出して、トイレに駆け出して行く。
銀色1は、さっきまで怯えて震えていたが、怒り心頭。
銀色2に、憲兵に拘束されている姿の写真を撮影させて、フェイスブックにアップすると意気込む。
銀色2は止める。
さらに、店員が、実はあれは兄で、この前、揉め事を起こしたばかりだから許してやってと謝罪する。それに、兄が、あんな風にオムツをしなくてはいけなくなったのは、幼い頃、自分が兄をトイレに閉じ込めてしまった体験かららしく、今、そのおかげで助かったのだから、私のお願いを聞くべきという、これまたおかしな理論を持ち出してくる。
もう、許そう。怒りはそんなに持続しないものだから。
そんな銀色2の言葉に、銀色1は甘過ぎると怒り、店を飛び出す。恐らく、最近出入りしているらしい、過激派組織の下に向かったのだろう。
世界を変えるには、流れる血が必要なのだろうか。
憲兵がトイレから出て来る。
店員は兄に、きちんと謝るように促すが、銀色は人に危害を加える者だと決めつけている。銀色の肩を持つつもりかと謝る気は一切ない様子。
銀色1が戻って来る。
それだけの辱めを受けて、黙って逃げてきたことを過激派組織のリーダーから責められ、そいつを殺してくるように言われたらしい。
その時、店員が焦って、兄を厨房に呼び出す。テレビで、軍人である父が撃たれたというニュースが報道されている。兄は急いで現場に向かう。銀色1が、声をかけるが、全く無視。
銀色2は、店の後始末は私がしておくと店員に言い、鍵を預かって、急いで向かうように促す。
人間の肩を持つのか。銀色1は、腹立ちまぎれに、銀色1のイヤホンを裂いて、店を飛び出す。
一人になった銀色2。
窓を開けると、そこにはバンクシーの姿が。
銀色2はバンクシーに聞こえない声で語りかける。
どうして絵を描くのですか。それは銃より強いのですか。絵を描けない私はどうしたらいいですか。
10年後。
銀色1はすっかり銀色じゃなくなり、スーツ姿。
変わったと言う、銀色2にあれは若気の至りだと言っている。
銀色2は、まだ、お土産屋で働く。一回、就職した。でも、銀色は人間を滅ぼすと決めつけている上司の下だったので、給料も上がらず、我慢できなくなって辞めてしまった。
今時、時代遅れも上司もいるものだ。銀色1は同情する。
銀色2は続ける。私は迎合しない。
今、組織を作っている。宇宙船を直して、みんなで宇宙に戻ろうと。
そんな銀色2の言葉に、銀色1は答える。時代遅れはあなたの方だ。私は人間と結婚する。帰化して、人間となる。
立ち去ろうとする銀色1に、銀色2は、おめでとうと声をかける。
銀色1は、銀色2にずっと気にしていたとイヤホンを渡し、店を後にする。
銀色2は、暗闇の中、イヤホンをつけて、ただ静かに佇む・・・
シュールな設定で、重苦しさを感じさせない飄々としたノリで、話は展開するが、そこにはけっこう、人間がこれまで歴史的に犯してきた過ち、そして、それはこんな近未来の世界でも繰り返されるのだろうという、何とも変われない人間に意気消沈してへこんでしまうような感覚を得る。
歴史的な知識が欠けているので、適当にしか書けないが、銀色が発見されたという年は、新大陸が発見された頃だから、乗り込んできた白人と現地黒人の間の差別が始まり、長い年月、それこそ今だってきっと本当には解消されていない問題を含んでいるのだろう。
対馬などは、日本に西欧文化が流れ込んだ最初だろう。バンクシーも、パレスチナ問題などで名を聞く人だ。
自分たちの住む世界に、異なる者が入り込めば、同調か排除かみたいな選択肢を強いられる。
この作品では、どこか日本人らしい言動や考えが、所々に盛り込まれているように感じる。
日本のように水洗になっても、尚、トイレにフタを残すような文化だと、基本は臭いものにはフタをして閉じ込めよう、そして、自分たちに害が無いように流してしまおうといった考えに傾きやすいのかもしれない。無かったことにするのは得意で、従順なのか、教科書や報道で排除すべきものだと記されれば、それに盲目的に従ってしまう者も多いのだと思う。
シャイなところもあり、人と接する時に緊張してしまう。それを隠すためにオムツをする。そんなオムツをしているという後ろめたさを抱き、それを隠すために虚勢を張る。本当の心を開くのが苦手だから、同調路線はとりにくそうだ。
理屈っぽいのか、何をするにも理由を求めるのも、国民性かな。
ドリア一つでも、いちいちうるさい。食べたいから食べる。それでいいのだろう。
バンクシーにも、なぜ絵を描くのか、それが何に繋がるのかと考え込み過ぎる。きっと、描きたいから描いている。差別をなくしましょうみたいな意識は心の内にあるのだろうが、そのために描くというかは、今、やりたいことをしているだけで、それに理由がついてきているだけのように感じる。便意があるからオムツなのか、オムツをしているから便意が生まれるのかと同じような理論だろう。
自分が何をすべきか悩む銀色2。演劇をしたいのだったら、今、それをすればいいのに。理由をつけないと行動に至れない。それは色々なことで締め付けられ、この先に閉塞感を植え付けられているからそうなってしまっているのだろうか。それならば、銀色の正体は、今の若い世代じゃないか。
自分たちとは異質だから、すぐキレて怖いから、汗水流さないで物を右から左に流すことで楽して働こうとするから、ゆとりで生きてきたからきちんと管理するようにしないといけないと言われているから。そんな偏って植え付けられた偏見が、銀色を支配してしまっていて、そこで様々な形で銀色は自分たちを、世界を変えようとしている。
そんな構図も浮かんでくる。
迫害されたり、分かち合えなかったりしてできた傷跡はずっと残る。
でも、怒りが持続しないのと同じように、その痛みはずっとは続かないだろう。
傷跡を見て、あの時の痛みを思い出して、怒りをまた呼び起こすよりかは、もっと前向きな方法もあるはずだ。
この傷はあいつのせいでできたと思うのではなく、あいつのおかげでできたと変換してしまうのも一法なのかもしれない。詭弁に近いが、そんな考えを抱けるなら、楽にも生きれそうにも思う。
ラストは、そんな傷跡を飲み込めた銀色1と、その傷跡を自分たちの誇りやポリシーの象徴として、いつまでもあの時の怒りを奮い立たせようとし続ける銀色2の対比で締められている。
銀色2が、渡された新しいイヤホンで聞く音は、これまでの音と変わっただろうか。過去に囚われて、自分の怒りを増長するために聞く芸術では無く、自分のこれからを見詰めさせてくれ、新しい歩みへと進み出せる芸術に触れることが出来ていればいいように感じるのだが。
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コメント
SAISEI様
此方をお借りします。久々に観劇記録を(笑)1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、と申しますが早いですね(笑)
◎エクステ『夕ばえ作戦』KAVCホール
中学一年生の砂塚茂が古道具屋で手に入れた奇妙な筒はなんとタイムマシーン。
ネジを回せば突如、江戸時代の寒村に降り立っていた!
そこで茂が見たものは、村を襲う風魔忍者だった…
過去と現在を縦横無尽に駆け巡る、タイムトラベル冒険譚!
1960年代から現在に至るまで『時をかける少女』など数々の作品が一世を風靡しているSFジュブナイル。その代表作家の一人、光瀬龍の『夕ばえ作戦』をエクステが第3回本公演として戯曲化!
演出家・大塚雅史と若き役者陣がともに作るエネルギッシュな舞台にご期待ください。
【キャスト 紅影 】
砂塚茂:高安智美
砂塚陽子:平川光江
茂の父:湯川綾香
茂の母:竹中小百合
明夫:吉本尚加
五郎:髙橋伊純
礼子:藤原麻希
高尾先生:平野麻理恵
古道具屋の店主:根本さくら
小泉右京太夫:山口美咲
地虫兵衛:岡本夏実
青葉:岩田真憂伽
空蝉:小畑明日香
石神井の喜三太:松下友香
風魔小太郎吉春:人見円香
風魔小二郎高秋:朝日優希菜
狐狸斎:南愛美
悪多聞:清水かおり(TAKE IT EASY!)
摩利支天丸:藤澤美波
王仁王丸:野村由利加
風祭陽子:深谷弥彩
【あらすじ】
神戸に住んでいる中学生の砂塚茂は仲間の明夫・五郎・礼子と下校中に三日月という婆さんが店主の古道具屋から円筒形の道具ー三日月によるとタイムマシンらしいーを奪う。
盗んだ道具を預かった茂は翌日四人一緒にいる時に道具に附いているダイヤルを回す、という約束をしたものの待ちきれずダイヤルを回してしまう。
行き着いた先は300年前の戦国時代の神戸(かんべ)。村人達が逃げまどっている。そこに忍者が来て「お前は風魔か?」と問いながら斬りかかってくる。そこへ本物の風魔が襲って来るが茂は全員倒してしまう。失神した茂は村を治める代官小泉右京太夫によって囚われるが尋問しに来た右京太夫からタイムマシンを取り戻し現代に戻る。
翌日(かな?)明夫・五郎・礼子と再び戦国時代にやって来た茂。なぜか担任の高尾先生もついて来てしまった。代官右京太夫は茂に風魔と戦うことを依頼する。右京太夫によると風魔は徳川家康の江戸開府の折風魔の領土と引き替えに幕府に召し抱えるとの約束だったが徳川には伊賀者が仕えていたため反故にされ神戸近辺に流れて来て騒乱を起こしているらしい。村を守るのは伊賀者だが分が悪いらしい。
襲って来た風魔に高尾先生が捕まり茂が策を用いて(スパイがいるのをわかっていて偽情報を流した)助け出すも奪い返されたりする。
現代では父や母が遅くまで帰って来ない茂を心配していた。一度現代に戻った茂は妹の陽子の告げ口もあり古道具屋に行くことを禁止されてしまう。とは言っても高尾先生を取り返すため武器を手に入れに古道具屋に行く茂達。そこに茂の家族が追って来る。店主に頼んで古道具で壁を作る茂達。
戦国時代に行く度に激しくなる風魔との戦い。風魔と因縁のある伊賀者も。風魔の方も一枚岩ではないみたいで。風魔の首領風魔小太郎小二郎の妹風祭陽子と闘った茂は逃げる途中現代陽子を連れてきてしまう。風祭陽子は現代で茂の妹陽子との交流を通じて平安な生活の尊さを知る。 茂が現代に帰って来た時に兄に鉾を収めるように説きたいから戦国時代に帰りたいと訴え茂と共に戦国時代に帰る。風祭陽子は兄を説得しようとするが小太郎に斬られてしまう。
ますます激しくなる風魔との戦い。ラジコンを駆使する明夫や手製のロケット弾で援護する礼子。古道具屋の店主も元は伊賀者だったらしく風魔と闘っている。
伊賀者達は茂達にこれは私達の仕事だからお前達は現代に戻れ、と言われ現代に戻る。
高尾先生を戦国時代に忘れて来たことを茂が思い出して終り。
【感想】
大塚雅史さんの作演出は〔意識して観たのは〕佐藤太一郎企画その17『THE END'16』、劇団ほどよし『 MONOCHROME DIARY 〜読劇 風の又三郎』に続いて3回目かな。個人的には合うか合わないかでいうとバチッとは合わない印象。
今回は前から6列目ということもあってか出だし声が遠くちょっと入り込めない。出演者を道具に擬している場面はキレイ。スピーディーだが脚本がやや粗いか(例えば江戸時代の話なのに頻繁に戦国時代と言っている。また原作の場所設定は関東だが神戸に変えたために少し話が歪になっている)。少し説明不足な感も。役者も全体的にアクが強くないのでキャラ立ちせず印象に残りにくい。アクが強くない例としては自転車(バイクもしくは車?)で逃げるシーンなど乗り物が何なのかイメージしにくい。大塚さんは話の内容や流れより技巧に走るイメージか。
また四人組の一人礼助を今作品では礼子と改称。藤子不二夫漫画のように3人男1人女にするもそれほど変更した設定を生かしきれていないと思う。
スーツアクターの方が出演者におられたらしくその方が殺陣をつけられたとのこと。出演者はほぼ殺陣素人らしいのでそれを考慮すると悪くは無かったと思います。
照明プランも大塚さん。あるサイトの大塚さんの紹介に「その独創的ライティングで、関西屈指の照明デザイナーと呼び声も高い。」とあるがそこまでの好印象は無いかな。。
投稿: KAISEI | 2017年3月21日 (火) 13時40分
真紅組プロデュース『馬琴の手蹟 (ばきんのて)』近鉄アート館
曲亭馬琴は、苦境に立たされていた。
「目が見えなくなれば、字がかけねば…里見八犬伝が終わらぬ!」
版元の丁字屋は言った。
「口述筆記をする者をたててはいかがでしょう」
しかし、馬琴の書く文章は難解で癖が強い。
そして何より馬琴は、難解な男だった…。
白羽の矢が当たったのは、馬琴の息子の妻、お路。
「里見八犬伝」完結への苦難の道のりが始まった…
【キャスト】
《滝沢家》
曲亭馬琴:愛飢男
お百:野村ますみ
滝沢路:山本美和子
路の手蹟:Elm
吉田さき:福田真紀子
滝沢さち:松本祐子
応為(栄):阿部遼子
《丁子屋》
丁子屋平兵衛 :おかだまるひ(圜活〜まるかつ〜)
鈴:渡辺ケイ(本若)
松吉:鈴木康平
《登場人物》
伏姫:たもつ(シアターOM「うしとら」プロジェクト)
浜路:芳賀沙侑美(澪クリエーション)
玉梓:古田里美
犬村大角礼儀:DEW
犬飼現八信道:平宅亮(本若)
犬川荘助義任:髙島理(mannequineko)
犬坂毛野胤智: 橘耕作(空∞羽)
犬山道節忠与:北島顕
犬田小文吾悌順:阿形ゆうべ
犬江親兵衛仁:久保内啓朗(劇団ZTON)
犬塚信乃戍孝:永督朗(劇団明朗会計)
すぎはらひろゆき(たてびと)
梶原由美(たてびと)
河野祐記(たてびと)
竹折英雄(たてびと)
小坂和雄(たてびと/K-HEAT)
土岐省吾(たてびと)
松元水希(たてびと)
朴花菜
溝口大成(本若)
SANA
馬琴の目が見えなくなり馬琴の書く字が読めなくなってきた版元の丁子屋平兵衛。口述筆記を馬琴に勧めるが博学な馬琴に合う適当な人物がいない。口述筆記をやってみたが誤字があるなど校正がなってないと馬琴は旋毛を曲げる。
『南総里見八犬伝』の登場人物逹は馬琴の息子の嫁路の前に現れ路に口述筆記をさせようとする。路は面白味のない女。娘のさちにもそう言われている。路は姑のお百ともうまくいっていない様子。姑のお百はズケズケ言うタイプの女性で馬琴にも「医者のままでいてくれた方が」とか「読み書きのできない私をバカにしてるんでしょ」とか言う。
『南総里見八犬伝』の登場人物逹は路の口をふさぎ路のふりをして馬琴に「私が口述筆記を手伝います」と言う。『南総里見八犬伝』が完成したら登場人物逹が消えてくれるということを確認して路も納得。しかし路は仮名が書ける程度。馬琴に教えてもらい、また怒られて投げ出しそうになるときもあったが『南総里見八犬伝』の登場人物逹が励ましたりしながら書き進めていく。お百はヤキモチからか馬琴と路がずっと部屋に籠って書いてることに対して「できてるんじゃないか」みたいなことを馬琴に言う。今まで何を言われても怒らなかった馬琴は妻に手をあげる。家を出るお百。「迎えに行かないのですか?」と問う路やさちに「『南総里見八犬伝』が完成したら迎えに行こう」と言う馬琴。
時は水野忠邦が老中の天保の改革の時代。質素倹約と煩い。絵師の為永春水が人情本の内容が淫らであるとして町奉行所の取り調べを受け手鎖50日の刑を受けたことを苦にして死亡する。
丁子屋平兵衛まで奉行所に連れていかれたことが松吉によって馬琴や路に知らされる。『南総里見八犬伝』の続きが出版できない危機に。そこにさちがお百が亡くなったことを馬琴や路に知らせる。大きなショックを受け執筆せず自室に籠ってしまう馬琴。
『南総里見八犬伝』の登場人物逹はこのままだと『八犬伝』が終わらないと伏姫を中心にして全員で馬琴に念を送る。念が通じたのか部屋から出て来る馬琴。路の手蹟Elmさんが舞台に敷かれた板に書道パフォーマンスで文字を書いていく。そして完成。
『南総里見八犬伝』が完成したら登場人物逹は消えるはずだったのにまだいる。路が指摘すると伏姫は「いい顔になったよ」と言う。そして消えていく登場人物達。
上記の本筋の途中にちょいちょい『南総里見八犬伝』の名場面を挟む。
【感想】
出だしは声が届いて来なかったのですが徐々に良くなっていき最後は最高レベルに。2017年度暫定でMy best 1位に躍り出ました。脚本が上手く作られていて飽きることなく。配役のハマり具合も抜群。ベテランと若手の融合にリズムやテンポも良く間も最高。そして人間が描けている。最後の方はこの作品を観れて良かったぁ、と泪が1滴左目から漏れちゃいました。今これを書いていても感動を思い出して涙が出てきますね(苦笑)中心に愛飢男さん、山本さんがどっしりといてモブキャラ以外のキャストが全員立ってましたね。犬田小文吾がおネエキャラだったのには物申したいですが(笑)面白かったからま、いっか(笑)
お百が亡くなって馬琴がショックを受ける場面、路が「夫婦の関係ってうわべだけではわからないものね」みたいな台詞がとても印象に残ってます。
小劇場の観劇ブロガー諸氏の評価。
同じ回を観劇されていた観劇ブロガーのとみさん(「観劇とベランダ演芸と健康と」)も激賞されてましたし。それ以外にも
セントの最新映画・小演劇150本-演劇遍歴( http://blog.goo.ne.jp/signnoot/e/e58340ac8a83a68807aa19e585158b0d/?cid=2b2452d6629384586622a4651d28d9a8&st=0 )
習慣HIROSEさん( http://blog.goo.ne.jp/ponyasu007/e/b949ba8fa015f618594ae5737848059d )
「こりっち観てきた!」( https://stage.corich.jp/stage/80138/done )
と皆さん高評価です(笑)SAISEIさんが観劇されていたらどう仰るか。。残念です(><。)
投稿: KAISEI | 2017年3月31日 (金) 13時12分
SAISEI様
●熊の宅急便企画 第五回公演
『ようこそ、ご先祖様御一行』人間座スタジオ
遠い未来の遠い遠い星へ旅の果てにたどり着いた人類最初の宇宙移民船。
しかし星には出発前には認められなかった知性体の存在が。
「最悪の場合、戦闘もやむなし」と覚悟して降り立つ先遣隊。
そんな彼らの目に飛びこんできたのは、誰見まごうことなき人類の姿だった。
という訳で熊の宅急便企画いつのまにやら第五回公演
SF作品のお届けです。
【キャスト】
ヒロセ:木下 航
ロバート:坪田 直大(音声劇団 五里夢中)
アーシュラ:山中 麻里絵(劇団しようよ)
ダン:図書 菅(劇団ZTON)
ゲンリー:瀬戸 銀乃
人類初の宇宙移民に飛び立った移民船(9,000人ほど移民が乗っている)の機長のヒロセ,乗組員のロバートとアーシュラの3人。
ロバートは管制日誌を書いているらしい。それを見て「管制日誌は平の乗組員が書くものではないのよ」と言うアーシュラ。それ以外にもいくつか知識を披露するアーシュラ。「詳しいな。お前もSF小説好きだな」と見破るロバート。見破られてまごつくアーシュラ。
コールドスリープ。8万年後にお目当ての惑星に着くらしい。
危険音が鳴って目覚める。アーシュラがデッキに上がってきたときにはもうヒロセとロバートの2人は艦橋(デッキ)にいる。意見を機長のヒロセから求められるアーシュラ。目的の惑星の地表を観測したレーダーから進化した動物がいなかったはずの惑星に文明が存在おり知的生命体が居住しているようなデータが。3人の意見が一致したらしい。着陸艇で3人が惑星に着陸して調査することに。念のため武器を携行することに。アーシュラは徴兵制のある国出身だったらしくライフルを携行,他の2名はピストルを所持。
一方,惑星ではスーツの男2人が着陸した着陸艇の前で挨拶の練習をしている。「失礼の無いように」なんて言ってる。着陸艇のハッチが開く。「ようこそ!御先祖様方」と出迎えるスーツ姿の男2人。無言でヒロセ達3人はドアを閉める。「人間だよな」「『ようこそ』って聞こえたよな?言葉も通じる」「地球なんじゃないですか」「いや惑星の大きさも違っただろ」「とりあえず出てみよう」ということでもう一度ハッチを開ける3人。
スーツ姿の男2人によるとヒロセ達の第一次移民船が地球を出発した後に科学技術が長足の進歩を遂げた結果後から地球を出発したスーツ姿の男2人御先祖たちが3万年でこの惑星に辿り着きこの惑星に移民して既に2万年ほどが経っているらしい。つまりスーツ姿の男2人ダンとゲイリーは元地球人の子孫ということになる。自分達が最初の移民船だったはずなのに後から出発した移民船に抜かれて先に移民されている事実に複雑な心境のヒロセ達3人。世界初の宇宙移民のはずが先に移民されてるなんて。。
しばらくしてロバートは「惑星の案内をしてほしい」と言ってゲイリーに惑星を案内してもらうことに。ダンは「着陸艇の機内を見せてほしい」と言い機長のヒロセが艇内を案内することに。アーシュラはゲイリーとともに惑星を案内してもらうことを選択。後で落ち合う約束をして二手に分かれる。
機内を見たダンは「超古代文明を見ることができて」とか「簡素な船でよくここまで」という言葉を発する。その言葉に少し傷ついているような機長のヒロセ。だって地球を出発するときには最新鋭の宇宙船だったのだから。コールドスリープのせいで地球を出発したのが昨日のことのような気がするからかも。ダンは立てかけてあった写真に興味を示す。この惑星には写真はおろか動画など記録するものはないらしい。全部脳の中に蓄えることができるように人間は進化したらしい。小説や音楽,絵画など芸術も全くないとのこと。チラッとダンが呟く「昔は豊かだったんだ」という台詞が気になる。
ロバート・アーシュラもゲイリーに惑星の案内をしてもらいながらいろいろ話す。アーシュラ「意外と普通ね」。ロバート「未来には自動車が空飛んでるのかと思ったよ」。ゲイリー「自動車が空を飛んだらそれは飛行機です」みたいな話を。燃料コストの関係で見た目はあまり発展していないみたい。「コストを気にする未来なんて」と複雑な表情のロバート・アーシュラの2人。こちらも小説や音楽,絵画など芸術も全くないとのこと,を知った(はず)のロバート・アーシュラの2人。地球のことを訊いてくるゲイリーに怪しむアーシュラ。「着陸艇に戻りたい」とゲイリーに言う。ゲイリーは「ヒロセも居住スペースに案内されているから」とヒロセ達の移民船のために作られた居住スペースに向かうことを提案。ヒロセ・ロバート・アーシュラ3人は居住スペースで無事に合流。
居住スペースでも地球のことを訊いてくるダンとゲイリー。ちょうどあった酒をダンとゲイリーにふるまうことに。ダンは「これが酒というものですか。不安なときに酩酊して現実から逃避する飲み物ですね」なんて言ってる。ダンとゲイリー2人とも酒は口には合わなかったみたい。ダンとゲイリーが四季について尋ねてきたときにアーシュラはその質問を怪しみヒロセとロバートを引っぱって部屋を出る。アーシュラ「地球について基本的な質問ばかりであまりにも地球のことを知らなさすぎる。何らかの事情で地球と通信が取れなくなっているのでは」と。ヒロセとロバート「何らかの事情とは?」。アーシュラ「3つ考えられます。1つはこの惑星と地球が交戦状態にあること。2つには(忘れた。。)。3つには我々が幻覚を見させられていること」ヒロセとロバート「なるほど」。
3人はダンとゲイリーのいる部屋に戻り銃を突きつける。ダンはヒロセ達が自分たちに疑念を抱いてることを知り「その疑念は何か?」と訊いてくる。理由を述べるヒロセ達3人。ダンは「1つ隠していたことがあります」と語り出す。曰く,ヒロセ達の乗った最初の移民船が出発した後数回の移民船計画がそれに続いた。宇宙移民には膨大な水が必要らしく地球の水を大量に持ち去った。そのため地球のバランスが崩れたようでまずは気温が上がった。その後蒸発した水が雲を形成し太陽を覆い隠し今度は氷河時代のように寒冷な気候となり人類が住むことが出来なくなった。我々この惑星の人間はその時に地球を脱出した最後の移民船子孫なのだと。そしてヒロセ達最初の移民船がこの惑星に辿り着いた時のために居住スペースまで作って待っていたのだと。
ヒロセは「なぜこの惑星だったんだ」とダンとゲイリーに訊く。「別に他の惑星でもいいじゃないか。我々最初の移民船が目指したこの星じゃなくても」と。最初にこの惑星に移民できなかったことにまだ拘ってるみたい。「地球を見棄てた」みたいな言い方もしてたはず。ダンの隣で今まで黙っていたゲイリーが突然感情を爆発させて発言する「地球を見棄てたのはお前たちだ。我々の先祖がこの惑星に来たのはこの惑星までしか来れなかったからだ」と。地球の資源は枯渇していたのだ。ゲイリーを宥めるダン。
ヒロセ達は結局この惑星に移住する道を選ばず第2候補だった惑星に向かって出発することに。その前にありし日の地球の姿をダンとゲイリーに話すヒロセ達3人。
そして出発の日。ヒロセ達を乗せた移民船が目標に向かって出発する。(終)
【感想】
75分ほどの小品でしたが綺麗に纏っていて観やすい作品でした。熊の宅急便企画は旗揚げ以来の観劇。今後も期待です。ヒロセ:木下さんもいろんなところに出演されていてよい役者だなぁ,と。今回は坪田さんが印象に残りました。
投稿: KAISEI | 2017年4月10日 (月) 17時19分
●右脳爆発『三人分の欠陥』神戸アートビレッジセンター
【キャスト】
《火星へ行く宇宙船》
柳井:佐藤陽香
横脇:暮森芹
島田:川辺美紗子
原田:稲田祐二
《劇団》
勝浦:伊藤晴香
浅木:渡辺岳
高松:羽鳥冴(ユニットエストロゲン)
《就職の面接》
小脇:圓札愛里
橋本:浦涼平
《バイト》
雲雀:山本千尋
永井:佐藤奨士
【説明】
それは、
火星へ臨む船内の、
自由気儘な集団の、
空の言葉の交錯の、
嘘を交えた応酬の、
どこかで起きた、誰かの話。
過去、現在、未来、立ち位置は脆くも移り変わる。
時間を越えた視線の先で、描き出される真相とは――
右脳爆発が贈る、サスペンスコメディ!
【あらすじ】
御葬式の場面から始まる。御焼香、献花が一通り終わり喪主の長男から挨拶。「母は愛多き女性でした」と言った時参列者の間から「ビッチ」の声が飛ぶ。長男は声がした方を気にしつつ動揺しながらも話を続けるがしどろもどろになっている。葬儀担当者に次男と交替させられる。次男→長女と挨拶するもいずれも葬儀担当者によって途中で話を切られる。
(以下は4つの場面が交互に演じられる。ややこしかったので時間軸はバラバラでになっている)
▼火星へ向かう宇宙船の中。乗務員の柳井に乗客は原田、少し遅れて島田が乗船する。原田は「やっぱり下りる下りない」と言っては柳井に止められる。横脇が一番最後に搭乗。
▼某劇団の勝浦と浅木。火星へ向かう宇宙船が消息を絶った事件を次回の公演にするという話。ブラックボックスが残っていたようで消息を絶つ直前までは映像が残っている。その後何が起こったか推測する2人。高松という女性が客演で来る。ブラックボックスに残っていた映像に「酸素供給の機械が壊れて3人分しかない」みたいな会話があったことから柳井・島田・横脇が原田を殺害したと推定したりしている。
▼就職の面接に来た小脇。橋本が面接官。前の職場が違法労働だったとので「訴えたい」という小脇。バイト先の様子を盗撮している。
▼小脇のバイト先の店長永井とアルバイトの雲雀。小脇が無断欠勤している。
最終的には,宇宙船に向かう船に乗っていた乗客は薬の被験者の仕事だった。その副作用で横脇は多重人格者に。つまり各場面の小脇・横脇・高松は同一人物だったという結末。
御葬式会場で「ビッチ」と言ったのはバイト先の雲雀。
【感想】
ブラックボックスの音声が消えた後だったかなぁ。映像に合わせてアテレコする場面や小脇・横脇・高松が同じ人物と分かる場面だったかな。全メンバーが舞台に出てきて鏡のように同じ演技をする場面は綺麗にそろっていて秀逸。演出や役者のレベルは高い感じでしたね。内容はDVDでもう一回見ないとわからないですね。少し長かったかな。途中ダレました(笑)
投稿: KAISEI | 2017年4月13日 (木) 21時47分
●テノヒラサイズ『大豆の丸みに心打たれて生きろ』HEP HALL
植物状態の娘を見守る冴えない父親。
担当医は安楽死の決断を迫られ、
早とちりの彼氏は大金を手に入れる!?
一方その頃、殺し屋は誰かの命を救い、
インド人は察しのいい人と出会い、
世界平和を願うロバートの後輩は世界を乱す。
思い思いの想いが交錯するこの世界で、
冴えない父親は娘を救うことが出来るのか?
【キャスト】
先生(センジョウ):隈本晃俊(未来探偵社)
トメ:畦田ひとみ
砂井:松木賢三
正三郎:湯浅崇
栃尾:飯嶋松之助(KING&HEAVY)
トモオ:川添公二
カベータ・チョープラー:上野みどり
ひとみ:あだち理絵子
平和(ヒラワ):木内義一
【あらすじ】
(忘れている部分や時系列が間違っている可能性あり)
病室のベッドに上半身を起こした意識不明の若い女性。それを取り巻く医者達。「第三次世界大戦がドラえもんのせいで起こる」とかいう話をしている。最後に「病室が詰まっているから女性を早く処置してください」と中央にいるセンジョウ先生に向かって言う。みんなが去った後センジョウは注射器を取出し若い女性の腕に射す。
監獄に若い男性が連行されてくる。飯嶋松之助というこの男は監獄の男たちから「何の罪で逮捕されたのか?」と訊かれる。万引き,とわかるとため息をついた男たちは奥にいる砂井という男に金?を渡している。なんでも新たに収監された人間の罪状で博打をしているらしい。砂井は牢名主のような存在でこの賭け事には滅法強い。今日はもう一人入獄してくる囚人がいるらしい。みんなで罪状をかける。砂井は「殺人犯」と予想。センジョウが入ってくるなりみんなは「殺人犯や」と砂井に金を渡す。飯嶋松之助だけは諦めきれず男に「何の罪状や?」と訊く。センジョウは「殺人や」と答える。
砂井は看守に賄賂を渡しセンジョウと二人っきりになる。「話を聞かせてもらおうか。俺は殺し屋や。お前は人を殺すような人間に見えん」と。センジョウの話。
栃尾はトメとの結婚を許してもらおうとトメの父正三郎と対面している。栃尾と正三郎の話がうまくつながらない。栃尾は「お父さんをください」みたいなことを言っている。業を煮やしたトメは栃尾と父親を「馬鹿じゃないの。結婚はやめる」などと栃尾と正三郎をひどく罵って家を出ていく。そして倒れる。トメは前頭葉に損傷があり長くない命,そこで栃尾に自分のことを忘れてもらうためにわざと嫌われるような一芝居をうったのだった。
(栃尾とトメの出会いの場面)
スーパーの倉庫なのかな。在庫処理をしている。新入りバイトの栃尾は先輩バイトのトメに一目惚れ。名前で誤解して老婆の先輩パートひとみに告白する騒動もあったものの付き合うことに成功。ひとみは前もこんなことがあったなぁ,と回想する。
(ひとみの回想場面)
ひとみは若いころこのスーパーの倉庫なのかな。在庫処理をしている。このときはひとみが新入バイト。店長に察しが良いと賞賛される先輩バイトのトモオに紹介される。トモオの察しの良さで棚崩れから救われたりしたひとみはトモオに思いを寄せる。トモオもそんなひとみに「今日出会った女性と結婚するような予感がする」と告げる。そこに「インド人の女性が店内に侵入した」と店長がトモオとひとみを呼びに来る。インド人は店内で叫んでいる。店長は警察を呼んだらしい。「トモオ君察してあげて」という店長だがトモオも言葉が通じずまごついている。そこに警察官が到着,インド人女性に発砲する。その時にインド人女性をかばって胸に弾丸を受けるトモオ。インド人女性がおなかが減ってるだけ,と察したのだ。インド人女性は感激して「あなたと結婚する」と言う。トモオも「今日出会った女性と結婚するような予感がしたのは君のことだったのか」と。トモオはなおも「苺のようにかわいい孫娘が生まれる」と予言。
(ひとみの高校時代)
高校の教室でひとみと男子生徒3人が話をしている。平和という男子生徒がひとみ達に「dream on」の日本語訳は「夢を見る」という意味のほかに「夢でも見とけ!ボケ!」みたいな意味もあると教えている。平和は,戦争をなくすにはより強大な敵が現れたら今まで敵対していた者同士も同盟を結び団結して戦う,みたいな運動会理論なるものを提唱している(ようするに世界から戦争をなくすためには地球の平和を乱すものが来襲すると地球上の国々は一致団結するから世界は平和になる)。だから平和は「俺は神みたいな存在になって地球の平和を守る」みたいなことを言っている。ひとみは「私は英語を使って世界の人をつなぐ仕事をしたい」と語る。今はスーパーの在庫管理の仕事をしているがひとみは若いころはその言葉通り通訳になり活躍していた。そこに日米首脳会談の通訳依頼が来る。なんでもインフルエンザで他の通訳が全員倒れたらしい。久しぶりの通訳に緊張するひとみ。その時米国大統領があの「dream on」という言葉を発する。ひとみは迷ったが「夢でも見とけ!ボケ!」と訳し日米首脳会談は決裂。よく考えると米国大統領は「dream on」ではなく「doraemonはすばらしい」と言ったのだった。しかしこの決裂で第三次世界大戦が始まろうとしていた。「どうしよう」と悩むにとみ。そこに未知の物体が上空に現れ世界を恐怖に陥れる。平和だった。高校時代に言っていたように世界の平和を守るために―運動会理論を実証するために―敵となって現れたのだ。砂井は政府のお偉いさんから平和を迎撃するためにセンジョウとともに牢獄を出る。報酬は10億円。そのうち1億円を砂井は栃尾に渡す。戦闘機に乗り離陸する砂井。平和の未知の物体に飛び移る。実は正三郎はトメの産みの親でなく育ての父親で産みの父親は砂井だったのだ(ちなみに砂井はトモオの息子。だから察しが良かったのである)。理由があって(忘れた。。汗)友達の正三郎に娘のトメを託したのだった。
トメが助かるためには前頭葉を移植する必要がある。それには10億円のお金がいる,それでも助かるかどうかわからないと正三郎はセンジョウから告げられていた。正三郎は自分の前頭葉をトメに移植してほしいとセンジョウに言う。センジョウは正三郎の前頭葉をトメに移植して正三郎を殺してしまった罪で収監されたのだった。手術は成功。トメは回復。そこに1億円を持った栃尾が来る。トメは正三郎の前頭葉を自分に移植することを望まないだろうから1億円を持ってこなかった,と語る栃尾。1億円は〔病院を首になった?〕センジョウに渡す。それを元手にセンジョウは町医者になる。
最後は栃尾とトメが結婚してトメは「とちおとめ」に。「苺のようにかわいい孫娘が生まれる」というトモオの予言はこれだったのだ。
【感想】
今回は全員が白衣装。椅子ではなくハンガーラックをうまく使った演技でした。テノヒラサイズは3回目の観劇。いろいろ伏線をはりながら最後に回収していくのがテノヒラサイズらしい作品なんですかね。
投稿: KAISEI | 2017年4月14日 (金) 20時15分
●てんとうむし企画『ゴジラ』京都造形芸術大学高原校舎(映画学科)Aスタジオ
【キャスト】
ゴジラ:上原優人
やよい:杉原亜実
父:宮本伊織
母:池田きくの
姉:大谷葉月
妹:大塚菜々穂
祖母:谷日登美
ハヤタ:大橋直樹
レポーター:山本真莉
モスラ:東祐作
ピグモン:山本真莉
円谷:中山慎悟
【あらすじ】
1986年の出来事。三原山が噴火しそうになる。しかし噴火ではなくゴジラが山頂から現れる。
三原島のある家の茶の間で家族が娘に結婚を申し込んでくる男を断る演技をしている。姉が男役,妹が娘役。母と祖母もいる。断る口上が「裏千家で一子相伝だから(だったかな)」とか幾パターンかやっている。
長女のやよいが今日家に結婚したい男を連れてくると突然言ったため慌ててこんなことをしているらしい。そこに警察官のハヤタがやってくる。なんと警察官の分際で不法侵入に盗み聞きまでしている。ハヤタは長女のやよいの許婚。やよいの家族はやよいの連れてくる相手が財閥の次男だったらとか東大卒業でNTTに勤務していたらとか妄想をたくましくしている。ハヤタはそれを聞いて腰から銃を抜いてやよいの家族を「結婚を許したら殺してやる」と脅す。そこへレポーターが家屋内に侵入して実況中継をする。なんとゴジラがこちらに向かっているらしい。ハヤタもそれを知らせに来たのだがやよいのことで頭に血が上って忘れていたのだ。ゴジラと一緒にやよいが登場。ゴジラと結婚をしたい,というやよいに対して「何を言っているんだ。ゴジラに襲われているんだろう」と家族は話を聞こうとしない。ゴジラが一吠えする。みんながやよいの言うことを聞こうとしないから。やよいとゴジラとのなりそめを聞くとやよいが三原山の頂上付近で岩陰に生えた菫の花を見つけた時に岩が動いた。それがゴジラだったらしい。祖母がやよいを穢れを知らないように育てたせいでやよいはかなり浮世離れしている。やよいの妹たちもそう言っている。皆が反対する中意外や祖母が理解を示す。祖母の初恋はオタマジャクシだったとか。結局雌だったため初恋は実らなかったらしいが。しかし当然両親はゴジラとの結婚を許さない。(ここの場面だったか次の場面だったかわからないがゴジラにはミニラという子供がいたことがバラされ余計結婚を許してもらえなくなったり。ゴジラは意外と知的で進化論的な話もできたりするところもある。)
理解を示してくれてた祖母の回答も結局はNO。祖母を中心に家の守り神のモスラの卵に祈る。やよいの妹二人が「モスラやモスラ~♪」と歌う。モスラが卵からかえる。モスラはゴジラを見て「兄さん。久しぶりだな」と呼びかける。モスラはピグモンと結婚して尻に敷かれている。モスラの吐いた糸を紡いで売ることを生業としているらしいが商売は傾いているようだ。ゴジラは「結婚するからモスラに結婚式のスピーチをしてほしい」と。モスラは「誰と?」と驚きやよいと知ってピグモンとともに最初は反対するが徐々にゴジラの気持ちを知って賛成に傾く。仮想で結婚式を。来賓スピーチのガメラは一吠えだけ。ゴジラの父として円谷英二もやってくる。円谷はゴジラをやくざ者と罵りながら「お前には蚊ほども痛みを感じないと思うが心に痛みを知れ」と蹴る。しかしゴジラの思いを知って結局好きにしなさい,みたいな感じに。
やよいの父はたばこを吸いながら話をしてゴジラとやよいの結婚を許す。やよいの父のライターが点かなくてゴジラに「火を持ってないか」「健康に悪いからタバコは喫いません」みたいな会話が2回ほど繰り返される。ゴジラの「火吐きましょうか」に「焼け死ぬわ」みたいなのも。
そこに祖母がゴジラ退治の総司令官となってハヤタや自衛隊・アメリカ軍(だったかな)などと一緒になってゴジラを攻撃。全部ゴジラにやられてしまう。ハヤタはウルトラマンになってゴジラと格闘するが負けてしまう。ずっとやよいとゴジラの結婚に反対していたハヤタもついに賛成する。なのに突然ゴジラはやよいをあきらめるという。それは自分が人ではないから。人が人を思う気持ちに負けたから(かな。。)
三原山が噴火して島民は船に乗って脱出。「ゴジラは」と家族に問うやよい。家族たちやハヤタは先に船に乗り込む。〔ゴジラを演じていた〕男が最後に登場。やよいに「船に乗りましょう」と促して一緒に乗って終幕。
果してゴジラのことはやよいの白昼夢だったのかしら。
【感想】
ゴジラ役の役者は舞台観客側から右手側に高台を作ってそこで演技のほとんどを。ゴジラの高さを表現されてました。
投稿: KAISEI | 2017年5月 4日 (木) 20時55分
●Z system×神戸三宮シアター・エートーコラボ企画『キラメキ〜私はトビウオ、あなたは太陽〜』神戸三宮シアター・エイトー
【キャスト】
水原コーチ:中村なる美
村井礼音:佐藤美月(劇団そとばこまち)
太田真奈美:森下りお(Z system)
水原葵:小林愛実
鈴村陽子・吉田:増田佳世
金子・金村素子:掛江つばさ(劇団赤鬼)
吉永・堂島:松井悠理
佐藤さとみ:中原愛
月山コーチ:永津真奈(アライプ)
【あらすじ】
シンクロナイズドスイミングの練習中。コーチの水原は厳しいコーチのようだ。決めてあった練習回数の後も納得がいかないらしく練習を続けようとする。練習生たちがいきなり「happy birthday to you」の歌を水原コーチに歌う。今日は水原コーチの誕生日らしい。厳しいけれど練習生からは慕われているようだ。気をよくしたのか水原は「練習は終わり。解散。」と言う。解散後エースの鈴村陽子が残る。水原に「最近目を合わせてくれない」と抗議する。どうも水原に師匠と弟子の関係以上を求めているようだ。鈴村はよそのクラブのコーチに誘われそのクラブの合宿に参加し引き抜きの誘いが来ていることも仄めかす。「行かんといて」という水原の言葉に快感を抱くようで鈴村はクラブを去っていく。落ち込む水原のもとに佐藤さとみが歩み寄ってくる。「私はエースになりたいんです」と語る佐藤はクラブのエースが使用するロッカーに「私はトビウオ,あなたは太陽」という言葉が書かれている。佐藤は水原の若かりし頃のことを尋ねてくる。昔話を語り始める水原コーチ。
19??年の5月のジャパンオープン東京の辰巳国際水泳場。シンクロナイズドスイミングを初めて見て感動した中学3年生の水原葵はその感動した演技を行った京都育水会の真奈美のところに行く。礼音ら他の会員達に、迷惑がられながらも真奈美は水原の広背筋など筋肉の付き具合を褒めこの筋肉の付き方はシンクロではないね,と見ぬく。葵は和歌山県の紀伊スイミングクラブ所属の競泳選手で4種目にエントリー,1位2回と3位が2回という成績の選手だったのだ。
和歌山県の太地町の出身でなぜか和歌山県のことをよく知っている真奈美と和歌山県ネタで盛り上がっている。葵は夏の太地町の風物詩である大遠泳大会を無事全うできたら真奈美を追って京都の育水会に入会するという進路を選択する。交通費の節約のため東京から和歌山県まで泳いで帰った(らしい)
紀伊スイミングクラブの師匠であるサルに退会して京都の育水会に進むことを告げる。葵は大遠泳大会を無事に全うするために自分がおとりになってシーシェパードの目を引きつけるが2隻の船に挟み撃ちにされる。そこに紀伊スイミングスクールのサルたちが水原を助けにやってくる。シーシェパードの船に飛び移り咬みついたり引っ掻いたりする紀伊スイミングスクールのサルたち。しかしシーシェパードの銃によってサルたちは師匠をはじめ全滅させられてしまう。
ここまで聞いた佐藤さとみがサル云々のくだりは「まさか」と言うが水原コーチは「寓話だとでも思っておきなさい」。と言って話を続ける。
受験勉強をはじめ京都の女子高校にめでたく合格。早速育水会に行き真奈美に出会う。「お久しぶりです」という水原を真奈美は最初忘れたふりをしておちょくるが「約束は守るんやね」と言って迎える。真奈美はちょうど村井礼音ら他の会員たちに責められていた。会話から現エースの真奈美は元エースの飯島先輩という会員をやめさせたようである。真奈美は「やめたい人はやめれば」と礼音の言葉に耳を貸さない。礼音の話では前にデュエットを真奈美と飯島先輩が組んでいたのだが真奈美がペアを組む相手を飯島先輩から礼音に変えるように月山コーチに望んだため飯島先輩が外されその後クラブに来なくなったそうだ。礼音がコーチの月山に飯島をクラブに戻すように話しに行っても月山コーチは「チームはエースを中心に組むのが当たり前」と取り合わない。そこで礼音が真奈美に飯島先輩をクラブに戻すように直談判しているのだった。水原はエースが使うロッカーを知らずに使っていたためイライラしている礼音達に服を叩きつけられ怒られる。礼音達が去った後真奈美は一人で練習する。水原も残って真奈美の練習を見ている。
全体練習。プールサイドで先輩会員達に教わる水原は月山コーチの弁当を選手たちが順番で作って渡していることを聞かされる。会員の中には和久傳の高級弁当を弁当に詰め替えている娘もいるらしい。京都らしい嫌味みたい。
次の大会は飯島先輩の件が尾を引いてチームはガタガタ,惨敗する。一番表彰台の可能性のあった真奈美でさえも入賞もできず。
大会後,一人で練習している真奈美に礼音ら他の会員たちが話をしようと言いに来る。真奈美は相変わらず「話しても無駄よ」と取り合わない。会員二人が「もう辞める」と泣き出す。真奈美は一瞥もせずに「辞めたい人は止めればいい」と口に出して言う。それを聞いて余計泣いてその場を去っていく二人の会員。追いかける礼音たち。その礼音たちのもとに水原が育水会のメンバーが仲良く泳ぐ絵を描いて持ってくる。「こんな風に泳ぎたかった」とまた泣く二人の会員。そこにアメリカンポップが流れてくる。礼音は「真奈美がかけたんだと。あの時もそうだった」と昔話を。
数年前,小学2年生から育水会に来ていた真奈美はいつも無口だった。その真奈美が小学5年生の時に自分から「この曲でやりたい」と言って持ってきた曲(真奈美の母が好きな曲らしい)だという。真奈美はそこからみんなに溶け込んだのだと。
この後,退会は誰もしなかったようである。ただまた大会は惨敗する。その後真奈美は練習に来なくなる。心配した水原は真奈美の通学高校まで訪ねていく。そこに片足を骨折した真奈美が現れる。水原は「骨折して泳げなくても練習には来てほしい。いてくれてるだけでみんなが安心するから」と懇願する。真奈美はそれに応えて練習にやって来る。このことからチームに一体感が生まれる。が,次の大会はエースの真奈美を欠いていたため惨敗。真奈美が復帰するが回復後のこともあり国体は見送ってその次のタイである国際大会に照準を合わせることに。みんな真奈美に必死で追いつこうとする。
タイの国際大会。真奈美が現れない。月山コーチによると真奈美は急病とのこと。急遽水原が月山コーチから指名されデュエットで礼音と組むことに。銅メダルを獲得して帰国する。
ロッカーを片付けている真奈美。そこに水中眼鏡を取りにロッカールームに水原が入ってくる。「なぜタイに行かなかったか聞かないの?」と問う真奈美に水原は「急病だったんでしょう?」と。真奈美は本当のことを語る。私が幼いころに父と母が離婚した。私は会社を経営しているに引き取られた。シンクロナイズドスイミングも母が真奈美に始めさせた。なのに母は仕事が忙しくて試合にも来てくれない。いやたった一度だけ,あの小学5年生の母の好きなアメリカンポップの曲を使用した試合の時だけ来てくれた。自分が良い成績を取ればシンクロナイズドスイミングを続けていればいつか母が来てくれるかと思って頑張ってきた。しかし母の会社の経営が苦しいらしい。タイまでの遠征費が出せない,そしてシンクロナイズドスイミングを続けていくことができなくなった,と。「だから私止める」と告げる真奈美に水原は「私は続けます」と宣言する。そして真奈美に抱きついて「あなたの背中を追いかけてきた」と独白するように真奈美に言う。そして泣くように真奈美に「出て行け」と叫ぶ。真奈美はそんな水原に「シンクロ好きだった」と言って口づけする。
水原が佐藤にした話を佐藤は会員みんなに話したみたい。会員みんなニコニコしている。水原コーチが自分達と同じような時代があったことがわかって嬉しそう。
【感想】
初演は十三 BlackBoxx。元々Z systemに興味を持っていたものの2回公演を逃したのかな。。で,予約しようと思ったら完売。諦めきれずチラチラ見てたら復活(笑)即予約。シンクロナイズドスイミングをテーマにした作品ということで若干不純な動機もあり観劇しましたが上演中全く不純な思いを抱くことなくただただ感動したのを覚えています。特に主演の三田みらのさんがどんどん魅力的に見えて(笑)佐藤美月さんも良かったですね~。裏話なども検索して見つけては読み漁ったものでした(笑)
今回は小林愛美さん,森下りおさん,佐藤美月さんが前回に続いて出演。小林愛美さんが水原役。やはりどんどん魅力的になっていかれたものの台詞回しなど前回の三田みらのさんを髣髴させるものがありそこが前回作品を超えれなかったかな,と個人的には思います。森下りおさんが太田真奈美役で今回一番印象に残りましたかね。さすが2回目。佐藤美月さんは前回と同じ村井礼音役。安定安心の演技でした。
神戸三宮シアター・エイトーめちゃ良い劇場ですよ。一度是非(笑)
投稿: KAISEI | 2017年5月 8日 (月) 17時41分
SAISEI様
◎オッドテーラーズ×MicroToMacro×カヨコの大発明合同公演『3MAP』
2016年4月に開催された小演劇界のドリームマッチ「30GP」
その決勝戦に勝ち上がることが叶わなかった
「オッドテーラーズ」「MicroToMacro」「カヨコの大発明」の3団体が
「おもろいことやろう!」と集結し『30GPの負け犬集めたパーティー』
通称『3MAP(サマップ)』を結成!
1団体30分の短編作品をオムニバス形式で上演します!!
●MicroToMacro「夜空ノムコウ」
【キャスト】
クサブエナギ:たにがわさき
シンゴ:小谷地希
ゴロー先生:泥谷将
ナカイ:石井テル子
キムラタクノスケ:田村晃司(Violin)
ここは地球穏やかな冬の日可愛らしい歌声が聴こえる中
遥か彼方にぼわんと浮かんだある光
ん?なんじゃありゃ
見つめているとそれは、ぐんぐん近づいてくるではないか
うあ‥うああ〜
目の前までやってきた!速さマックス!光の強さマックス!
巻き起こす風の力もマックス!つまり色々マックス!
うああああ〜!
プッシュ〜。
降り立ったヤツは言った
「ハロー会いたかったよ」
これはヤツとヒトと地球とその夜空の向こうの小さなお話
【KAISEIあらすじ】
ナギ(たにがわさき)とゴロー先生(泥谷将)、シンゴ(小谷地希)が「夜空ノムコウ」を歌っていると宇宙から光が。衝撃とともに現れたのは変な格好をした女性(石井テル子)。しばらく変な音を出していたが日本語モードにチェンジして「ナカイ星から来たナカイ」と名乗る。気がついたシンゴが周囲を見回すとナギは「お母さん」と呼んでアルプス一万尺を一緒にやっている。慌ててナギをナカイから引き離すシンゴ。ゴロー先生を起こそうとするとゴロー先生は頭から血を流している。しかしナカイが不思議な能力を使ってそれを治す。警報は未確認生物を見つけたら処分するよう何度も放送している。ナギとシンゴはナカイを匿うことに。
ナギとシンゴも冥王星人とか言って変な格好をしている。ゴロー先生はそんな二人を叱る。そしてナカイにも「変なこと教えんといて」と言う。「ええ歳して変な格好して」とも。ナカイはゴロー先生に自分の能力を見せる。
ゴローにはかつて恋人がいた。恋人は宇宙飛行士になり消息を絶っている。その記憶。
ナギが家に帰ると母親からの置き手紙。ちょっと家を出るとのこと。泣いているナギを慰めるシンゴ。二人はゴロー先生に引き取られる。ゴロー先生はナギのことは知っているがシンゴのことは知らないみたい。「お前は誰だ」と訊いている。シンゴは名前も忘れていて「前は沢山仲間がいたけど自分しか残っていない」と言う。ゴロー先生はシンゴという名前を与える。二人を引き取り親代わりになった時の記憶。
ナカイは空から降りてきた時に空気の振動を感じた。「それは何?」とナギに訊く。ナギが「歌」、シンゴは「音楽」だと教える。ナギとシンゴはSMAPの「夜空ノムコウ」を教えるがナカイはひどい音痴である。キム爺ことキムラタクノスケ,略してキムタク(田村晃司(Violin))もバイオリンを弾いて演奏する。
海に行った時にも歌の練習をするが相変わらずナカイは音を外している。「無駄や」と言うゴロー先生を無視して音を外したナカイと合わせることに。ナギと素敵なハーモニーとなる。
ナギは結婚→出産→息子の家庭内暴力→ゴロー先生の死→おばあちゃんとなる。シンゴはずっと歳を取らない。
ゴロー先生は死ぬ時にナカイに「宇宙人やったんやな」と言って没す。「ずっとコスプレして着替えもしないからわかるよ」とも言いつつ。
長らく消息を絶っていた宇宙船が地球に帰って来た。降り立つ宇宙飛行士にゴロー先生とナギが駆け寄る。
未確認生物が大量に地球にやって来る。迎撃する地球。シンゴは「僕が何者かわかった」と言う。
●オッドテーラーズ「Fly」
身長差と年齢差が半端ないユニット『オッドテーラーズ』活動休止前の最後の作品にして、初めての書き下ろし作品!
そうです!実はオッドテーラーズ、今まで上演した作品すべて再演作品でした!
今作のストーリーや出演者は今はまだシークレット!今後Twitterで随時発表!(@oddtailors)
いま言えることはひとつだけ!
「君ハ今スグ飛ビ立テルノサ」
【キャスト】
塾講師:槌谷直樹
【KAISEIあらすじ】
塾の講師が刑事に取り調べを受けている。講師は語る。「蝉が無くと夏だと昔は思いましたが蝉がウルサイと思うようになったのは大人になったんでしょうかね。昔はノーベル賞を取ることが目標でした。取る方法知ってます? 難しい問題を解く? いやいやそれだけではなく自分で難しい問題を見つけてそれを解くんですよ。私はノーベル賞を取るため順調に大学院まで進みました。そこでデキ婚してしまいまして大学院を辞めて今はしがない塾講師です」と。
夏期講習中の7月。汗がじっとり滲む授業後中。死んだ魚のような目をした塾生を前にして心の中でわたしの若い頃はもっと知的好奇心があったと呟く塾講師。いきなり黒板に「このクラス全員がこのビルの7階から飛び降りたら生き残るのは何人? 」と書く。普段の塾講師は無駄話を全くしないタイプの先生らしく塾生たちは様子を窺っていたがそのうち熱くそれについてみんなで議論し始めた。喜んだ塾講師は往年のテレビドラマの熱血教師風に「その知的好奇心を忘れるな」みたいな演説をぶつ。
しかし杉本という塾生が蒼白でいるのに気がつく。受験ノイローゼらしいから気をつけてくれ、と聞いていたことを思い出す。「落ち着け」とできるだけ優しい声で肩を掴んだ瞬間,杉本は窓に突進し窓から飛び降りた。地面に叩きつけられる音がする。上から下を見下ろすとありえない方向に曲がった手足と大量に流れる血液。パニクる塾講師だがもっと仰天したのは塾生たちが平気でいたこと。杉本の落ち方について論評している。その中心となっていたのが佐伯という男子塾生。塾講師はこのとき初めて佐伯がクラスのムードメーカーであることを知る。
佐伯は「頭から落ちたからダメなんだ。五点着地すれば大丈夫」と言い飛び降りる。地面に叩きつけられる音がする。それについて熱く論評する塾生たち。次に論評の中心となっていたのは渡辺という女子塾生。塾講師はこのとき初めて渡辺がクラスの級委員タイプであることを知る。渡辺も「飛び降りるときにパンツ見ないでね」と言って飛び降りる。地面に叩きつけられる音がする。
その後も次々と思い思いに飛び降りては地面に叩きつけられて死んでいく塾生。塾講師はそれを止めることもせず徐々にそれに魅了されていた。気が付くと二十人ほどいた教室にはただ一人しか残っていない。柏木という優秀な塾生だった。柏木は「飛び降りて死んだ奴をクッションにすればいいんですよ」と言い飛び降りようとする。ようやく正気に戻った塾講師はそれを止めようとするが「答えが知りたくないんですか? 」という柏木の言葉に止める手を離してしまう。地面に叩きつけられる音がする。上から下を見下ろすととんでもない状況に。
そこに中谷(たにがわさき)という塾生が遅刻してくる。「あれ誰もいない。今日って授業ありましたよね? 」と能天気に言う中谷に対し塾講師は「全員飛び降りなければ答えがわからない」と迫っていく。窓際に追い詰めた中谷を窓から突き落とす。
刑事に対して塾講師は「私は大量殺人なんか起こしていません。私が殺したのは中谷だけです。」と語る。「11月なのに蝉がウルサイですね。」
●カヨコの大発明「俺たちに明日はある」
【キャスト】
漫画家イイジマアリス作画? 担当:有元はるか
アシスタント? キンちゃん:田川徳子(劇団赤鬼)
漫画家イイジマアリスネーム? 担当:酒井美樹(四畳半ヤング)
人生において、大失敗するなんてことは、生きていればそりゃいくらでもある。
今日という一日をもう一度朝起きたところからやり直したいと思うことは一度や二度ではない。
しかし、だからといって本当にやり直すことは、それは正しいことなのだろうか…。
君はどう思う。そう、君だ。これを読んでいる君だ。こんなところを読むなんて随分暇なんだな。
君ならどうする?もし今日をもう一度やり直せるなら。もし今日を「明日」にできるなら。
家内制手工場演劇ユニット「カヨコの大発明」が贈りする女だらけの大SFファンタジー短編。
【KAISEIあらすじ】
出だし3人がヒーローものみたいなことをしている。その時にキンちゃん(田川徳子)の手がインク瓶に当たって倒れインクを溢す。仕上げにかかっていた原稿がインクまみれに。明日までに原稿を仕上げなけらばならないのに。そのあと漫画家イイジマアリス作画? 担当(有元はるか)と漫画家イイジマアリスネーム? 担当(酒井美樹)がちょっとした言葉の行き違いから喧嘩になり解散するなんて話になる。その後険悪なムードになるがネームアリスが軽食と仮眠を提案。作画アリスは「間に合わないやん」と言うもネームアリスが「休憩も大事やで」と言って軽食と仮眠を30分取ることに。
キンちゃんが仮眠を取っていると漫画の主人公の宇宙探偵(有元はるか)が現れる。宇宙探偵はストーリーの中ではオーブで過去に戻ることができるらしい。キンちゃんは宇宙探偵に頼んでインクが倒れ喧嘩が起こる前に戻ることに。
インクが倒れる前にキンちゃんは戻る。しかしほどなくちょっとした行き違いで作画アリスとネームアリスが険悪なムードになり「解散だ」となる。その状況に慌てたキンちゃんはインク瓶を倒してまたインクを溢す。
また宇宙探偵(有元はるか)が現れる。キンちゃんは宇宙探偵に頼んで喧嘩の原因となっている原稿の遅れを取り戻すためもっと前に戻ることにする。しかしまたちょっとした行き違いで作画アリスとネームアリスが険悪なムードになり「解散だ」となる。その状況に慌てたキンちゃんはインク瓶を倒してまたインクを溢す。
また宇宙探偵(有元はるか)が現れる。キンちゃんは宇宙探偵に頼んでまた過去に戻ろうとするが宇宙探偵は「3度目か」と呟き過去に戻っても「動かしがたいことは変えられない」と言う。
そこでキンちゃんは作画アリスに揺り起こされて起きる。「宇宙探偵に会って過去に戻った」というキンちゃんを「疲れて頭がおかしくなったんあんたのせいやで」とネームアリスは言う。しかしキンちゃんの「動かしがたいことは変えられない」という言葉に反応する作画アリスとネームアリス。
※ネームとは( http://imaking.hatenablog.com/entry/2015/12/15/115816 )
前にうったままの状態です。若干途中っぽいですが。。もう詳しい内容も忘れているし投稿しちゃいます(笑)
投稿: KAISEI | 2017年5月15日 (月) 22時57分
●劇団21世紀枠『さよなら海月記』5BAN
【キャスト】
浦上亮太: ばらぞのイズワンダフル(はちの巣座)
飾間葵: プリム
山本茉莉: 坂本美乃莉
菅原カレー: 木村香耶
菅原大黒: 黒筋郊外ビル
広畑みさき: 各務青湖
北枕帆布: 芽利野大輔
平松貴子: 都呂路あすか
平松博也: 今田翔大
日笠由紀: 葛野(はちの巣座)
【あらすじ】
(オープニング)
浦上亮太が平松貴子をストーカーしている。貴子はそれに気づく。日笠由紀がそれを見張っている。貴子は男性(平松博也)と待ち合わせしていたらしく抱き着いている。それを見てショックを受ける亮太。亮太は部屋に帰ってくる。出迎える北枕帆布。帆布は亮太に「シャワーを浴びる?食事をする?」と訊く。「平松貴子に彼氏がいた」と亮太は帆布にグチる。シャワーを浴びる亮太。帆布が見に行く。帆布の叫び声が聞こえる。
探偵事務所。菅原大黒が座って脳みそみたいなものを触っている。広畑みさきが入ってくる。みさきがコーヒーを入れ二人で飲んでいる。所長の山本茉莉が帰ってくる。茉莉見積書みたいなものをみさきに渡す。広畑みさきは大学生でオカルト研究会に入っているらしい。菅原カレーが降りてこない。二階でゲームをしている。カレーを無理やり二階から連れて来て会議を始める。今回の案件は氷柱女から「男を見つけてほしい」との依頼。解決しても報酬が寒天ということと氷柱女に男が殺されたら殺人幇助になる,断ろうという雰囲気になる。しかし「自殺したい人ならちょうどいいんじゃない」という意見も。孤独計という孤独度を測るもので浦上亮太の存在が分かる。ちょうどその時,飾間葵という女から「依頼の件ですが見つかりましたか?」と電話が。言いよどんでいると何故か電話を通じて飾間葵は浦上亮太の存在の存在を知ってしまう。さすが妖怪。亮太のマンションの部屋に向かう葵。探偵事務所の面々も葵を追って亮太の家に向かう。
葵は亮太のマンションの部屋を訪ねる。亮太が出てくる。トイレを借りる葵。その間探偵事務所の面々も亮太のマンションの部屋に到着。訳を話す探偵事務所の面々だが宗教勧誘かと怪しむ亮太。そこに葵が貴子の顔でトイレから出てくる。驚く亮太は貴子にストーキングしていたことを土下座して謝る。それを見て部屋から出ていく葵。探偵事務所の面々が葵が氷柱女であること,葵の目的を説明する。ようやく納得する亮太。葵が部屋に戻ってくる。二人はカップルになる。「10日後に様子を見に来るわ」と茉莉が言い終えて探偵事務所の面々は帰る。
貴子は博也と会っている。二人は兄妹らしい。貴子は博也の彼女のことを訊いたりしている。博也の彼女はいなくなっているようだ。そのうち貴子は博也に「50万円貸してほしい」と言う。渋る博也だが「昔私の下着盗んだでしょう。下着ドロのことばらすわよ」と言われて「何に使うんだ」という質問にも答えてもらえず「何に使うんだ」という質問にも答えてもらえず渋々貸す。貴子は由紀に亮太の行方を調査してもらっていた。そのために金が必要だったのだ。由紀はついに亮太のマンションを突き止める。由紀はその報告を貴子にするが「もう少し調査をするから待って」といい調査を続ける。亮太は部屋で葵とラブラブ。その部屋に貴子が乱入する。由紀の後をつけて亮太の部屋が分かって葵とラブラブする亮太を見てたまらなくなって乱入したらしい。ちょうど約束の10日後だったのか探偵事務所の面々も到着。大黒ロボとなった菅原大黒や由紀,そして貴子をつけていた博也も相次いで部屋に乱入する。由紀は博也と婚約していたらしい。由紀は実は幽霊だった。だから博也のもとから去ったらしい。結局博也と由紀は元鞘に収まる。貴子と亮太については貴子は亮太のストーカー行為に気づいていて逆にストーカーしていたらしい。貴子は「葵よりも私のほうが先に亮太を想っていた。亮太と付き合いたい」と。亮太が部屋を出ていく。北枕帆布が現れ亮太のことを語る。亮太は現実がつらいから仮想の彼女を作っていた。それが葵〔だったのかな? ちょっと時間が空いて忘れた〕。葵が博也と会っているのを見て彼氏と勘違いして傷ついた。帆布は人に取り憑いて首を括らせるとされる妖怪縊鬼だが亮太のことを応援していた,と。
みんなが亮太を探しに行く。亮太は海の中で海月になっていた。葵が亮太を助けに来る。亮太は助かるが〔たしか〕水に触れたせいで氷柱女の心臓が溶けて葵が死んでしまう。大黒ロボが葵に亮太の心臓を移植する。亮太には葵の溶けた心臓を寒天で固めて移植する。二人は生き返る。
貴子が亮太のマンションに訪ねてきて亮太に謝る。(終)
投稿: KAISEI | 2017年5月30日 (火) 21時26分
◎劇団暇だけどステキ『時計葬』大阪市立 芸術創造館
【説明】
舞台は暗殺がビジネス化している世界。
いつでもどこでも人を殺せる世界。
そんな世界の片隅で男は笑っていた。
何も思い出せないまま
男はただ笑っていた。
『健やかなる時も殺める時も
仕留める時も貧しい時も
ずっとアナタと 一緒に居たい…
そう、言いましたよね 』
【キャスト】
綾瀬幸彦:井上キホー
綾瀬希海:若木志帆
綾瀬一美:西田美咲
佐藤陸:小出太一
そうじ:セキモトシゲアキ (Litmus)
かずみ:宿見朱美
屍森乃進:北敬裕
屍留子:野村千寿子
屍早雲:堀真也
屍早紀:こうめ
屍由梨:木村雪夏
屍憲治:今西刑事
太郎:坂口勝紀
鈴木良恵:おさみき
鈴木勉三:酉帝冴羽座
鈴木大成:飯田巧
田中大:浜崎 聡
田中玲:加藤遥子 (舞夢プロ)
剛田:伊与田千世美 (劇団Pinocchio)
骨川:井上誠
聖夜:中島啓
まみ:山中麻里絵 (劇団しようよ)
みか:中原こころ (劇団ひまわり)
【舞台美術】
客席から見て左上にスクリーンがありそこに映像が投影されている。後述するCMはここに投影され舞台が始まる。奥の真ん中にそこそこ大きな時計を模した絵?が。後述するように一美が記憶を奪うシーンで時計が逆回りする。右側には緩やかなカーブを描いて少しずつ上がっていく通路が。全体的に奥が高くなっている舞台。
【あらすじ】
綾瀬幸彦がパソコンを視ている。CMを何度もを見ているみたい。娘の綾瀬一美が「御飯ができた」と呼びに来る。幸彦は一美にもCMを視せる。それは暗殺を請け負う村のCM 。「姑や悪ガキをあなたのところに連れて来た元凶である旦那を殺しましょう」など言っている。幸彦はそれを何度も視ている。そしてこの村は暗殺を観光業にしていてテーマパークを作ってるようだ。幸彦は「そこに行こう」と一美に言う。一美は腕を上げてクルッと回すと幸彦の記憶を奪う。
(オープニングダンス含むなどで以下のことを)
暗殺者は風俗に客の女を沈めたホスト聖夜を殺害したり部下をイビる上司を殺害したりしている。
希海が次々と標的を殺害している。そして偶々幸彦に殺害現場を見られてしまう。掟に従い幸彦を殺そうとする屍希海だが幸彦は「見られたのはあなたのミスじゃ」と抗弁する。
(オープニングダンス含むなど終了)
暗殺者の村(テーマパーク)の入口。まみ・みかが田中大に金属探知機でチェックを受けている。そこに幸彦と一美も並んでいる。チェックを受けたときに大は幸彦と一美の顔に記憶があることに気づく。一美は腕を上げてクルッと回し大の記憶を奪う。
その頃暗殺村の屍家では憲治が篠田麻里子の曲を聞きながら腕立て伏せをしている。姉の由梨が柏木由紀の曲に変える。その事から姉弟喧嘩になる。義母の早紀が居合わせるが止められない。由梨は「同い年の女を母親なんて呼べるか」と憎まれ口を叩いて出て行く。そこに由梨・憲治の父親早雲や祖父で屍家当主森乃進・祖母留子・犬の太郎が入ってくる。話から暗殺村テーマパークの案は早紀の発案らしい。ただ剣呑な話も。暗殺者を暗殺する暗殺者が村に潜入したらしい。
しかし暗殺者の剛田と骨川はすぐに掴まり殺されたり拷問にかけられたりする。
テーマパーク内で佐藤陸は幸彦と一美にばったり出会う。陸は幸彦たちを自分のショーの場所に連れて行き一美には「どうしてここに来たんだ。直ぐに帰れ」と言う。一美は「CMを視てどうしても来たいっていうから。記憶を奪ってるんだけど効果が無くなってきて」と答える。別室で何かを思い出しかけている幸彦。気分が悪くなる幸彦。陸は幸彦と一美を出口まで送っていく。幸彦たちは隣町の宿屋に泊まっているらしい。
幸彦は希海の殺害現場を目撃した後,希海と結婚してそうじとかずみという兄妹をもうけていた。暗殺を生業とする村を肯定できない幸彦。希海も幸彦にバレないように密かに兄妹に暗殺術を教えるが徐々に護身術と説明し人を殺害することを否定するようになっていく。幸彦との会話から悪いヤツを暗殺するのは当たり前と思っていたが暗殺したヤツに子供がいたのを見たことから心が揺れ動き幸彦の件で人を殺すことを否定するようになったらしい。しかし屍家当主の家に生を受け森乃進から次期当主とのぞまれている希海の旦那が人を殺したことがない、というのは村人達に示しがつかないうえにそうじとかずみにも暗殺させるように迫る森乃進達。希海は幸彦・そうじ・かずみと村を出て行く決心をする。森乃進達はそれを知り幸彦を誘きだして殺害することに。しかし誘きだす太郎は幸彦を逃がそうとする。しかし森乃進達はそれを察知し行く手を阻む。森乃進は幸彦に「一人で村を出て行くか暗殺を生業とするか」を迫る。どちらも拒否する幸彦。その頃そうじ・かずみのもとにも暗殺者が襲いかかる。かずみはそうじに希海を呼びに行かせ自分は暗殺者と闘い倒す。しかし人を殺したくないかずみは暗殺者を殺せない。自分達を殺さないことを条件に許そうとするが油断した隙に暗殺者に襲われ殺されかける。そこにそうじが戻ってきて落ちていた暗殺者のピストルで暗殺者を撃ち殺す。そこに希海も到着。幸彦が危ないことに気づき幸彦の元へ。幸彦が森乃進達に囲まれている場所に希海・そうじ・かずみが到着。希海は「屍家に縁切される」提案をし森乃進はこれを容れる。しかし希海の弟の早雲は今まで姉の希海が次期当主を襲うと思っていたこともありこれに納得できない。密かに希海の一家を皆殺しにするように命令する。幸彦達を先に逃がし殿軍となって追っ手を防いでいる途中銃弾を受け瀕死の重傷を負う希海。親友の鈴木良恵に匿われ逃がしてもらう。以心伝心か。逃げている途中に幸彦は希海の声を聞く。その方向に行くと希海が。幸彦の腕の中で希海は絶命する。最期の言葉は「父子3人でずっと笑っていてね」だった。悲しみにくれる幸彦からかずみは記憶を奪い(記憶を奪う術は珍しく歴代3人目らしい)希海はトラックに轢かれて亡くなったことに記憶をすり替える。そうじは母親の持っていたピストルを手に取り「このままでは幸彦と自分はかずみの足手まといになる。自分が村に戻り母親は追っ手に幸彦とかずみは自分が殺害したことにする」と言って村に戻る。村に戻ったそうじは森乃進に鍛えてもらい佐藤陸として生きていた。
幸彦と一美が村内にいることに気づいた早雲は幸彦を襲って攫う。攫われた幸彦は閉じこめられた部屋の中で全てを思い出す。
森乃進が何者かに撃たれて死亡。森乃進が銃で撃たれて殺害されたことや針の跡が残っていたことから早雲は銃が獲物の大の妹で針使いの玲を疑い村の良恵・良恵の息子の大成・良恵に惚れてる大を呼び出す。良恵や大成・大が否定していると陸・玲・勉三が武器を手に現れ早雲達屍一族に襲いかかる。陸は良恵達には「この場は目を瞑ってくれ」と言って早雲には敵わなかったものの由梨と憲治を人質にとり幸彦の安否を問い幸彦が生きているとわかると幸彦が閉じこめられている部屋に案内させる。幸彦も一美が既に助け出していた。途中で早雲達は逆らうも一美・良恵・勉三・大成・玲ら全員の力で早雲を破る。その合間に森乃進を殺害した剛田・骨川(三兄弟だったらしい)も留子が倒していたはず。ちなみに早雲の後妻の早紀は時の内閣総理大臣が送り込んだ刺客だった。「暗殺者村をPRするなどやり過ぎた」とのことらしい。他の暗殺者から狙われるきっかけになったのだ。
敗れた早雲は息子たちも倒されたことを知り当主としての自信を失う。「いつも希海〔の影〕が立ち塞がっている(息子陸・娘の一美)」と。往時は希海が今は一美や陸が。一美や陸に「次期当主になるよう」に言う。「敗れた自分には村の皆はもう従わないだろうから」と。しかし留子は「こんな仕事だからこそ命が無事であったことをありがたく思いなさい」と早雲に言い、良恵も早雲に「早雲様を尊敬しているのは変わりません。なぜなら村のことを一番考えてくれたのは早雲様でしょう」と言う。一美と陸も「当主を継ぐ気はない。我々は屍家から縁を切られているから」と言う。
幸彦と一美は家に帰ることに。幸彦は陸に「一緒に来ないか」と呼びかけるが陸は「俺はもう汚れている。そっちの世界に行くことはできない」と言う。幸彦は留子に「縁を切られても依頼はできるのでしょう?」と。「陸に私を殺させてほしい。ただし一美が私のボディガードについているからむざむざと殺されはしない。出血大サービスで家に陸君の部屋を用意しましょう。そしたら殺せるのでは。報酬は私の全財産の半分です(陸と一美で均分相続)」と。
幸彦の家のインターホンが鳴る。佐藤陸ことそうじが来たのだ。一美がドアを開ける。(終)
【感想】
前半はキャストの交通整理ができておらず―特に綾瀬一美役の西田美咲さんと中学時代のかずみ役の宿見朱美さん,佐藤陸(大人そうじ)役の小出太一さんとそうじ役のセキモトシゲアキ (Litmus)さんの繋がりがわからなかった。分ける必要がないと今でも思う―また本筋とは関係のない笑いもちょくちょく入りそこがイマイチと感じたが後半はさすがにしっかりと仕上げてきはり観入ってしまいました。上記のあらすじはお笑い部分はほぼ省略しています。最後のほうも感動的なところで終われば良いのに笑いを持って来たり。ただ今回のことで北さんが敢えてそうしているというのが感じられたのでワザとやってはんにゃろうな~,というのがわかりました(笑)出演者の数が多すぎてやや使い切れなかったかな,という感はありますがまずまず良かったのではないかと(笑)偉そうですが(笑)暇ステはSAISEIさん気にならはるでしょう(笑)
投稿: KAISEI | 2017年6月13日 (火) 20時52分