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2016年12月 1日 (木)

イヤホンマン【ピンク地底人】161130

2016年11月30日 ライト商會 (65分)

久しぶりのピンク地底人だったが、自分が植え付けているイメージとあまり変わってはいなかった。
シュールな設定の中で、厳しい現実をもがきながら生きる人たちのこれからへの道を描いているような。
これまでのことは、どこかで終わりを迎える。それが正しいと言われていたことでも、誤りだったとされて終わるかもしれないし、いつまでも正論として生き残るかもしれない。
それでも、時間は経ち、自分たちはその流れにのって、その先へと流されていく。
過去に囚われて、それにしがみついて、感情をその頃のままに残していては、前へは進めない。
変わっていかないといけない。前へ向かって歩まないといけない。自分のしたいことを実現しながら。
不条理だろうが、そうやって生きていかないといけないのだろう。
そんなどうしようもないやるせなさのある悲哀に辛さも感じるが、それが出来る、そうしてきた人間の強さもほのめかされたような話だった。

京都のとある喫茶店。
銀色1が、ノートパソコンを開きながら、さほど好きでもないのに、ドリアを食べている。
こんな夜遅くに食べても太らないと言う銀色1に、ダイエット中の店員は羨ましさも込めて、呆れたように話しかける。人間は見かけを気にし過ぎると銀色1は平然としている。
毎日ドリア。さほど好きでもないのに。その理由が知りたい。それに、なんでドリアって名前なんだろう。
ドって言うキツイ感じの響きかな。それがグツグツしている見かけの地獄感とマッチする。
そんな会話をしていると、銀色2が入って来る。店員はちょっと女の表情を見せる。
銀色2は、デスメタルを聞きながら、ドリンクバーを注文。地獄感が高まる。
銀色2は、今日も街中で人間から嫌な思いをさせられた模様。
銀色2は、脚本を机の上に出す。銀色1が執筆した脚本。
日清戦争のくだりはいい。でも、銀色が最後、人間を殺して終わりというラストは厳しい。何とか対話で解決したみたいにはできないか。
そんな銀色2の言葉に銀色1は反発。迫害の歴史を描いて何が悪いのか。甘過ぎる。
怒りを鎮めるために、銀色2はパフェを奢る。注文を受ける店員に、さりげない褒め言葉をかけて、デレデレにさせて、さらには、パフェを食べれる店でのデートの約束を。
すっかり人間と仲良くやっている銀色2に、銀色1は苛立ちを隠せない。

外からおかしな音がする。スースー。
窓を開けて、外を見ると、そこにはバンクシーが、スプレーアートをしていた。
自分たちの反逆の魂を絵に込めたスプレーアート。
銀色1は、顔を拭いて、その銀色を輝かせて、外へ向かう。
店員がパフェを持って来る。
銀色2は、銀色1はトイレに行ったと嘘をつく。どうやら、友達である人間にも知られてはいけない行動らしい。
店員は、それを聞き、複雑な表情を浮かべながら、よく分からない自分のおかしな癖を語り出す。誰かがトイレに行くと、その排泄する姿を思い浮かべてしまうらしい。
銀色2が、話を合わせて、トイレのフタの必要性という素朴な疑問を話すと、店員は思った以上に食いついてきて、トイレのフタの必要性を、臭いものにフタをするという歴史的な観点、排泄物を流す時にフタをしておかないと人に害があるという機能的な観点から説明を始める。
調子に乗って、バカな話をしてしまった。自分を責める店員を銀色2は、きどって、慰める。二人はいい感じに。
そこに客がやって来る。
店員は露骨に嫌そうな顔をその客に向ける。

客の男は軍服を着ている。
兵役中で、憲兵の仕事をしているらしい。
外にはバンクシー。自分の管轄する地域にややこしい奴が現れた。だから、見て見ぬふりをしている。
憲兵は、銀色2に話しかける。お土産屋で働く銀色2。そんなことをしていたらダメ。だって宇宙船を造る技術を持っているんでしょ。あの対馬の宇宙船が動く噂があるみたいだけど。憲兵は上から目線で、どこか銀色2を揶揄している。
銀色2は、反論する。そんな技術は分からない。自分たちが、いつ、どこから、どうやって、ここにたどり着いたのか分からないのだから。
でも、それは、実は人間だってそうなんじゃないだろうか。
歴史の教科書には、1492年、コロンブスが新大陸を発見した頃、日本では倭寇が日本海を騒がしていた。その海賊船が沈み、対馬沖の無人島に流れ着いた一人の船員。その上空で、銀色の宇宙船が発見された。銀色は地球に上陸し、これまでの日本を変えていく。そして、日清戦争後、銀色は、危害を及ぼすと隔離区域で生活をさせている。

銀色1が戻って来る。憲兵の姿を見て、震えながら、トイレに行っていたと嘘をつく。
憲兵は、その不自然な言動、険悪な雰囲気を察して、銀色1と接触を図る。
机の上の脚本の内容、たまたま開いていた爆弾の作り方のページ。憲兵は銃を取り出し、銀色たちを拘束しようとする。
でも、そんなことをした経験が無いのでどう振る舞ったらいいのか分からない。憲兵と言っても、兵役中の身分。この前は、飲み屋で騒いで、上層部から相当、叱られたばかりなくらいだ。でも、そんなミスを相殺しようと、緊張しながらも、やたら使命感に燃えて張り切っている。
そんな憲兵の緊張っぷりを見て、銀色2は落ち着くよう説得。
しかし、憲兵の緊張は極限まできていた。
昔からそうだったみたいだ。何故か人前で緊張してしまう性格。なのに、中学生で吹奏楽部に入り、毎回、緊張。いつしか中学生の小遣いではきつかったが、オムツをするようになる。便意がオムツをさせるのか、オムツが便意を呼ぶのか。オムツはかっこ悪い。でも、それは人前に晒された時にそうなる。と、わけの分からない禅問答のようなことを言い出して、トイレに駆け出して行く。

銀色1は、さっきまで怯えて震えていたが、怒り心頭。
銀色2に、憲兵に拘束されている姿の写真を撮影させて、フェイスブックにアップすると意気込む。
銀色2は止める。
さらに、店員が、実はあれは兄で、この前、揉め事を起こしたばかりだから許してやってと謝罪する。それに、兄が、あんな風にオムツをしなくてはいけなくなったのは、幼い頃、自分が兄をトイレに閉じ込めてしまった体験かららしく、今、そのおかげで助かったのだから、私のお願いを聞くべきという、これまたおかしな理論を持ち出してくる。
もう、許そう。怒りはそんなに持続しないものだから。
そんな銀色2の言葉に、銀色1は甘過ぎると怒り、店を飛び出す。恐らく、最近出入りしているらしい、過激派組織の下に向かったのだろう。
世界を変えるには、流れる血が必要なのだろうか。

憲兵がトイレから出て来る。
店員は兄に、きちんと謝るように促すが、銀色は人に危害を加える者だと決めつけている。銀色の肩を持つつもりかと謝る気は一切ない様子。
銀色1が戻って来る。
それだけの辱めを受けて、黙って逃げてきたことを過激派組織のリーダーから責められ、そいつを殺してくるように言われたらしい。
その時、店員が焦って、兄を厨房に呼び出す。テレビで、軍人である父が撃たれたというニュースが報道されている。兄は急いで現場に向かう。銀色1が、声をかけるが、全く無視。
銀色2は、店の後始末は私がしておくと店員に言い、鍵を預かって、急いで向かうように促す。
人間の肩を持つのか。銀色1は、腹立ちまぎれに、銀色1のイヤホンを裂いて、店を飛び出す。
一人になった銀色2。
窓を開けると、そこにはバンクシーの姿が。
銀色2はバンクシーに聞こえない声で語りかける。
どうして絵を描くのですか。それは銃より強いのですか。絵を描けない私はどうしたらいいですか。

10年後。
銀色1はすっかり銀色じゃなくなり、スーツ姿。
変わったと言う、銀色2にあれは若気の至りだと言っている。
銀色2は、まだ、お土産屋で働く。一回、就職した。でも、銀色は人間を滅ぼすと決めつけている上司の下だったので、給料も上がらず、我慢できなくなって辞めてしまった。
今時、時代遅れも上司もいるものだ。銀色1は同情する。
銀色2は続ける。私は迎合しない。
今、組織を作っている。宇宙船を直して、みんなで宇宙に戻ろうと。
そんな銀色2の言葉に、銀色1は答える。時代遅れはあなたの方だ。私は人間と結婚する。帰化して、人間となる。
立ち去ろうとする銀色1に、銀色2は、おめでとうと声をかける。
銀色1は、銀色2にずっと気にしていたとイヤホンを渡し、店を後にする。
銀色2は、暗闇の中、イヤホンをつけて、ただ静かに佇む・・・

シュールな設定で、重苦しさを感じさせない飄々としたノリで、話は展開するが、そこにはけっこう、人間がこれまで歴史的に犯してきた過ち、そして、それはこんな近未来の世界でも繰り返されるのだろうという、何とも変われない人間に意気消沈してへこんでしまうような感覚を得る。
歴史的な知識が欠けているので、適当にしか書けないが、銀色が発見されたという年は、新大陸が発見された頃だから、乗り込んできた白人と現地黒人の間の差別が始まり、長い年月、それこそ今だってきっと本当には解消されていない問題を含んでいるのだろう。
対馬などは、日本に西欧文化が流れ込んだ最初だろう。バンクシーも、パレスチナ問題などで名を聞く人だ。

自分たちの住む世界に、異なる者が入り込めば、同調か排除かみたいな選択肢を強いられる。
この作品では、どこか日本人らしい言動や考えが、所々に盛り込まれているように感じる。
日本のように水洗になっても、尚、トイレにフタを残すような文化だと、基本は臭いものにはフタをして閉じ込めよう、そして、自分たちに害が無いように流してしまおうといった考えに傾きやすいのかもしれない。無かったことにするのは得意で、従順なのか、教科書や報道で排除すべきものだと記されれば、それに盲目的に従ってしまう者も多いのだと思う。
シャイなところもあり、人と接する時に緊張してしまう。それを隠すためにオムツをする。そんなオムツをしているという後ろめたさを抱き、それを隠すために虚勢を張る。本当の心を開くのが苦手だから、同調路線はとりにくそうだ。
理屈っぽいのか、何をするにも理由を求めるのも、国民性かな。
ドリア一つでも、いちいちうるさい。食べたいから食べる。それでいいのだろう。
バンクシーにも、なぜ絵を描くのか、それが何に繋がるのかと考え込み過ぎる。きっと、描きたいから描いている。差別をなくしましょうみたいな意識は心の内にあるのだろうが、そのために描くというかは、今、やりたいことをしているだけで、それに理由がついてきているだけのように感じる。便意があるからオムツなのか、オムツをしているから便意が生まれるのかと同じような理論だろう。

自分が何をすべきか悩む銀色2。演劇をしたいのだったら、今、それをすればいいのに。理由をつけないと行動に至れない。それは色々なことで締め付けられ、この先に閉塞感を植え付けられているからそうなってしまっているのだろうか。それならば、銀色の正体は、今の若い世代じゃないか。
自分たちとは異質だから、すぐキレて怖いから、汗水流さないで物を右から左に流すことで楽して働こうとするから、ゆとりで生きてきたからきちんと管理するようにしないといけないと言われているから。そんな偏って植え付けられた偏見が、銀色を支配してしまっていて、そこで様々な形で銀色は自分たちを、世界を変えようとしている。
そんな構図も浮かんでくる。

迫害されたり、分かち合えなかったりしてできた傷跡はずっと残る。
でも、怒りが持続しないのと同じように、その痛みはずっとは続かないだろう。
傷跡を見て、あの時の痛みを思い出して、怒りをまた呼び起こすよりかは、もっと前向きな方法もあるはずだ。
この傷はあいつのせいでできたと思うのではなく、あいつのおかげでできたと変換してしまうのも一法なのかもしれない。詭弁に近いが、そんな考えを抱けるなら、楽にも生きれそうにも思う。
ラストは、そんな傷跡を飲み込めた銀色1と、その傷跡を自分たちの誇りやポリシーの象徴として、いつまでもあの時の怒りを奮い立たせようとし続ける銀色2の対比で締められている。
銀色2が、渡された新しいイヤホンで聞く音は、これまでの音と変わっただろうか。過去に囚われて、自分の怒りを増長するために聞く芸術では無く、自分のこれからを見詰めさせてくれ、新しい歩みへと進み出せる芸術に触れることが出来ていればいいように感じるのだが。

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コメント

SAISEI様

此方をお借りします。久々に観劇記録を(笑)1月は行く、2月は逃げる、3月は去る、と申しますが早いですね(笑)

◎エクステ『夕ばえ作戦』KAVCホール

中学一年生の砂塚茂が古道具屋で手に入れた奇妙な筒はなんとタイムマシーン。
ネジを回せば突如、江戸時代の寒村に降り立っていた!
そこで茂が見たものは、村を襲う風魔忍者だった…
過去と現在を縦横無尽に駆け巡る、タイムトラベル冒険譚!

1960年代から現在に至るまで『時をかける少女』など数々の作品が一世を風靡しているSFジュブナイル。その代表作家の一人、光瀬龍の『夕ばえ作戦』をエクステが第3回本公演として戯曲化!
演出家・大塚雅史と若き役者陣がともに作るエネルギッシュな舞台にご期待ください。

【キャスト 紅影 】
砂塚茂:高安智美
砂塚陽子:平川光江
茂の父:湯川綾香
茂の母:竹中小百合
明夫:吉本尚加
五郎:髙橋伊純
礼子:藤原麻希
高尾先生:平野麻理恵
古道具屋の店主:根本さくら
小泉右京太夫:山口美咲
地虫兵衛:岡本夏実
青葉:岩田真憂伽
空蝉:小畑明日香
石神井の喜三太:松下友香
風魔小太郎吉春:人見円香
風魔小二郎高秋:朝日優希菜
狐狸斎:南愛美
悪多聞:清水かおり(TAKE IT EASY!)
摩利支天丸:藤澤美波
王仁王丸:野村由利加
風祭陽子:深谷弥彩

【あらすじ】
神戸に住んでいる中学生の砂塚茂は仲間の明夫・五郎・礼子と下校中に三日月という婆さんが店主の古道具屋から円筒形の道具ー三日月によるとタイムマシンらしいーを奪う。

盗んだ道具を預かった茂は翌日四人一緒にいる時に道具に附いているダイヤルを回す、という約束をしたものの待ちきれずダイヤルを回してしまう。

行き着いた先は300年前の戦国時代の神戸(かんべ)。村人達が逃げまどっている。そこに忍者が来て「お前は風魔か?」と問いながら斬りかかってくる。そこへ本物の風魔が襲って来るが茂は全員倒してしまう。失神した茂は村を治める代官小泉右京太夫によって囚われるが尋問しに来た右京太夫からタイムマシンを取り戻し現代に戻る。

翌日(かな?)明夫・五郎・礼子と再び戦国時代にやって来た茂。なぜか担任の高尾先生もついて来てしまった。代官右京太夫は茂に風魔と戦うことを依頼する。右京太夫によると風魔は徳川家康の江戸開府の折風魔の領土と引き替えに幕府に召し抱えるとの約束だったが徳川には伊賀者が仕えていたため反故にされ神戸近辺に流れて来て騒乱を起こしているらしい。村を守るのは伊賀者だが分が悪いらしい。

襲って来た風魔に高尾先生が捕まり茂が策を用いて(スパイがいるのをわかっていて偽情報を流した)助け出すも奪い返されたりする。

現代では父や母が遅くまで帰って来ない茂を心配していた。一度現代に戻った茂は妹の陽子の告げ口もあり古道具屋に行くことを禁止されてしまう。とは言っても高尾先生を取り返すため武器を手に入れに古道具屋に行く茂達。そこに茂の家族が追って来る。店主に頼んで古道具で壁を作る茂達。

戦国時代に行く度に激しくなる風魔との戦い。風魔と因縁のある伊賀者も。風魔の方も一枚岩ではないみたいで。風魔の首領風魔小太郎小二郎の妹風祭陽子と闘った茂は逃げる途中現代陽子を連れてきてしまう。風祭陽子は現代で茂の妹陽子との交流を通じて平安な生活の尊さを知る。 茂が現代に帰って来た時に兄に鉾を収めるように説きたいから戦国時代に帰りたいと訴え茂と共に戦国時代に帰る。風祭陽子は兄を説得しようとするが小太郎に斬られてしまう。

ますます激しくなる風魔との戦い。ラジコンを駆使する明夫や手製のロケット弾で援護する礼子。古道具屋の店主も元は伊賀者だったらしく風魔と闘っている。

伊賀者達は茂達にこれは私達の仕事だからお前達は現代に戻れ、と言われ現代に戻る。

高尾先生を戦国時代に忘れて来たことを茂が思い出して終り。

【感想】
大塚雅史さんの作演出は〔意識して観たのは〕佐藤太一郎企画その17『THE END'16』、劇団ほどよし『 MONOCHROME DIARY 〜読劇 風の又三郎』に続いて3回目かな。個人的には合うか合わないかでいうとバチッとは合わない印象。

今回は前から6列目ということもあってか出だし声が遠くちょっと入り込めない。出演者を道具に擬している場面はキレイ。スピーディーだが脚本がやや粗いか(例えば江戸時代の話なのに頻繁に戦国時代と言っている。また原作の場所設定は関東だが神戸に変えたために少し話が歪になっている)。少し説明不足な感も。役者も全体的にアクが強くないのでキャラ立ちせず印象に残りにくい。アクが強くない例としては自転車(バイクもしくは車?)で逃げるシーンなど乗り物が何なのかイメージしにくい。大塚さんは話の内容や流れより技巧に走るイメージか。

また四人組の一人礼助を今作品では礼子と改称。藤子不二夫漫画のように3人男1人女にするもそれほど変更した設定を生かしきれていないと思う。

スーツアクターの方が出演者におられたらしくその方が殺陣をつけられたとのこと。出演者はほぼ殺陣素人らしいのでそれを考慮すると悪くは無かったと思います。

照明プランも大塚さん。あるサイトの大塚さんの紹介に「その独創的ライティングで、関西屈指の照明デザイナーと呼び声も高い。」とあるがそこまでの好印象は無いかな。。

投稿: KAISEI | 2017年3月21日 (火) 13時40分

真紅組プロデュース『馬琴の手蹟 (ばきんのて)』近鉄アート館

曲亭馬琴は、苦境に立たされていた。
「目が見えなくなれば、字がかけねば…里見八犬伝が終わらぬ!」

版元の丁字屋は言った。
「口述筆記をする者をたててはいかがでしょう」

しかし、馬琴の書く文章は難解で癖が強い。
そして何より馬琴は、難解な男だった…。
白羽の矢が当たったのは、馬琴の息子の妻、お路。
「里見八犬伝」完結への苦難の道のりが始まった…

【キャスト】
《滝沢家》
曲亭馬琴:愛飢男
お百:野村ますみ
滝沢路:山本美和子
路の手蹟:Elm
吉田さき:福田真紀子
滝沢さち:松本祐子
応為(栄):阿部遼子
《丁子屋》
丁子屋平兵衛 :おかだまるひ(圜活〜まるかつ〜)
鈴:渡辺ケイ(本若)
松吉:鈴木康平
《登場人物》
伏姫:たもつ(シアターOM「うしとら」プロジェクト)
浜路:芳賀沙侑美(澪クリエーション)
玉梓:古田里美
犬村大角礼儀:DEW
犬飼現八信道:平宅亮(本若)
犬川荘助義任:髙島理(mannequineko)
犬坂毛野胤智: 橘耕作(空∞羽)
犬山道節忠与:北島顕
犬田小文吾悌順:阿形ゆうべ
犬江親兵衛仁:久保内啓朗(劇団ZTON)
犬塚信乃戍孝:永督朗(劇団明朗会計)
すぎはらひろゆき(たてびと)
梶原由美(たてびと)
河野祐記(たてびと)
竹折英雄(たてびと)
小坂和雄(たてびと/K-HEAT)
土岐省吾(たてびと)
松元水希(たてびと)
朴花菜
溝口大成(本若)
SANA

馬琴の目が見えなくなり馬琴の書く字が読めなくなってきた版元の丁子屋平兵衛。口述筆記を馬琴に勧めるが博学な馬琴に合う適当な人物がいない。口述筆記をやってみたが誤字があるなど校正がなってないと馬琴は旋毛を曲げる。

『南総里見八犬伝』の登場人物逹は馬琴の息子の嫁路の前に現れ路に口述筆記をさせようとする。路は面白味のない女。娘のさちにもそう言われている。路は姑のお百ともうまくいっていない様子。姑のお百はズケズケ言うタイプの女性で馬琴にも「医者のままでいてくれた方が」とか「読み書きのできない私をバカにしてるんでしょ」とか言う。

『南総里見八犬伝』の登場人物逹は路の口をふさぎ路のふりをして馬琴に「私が口述筆記を手伝います」と言う。『南総里見八犬伝』が完成したら登場人物逹が消えてくれるということを確認して路も納得。しかし路は仮名が書ける程度。馬琴に教えてもらい、また怒られて投げ出しそうになるときもあったが『南総里見八犬伝』の登場人物逹が励ましたりしながら書き進めていく。お百はヤキモチからか馬琴と路がずっと部屋に籠って書いてることに対して「できてるんじゃないか」みたいなことを馬琴に言う。今まで何を言われても怒らなかった馬琴は妻に手をあげる。家を出るお百。「迎えに行かないのですか?」と問う路やさちに「『南総里見八犬伝』が完成したら迎えに行こう」と言う馬琴。

時は水野忠邦が老中の天保の改革の時代。質素倹約と煩い。絵師の為永春水が人情本の内容が淫らであるとして町奉行所の取り調べを受け手鎖50日の刑を受けたことを苦にして死亡する。

丁子屋平兵衛まで奉行所に連れていかれたことが松吉によって馬琴や路に知らされる。『南総里見八犬伝』の続きが出版できない危機に。そこにさちがお百が亡くなったことを馬琴や路に知らせる。大きなショックを受け執筆せず自室に籠ってしまう馬琴。

『南総里見八犬伝』の登場人物逹はこのままだと『八犬伝』が終わらないと伏姫を中心にして全員で馬琴に念を送る。念が通じたのか部屋から出て来る馬琴。路の手蹟Elmさんが舞台に敷かれた板に書道パフォーマンスで文字を書いていく。そして完成。

『南総里見八犬伝』が完成したら登場人物逹は消えるはずだったのにまだいる。路が指摘すると伏姫は「いい顔になったよ」と言う。そして消えていく登場人物達。

上記の本筋の途中にちょいちょい『南総里見八犬伝』の名場面を挟む。

【感想】
出だしは声が届いて来なかったのですが徐々に良くなっていき最後は最高レベルに。2017年度暫定でMy best 1位に躍り出ました。脚本が上手く作られていて飽きることなく。配役のハマり具合も抜群。ベテランと若手の融合にリズムやテンポも良く間も最高。そして人間が描けている。最後の方はこの作品を観れて良かったぁ、と泪が1滴左目から漏れちゃいました。今これを書いていても感動を思い出して涙が出てきますね(苦笑)中心に愛飢男さん、山本さんがどっしりといてモブキャラ以外のキャストが全員立ってましたね。犬田小文吾がおネエキャラだったのには物申したいですが(笑)面白かったからま、いっか(笑)

お百が亡くなって馬琴がショックを受ける場面、路が「夫婦の関係ってうわべだけではわからないものね」みたいな台詞がとても印象に残ってます。

小劇場の観劇ブロガー諸氏の評価。

同じ回を観劇されていた観劇ブロガーのとみさん(「観劇とベランダ演芸と健康と」)も激賞されてましたし。それ以外にも

セントの最新映画・小演劇150本-演劇遍歴( http://blog.goo.ne.jp/signnoot/e/e58340ac8a83a68807aa19e585158b0d/?cid=2b2452d6629384586622a4651d28d9a8&st=0 )

習慣HIROSEさん( http://blog.goo.ne.jp/ponyasu007/e/b949ba8fa015f618594ae5737848059d )

「こりっち観てきた!」( https://stage.corich.jp/stage/80138/done )

と皆さん高評価です(笑)SAISEIさんが観劇されていたらどう仰るか。。残念です(><。)

投稿: KAISEI | 2017年3月31日 (金) 13時12分

SAISEI様

●熊の宅急便企画 第五回公演
『ようこそ、ご先祖様御一行』人間座スタジオ

遠い未来の遠い遠い星へ旅の果てにたどり着いた人類最初の宇宙移民船。
しかし星には出発前には認められなかった知性体の存在が。
「最悪の場合、戦闘もやむなし」と覚悟して降り立つ先遣隊。
そんな彼らの目に飛びこんできたのは、誰見まごうことなき人類の姿だった。

という訳で熊の宅急便企画いつのまにやら第五回公演
SF作品のお届けです。

【キャスト】
ヒロセ:木下 航
ロバート:坪田 直大(音声劇団 五里夢中)
アーシュラ:山中 麻里絵(劇団しようよ)
ダン:図書 菅(劇団ZTON)
ゲンリー:瀬戸 銀乃

人類初の宇宙移民に飛び立った移民船(9,000人ほど移民が乗っている)の機長のヒロセ,乗組員のロバートとアーシュラの3人。
ロバートは管制日誌を書いているらしい。それを見て「管制日誌は平の乗組員が書くものではないのよ」と言うアーシュラ。それ以外にもいくつか知識を披露するアーシュラ。「詳しいな。お前もSF小説好きだな」と見破るロバート。見破られてまごつくアーシュラ。

コールドスリープ。8万年後にお目当ての惑星に着くらしい。

危険音が鳴って目覚める。アーシュラがデッキに上がってきたときにはもうヒロセとロバートの2人は艦橋(デッキ)にいる。意見を機長のヒロセから求められるアーシュラ。目的の惑星の地表を観測したレーダーから進化した動物がいなかったはずの惑星に文明が存在おり知的生命体が居住しているようなデータが。3人の意見が一致したらしい。着陸艇で3人が惑星に着陸して調査することに。念のため武器を携行することに。アーシュラは徴兵制のある国出身だったらしくライフルを携行,他の2名はピストルを所持。

一方,惑星ではスーツの男2人が着陸した着陸艇の前で挨拶の練習をしている。「失礼の無いように」なんて言ってる。着陸艇のハッチが開く。「ようこそ!御先祖様方」と出迎えるスーツ姿の男2人。無言でヒロセ達3人はドアを閉める。「人間だよな」「『ようこそ』って聞こえたよな?言葉も通じる」「地球なんじゃないですか」「いや惑星の大きさも違っただろ」「とりあえず出てみよう」ということでもう一度ハッチを開ける3人。

スーツ姿の男2人によるとヒロセ達の第一次移民船が地球を出発した後に科学技術が長足の進歩を遂げた結果後から地球を出発したスーツ姿の男2人御先祖たちが3万年でこの惑星に辿り着きこの惑星に移民して既に2万年ほどが経っているらしい。つまりスーツ姿の男2人ダンとゲイリーは元地球人の子孫ということになる。自分達が最初の移民船だったはずなのに後から出発した移民船に抜かれて先に移民されている事実に複雑な心境のヒロセ達3人。世界初の宇宙移民のはずが先に移民されてるなんて。。

しばらくしてロバートは「惑星の案内をしてほしい」と言ってゲイリーに惑星を案内してもらうことに。ダンは「着陸艇の機内を見せてほしい」と言い機長のヒロセが艇内を案内することに。アーシュラはゲイリーとともに惑星を案内してもらうことを選択。後で落ち合う約束をして二手に分かれる。

機内を見たダンは「超古代文明を見ることができて」とか「簡素な船でよくここまで」という言葉を発する。その言葉に少し傷ついているような機長のヒロセ。だって地球を出発するときには最新鋭の宇宙船だったのだから。コールドスリープのせいで地球を出発したのが昨日のことのような気がするからかも。ダンは立てかけてあった写真に興味を示す。この惑星には写真はおろか動画など記録するものはないらしい。全部脳の中に蓄えることができるように人間は進化したらしい。小説や音楽,絵画など芸術も全くないとのこと。チラッとダンが呟く「昔は豊かだったんだ」という台詞が気になる。

ロバート・アーシュラもゲイリーに惑星の案内をしてもらいながらいろいろ話す。アーシュラ「意外と普通ね」。ロバート「未来には自動車が空飛んでるのかと思ったよ」。ゲイリー「自動車が空を飛んだらそれは飛行機です」みたいな話を。燃料コストの関係で見た目はあまり発展していないみたい。「コストを気にする未来なんて」と複雑な表情のロバート・アーシュラの2人。こちらも小説や音楽,絵画など芸術も全くないとのこと,を知った(はず)のロバート・アーシュラの2人。地球のことを訊いてくるゲイリーに怪しむアーシュラ。「着陸艇に戻りたい」とゲイリーに言う。ゲイリーは「ヒロセも居住スペースに案内されているから」とヒロセ達の移民船のために作られた居住スペースに向かうことを提案。ヒロセ・ロバート・アーシュラ3人は居住スペースで無事に合流。

居住スペースでも地球のことを訊いてくるダンとゲイリー。ちょうどあった酒をダンとゲイリーにふるまうことに。ダンは「これが酒というものですか。不安なときに酩酊して現実から逃避する飲み物ですね」なんて言ってる。ダンとゲイリー2人とも酒は口には合わなかったみたい。ダンとゲイリーが四季について尋ねてきたときにアーシュラはその質問を怪しみヒロセとロバートを引っぱって部屋を出る。アーシュラ「地球について基本的な質問ばかりであまりにも地球のことを知らなさすぎる。何らかの事情で地球と通信が取れなくなっているのでは」と。ヒロセとロバート「何らかの事情とは?」。アーシュラ「3つ考えられます。1つはこの惑星と地球が交戦状態にあること。2つには(忘れた。。)。3つには我々が幻覚を見させられていること」ヒロセとロバート「なるほど」。

3人はダンとゲイリーのいる部屋に戻り銃を突きつける。ダンはヒロセ達が自分たちに疑念を抱いてることを知り「その疑念は何か?」と訊いてくる。理由を述べるヒロセ達3人。ダンは「1つ隠していたことがあります」と語り出す。曰く,ヒロセ達の乗った最初の移民船が出発した後数回の移民船計画がそれに続いた。宇宙移民には膨大な水が必要らしく地球の水を大量に持ち去った。そのため地球のバランスが崩れたようでまずは気温が上がった。その後蒸発した水が雲を形成し太陽を覆い隠し今度は氷河時代のように寒冷な気候となり人類が住むことが出来なくなった。我々この惑星の人間はその時に地球を脱出した最後の移民船子孫なのだと。そしてヒロセ達最初の移民船がこの惑星に辿り着いた時のために居住スペースまで作って待っていたのだと。

ヒロセは「なぜこの惑星だったんだ」とダンとゲイリーに訊く。「別に他の惑星でもいいじゃないか。我々最初の移民船が目指したこの星じゃなくても」と。最初にこの惑星に移民できなかったことにまだ拘ってるみたい。「地球を見棄てた」みたいな言い方もしてたはず。ダンの隣で今まで黙っていたゲイリーが突然感情を爆発させて発言する「地球を見棄てたのはお前たちだ。我々の先祖がこの惑星に来たのはこの惑星までしか来れなかったからだ」と。地球の資源は枯渇していたのだ。ゲイリーを宥めるダン。

ヒロセ達は結局この惑星に移住する道を選ばず第2候補だった惑星に向かって出発することに。その前にありし日の地球の姿をダンとゲイリーに話すヒロセ達3人。

そして出発の日。ヒロセ達を乗せた移民船が目標に向かって出発する。(終)

【感想】
75分ほどの小品でしたが綺麗に纏っていて観やすい作品でした。熊の宅急便企画は旗揚げ以来の観劇。今後も期待です。ヒロセ:木下さんもいろんなところに出演されていてよい役者だなぁ,と。今回は坪田さんが印象に残りました。

投稿: KAISEI | 2017年4月10日 (月) 17時19分

●右脳爆発『三人分の欠陥』神戸アートビレッジセンター

【キャスト】
《火星へ行く宇宙船》
柳井:佐藤陽香
横脇:暮森芹
島田:川辺美紗子
原田:稲田祐二
《劇団》
勝浦:伊藤晴香
浅木:渡辺岳
高松:羽鳥冴(ユニットエストロゲン)
《就職の面接》
小脇:圓札愛里
橋本:浦涼平
《バイト》
雲雀:山本千尋
永井:佐藤奨士

【説明】
それは、
火星へ臨む船内の、
自由気儘な集団の、
空の言葉の交錯の、
嘘を交えた応酬の、
どこかで起きた、誰かの話。

過去、現在、未来、立ち位置は脆くも移り変わる。
時間を越えた視線の先で、描き出される真相とは――

右脳爆発が贈る、サスペンスコメディ!

【あらすじ】
御葬式の場面から始まる。御焼香、献花が一通り終わり喪主の長男から挨拶。「母は愛多き女性でした」と言った時参列者の間から「ビッチ」の声が飛ぶ。長男は声がした方を気にしつつ動揺しながらも話を続けるがしどろもどろになっている。葬儀担当者に次男と交替させられる。次男→長女と挨拶するもいずれも葬儀担当者によって途中で話を切られる。

(以下は4つの場面が交互に演じられる。ややこしかったので時間軸はバラバラでになっている)

▼火星へ向かう宇宙船の中。乗務員の柳井に乗客は原田、少し遅れて島田が乗船する。原田は「やっぱり下りる下りない」と言っては柳井に止められる。横脇が一番最後に搭乗。

▼某劇団の勝浦と浅木。火星へ向かう宇宙船が消息を絶った事件を次回の公演にするという話。ブラックボックスが残っていたようで消息を絶つ直前までは映像が残っている。その後何が起こったか推測する2人。高松という女性が客演で来る。ブラックボックスに残っていた映像に「酸素供給の機械が壊れて3人分しかない」みたいな会話があったことから柳井・島田・横脇が原田を殺害したと推定したりしている。

▼就職の面接に来た小脇。橋本が面接官。前の職場が違法労働だったとので「訴えたい」という小脇。バイト先の様子を盗撮している。

▼小脇のバイト先の店長永井とアルバイトの雲雀。小脇が無断欠勤している。

最終的には,宇宙船に向かう船に乗っていた乗客は薬の被験者の仕事だった。その副作用で横脇は多重人格者に。つまり各場面の小脇・横脇・高松は同一人物だったという結末。

御葬式会場で「ビッチ」と言ったのはバイト先の雲雀。

【感想】
ブラックボックスの音声が消えた後だったかなぁ。映像に合わせてアテレコする場面や小脇・横脇・高松が同じ人物と分かる場面だったかな。全メンバーが舞台に出てきて鏡のように同じ演技をする場面は綺麗にそろっていて秀逸。演出や役者のレベルは高い感じでしたね。内容はDVDでもう一回見ないとわからないですね。少し長かったかな。途中ダレました(笑)

投稿: KAISEI | 2017年4月13日 (木) 21時47分

●テノヒラサイズ『大豆の丸みに心打たれて生きろ』HEP HALL

植物状態の娘を見守る冴えない父親。

担当医は安楽死の決断を迫られ、
早とちりの彼氏は大金を手に入れる!?

一方その頃、殺し屋は誰かの命を救い、
インド人は察しのいい人と出会い、
世界平和を願うロバートの後輩は世界を乱す。

思い思いの想いが交錯するこの世界で、
冴えない父親は娘を救うことが出来るのか?

【キャスト】
先生(センジョウ):隈本晃俊(未来探偵社)
トメ:畦田ひとみ
砂井:松木賢三
正三郎:湯浅崇
栃尾:飯嶋松之助(KING&HEAVY)
トモオ:川添公二
カベータ・チョープラー:上野みどり
ひとみ:あだち理絵子
平和(ヒラワ):木内義一

【あらすじ】
(忘れている部分や時系列が間違っている可能性あり)

病室のベッドに上半身を起こした意識不明の若い女性。それを取り巻く医者達。「第三次世界大戦がドラえもんのせいで起こる」とかいう話をしている。最後に「病室が詰まっているから女性を早く処置してください」と中央にいるセンジョウ先生に向かって言う。みんなが去った後センジョウは注射器を取出し若い女性の腕に射す。

監獄に若い男性が連行されてくる。飯嶋松之助というこの男は監獄の男たちから「何の罪で逮捕されたのか?」と訊かれる。万引き,とわかるとため息をついた男たちは奥にいる砂井という男に金?を渡している。なんでも新たに収監された人間の罪状で博打をしているらしい。砂井は牢名主のような存在でこの賭け事には滅法強い。今日はもう一人入獄してくる囚人がいるらしい。みんなで罪状をかける。砂井は「殺人犯」と予想。センジョウが入ってくるなりみんなは「殺人犯や」と砂井に金を渡す。飯嶋松之助だけは諦めきれず男に「何の罪状や?」と訊く。センジョウは「殺人や」と答える。

砂井は看守に賄賂を渡しセンジョウと二人っきりになる。「話を聞かせてもらおうか。俺は殺し屋や。お前は人を殺すような人間に見えん」と。センジョウの話。

栃尾はトメとの結婚を許してもらおうとトメの父正三郎と対面している。栃尾と正三郎の話がうまくつながらない。栃尾は「お父さんをください」みたいなことを言っている。業を煮やしたトメは栃尾と父親を「馬鹿じゃないの。結婚はやめる」などと栃尾と正三郎をひどく罵って家を出ていく。そして倒れる。トメは前頭葉に損傷があり長くない命,そこで栃尾に自分のことを忘れてもらうためにわざと嫌われるような一芝居をうったのだった。

(栃尾とトメの出会いの場面)
スーパーの倉庫なのかな。在庫処理をしている。新入りバイトの栃尾は先輩バイトのトメに一目惚れ。名前で誤解して老婆の先輩パートひとみに告白する騒動もあったものの付き合うことに成功。ひとみは前もこんなことがあったなぁ,と回想する。
(ひとみの回想場面)
ひとみは若いころこのスーパーの倉庫なのかな。在庫処理をしている。このときはひとみが新入バイト。店長に察しが良いと賞賛される先輩バイトのトモオに紹介される。トモオの察しの良さで棚崩れから救われたりしたひとみはトモオに思いを寄せる。トモオもそんなひとみに「今日出会った女性と結婚するような予感がする」と告げる。そこに「インド人の女性が店内に侵入した」と店長がトモオとひとみを呼びに来る。インド人は店内で叫んでいる。店長は警察を呼んだらしい。「トモオ君察してあげて」という店長だがトモオも言葉が通じずまごついている。そこに警察官が到着,インド人女性に発砲する。その時にインド人女性をかばって胸に弾丸を受けるトモオ。インド人女性がおなかが減ってるだけ,と察したのだ。インド人女性は感激して「あなたと結婚する」と言う。トモオも「今日出会った女性と結婚するような予感がしたのは君のことだったのか」と。トモオはなおも「苺のようにかわいい孫娘が生まれる」と予言。

(ひとみの高校時代)
高校の教室でひとみと男子生徒3人が話をしている。平和という男子生徒がひとみ達に「dream on」の日本語訳は「夢を見る」という意味のほかに「夢でも見とけ!ボケ!」みたいな意味もあると教えている。平和は,戦争をなくすにはより強大な敵が現れたら今まで敵対していた者同士も同盟を結び団結して戦う,みたいな運動会理論なるものを提唱している(ようするに世界から戦争をなくすためには地球の平和を乱すものが来襲すると地球上の国々は一致団結するから世界は平和になる)。だから平和は「俺は神みたいな存在になって地球の平和を守る」みたいなことを言っている。ひとみは「私は英語を使って世界の人をつなぐ仕事をしたい」と語る。今はスーパーの在庫管理の仕事をしているがひとみは若いころはその言葉通り通訳になり活躍していた。そこに日米首脳会談の通訳依頼が来る。なんでもインフルエンザで他の通訳が全員倒れたらしい。久しぶりの通訳に緊張するひとみ。その時米国大統領があの「dream on」という言葉を発する。ひとみは迷ったが「夢でも見とけ!ボケ!」と訳し日米首脳会談は決裂。よく考えると米国大統領は「dream on」ではなく「doraemonはすばらしい」と言ったのだった。しかしこの決裂で第三次世界大戦が始まろうとしていた。「どうしよう」と悩むにとみ。そこに未知の物体が上空に現れ世界を恐怖に陥れる。平和だった。高校時代に言っていたように世界の平和を守るために―運動会理論を実証するために―敵となって現れたのだ。砂井は政府のお偉いさんから平和を迎撃するためにセンジョウとともに牢獄を出る。報酬は10億円。そのうち1億円を砂井は栃尾に渡す。戦闘機に乗り離陸する砂井。平和の未知の物体に飛び移る。実は正三郎はトメの産みの親でなく育ての父親で産みの父親は砂井だったのだ(ちなみに砂井はトモオの息子。だから察しが良かったのである)。理由があって(忘れた。。汗)友達の正三郎に娘のトメを託したのだった。

トメが助かるためには前頭葉を移植する必要がある。それには10億円のお金がいる,それでも助かるかどうかわからないと正三郎はセンジョウから告げられていた。正三郎は自分の前頭葉をトメに移植してほしいとセンジョウに言う。センジョウは正三郎の前頭葉をトメに移植して正三郎を殺してしまった罪で収監されたのだった。手術は成功。トメは回復。そこに1億円を持った栃尾が来る。トメは正三郎の前頭葉を自分に移植することを望まないだろうから1億円を持ってこなかった,と語る栃尾。1億円は〔病院を首になった?〕センジョウに渡す。それを元手にセンジョウは町医者になる。

最後は栃尾とトメが結婚してトメは「とちおとめ」に。「苺のようにかわいい孫娘が生まれる」というトモオの予言はこれだったのだ。

【感想】
今回は全員が白衣装。椅子ではなくハンガーラックをうまく使った演技でした。テノヒラサイズは3回目の観劇。いろいろ伏線をはりながら最後に回収していくのがテノヒラサイズらしい作品なんですかね。

投稿: KAISEI | 2017年4月14日 (金) 20時15分

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