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2016年11月

2016年11月28日 (月)

ポートエレン【東洋企画】161128

2016年11月28日 SPACE9 (105分)

3年前に拝見した初演の感想。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-b94d.html

ぼんやりではあるが覚えている作品。
今や自分の中ではご常連になっているが、多分、このあたりの年に認識するようになった役者さんもご出演しているようで、懐かしい気持ちで足を運ぶ。
観る前から、どうして、こんなにキャストが多いのかなとか、覚えている限りでは結構な具象舞台だったのに、この劇場でいいのかなとか、違和感があったのだが、それもそのはず。
再演とかではなく、違った作品となって生まれ変わっていた。
正直なところ、好みはきっと初演なのだと思う。やはり、気楽に分かりやすく観ることが出来ると安心する素人だから。
それでも、変わってしまったこの作品は非常に素敵だ。
主宰の方が当日チラシに書かれているように、確かにそこから感じられる想いは共通しているところが多い。
単に物語を見せるのではなく、その感覚を研ぎ澄ませるようにする舞台の空気を創って魅せる。そんな創りが、この3年間で向上した技術や出会った仲間たちと共に培った結果なのだと思うと非常に感慨深いものがある。

観て、頭に入ってきた話を楽しむだけでなく、ありとあらゆる感覚を解放して、身体全体で味わって欲しい。作品名から言うなら、色を、香りを、味わいを。何だったら、ロックで飲むなら、その氷の響きを。そして、何よりも、今はもう過去となり、存在しない醸造所の地にあった、たくさんの想いに心を寄せて、今、生きる自分に至福の時をって感じだろうか。
自分たちのルーツを思い起こし、多くの駆け巡った夢やら希望やらに、想いを馳せる。その時、自分が今を生き、これからへと向かって生きる道が、多くの人たちの想いの上に拡がっていることに気付くような話だった。

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2016年11月27日 (日)

らん・らら・るん【物忌み団】161127

2016年11月27日 人間座スタジオ (85分、休憩10分、90分)

アングラ色の強い、異質の世界。
その美しさは堪能できるが、やっぱり、まだ私には難しいなといった印象。
何か文学的作品の言葉も出てくるが、知識が圧倒的に足りていないことに恥ずかしさを感じながら観劇。

戦後日本が戦後ではなくなる時。
戦争で昭和が終わったと言われ、その時を止めた空白から、再び時間が動き出した時。
多くの苦しみや悲しみが昇華され、後ろを見ずに、前へと目が向かうようになった時。
嘘ではなく、誰かに無理やり言わされたのではなく、自分の心に従って、本当の言葉として、日本万歳が叫べるようになった時。
そんな日を迎えるまでの姿を見せることで、今を乗り越え、強く未来へと生きていこう、それも、これからを生きる新しい命と共にといったことを伝えているような話に感じる。
設定は戦後だが、あらゆる苦しみ、悲しみの中にいる人たちに普遍的に通じることであり、結局は、この作品の中にあるように、自分たちの心をときめかせるロマンスへ向かって歩みを進めようと奮い立たせているように感じる。

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無人島【劇団 身体言語】161126

2016年11月26日 OVAL THEATER (90分)

独白で綴られる朗読劇みたいな様相を持つ作品。
と言って、言葉一つ一つを噛みしめる余裕を与えられるような、緩い流れで話は展開しない。
静かに煽られているような感覚が怖くもあるが、覚悟へと導かれているような感覚も得る。
今、生きている中で、おかしいと思ったり、不安だなと感じる違和感はないだろうか。それを、知らない振りしていないか。声にあげなくてはいけないくらいに大きなことが降りかかっているはずなのに、それを無視していないか。放っておいたら、あなたが生きる、この世界を崩壊に導くものになるのかもしれない。
それを止めるのは、あなたが発する言葉の表現。
黙っていて生きていられる時間はもう終わった。
そんな突き付けられるような感覚にたじろぎながらも、何か抵抗したくなるような感覚を得る作品だったように感じる。

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survive【遊劇舞台二月病】161126

2016年11月26日 ウィングフィールド (90分)

熊が山から、人間が生活する世界に下りてきた。
餌が無くなったのだろうか、その山では住めなくなったのだろうか、強大な力を誇示しようとでも思ったのだろうか。
とにかく、普通じゃない、恐ろしいものが自分たちの傍に現れる。
その時、人間がすること。それは、熊を撃ち殺すことだろう。
その普通のことをベースに、同じように、愛に飢えたり、不安でいっぱいになったり、その環境では生き辛くなったり、大切なものを失って悲しみに囚われていたりと様々な人間が、普通じゃないと言われる状態で姿を現す。
その時、どうなるだろうかを検証しながら、人が生きるということを考えさせているような作品に感じる。
いつものごとく、すごくもやもやが残る。
でも、自分が出せた答えは、人は作品名どおり、乗り越えて生き抜くことが出来るということだ。人は強いし、何よりも、どこへ向かっても、そこで差し伸べられる手が必ずあるから。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は、本日、日曜日まで>

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2016年11月26日 (土)

潜脳ロリーナ/Floral tribute【n-project】161125

2016年11月25日 シアターカフェ Nyan (55分)

愛する人を失って悲しみの中にいる人。
自分たちが犯した過ちから、そんな人たちがたくさんいる世界。
喪失を受け止めきれず、時を止めて、悲しみに囚われる。
そんな人への救済を描いたような話。

最初から愛があって、人は繋がるわけではない。繋がりの中で、互いに心を通じ合わせ、共有し合う時間の中で愛を育んでいく。
愛する人を失った時、そんな時間は全て過去のものとなり、これ以上、愛を大きく育てることは出来なくなってしまう。だからといって、その愛が消えるわけではない。共に過ごして育んだ愛の尊さを知り、互いにとって、それは幸せへと自分たちを導いてくれる素晴らしいものだったことを心に留めた上で、その愛と決別しなくては、先に進めない。
でも、それはとても辛いことだ。
そんな辛くて、切ないけど、そうやって生きる者は未来へ向かって生きなくてはいけない。だから、全ての傷ついた人たちに祈りを込めて花を届けたい。
そんな気持ちが見える作品だったように思います。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2016年11月24日 (木)

聖女 A組【少女都市】161124

2016年11月24日 インディペンデントシアター1st (110分)

まずは、凄まじい熱演に拍手でしょうか。
相当なもんだったように感じます。
ゲネプロを拝見していますが、これをベースにきっと更に調整を図るのでしょう。どんな感じになるのか、興味深い。日程の都合上、もう、観に行けないですが。

話としては、過去の様々なことから、自己否定して、何かに自分が囚われてしまった状態にいる、苦しむ人たちに救いがもたらされる話。
別に作品名のように、神が現れて助けてくれる訳もありません。私たち、人間が自分の力で、そんな苦しみを互いに救い合おうとする姿が描かれているように感じます。
自分を否定する過去の負を、自分が描く物語として昇華する。それは伝えたいことが書けず空を切って苦しんだり、自身の言葉にさらに傷ついたりしながらも、愚直に今から未来へ向けて歩む人間の力強さ、また、それが出来る人の生き方を信じたいような気持ちにさせられるものでした。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2016年11月23日 (水)

王妃の肖像【演劇ユニット有職文様】161123

2016年11月23日 吹田メイシアター 小ホール (55分、休憩10分、55分)

マリー・アントワネットの心の葛藤を描きながら、フランス革命の歴史を描き、それを今の日本に生きる自分たちの姿と照らして考えてみるような作品でしょうか。
経済破綻による先行き不安、国政に対する不信、格差社会への妬み、変革への見出せない方向性など、類似しているような要素は確かにたくさん感じられます。
今がフランス革命前夜にいるという感覚ではなく、そんな歴史を創る欠片が揃いつつあり、何かの拍子で、あのおぞましい形を生み出さないかと不安を覚えるような感覚にさせられます。歴史に疎い私でも、ある程度はきちんと話の流れを掴める分かりやすさ、常に日本を意識させるようなキャラ設定や演出、歴史的なところだけに焦点を絞るのではなく、人の心情の脆さや弱さにも、視点が向くように観ることが出来る構図で、舞台に惹き込む力のある作品でした。

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2016年11月21日 (月)

だるまかれし【第66回 大阪府高等学校演劇研究大会府大会 桃谷高校文芸部ドラマ班】

2016年11月20日 門真ルミエールホール (55分)

かつて、アスペルガー症候群を扱った作品を思い出す。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/bier---141109-d.html
こちらは社会をテーマに描いていた感じでしたが、今回は人に照準を絞っているように感じます。

冒頭の絶望をイメージするシーンから、ラストは、あまり変わらない景色なのに、そこに希望が見つかる。どうして、そう感じられるようになったのか。それはこの作品を通じて、生き辛い中で生きる人を見詰めて、向き合うことが出来たからなのではないかと思います。
わずか1時間弱。登場する人たちの心を、真摯に丁寧に。時には狂気をも感じる熱さをもって、必死に伝えようとした姿に心打たれるような作品でした。

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降月~月降り姫のお話~【しろみそ企画】161120

2016年11月20日 芸術創造館 (120分)

よかったなあ。
分かりやすく流れるように展開する素敵な話に虜になる。
衣装も凝っていて見栄えするし、けっこう殺陣とかも豊富で動き回って興奮するし、軽い小ボケや憎めない可愛らしい面白キャラもいて楽しいし、女王とか王妃とか姫とか綺麗で目の保養になるし、渋い漢を魅せたり、純粋な男を魅せたり、男のかっこよさも堪能できるし。親子愛、特に母の愛をベースに、家族や友達、仲間たちとの想いで繋がる絆を描いて、感動するし。
あと、何かあるかな。
そう、何といっても主役の枷の、役の設定上、表情で心情表現を全てする技。心締めつけられるような切なさから、心が温かくポカポカするような喜びまで。完全に魅入ってしまう素敵なお姿でした。
ここはもう、私の中では、魅せて楽しませるエンタメ舞台の最高峰まで到達したな。
素晴らしかったです。

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煩悩がやってくる【かのうとおっさん】161119

2016年11月19日 HEP HALL (105分)

煩悩を持つ人間を肯定。
好きなように生きる。時には人を傷つけてしまうのかもしれない。煩悩だから。
でも、そんな煩悩を認めて生きることで、幸せを得られるなら、そんな幸せを分かち合い、皆で分け与え合うような人間関係があってもいいのかも。
観ていて、そんなことが頭に浮かびながらも、すぐに笑いでかき消され、結局、面白かったという感想だけが残りました。

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2016年11月20日 (日)

かもめ -海に囲まれた物語-【ノアノオモチャバコ】161119

2016年11月19日 インディペンデントシアター1st (115分)

確かにかもめですね。
と言っても、原作は2年前に拝見しただけで、漠然としか覚えていないのですが。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/120-a76f-1.html
あの時、観終えて、残った心のざわつき。じゃあ、どう生きたらいいんだよと、頑張っても、頑張らなくても、何をやっても、結局は孤独はまとわりつき、本当の想いは受け取れないし、伝えることも出来ないのなら。と、何やら悲しい、でも、妙に納得いくような感覚が蘇ってきたような気がします。
人間の普遍的な心理を描いているんでしょうかね。だから、こうして時が経っても、現代風にアレンジしても、心を突いてくることはきっと変わらない。
それが面白いと感じます。

原作を拝見した時は、湖のほとりの町といった、土地への縛り付けみたいなものが強く、そこから人が囚われる心へと想像を膨らませるような感覚でしたが、こちらは少し直接的かな。芸能というものをテーマにして、自分を表現する、自分の世界を創るということで、自分を縛る心を描き出しているように感じます。
原作が、最初は何も無い美しい風景を見ながら、そこに住む人たちの渦巻く真実の黒さを見て、徐々に歪んでいく様を感じるのに対して、こちらは既に最初からその歪みが見えているような。だから、最初から何か畏怖のようなことを心の片隅に置いてしまう。でも、アイドルを登場させたりして、そんな畏怖をちょっと楽しさで覆い被せて見えないようにしているような感じになっているのかな。
そんなこともあってか、どうも俯瞰して観ることが許されないようになり、舞台の中の様々な人たちを自分に置き換えてしまい、悩み苦しみを注がれてしまうような生臭い感覚も残ります。
攻撃的とでも言うのでしょうか。戯曲を心静かに鑑賞するみたいな感じにはならず、お前にある孤独を見ろ、生きる苦しみを感じろと目を背けさせない圧迫した力を感じます。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は本日、日曜日まで>

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2016年11月19日 (土)

フェスティバル#2 B【プロトテアトル】161118

2016年11月18日 カフェ+ギャララリー can tutku (20分、休憩10分、40分)

昨日のAに引き続き、観劇。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2016/11/2161117161118-c.html
こちらはかなり色の違う2作品。
しっとりとした淡さを漂わせながら、何か不穏なものを突き付けようとしてくる作品と、とにかく笑えるコメディー作品。本当にかなり笑える。
4作品通じて、何でもこなす腕ありますからということを証明した公演になったような。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2016年11月18日 (金)

フェスティバル#2 A【プロトテアトル】161117

2016年11月17日 カフェ+ギャラリー can tutku (45分、休憩10分、45分)

昨年に引き続き、観劇。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/80-aab2.html

今回はこのA公演ともう一つのB公演を合わせて、4名の劇作家の方々の作品を公演する。
感覚的には、昨年のどこか近所の祭りを観に行く感じから、しっかりした伝統的な祭りを観に行くぐらいにグレードアップしたような感がある。
それだけ、まだ2作品しか観ていないが、この劇団の空気を活かした、しっかりしたものだったように感じられた。
昨年も感じたが、生真面目、落ち着きといった感じが強いこの劇団。真摯過ぎるのか、固くなる空気を客演の役者さんが、どこか柔らかさある空気を吹き込んでいるようで、バランスの整った心地いい雰囲気になっている。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2016年11月16日 (水)

メガネニカナウ2【iPpei】161114

2016年11月14日 インディペンデントシアター1st (45分、50分、50分、冒頭・間にMC10分)

昨年に続いて観劇。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/ippei151025-274.html
前回のショートオムニバスから、ややショートはとれて、よりしっかりしたプロデュース公演となっている。
そのぶん、3作品全部観ると長丁場になって大変。でも、それも色々な形で楽しい観劇を目指している主宰、上杉逸平さんの心意気、おもてなしを感じさせられるところが多々あり、とても好印象が残る。
前回同じく、冒頭、幕間の山本香織さんの作品以上に頭に残る一人芝居もそんな魅力の一つだろう。

一枚の無くなった婚姻届けを巡って、次々に明らかにされていく謎を追いながら、パズルを組み立てるかのような犯人探しの会話劇。
ノスタルジックな風景を頭に描きながら、友情と初恋のホロっとする温かみを感じさせて、自分の道を生きることを考えるハートフル作品。
お笑い芸人たちの理想と現実の中でもがきながらも、必死に自分たちの道を歩む姿を描く青春熱血物語。
3作品観て、何となく浮き上がる共通テーマは、自分の好きなように、思うがままに生きることだろうか。
どうしようも無いことや、厳しい現実、不条理と生きていれば様々なことが降りかかってくる。でも、何かを決めて前へ進まないとしょうがないし、立ち止まっていても仕方がない。妥協や打算で決めた道で自分を騙す道を歩くのも嫌だ。
だから、自分は、思う道を行く。
そこには、不安を抱えながらも、これからの未来に希望を見て、頑張って歩く自分を見守ってくれている周囲の人たちがいる。

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2016年11月10日 (木)

地獄谷温泉 無明ノ宿【庭劇団ペニノ】161109

2016年11月09日 ロームシアター京都 ノースホール (130分)

舞台美術の驚嘆は毎度のこと。これだけでも観に行く価値ありと、毎回、本当に凄いという言葉しか出て来ない。
作品は、近々取り壊されるらしい山奥の湯治宿に人形師親子が訪ねて来ての一晩を描いただけ。時間にすれば16時間ぐらいの話だ。
そこで、この宿主不在の温泉宿にいる、様々人たちの心の奥が露わになっていく姿が描き出される。
不幸でみじめで、無気力になり諦めてしまっているかのような宿の人たち。温泉で言えば、ぬるま湯みたいな感じか。でも、決して、そんないい湯に浸かっているかのように心安らかに生きてはいない。むしろ苦しみの中にいる。心に闇を抱える。それがこの作品名にもある無明というものみたいだ。
そんな人たちが、人形師親子と出会って、心のざわつきを得る。
それは、もっと奥深い、恐ろしい闇を持って生きてきたかのような人だと感じたからなのか。
皆は、心奥底に隠して見ないようにしていた自分の欲を溢れ出す。
でも、そのことで無明から解放される。自分に闇など無かったことに気付く。
そんな露わになった自分の欲に押し潰されそうになる者もいる。でも、それを心穏やかに生きる力として掴んだ者もいる。
宿と同じように、壊されてしまう恐怖。
そんな宿そのものと、そこに住む人たちの想いが、彼らを呼び寄せたのか。
その一晩で、この宿、そこに居た者たちは、無明から解放され、人間が本能的に持つ欲望を受け入れて、そのままの自分として生きる力を得る。
そんな人間という存在を受け入れて、心穏やかに過ごす生を見出そうとしているような話だったように感じます。

<以下、あらすじがネタバレしますが、再演のため、ネットである程度は出てくるようなので、白字にはしていません。ご注意願います。公演は日曜日まで>

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2016年11月 6日 (日)

EXTRA FOREVER?【劇団ヴァダー】161106

2016年11月06日 KAVCホール (130分)

昨年、火ゲキで少しだけ拝見しましたが、本公演は2011年以来。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/110702-4965.html
活動休止みたいだったので、最後に観ておこうかなと。

一つの作品を創る。
そこに関わる様々な人たち。
技量やしがらみなど様々な視点から出演するキャストを決める権威ある人。権力、地位をもって、その利益を基に作品のキャストに送り込む人。キャストを統括する人。スポンサー。作品創りを裏方で支える人。
仕事として出演するプロの役者。生活のために出演する役者。夢を掴むために出演する役者。そんな役者も、権力、地位のあるベテランから、駆け出し、名も知られていない、素人のエキストラ・・・と色々。
みんな、各々な考えをもって、その作品に関わろうとする。
やるからには、その作品は認められないといけないし、利益も生み出さないと続けていけない。厳しい現実と向き合いながら、自分のポリシーを、やりたいことを注ぎながら、必死に頑張る。
そんな姿が作品に込められるから、作品が愛おしく感じられ、心揺さぶられるのかな。
映画のエキストラに焦点を当てながら、私たちが観る作品にどんな人たちが、どんな気持ちをぶつけ、どんな触れ合いや想い合いをしながら、それが創り上げられているのかを見せているような作品でした。
20周年を迎える、この劇団の作品創りのポリシーにも通じているのかもしれません。
創ることへの真剣、真摯たる想いが浮き上がるような話のように思います。

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2016年11月 5日 (土)

ANCHOR【劇団うんこなまず】161104

2016年11月04日 ウィングフィールド (80分)

日常の何気ない一シーンや、元ネタをあまり知らないがそんなシーンの中に、たくさんの意味合いが沸きあがるように創られているみたいな作品。
同じものを観ても、恐らく多層構造になっているかのように、観る者によって社会生活、恋などの話として色々と捉えられるかのよう。
下記の感想では、私が一番強く感じた路線での感想を記しています。
この他にも、様々な解釈が出来るように感じ、そんなパラレルに感じられた感想たちを共有することで生まれる何かに楽しみを見出せるのかもしれません。
当日チラシに、視る、居る、聴くを楽しめる時空間を創られていることが記されています。それはきっと、それにより頭の中で拡がる各々の想像を楽しむことに繋がっているのでしょう。
観に伺って良かった。当たり前ですが、観終えて、そう思わせる魅力を力強く感じる作品だったと思います。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2016年11月 3日 (木)

あしたは全力モンキー【超人予備校】161103

2016年11月03日 インディペンデントシアター1st (100分)

今回は猿。
猿と言えば、・・・
ネタバレになるので、この部分では書きませんが、そんな幾つかの話を収束させて、自分がなりたい自分として、楽しく生きる術を導き出そうとしているような話に感じます。
難しいことではない。思い描けばいい。その思い描いた自分が、なりたい自分へと動き出す。その姿は妄想の産物ではなく、自分が全力で生きることによって、たどり着ける自分なんだ。
そんなことを考えさせられる話だったように思います。
キャラはいつにも増して濃く、ハチャメチャに暴れまわりながら、笑いのネタを振りまいています。
そして、いつもながら、微笑ましく、ちょっとだけ元気に爽快な心持ちになるようなラストで締められます。このちょっとだけというのが、程いい緩さでいいんだと思います。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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蓮池温泉 極楽ランド【仏団観音びらき】161102

2016年11月02日 一心寺シアター倶楽 (125分)

初観劇。
噂には聞いていたが、確かにこれははまるかもしれないな。
当日チラシに9割はエロと笑い。残りの1割にテーマである夢に対するメッセージが込められているみたいです。
とてもいいバランスです。盛り込まれたエロと笑いで興奮、大半は引きながらですが、笑って観ているんだけど、どこか心を突き刺してくるような鋭いところがある。その1割が、そういうところなのでしょう。観終えてから、振り返って、もう一度、楽しむなんてことが出来ますね。
楽しく面白い。でも、単純にそれだけでは帰さない。これぞ、演劇としての最高のエンターテイメントなのではないかと思います。
いい劇団、いい作品、そして、何か持ってる魅力ある役者さん方と出会えました。

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