ポートエレン【東洋企画】161128
2016年11月28日 SPACE9 (105分)
3年前に拝見した初演の感想。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/post-b94d.html)
ぼんやりではあるが覚えている作品。
今や自分の中ではご常連になっているが、多分、このあたりの年に認識するようになった役者さんもご出演しているようで、懐かしい気持ちで足を運ぶ。
観る前から、どうして、こんなにキャストが多いのかなとか、覚えている限りでは結構な具象舞台だったのに、この劇場でいいのかなとか、違和感があったのだが、それもそのはず。
再演とかではなく、違った作品となって生まれ変わっていた。
正直なところ、好みはきっと初演なのだと思う。やはり、気楽に分かりやすく観ることが出来ると安心する素人だから。
それでも、変わってしまったこの作品は非常に素敵だ。
主宰の方が当日チラシに書かれているように、確かにそこから感じられる想いは共通しているところが多い。
単に物語を見せるのではなく、その感覚を研ぎ澄ませるようにする舞台の空気を創って魅せる。そんな創りが、この3年間で向上した技術や出会った仲間たちと共に培った結果なのだと思うと非常に感慨深いものがある。
観て、頭に入ってきた話を楽しむだけでなく、ありとあらゆる感覚を解放して、身体全体で味わって欲しい。作品名から言うなら、色を、香りを、味わいを。何だったら、ロックで飲むなら、その氷の響きを。そして、何よりも、今はもう過去となり、存在しない醸造所の地にあった、たくさんの想いに心を寄せて、今、生きる自分に至福の時をって感じだろうか。
自分たちのルーツを思い起こし、多くの駆け巡った夢やら希望やらに、想いを馳せる。その時、自分が今を生き、これからへと向かって生きる道が、多くの人たちの想いの上に拡がっていることに気付くような話だった。
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