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2016年10月23日 (日)

frascoの海【猟奇的ピンク】161022

2016年10月22日 油野美術館 (35分)

ゆったりと繊細に綴られていき、どんどんと深く潜り込んでいくかのような感覚を得る話。
難解で頭が混乱するのと、ちょっとスローテンポ過ぎる穏やかな流れで、意識が飛びそうになる。
観終えて、夢から覚めたかのような柔らかさのある幻想的な空間が印象的。

2007年、大学の軽音部で知り合った3人。
松田純一とトモコ。2歳下のユリが入ってくる。
純一とトモコは、当時付き合っていた。ユリは純一に憧れていたが、二人の仲に入り込む隙は全く無いくらいにお似合いのカップルだった。
妙に馬が合った3人。その仲はいつまでも続くと思っていた。でも、それはいつの間にか消えていった。
2011年。午前1時。トモコは純一の帰りを一人、部屋で待つ。純一からの電話。ごめん、後輩の家にでも泊めてもらう、ご飯は食べておいてといつも通りの言葉が並ぶ。
純一はユリの下へ向かう。
純一は思う。地震。火災。一人待っていて逃げ遅れて死んだトモコ。その時、自分とホテルで一緒にいたユリ。
そんな午前1時。純一は、あの頃を幻想する。

不器用な感じの純一。優しく穏やかな印象のトモコ。小悪魔的なユリ。
そんな3人のかつての時間を、今の純一が幻想しながら、振り返るような感じだろうか。
愛されていないことに悩んでいたトモコ。でも、それを愛し続けることで昇華する。
そんなトモコを失って気付く想い。
自分を愛するユリの想いを受け止めたい。それがあの頃の正直な気持ちだったのか。
でも、そんな自分は確固たるものではなく、揺らいでいる。そんな中での愛。
自分の不確かさ。それは過去を振り返り、記憶をたどることで、より増しているかのよう。
愛するということが分からなくなって、彷徨っているのは今なのか。あの時の方が、真っ直ぐ愛に向き合えていたのではないか。
そんな幻想の中にいる午前1時。
純一もトモコも愛を失いたくなかったのかな。ユリのような掴む愛に対して、守る愛みたいなものを感じます。
失わないために、トモコは自分の中に膨らむ苛立ちを抑え込もうとしています。 純一はそんな愛を抱え込む勇気が無かったのか、その愛を認めたら、いつかは失うかもしれないという漠然とした不安に襲われたのか、自分はその愛を見えていない、知らないような振りをして、自分を騙しているかのように映ります。そして、その愛は、純一が何をしてもしなくても、失う日が来てしまった。
大切な人を失った苦しみ、生まれる孤独の寂しい想いを隠す。その中にある愛に苦しみながらも救いを求めるような純一の像が浮かぶ。 そんな純一は幻想の中で、自分を縛るものから解き放たれる。
止まった午前1時に生きるのではなく、今を生きようとしている。
ぼんやりと歪みがある、しかし、透明感が漂う舞台の中で、今を生きることに背中押ししているような感覚も得る。
私には少し難しいところが多々ありましたが、記憶の海を漂う優しい空気に心を奪われるような洗練された美しさは感じられたように思います。

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