ЯEVERSE【大阪大学劇団ちゃうかちゃわん】160918
2016年09月18日 芸術創造館 (95分)
思いっきり笑い、話も面白く、魅力的な役者さんもたくさんで、とても楽しい作品でした。
REVERSEを使えば、きっと真っ赤な画面になるでしょう。
非常に申し訳ないですが、話の構造がまず把握できなかった。老夫婦のエピソードと小学校の子供たちのエピソードは時間軸をずらしているのでしょうが、REVERSEの配信、停止の時間の流れとの関係性がよく分からない。
REVERSEというもので暴かれる嘘と、そんなもの関係なく暴かれている嘘が混在して、この画期的なうそ発見器の意味合いがぼやける。
嘘は暴かれるという大前提で生きなくてはいけなくなった世界と、嘘が嘘としてまかりとおる今までの世界のような観方をすればいいのかな。どうも、このあたりもはっきりせず、何を描こうとしているのか、恥ずかしながら、ほぼ全く理解できなかった。
嘘に翻弄されているのか、嘘が暴かれてしまうことに翻弄されているのかの、明確な差が見い出せていないのが、きっと訳が分からないと感じさせ、作品の面白味を味わえなかったところなのかな。
観ている間、ずっと頭の中が?だったので、評判高いダンスや、個々の弾けたキャラの魅力も味わえず。
こうして、一応、感想を書いている中でも、頭の中は?だらけ。何を書いているのか、よく分からない状況なので、今回は分からないということを感想として記しておきたいと思います。
まあ、こんなこともあるでしょう。
好みの差はあれど、まあまあ、これまでフィットしていた劇団なのですが、何がどうなのかは分からないが、自分と合わないという作品も。
また、次の機会に期待して観に伺いたいと思います。
これは、REVERSEを使っても、ちゃんと青の画面になるはずです。
Nipple社CEO、ヌティーブ・ジョブヌは、革新的な嘘発見アプリ、REVERSE配信を発表。
その使用方法は極めて簡単。話す相手を撮影するだけで、その言葉が嘘なら画面が赤く、本当なら青くなる。その正確性は99.98%に及ぶ。
REVERSEにより、人々の生活は大きく変わる。
小学校では、好きな子がいることが隠せなくなる。
自分と仲良くしてくれている友達がいるいじめられっ子は、その友達の本当の気持ちを知る。
先生は子供達に不用意な発言が出来なくなる。
大人の世界では、上司のパワハラで味覚障害になるまでのストレスを受けているサラリーマンは、大丈夫だと言っている自分が嘘だと分かる。
そんな忙しいサラリーマンを父に持つ子供は、遊びに連れて行くという言葉も嘘だと分かる。
治らない怪我で入院中の子供は医者の嘘を見抜く。
オタクに人気のアイドル、お天気お姉さんはマネージャーが自分の人気具合を嘘をついて報告していることを知る。
そんな中、世を救おうとパチモンジャーという謎のヒーローが現れる。
彼は、CEOが主催のじゃんけん大会に参加。
優勝賞品が金の力に任せて何でも望みを叶えるというもの。
お天気お姉さんのファンでじゃんけんの名手である高嶺の花子さんと対決。
花子さんが勝てば、お天気お姉さんのアンチを全て消し去ることをお願いするつもり。
しかし、パチモンジャーの嘘を見破れず、花子さんは敗退。
パチモンジャーはCEOを撃ち殺す。
信じ合えない夫婦、偽りの友情で結ばれた友達、建前で話す親子、患者に嘘をつけない医者・・・
パチモンジャーは世を救ったと思っている。
しかし、嘘が見破られなくなったから、ずっと嘘をつき続けないといけない世の中になる。
パチモンジャーに感謝の言葉を掛ける者はいない。
味覚障害のサラリーマンは息子に差し出されたお菓子を美味しいと言わないといけない。
優等生の女の子は、いじめられっ子を友達と思っていなくても友達としてふるまわないといけない。好きな男子がいるけど、乱暴者なので知られたくない。だから、ずっと好きなことを隠して嘘をつく。必死に勉強して、立派になると親にも嘘をつく。
そんな嘘を本当にするために、嘘の自分として生きなくてはいけない。
ずっとこのままなのだろうか。
女の子に老婆が声をかける。おしどり夫婦として、相手の嘘も認め合い生きている。かつての私。本音と建前の大事さ。この歳になるときっと分かる。
じゃあ、いつになったら、嘘の自分じゃなく生きられるようになるのだろうか・・・
と、メモを掘り起こして、いくつかのエピソードに分かれて展開する話をまとめてみましたが、やはり分からず。
結局、相手の嘘、自分の嘘が分かったからといって、人間関係がスムーズになるはずもなく。
信頼の度合いで、嘘の重要性も大きく変わり、本当はそっちを計測する機械の方が、役に立つのかもしれません。
嘘をついていると明白に分かってしまった時点で、その人との意思疎通は途絶えてしまう。
要は敵か味方かのような判断になってしまう。REVERSEはどうも、そんな機械のように感じます。
嘘をついているから敵とは限らないし、逆に本当のことを言う人が見方である保証も無いでしょう。
嘘なのか、本当なのかと心を探る中で、その人の本当の想いが浮き上がってきて、その過程で自分の心も分かってくるようなものなのでは。
それが、たとえ、言葉とは異にするものであったとしても、想いが分かったのだから、許すことが出来る。
老婆の言及する本音と建前の大事さはそんなところにあるように感じます。
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