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2016年8月 7日 (日)

石ころとテイラー・スウィフト【DanieLonely】160806

2016年08月06日 Cafe Slow Osaka (75分)

亡き友人の想いと共に、男4人のロードムービー。 この劇団にはぴったりの設定だ。
ほくほくと幸せ気分。
互いに認め合っていた素敵な男の友情が浮き上がってくる。
死んでもなお心に刻まれ続けている友達の想い。
そんな想いが、今、これからを生きる男たちを成長へと導く。
失われることの無い大切な友への想いが、共に過ごした時間の感謝の気持ちと、これからを豊かに生きる活力を引き起こす。
変わらず、男の素敵なところを、温かく描き出そうとする、この劇団ならではの作品だったように思う。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は、本日、日曜日まで>

友人、ハナちゃんの初七日。
仲良しだったソノウチが、会計係を名乗り出て、香典の整理中。
喪主のハラダがやって来て、お金の計算しかしていないソノウチにダメ出し。香典返しをきちんと出来るように、誰から頂いたのかをメモしてくれと言ったのに。
自分は美味しいもの食べて、飲んで、楽だと反論するソノウチ。あれは精進落としと言って、気を使うもんなんだと、世間知らずなソノウチを諌める。
天涯孤独だったハナちゃん。香典に親類らしき名前は一つも無いようだ。
ふてくされて、お腹が空いたとうるさいソノウチ。
女のようにめんどくさい奴だと言うハラダに、ソノウチは女性差別だと言い返し、口論になる。
そんな中、タロウちゃんがやって来る。
ケンカは止めて、とりあえず献杯をすることに。
その時、チャイムがなる。夜も遅いが弔問客だろうか。
ハラダが扉を開けると、そこにはハナちゃん。
幽霊だと騒ぎ立てる皆。ハラダは、悪い冗談だと、ハナちゃんを床に投げつける。
双子の弟。
騒ぎは落ち着くが、今度はどうして葬式にも、それに病院にも見舞いに来なかったのかと怒り出すハラダ。
知らなかった。兄とはずっと会っていなかったから。遺書が届いたらしい。それで、皆のところにやって来た。
4通の手紙。ハラダが読もうとすると、弟に止められる。シリーズものになっているらしく、順番があるらしい。
弟がまず、最初の手紙、いわばエピソード0を読む。弟に、3人に会って、伝えて欲しいことがある旨が記されている。
最初に読むのは緑の封筒に入った手紙らしい。
その手紙には、すべてを読んでいたかのように、喪主のハラダへの感謝、そして、皆への最期のお願いが書かれていた。

ニューヨーク。
タロウちゃん、ソノウチ、弟は、これからバスを乗り継ぎ、アイダホ州へ向かう。
きっとハラダも来るはずだと待機中。
慣れないアメリカ。トイレでおかしな外人にも出会った。怖いところだ。ソノウチは、タロウちゃんにパスポートを預けておく。
マックというのも何なので、テンションで英語を通じさせてサンドイッチを購入。
食べながら、思い出話。
バーテンダーのタロウちゃん。店のオープンは、ハナちゃんも含めて、みんなで踊りを披露して盛り上がった。店をオープンしようと思ったのは、意外にもソノウチの影響が大きかったらしい。派遣社員で自由でどこまでも前向きなソノウチへの憧れだったのか。
そんなハナちゃんが入院。だいぶ悪くなってから、連絡が入る。病院では、洗濯とかは看護師がしてくれないので、助けて欲しいと。
それから、毎日のように見舞いに行った。
でも、ハラダは違った。どうして、もっと早く言ってくれなかったんだと怒って、それから一度も会わなかった。
ハラダからメールが入る。アイダホに到着したと。
もっと簡単に行く手段があったようだ。

アイダホの州都、ボイジー。そこにある公園で、青色の封筒を開ける予定。
場所がなかなか分からない。
マックを食べながら、手紙の内容を想像する。
もしかしたら、すごい遺産があって、それを分けてくれるのでは。ずいぶんと、現実味の無いふわっとした想像。
もし、遺産があるなら、世話をした皆はもらう権利があるな。自分はしていないから。でも、悔いは無い。そんなひねたことを言うハラダに、タロウちゃんは怒って、立ち去る。
代わりに何かおかしなことを言って、買ってきたコーラを勝手に飲んで去っていくような外人がやって来る。ここはやはりアメリカだ。
ソノウチがハラダに声をかける。
あれで良かったんだと思う。ハラダはそういう奴だとハナちゃんも分かっていたから。気持ちはちゃんと通じていたんだと思う。
アイダホの風景は広大だ。
忙しい銀行マンのハラダ。人生を見詰め直す。
ハラダは戻って来たタロウちゃんと話す。ポテトボートという名物を食べながら。歩きながらでは食べにくい食べ物。バーだったら売れるかも。タロウちゃんは、店の名物にしようとかと考える。世界に扉を開くバー。相変わらず、でかい話をタロウちゃんはする。
アイダホは宝石の州と呼ばれているらしい。自分は石ころみたいだ。タロウちゃんは宝石のように輝いて見える。
金髪の外人。犬を連れている。世界は広い。

青色の封筒の中身は、ケンカしてないかと心配の言葉から始まり、次のお願いが記されていた。
それは、あるバーでアマチュアナイトというイベントがあるらしい。
そこで、あのタロウちゃんのバーのオープン記念でやった余興の踊りを皆でして欲しいというものだった。
各々、忙しくなり、なかなか会えなかったみんなが、時間を作って集まって練習。楽しかった。きっと、アメリカ人にもうける。ニューヨークはさすがに厳しいだろうが、アイダホなら、あれで天下を取れるのではないか。自分の代理はもちろん、弟にさせてと。
稽古。
弟は初めてなので、色々と覚えるのも大変だ。
キャラは気持ちが大事だと主張するハラダに、違う、面白さだと曲げないタロウちゃん。
2人はそれぞれ、見本を熱演して、自分の考えを弟に押し付ける。
ソノウチがやって来て、キャラで大切なのは関係性だと。そこから気持ちも笑いも生まれるのだと。
とりあえず、ビールを飲みながら休憩。
弟が自分たちのことを語る。
父がいなくなって、母と兄と暮らしていた。でも、自分は引きこもりになってしまう。ダメだと思っていてもどうしても外に飛び出せない。
そのうち、母がストレスからか突発性難聴に。仕事も辞めて、兄に大きな負担が。
ハラダが怒り出す。
情けない。どうにかしようと思わなかったのかと弟を叱る。
弟は、どうにかしないといけないようになったのだと答える。
ある日、兄は出て行った。母にそのことを伝えると、ただうなづくだけだった。
それから、自分は頑張れるようになった。変わることができた。でも、それ以来、兄とは会っていない。
今度はソノウチが立ち上がり、帰ると言い出す。
ハナちゃんには家族がいた。ずっと天涯孤独だと言っていたのに。騙されていたんだ。
そう言って、その場を立ち去る。
すぐに戻って来る。パスポートをタロウちゃんに預けているから。
タロウちゃんはソノウチにパスポートを渡す。
自分のせいでと気にする弟。
大丈夫。あいつは戻って来る。一番、ハナちゃんと仲が良かったから。それに、あいつがさっき言っていた。大事なのは関係性だと。

ステージに上がる。
異様な空気だが、覚悟を決める。 あの時の踊りを披露。
異様な空気のままやり切った。自分たちはあの時を思い出して、楽しく満足だ。
黄色い封筒を開ける。
ハナちゃんの本当の最期のメッセージ。
3人には、嘘をついていたことの謝罪。みんなと一緒の時間、本当に楽しかった、ありがとう。その気持ちが書き綴られていた。
弟には、出て行った詫びと、自分の気持ちが記されている。こんなことを頼んで、それに付き合ってくれてありがとう。自分のことを正当化しようとしていたのかも。でも、父と同じように黙ってそのままは嫌だった。母にこのことを伝えるかは弟が決めてくれたらいい。もう、自分で道を切り開いて生きているのだから。

四十九日に集まる皆。
あの時の踊りがネット配信されて、タロウちゃんのバーは大にぎわいらしい。みんなも来れば、多くの客から歓迎されることだろう。
堅い仕事をしているハラダにとってはたまった話じゃないが。
それにしても、とんでもないことをしたものだ。アマチュアナイトなんかじゃない。ア マチュア ナイト。大人の夜の舞台。そりゃあ、ひどく叱られたはずだ。
ちなみに香典返しの準備は未だ進んでいない、ソノウチ任せていては、ダメだと、ハラダがすることに。
とりあえずは献杯を。チャイムが鳴る。まさか、まだ弟がいるんじゃないのか。
ソノウチが恐る恐る扉を開けると、お坊さん。
準備がまだ出来ていない。大慌てで対応する皆・・・

互いに認め合い、敬意を抱き合うみたいな、いい男の友情が見えてきます。
みんな各々、生い立ちがあり、今、している仕事や立場も色々。
でも、そんなことを深く知り合うことなく、一緒にいることが出来る。
あいつのことが好きだから、あいつと一緒にいると面白いから。そんなことの前に、あいつとは友達だから、仲間だからという、関係性から確かにスタートしているのが、男の付き合いみたいな気もします。
だから、どうなるかも分からない、ハナちゃんの気持ちがどうあるのかも分からないままで、こんな旅に、男4人が揃いも揃って出発しているのでしょう。友達という関係だから、その頼みを叶えに旅立つのは至極当たり前の行動なのだと思います。

題名は何なのでしょうか。
テイラー・スウィフトをネットで調べたら、恋多き女性シンガーが出てきますが・・・
石ころみたいな男と宝石のような女かな。
黙って何も語らず、じっとしている不器用な男。自分の輝きを存分にアピールして、言葉で伝えようとする女。
そんな無数に存在する石ころでも、形や色が様々で、その中にある鈍い輝きを見出し合いながら存在価値を認め合う。
美しくは無いけど、しっかりと芯のある固い男の友情のようなイメージかな。

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コメント

SAISEI様

最初の入りは各役者の魅力も相まって脚本好きな感じでしたが途中どうでもいいかな、という場面があったりして飽きた部分もありましたがまあ楽しめました。

ここは男性役者の宝庫ですからね。客演によく呼ばれはる? のもわかります。今回の個人的好みは濱本さんが格好良かったかなあ(笑)

加藤さんはイタズラな役、神藤さんは大人しい役、永見さんは少し年配の落ち着いた役を振られはることが多いんですかね?

投稿: KAISEI | 2016年8月 7日 (日) 22時39分

>KAISEIさん

役の振り方は、まさにその通りだと思いますよ。
ここがどうしても固定されるので、あまり大きな変化が無いのですが、この変わらなさも魅力の一つかな。

投稿: SAISEI | 2016年8月 8日 (月) 12時17分

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