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2016年7月 9日 (土)

日々雑景 夜【七月ハリケーン】160708

2016年07月08日 カフェ+ギャラリー can tutku (70分)

ある喫茶店の日常風景を描く。
夜・昼とバージョンがあり、今回は夜を拝見。
どちらも、3組の客の姿を同時進行で描きながら、ごくありふれた日常会話の中から、ぼんやりと自分の日常を思い起こさせるような感じでしょうか。
拝見した夜は、ちょっと不思議な男二人、これからのことを考える男三人、悩む男の3組。感覚的には、ちょっと夜の暗闇を彷徨いながら、迎える朝に不安もありながら、期待も抱く男心をくすぐるようなところがあります。
昼は夫婦、女子たち、悩む男の3組で、女性中心で昼というイメージどおり、明るい雰囲気なのかな。

感想としては、ふ~んって感じです。
まあ、面白いのは面白いです。けっこう、笑えるシーン、セリフはたくさんありましたから。
でも、やっぱり、どうだったと聞かれたら、普通だったと答えるような感じですね。これが、不可思議なことや、大変なこと、辛いこと、楽しいこととか色々ありながらも、ごく普通に流れる日常っていうものを意識させるような創りなのでしょうか。
突拍子も無い設定もあったりするのですが、あまりにも自然過ぎて、そのまま素で楽しむだけだったような。
それに、同時進行で描かれる3組が、どうも収束しないんですよね。してるのかもしれませんが、少なくとも私には全く分かりませんでした。共通テーマもあまり浮かばないし、繋がっていることもないようだし。まあ、人生ってけっこう、こんな普通の日常の流れの中の、ちょっとしたことの積み重ねで、いつの間にか大きな変化がある未来に行き着くのかもよっていったメッセージは何となく感じますが。
むしろ、昼と夜に繋がりがあるのかもしれません。昼はもう満席で観れないので、また、DVDでも出たら、確認してみようと思います。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

喫茶、カナリヤ。
買い出しに行ってもどこかですぐにサボる競馬好きのいい加減な店長と、元気いっぱいでしっかり者、ちょっとおっちょこちょいのバイトの女の子。
店の奥には午前中からコーヒー一杯でずっと粘っている男がいる。机の上にはノート。時折、怪しげな木の人形を出しては難しい顔をして悩んでいる様子。独り言も大きな声で口から出てしまうことも。
よく喋る女性2人組の常連がツケで店を出る。

常連客が2組やって来る。
1組はいかがわしい科学雑誌の記者をしている小森。取材らしくイケメンの若い男と一緒。いつもはミックスジュースを注文するのだが、仕事だからとアイスコーヒー。若い男は、メニューを見て、ここのコーヒーは全てカフェインが入っているのかと驚いている。是非、飲んでみたいと興味津々。何やら健康増進法で危険物質として指定されているとかわけの分からないことを言っている。
もう1組は、ハードロックバンド、新世界のメンバー3人。元々は4人だったのだが、最近、ボーカルが故郷の新潟に戻り、稲作を始めたらしい。週一で通ってバンドを続けると言ってたが、なかなか難しかったようだ。アイスコーヒー、アイスレモンティー、そして、ミックスジュース。ミックスジュースはやはり桃が一番。いや、バナナだろうとむさ苦しい男たちが女子みたいな可愛い会話をしている。

取材が始まる。
何とか式とかいう時間軸で言えば、若い男は、今から128年後の未来人らしい。
学研リサーチ社とかいう会社で生物担当の研究者。小森が担当する雑誌も出版は学研なので親しみがある。
こうして、現在にタイムワープしているということで、もちろん、そんな技術も一般化しているらしい。デロリアン式とマトリックス式の二大手法があるらしく、それを詳しく知りたくなるが、今回の取材とはあまり関係無い。もっとも、未来人と言っても、あくまで一般人なので、専門の生物以外のことはさして知識があるわけではない。
話の本題は、今、というか未来に大問題となっているある生き物のことである。
それはツチノコ。
未来では、どんな増え方かは知らないがツチノコ算式に増えて、今や異常繁殖している。ペットとして飼われたりもされていて、野生種と品種改良種の交叉がまた強靭な種を生み出したりしているみたいだ。雑食で何でも食べる。ネズミも食べられ、あの遊園地も、今やノッキーランドとなっている。何も害が無ければ、まだいいのだが、ツチノコインフルエンザの原因となる。大掛かりな駆除計画もあったが、ペットとされていることもあり、愛好家の抗議活動もあって中止せざるを得なかったらしい。
そこで考えられたのが、どうしてこんなに繁殖したのか、その生態系の乱れの要因を突き止めること。
未来人は文献を調査する中で、画期的な論文を発見した。それが、先月号のツチノコのつがい発見という小森の記事だ。
未来人は熱いテンションで、世界的にもツチノコのつがいが発見されたのは、この小森の記事が初めてだと言う。
山奥の発電所の近くに住む85歳の老人目撃証言を、締め切り前の徹夜でおかしなテンションになっていた時に書いた記事。
小森はしどろもどろになりながら、この問題を解決するためのキーパーソンだと持ち上げてくる未来人と一緒に、生態系が崩れた原因を考え出す。

ハードロックバンド、新世界。
新ボーカルを薦められるギターの若い男。欠けたメンバーを募集するつもり。だったら、ボーカルを募集すればいいとそれを拒絶。
でも、ベースの男は、立ち上げメンバーがボーカルはしないといけないと、この新世界というバンドに強くこだわっている様子。かなり熱くなっている。
ドラムの男はそれを冷静に聞いている。
ボーカルが欠けて、もう新世界は、新世界では無くなった。何らかの決断をしないといけないことは、ベースも分かっているはず。意地になっているのかもしれない。
ドラムとベースは、今、メジャーバンドのツアーサポートスタッフの話がきている。ドラムにそんな連絡が入ったらしい。実力が認められてきている証拠だ。
ギターは、彼女との結婚を考えていて、これを機に自分の音楽を追求する道を進んでみようと思っている。
そんな話し合いをしている中、ベースがついにキレて、ギターの胸ぐらを掴む。
ギターは結局、新世界でやりたくないんだろうと絡み出す。
そんなことはない。でも、新世界にこだわり過ぎだ。一人抜けて、もうダメなことだって分かっているはずだと、ベースに強く反論。
それに、メジャーバンドの話があるのに、どうしてそれから逃げるのかとベースに返す。
ベースがはてなといった表情を浮かべている。それを見て、ドラムが焦った表情に。
まさか、メールで連絡したのに、届いてないのでは。

小森と未来人は、必死にツチノコ異常繁殖の原因を探っている。
バカみたいな発想が飛び交う中、ひょんなことから、電柱の話に。
未来では電柱は全て、地面に埋まっている。そういえば、85歳の老人の目撃場所も発電所。そこは、現在では最先端の地熱発電所だ。
地中での送電が何らかの環境に変化を与えたのでないか。
さすがは、初代所長だと未来人は小森を賞賛する。
口がすべった。未来のことを必要以上に語ってしまった。未来人は何か小さな金属棒を取り出し、スイッチを押す。その場にいる人の記憶を消去して、時間を戻す装置らしい。
未来人は何も無かったかのように、いいアイディアをいただけたと小森に感謝して、店を後にする。
小森も取材を終えたことを会社に携帯で伝え、帰社する。
ギターはバイトの時間。また、今度の練習でと二人に挨拶して店を出る。
残りのベースとドラムも、続いて店を去る。

静かになった店。
まだ、一人だけ客が残っている。
奥でずっと粘っている男。
バイトは、後片付けをしながら、その男の行動を探る。
あの怪しい木の人形。さっき、その人形を机に叩き付けた時に、マスターの頭に鍋が落ちた。そして、今、男がイライラして人形を叩き付けると、厨房で金属音が。再び、鍋がマスターの頭に。
あれは呪いの人形だ。どうして、この店を選んだのか。
きっと異常者に違いない。
バイトは男に詰め寄り、マスターの目は誤魔化せても、私の目は誤魔化せないと男に喰ってかかる。
男は必死に弁明。
聞けば、男は漫画家。30歳で脱サラして、この道に進んだ。最近、少し、仕事ももらえるようになったのだが、今の仕事がもう締切2週間を過ぎている。
朝からずっとアイディアを絞っているが、なかなか。
見ると、そのノートには、たくさんのバツ印が書かれている。
いわゆるスランプってやつだ。
マスターは、興奮冷めやらぬバイトにまかないのミックスジュースとホットドッグを。
男にもそれを薦める。
マスターもタクシー運転手から、この仕事に転職。親が店を締めるという話になり、それだったらみたいな感じで。
そんな気負わなくていいんじゃないのだろうか。人生計画ってものは。
バイトの子は、女社長になるのが夢らしい。何の会社かは何も決めていない。資金を貯めるべく、500円玉貯金をしている。
未来人が忘れ物を取りに戻って来る。金属の小さな棒を忘れたのだとか。
バイトはさっき片づけた時に、何だこれとポケットにしまっていたものを見せる。
未来人が驚愕の表情を浮かべる。
バイトから手渡された金属の棒に驚いたのではない。そのバイトの子の顔。
大統領夫人。未来人はまたもや口がすべる。手にした金属の棒で記憶を消去。
何も無かったかのように、忘れ物を持って店を去る。
男は、これから打ち合わせなので、お勘定。
ミックスジュースにホットドッグ。いまひとつ覚えがないが、一応支払って、店を後にする。
バイトもまかないのホットドッグ、ついでになぜかあるもう一つの手つかずのホットドッグを口にして、仕事を終えて店を出る。
そんな喫茶カナリヤの一日。

結局、3つの組のある日の出来事をただ観たみたいな感じになって、繋がりが見出せなかったのが、ちょっと消化不良気味です。
まあ、バンドマンたちは、ここからまた新たな道が始まるのでしょうし、漫画家の男もきっとスランプ脱出の一つのきっかけになったのでしょう。未来のツチノコは、今回のアイディアで元の生態系を取り戻すかもしれません。
バイトの子は、いつの日かお偉いさんと出会うのでしょう。
この日が、自分の未来を大きく変える色々なことの起点になっているのかもしれない。それはごくありふれた日常の中に隠されてなかなか気付かないけど。
だから、今日という一日を、愛おしく思って、楽しく生きよう。その積み重ねが、自分の未来に繋がるのだから。
そんな気持ちを得るような話だった感じかな。

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コメント

SAISEI様

私も「夜」だけ拝見。上手くハシゴできれば2本とも観るつもりだったのですが。。

(土)学窓座※→劇団SOLA→七月ハリケーン
(日)Artist Unite イカスケ→ニットキャップシアター

※公演中、トラブルで公演中止に。

いつも通り、SAISEIさんの前説(簡単な総括とも言えるかな? )を読んで観劇。

各話に繋がりがないと感じたのは同じですかね。ある日常(非日常かもw )の一コマを切り取っただけ、という感じなんですかね(笑)

今回は朴さんがこんな可愛いキャラができはるんや、というのが驚きでした(笑)

またcan tutkuは男性役者が良いと感じるのかなあ。阿形さん、若月さん、藤本さんが気になる役者に。

初めてcan tutukuに行ったときには西田美咲さんが好きな役者になったもののbaghdad cafeの公演で吉田青弘さんと近藤ヒデシさんを好きになったイメージが強い劇場です。

演出の大谷健太郎さん、とても感じの良い方ですね。今回は作品そのものに財布の紐を弛めさせるまでのパワーが無かったので何も買いませんでしたが『走れ、マーメイド』は満足度のわりに価格が安かったので次回は何か買いたいな、と思います。

投稿: KAISEI | 2016年7月14日 (木) 02時31分

>KAISEIさん

昼を観れなかったのは、かなり痛かった。
恐らく、だいぶ感想が変わるような気がしています。
夜だけで言えば、正直、あっさりしていて普通だったとしか言えないようなところがあり。

投稿: SAISEI | 2016年7月19日 (火) 20時33分

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