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2016年7月10日 (日)

ヤだなコワいななんかヘンだな【イエティ】160709

2016年07月09日 インディペンデントシアター1st (90分)

えっ、こんなオチなのと、さんざん笑った後に、とまどいと驚きが残る。
何とも、男の哀愁を漂わせる、単なるコメディーに留まらない形にしたものだ。
半ば強引な設定でありながらもスムーズな話の展開、絶妙な会話の掛け合いによる安定した笑いとさすがだなと。
いつもながら、スマートな面白さを感じる作品でした。

テレビ局に勤めるオガワ。
先日、かつて処刑場だったとかいう峠を取材してから、どうも身の周りに悪いことばかり起こる。
会社も訳あって謹慎中だし、指を切ったり、携帯を失くしたりと。
彼女は一度、スピリチュアル専門の人に見てもらった方がいいと薦めてくるが、電話でカウンセリングをするらしく、怪し過ぎるので断る。
彼女とは長い付き合い。自分に悪いものが憑いていては、彼女にまで悪いことが起こる可能性もある。私のことをきちんと考えてくれているのかと迫ってくる。
ごちゃごちゃしたことは嫌いだ。一人になりたい。そんなことを口にしたら、彼女は怒って帰ってしまった。
タイミング悪く、彼女が出前を頼んだチャーハン二つ。出前はずっと外で会話を聞いていたらしく、興味津々でオガワに色々と聞いてくる。余ったチャーハンを食べながら。
出前も帰り、ようやく一人に。
と思ったら、部屋に男が。ナカモト。
峠の地縛霊だったが、振り切って、オガワに憑りついて、ついてきたらしい。
普通ならば信じられない話だが、このタイミング。ナカモトも今しかないと思って現れたみたいだ。
試しに握手をしてみると、すり抜ける。確かに幽霊みたいだ。
シバヤマという男と一緒に、山登りであの峠にやって来た。そこで突き落とされたのだとか。シバヤマとは色々なことでライバル同士だった。
自分はこんな幽霊となり、あいつはきっとのうのうと生きている。悔しい。
それで復讐のために現れたのかと思いきや、もうシバヤマの件はどうでもいいらしい。
それよりも、あの峠に、あの有名な怪談芸人、ミナガワがやって来た。その時に、ナカモトはミナガワと目が合ったのだと言う。
きっと、ネタにされているはず。どんな話をしているのかを聞いてみたい。これが心残りで成仏できない。
人のいいオガワは、翌朝、ナカモトと一緒にTSUTAYAへ向かう。

翌朝、彼女はオガワの部屋に。オガワは出掛けていない。
出前が丼回収にやって来る。
昨夜はあの騒ぎで、オガワはチャーハンを食べていない。
出前はそれを食べながら、彼女の相談にのり始める。
出前は怪談芸人をしているらしく、この部屋にも悪い気が漂っているようなことを言って、彼女の気を惹こうとしている。
出前は怪談ライブのチラシを渡して、部屋を去る。
オガワがナカモトと一緒にTSUTAYAから戻って来る。
昨夜から連絡も無し。心配していたら、友達とTSUTAYAに行っているとはと、怒り出す彼女。
オガワは事情を説明。また、すり抜ける握手で一応、信じてもらう。
そして、ミナガワの怪談ライブCDを調査開始。出会った年代から絞り込み、題名から山に関わるものを推測。
それらしきもの、見つけて下さいというものがあった。
状況はピッタリだが、ミナガワが出会った男がどうも違う。大きな男だと言っており、一般的に小さい部類に入るナカモトではないようだ。
ナカモトは、ミナガワのライブを聞きに行き、直接会いたいと言い出す。オガワのテレビ局のツテを利用してくれと言ってくる。
彼女は、さっきの怪談芸人のことを思い出し、チラシを見せる。
ミナガワのことを知ってるのではないか。
オガワは出前を呼び出す。一つはこのナカモトへの協力依頼。もう一つは、明らかに彼女に色目を使ったことへの釈明を受けるために。
やって来た出前は、ミナガワのことを知ってはいたが、そんなナカモトが出てくるような話は聞いたことが無いと言う。それに、ただ目が合ったくらいで、ネタにするわけがないと手厳しい。
すると、ナカモトは急にミナガワではなく、自分が会ったのは役者のヤクショだと言い始める。いくらそっくりと言われていても、間違えはしないだろうに。

翌日、彼女はまたオガワの部屋に。オガワは出掛けていない。ヤクショのDVDを探しにナカモトとGEOに行ったようだ。
そんな部屋にいきなり現れた男。
部屋にあるミナガワの怪談ライブCDを見て、入って来たらしい。
そこでネタにされている男は、だいたい自分なのだと言って、ずいぶんと有名人気取りだ。
オガワとナカモトが帰ってくる。
ナカモトは、部屋の男を見て、シバヤマと叫ぶ。
突き落としたのではない。ナカモトが押すなよといったから、押したのだと言っている。そして、その後、自分も足を滑らせて死んだのだとか。
死んでもライバル意識が強いナカモトは、ミナガワのネタになっているというシバヤマに対抗心を燃やし、自分はヤクショに会ったと自慢気に語り、借りてきたDVDを観始める。
シバヤマも悔しかったのか、自分も会ったのはヤクショだと張り合ってくる。

オガワは疲れ切っている。
とにかく一人になりたいから、部屋から出て行けとナカモトに言うが、寂しいとか言いだしてなかなか部屋を出て行かない。
そんな言い合いをしている中、また新しい幽霊が。
見つけて下さいと言っている。
もう、その話は十分だ。
でも、聞くと、その女性の幽霊はこのマンションのエレベーターに今も死体として眠っているらしい。20年も前の事故で誰にも発見されていないようだ。
混みいっているから。ナカモトもオガワは自分のことで手一杯だと、勝手な言い分で女性幽霊を追い出そうとする。
幽霊になっても、女性は女性。涙を見せるという汚い攻撃で、渋々、オガワは了承することに。安心した女性幽霊は部屋の奥で待機することに。
今度は出前がやって来る。
企画書を手にしている。怪談芸人としてなかなか花開かない。オガワのツテで番組を一本何とかならないかと。
オガワはすぐに追い返す。
しかし、しばらく考えて、女性幽霊を呼び出す。
出前のところへ行って、自分の話をして来いと。きっといいネタになるはずだ。

ドタバタ続き。
これは全て、ナカモトが原因なのだろうか。
悪いことばかりが続く。と思ったら、携帯のバイブ音。失くしていた携帯が見つかる。しかも、会社からだ。
でも、やはり、悪霊なのだろう。会社からクビを通告される。

相変わらず、ナカモト、シバヤマはくだらない意地の張り合いをして、女性幽霊もいついている。
ナカモト、シバヤマは、共にカヨコとかいう女性に5股をかけられていた過去の話をしたりしている。どっちが4股、5股目なのか。どっちが男としてかっこいいか、結婚したいのはどっちと、騒いでいる。
オガワは怒鳴り散らす。さっきから、何度も会社に電話しているのに、誰も出ない。
お前らもいい加減にしないと、彼女の知り合いの除霊士によって、消されてしまうかもしれないぞと忠告。
彼女がやって来る。
ずっと適当に流すから、こんなことになってしまったのだとオガワを責める。
除霊士に連絡して、みんな除霊してもらうようにと、携帯をオガワに渡す。
悩むオガワ。
ナカモトは、そんなオガワの姿を見て、悩むことじゃないと言う。これは一択。迷惑をかける自分たちを追い払えばいいと。
それでも、オガワは決断できない。そんなの優しさじゃないと責め立てる。
重い時間が流れる。
シバヤマは、何をこんなに悩んで、重たくなっているのかと急に言い出す。
迷惑ならば、すぐにパッと消えるけどと。この世とあの世の境界は曖昧で、パっと移動できるのだとか。そう言えば、シバヤマが初めて彼女の前に現れたのも、突如としてパっとしたものだった。
シバヤマは、カヨコの子供の顔を見に行こうとみんなを誘う。不細工な旦那と結婚。でも、子供の顔が全然似ていないのだとか。ナカモトも興味あるらしく、それにのっかる。女性幽霊もゴシップ好きで、興味津々。
オガワにありがとうございましたと礼を述べ、みんなパっと消える。

オガワは一人になりたいと外に出る。
残された彼女の下に出前が。いきなり告白。
そこにオガワが帰宅する。
浮気かと彼女を責めるオガワ。
彼女は、遂に堪忍袋の緒が切れ、優柔不断で、ちっこい男だと、オガワを罵り、部屋を出て行く。
見捨てられてフラれてしまったオガワ。
ナカモトたちは、戻って慰めようとするものの、あまりの泣きっぷりに近づけない。
部屋で泣き崩れるオガワ。それをあの世とこの世の境界から、釈迦のような視線で眺める幽霊たち・・・

オガワ、悲しいなあ。
あれだって、優しさだよ。
自分が多少、損しても、何か相手のことを気を使って考えてしまったりするのは。
会社にも、女にも、幽霊にも結局、見捨てられてしまった男。
こんな結末はヤだし、こんな人が恵まれない世の中はコワいし、やっぱり、なんかヘンだなと思う。

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