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2016年6月 8日 (水)

歓呼の纏・またしたな【劇団KAZUMA】160608

2016年06月08日 オーエス劇場 
            (ご挨拶15分、休憩15分、芝居65分、口上15分、休憩15分、ショー75分)

前回に引き続き、大衆演劇を観劇。
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前回は、大衆演劇をよく観劇する方にアテンドしてもらいましたが、今回は、早速、独立して足を運んでみました。
しかも、なかなか濃い雰囲気たっぷりのこの劇場に。
前回、池田呉服座だったので、ずいぶんとギャップが。でも、イメージしていた大衆演劇の劇場って、ここみたいな感じ。
少し怪しげで、言葉がおかしいかもしれませんが、ちょっと観劇することに後ろめたさみたいなことを感じる空気は嫌いじゃありません。そういうところが、またいいように思うのです。

感想は後述しますが、今回は初、藤美一馬座長。
この劇団を観に伺いながら、座長のお姿を見ていなかったという。噂には聞きますが、本当にどれほど凄い方なのか、素敵な方なのかに興味津々。
拝見して、確かにちょっと特殊なオーラがありますね。今回は、イカしてる、痺れるみたいな男のかっこよさみたいな印象が強めですが、真逆のポワーっとしてしまう、メロメロになってしまうみたいな女の魅力も少し見れました。

芝居の演目がいまひとつ好きな感じでなかったのと、前回拝見した時に素敵だったお目当ての役者さんがいらっしゃらなかったなど、少し物足りなさが残りますが、一馬座長のけっこう圧巻される魅力を味わえ、また、一人、ちょっと目を惹く、素敵な役者さんが見つかったのは良かったかな。
まあ、またこの独特な雰囲気で、個性ある役者さんの想い溢れる演技、心惹かれる舞踊といった芸する素敵なお姿を拝見できました。

・ご挨拶

前回、拝見した時は、いきなり芝居でしたが、通常は役者紹介も兼ねた簡単なショーがあるみたい。
登場する四人方。
柚姫将さん、冴羽竜也さんは、前回の三人会で拝見しているので、名前はしっかりと覚えている。少しだけ顔も覚えていますが、実はまだあまり区別がついていないです。いかにも大衆演劇役者さんって感じの義理人情に厚そうな味ある演技をされる柚姫さんと、とにかくたたずまいや仕草が上品な美しさを醸す冴羽さんって感じの認識です。
そして、前回、一番目を惹いた方で、千咲大介さん。今回も楽しみにしていたのですが、いらっしゃらない・・・3日間ほど、どこかに出張中らしいです。残念。
残りのお二人。藤美真の助さん、龍美佑馬さん。龍美さんの名前は何となく。真の助さんは知らなかった。三枚目の空気をプンプンと匂わせています。龍美さんは、この時点では私の中ではあまり目立たずって感じでしたが、最後の舞踊ショーで何か、この独特の大らかな空気にどこか癒しのような温かみを感じる素敵な方という認識に変わります。
そして、座長の藤美一馬さん登場。前回、いらっしゃらず、初見です。座長のお姿観ずして、劇団のことなど語れず、ようやく、劇団KAZUMAを観たことがありますと人に言えます。
この時点での印象は、確かに何か持っていそうな、他の方とは違った空気があります。トップの貫録でしょうか。それと同時に何か秀でた才能みたいなものを感じました。言葉にするのは難しいですね。その時、何となく感じたのはX JAPANのYOSHIKIみたいな感じでしょうか。見た目の美しさとか、けっこうオラオラ系っぽい毒のあるトークとかよりも、何か芸や才能で色々なものを掴んできたような空気みたいな感じかな。まあ、この時感じたことがそう間違いでないことは、この公演を観終えて証明されることになるのですが。
あとは、ゲストの林愛次郎さん。だと思います。そう聞き取ったので、ググってみましたが、それらしき方だったので。オカマなんて言われて、一馬座長と冗談の掛け合いをされていましたが、それも前フリ。後の舞踊ショーでほんまや、この人、凄い女やって感じになります。
一馬座長が歌を歌っている間に、皆さんは会場を回り、何と一人一人の客と握手。

・芝居(歓呼の纏)

今年も歓呼の纏を奉行から賜ることになっため組。
自らの命を顧みず、民たちのために火事場に駆けつけて助けることを信念に、毎年毎年、懸命に働いてきた証。
その頭は、今はかなり年老いたが、そんな信念をずっと貫き、若い者たちにも慕われる男。
旧友にこの歓呼の纏を見せる約束をしており、久しぶりに共に酒でも飲んでゆっくりするつもり。頭の下で働くマサはお供をすると言うが、頭は先に帰って、マサの兄貴分のギンジに自分の帰りが遅くなることを伝えるように指示する。
一人、夜道を歩く頭。
子分を連れたバンガイ組の頭に出会う。同じ火消しの仕事を営むが、金貸しとして、貸元としての方が名の通った男だ。
貸元は、その歓呼の纏が欲しいと言う。そうすれば、江戸の火消しの組合、48組の仲間入りが出来ると思っているようだ。
頭はそれは考え違いだと諌める。1年間、民のために真摯に働いてこそ賜ることが出来る歓呼の纏。そのことが、皆から認められる証なので、歓呼の纏だけ持っていてもダメだと。
貸元はその言葉に納得して、足止めをして悪かったと言って、頭と別れる。
その瞬間、子分が後ろから頭を刺す。そして、貸元は刀を抜いて頭に斬りつける。歓呼の纏は持ち去られる。
ギンジが、頭を一人にするなんて危険だと、マサを連れて、頭の後を追って来た。
しかし、二人が見たものは、倒れて息絶え絶えの頭。
貸元にやられたと言う頭。
二人はすぐにバンガイ組へ向かって、仕返しをしようとする。
しかし、頭はそれを止める。そして。最後に声を振り絞って二人に言葉を投げかける。
そんなことをしたら騒ぎになる。そして、そのことで、め組が取り潰しになるかもしれない。
今は辛抱してくれ、堪えてくれ。四十九日が終わるまで絶対に殺生もしないでくれ。
二人が一生懸命働いてくれたから、自分もこうして頑張れて、め組を発展できたことの感謝。ギンジにはこれからのめ組を頼むと、マサには持ち前の威勢の良さは喧嘩に使わず、火消しの仕事で勇気として欲しい。
そして、心残りは一人息子のタツ。火消しの跡を継ぐのが嫌で旅に出てしまった。きっと、風の噂で自分の死を聞くことだろう。血気盛んだから、敵討ちをすると言い出すはず。その時、力になってあげて欲しいと。
息絶える頭。マサはバンガイ組へ行こうとする。それをギンジは止める。
頭の遺言。今は耐えなくてはいけない。

バンガイ組では、歓呼の纏が手に入り、貸元はじめ、子分たちは笑い声をあげている。
そんな貸元に呼ばれたギンジ。
貸元は歓呼の纏を拾ったと言う。こんな大事なものを落としたことが奉行に知られたら、め組は大恥をかくのではないのか。
ギンジは、悔しい想いをひた隠し、頭をさげて、歓呼の纏を返して欲しいと願い出る。
指1本と引き換え。
火消し仕事をする者にとっては指10本でも足りないくらい。その指を失うことがどれくらい辛いことか。でも、貸元のその条件をギンジは、亡き頭のため、め組のためにと受け入れる。
指が詰められ、貸元に嫌がらせをされながらも、歓呼の纏が再びギンジの下へ。
感謝の意を述べて帰ろうとした時、貸元は床にしたたる血を舐めて掃除してから返れと言う。
ギンジはそれに従う。
迎えに来たマサ。ギンジの手にする歓呼の纏を観て喜びの声をあげるが、すぐにギンジの手に気付く。
マサは貸元のところへ殴り込もうとする。
ダメだ。今は辛抱。そう言ってギンジはマサを連れて帰る。

め組の家。
マサは、ギンジに仇討ちをしようと直訴。
しかし、ギンジは、今はめ組の柱をもう一度しっかりと固めることが大事。短気は絶対に起こすなと諭す。
それよりも、今日は大事な客が来るから丁重にもてなすようにとマサに指示。何でもどこかの劇場の社長が来るのだとか。そりゃあ、しっかりともてなさないと。
でも、やって来たのはバンガイ組の連中。
いきり立つマサを抑えて、貸元たちをギンジは丁重に迎え入れる。
貸元は、頭が亡くなったことを聞き付けてやって来たのだとか。お体を悪くしていたのは知っていたが、誰かに斬られるとは何と酷いことだと、シラを切っている。
マサは、その斬った奴が目の前にいると啖呵を切り出す。失礼だと怒る貸元。ギンジは、上手く誤魔化して、マサの不手際を必死に謝る。
貸元が頭の話をしだす。
賭場で20両の借金。それを返してもらっていない。それをどうにかしてもらえないかと。
頭は賭け事が大嫌い。賭場などに行くはずが無い。言いがかりだ。でも、ここは我慢するしかない。
マサは死人に口なしってことかと、また啖呵を切って、貸元を怒らせる。
ギンジはまたしても、必死に頭を下げて謝り、金を返す約束をする。
期限は暮六つまで。ほとんど時間が無い。しかし、必ず返すからとこの場は引き取ってもらう。
貸元は、ここまで足を運んだ駄賃、そして、若い衆の前で恥をかいたけじめをつけろとギンジに食いかかる。
貸元はゲタにつばを吐きかけ、それをギンジの首元に。打ち首みたいだと大笑いするバンガイ組の連中。
そして、貸元はそのゲタでギンジの額を思いっきり殴り、額を割る。
さらに、20両のかたに歓呼の纏も預かると。
我慢ならないマサを抑え付けて、ギンジは土下座で謝る。
怒りで震えるマサを見て、ビビッて震えているみたいだと、そして、何も言わずじっと見送るギンジに腰抜けだと大笑いしながら、バンガイ組の連中は帰っていく。
その通りだ。兄貴は腰抜けだとマサはギンジに突っかかる。
腰抜けだと思うのか。そのギンジの言葉に、マサはそうだと答える。
ギンジはその答えを聞くと、笑顔でそれなら、俺もいい男になったと言う。
頭の遺言。49日が過ぎるまで、そして息子が帰ってくるまで、絶対に殺生はするな。め組のことを頼む。その言葉を守るためなら、どんな辛抱だってする。
ギンジは強い決意を持って、ひたすら我慢をしていた。
マサはギンジの覚悟を改めて知り、酷い言葉を掛けてしまった自分を恥じ、ギンジに心から謝る。ギンジは、世間にどう思われようと、たった一人の弟分であるお前が、自分のことを理解してくれているならそれでいいんだと。
二人は改めて、兄弟の深い絆を確かめ合う。
そんな時に、一人の風来坊が。
若。頭の息子、タツさんが帰って来てくれた。
タツは二人に言葉をかける。
め組を守ってくれてありがとう。よくやってくれた。
もう我慢しなくていい。仇討ちだ。

バンガイ組へ向かうギンジとマサ。
貸元は悪びれもせずに、頭を殺したのは、自分だと白状する。
しかし、その後、言葉を続ける。
ここで、自分を殺したら世間はどう思うか。
貸した金を返さず、その貸元を殺すなど不義理だとめ組は世間から見捨てられるのではないのかと。
タツが現れ、金ならここにあると、20両をポーンと渡す。
一転して立場が悪くなった貸元。
ギンジは額割りの仕返し。割れずに内出血してかなり痛そうだ。
タツは子分たちを次々と斬り捨て、最後に貸元を斬り、仇討ちを果たす。

タツは再び、旅立つ。
やくざ風情の自分がめ組を継ぐことは出来ない。それに、あんな奴でも殺してしまったからには、自分は罪人。
ギンジにめ組を継いでもらう。きっと父も喜ぶ。
そして、マサには纏振りの役目を。
早速、その場で振らせる。
大事なことなので、世間のみんなもその姿を喜んで拍手をしないといけない。いまひとつ、喜びの拍手が少なかったので、やり直しを命じられる。
まあまあの拍手が。これなら大丈夫そうだ。
タツは去って行く。
とりあえずは、疲れた体を癒すためにスパワールドへ行くらしい。
いつでも、め組のことを見守っている、あばよ。
そう言い残し、タツはあての無い旅へと・・・

幕の最後に必ずと言っていいようにキメがある大衆演劇らしい作品。
兄弟、親分子分、親子の絆、義理人情。鉄板過ぎるぐらいに、そんなコテコテの要素が盛り込まれた話です。
笑いは少なめ。展開も最後が急な印象が強いですね。
恐らく、話よりも、好きな役者さんの栄えるお姿を楽しむことに重点を置いた方がいいように感じます。
個人的には、前回拝見した花かんざしの方が格段と好きですね。
まあ、人情ものといっても色々あるのでしょうし、これからもちょこちょこと観に伺えば、自分好みの作品にも出会えるでしょう。

・ショー(またしたな)
一馬座長と真の助さんの、コンビのような軽快な掛け合いの口上挨拶。
自虐、ブラックな毒あるネタを盛り込みながら。
休憩の後は、舞踊ショー。
この作品は、米米clubのMATA(C)TANAをベースに組み立てられたものみたいで、けっこう有名みたいですね。何でも、様々な形で、素敵な一馬座長の姿を楽しめるようになっているのだとか。
曲の影響もあるのでしょうか、全体的に、祭りを意識した空気になっていたように感じます。
ノリのいい曲も多く、客の中には、一緒に振付をしている方も。ノリノリやな、この人ってちょっと微笑ましく。
まあ、関係ないですが、この日は最後列の端っこに座ったので、客の姿もよく見えます。動画を撮るなとさんざん言われているのに、明らかにあれは動画撮っとるなという方がいますね。やっぱり、何か気分が悪いですよね。
自分も楽しみ、その姿を見せて、他の客も楽しい気分にさせる。これが通であり、本当のファンだと思いますがね。
まあ、それはよしとして、様々な曲に合わせて、役者さんが舞います。
柚姫さんは、じっくりと落ち着いた感じで魅せるような感じでしょうかね。芝居の方もそうですが、人の想いを大切に、ゆっくりと積み上げていって、心を震わせるような踊りといった印象があります。
冴羽さんは、前回もそう思いましたが、たたずまいや仕草が非常に美しい。やはり女形で顕著にそれが浮かびます。握手してただいた時に間近で拝見しましたが、顔もお綺麗で。
今回は、龍美さんでしょうか。一番、目を惹いた方は。もちろん、一馬座長は後述しますが、ちょっと別格の何かがあるにしても。
何かとても懐が深く、安定した大らかさ。それが滲んで溢れてくるような優しい温かい空気を醸されているようで、観ているととても癒されます。芯のある強さというのでしょうか。男が憧れる一つの姿だと思います。
真の助さんは、最初の挨拶で拝見した時に思ったとおり、少しコミカル系。でも、それを楽しんではるような、柔らかい空気があります。体はごついけど。歌が上手いんですかね。よく歌われていましたが。
そして、その歌の間に一馬座長が、皆の下へやって来て、全員と握手。
一馬座長は、噂通り、確かに何か凄いオーラがある。黒を基調にした着物で客席から登場された時は、あ~、これはかっこいいわ、キャーキャー言われるの、男の自分でもちょっと理解できるわと。
太鼓もたたかれていました。ビシっといかした姿で。痺れるみたいな言葉が一番的確かな。そんな太鼓をたたくお姿や、踊りも拝見していて、言葉にしにくいですが、他の方と何か違う魅力を感じるのは、芸を操っているみたいな感覚でしょうか。もちろん、皆さん、芸をされているのですが、その身体、存在を芸として変化してしまったような風に見えます。魅せ方をよく知り、それをそのまま魅せられるだけの芸としての腕がやはり達者なのでしょうかね。
ゲストの林愛次郎さん。上記しましたが、本当に女でした。何でしょう、正直、綺麗とは少し遠いところにいらっしゃるような感じなのですが、間違いなく、その姿は女性であり、お母さんのような優しさ、ちょっと安堵感を覚えるような美しさみたいな感じ。
母性みたいなものでしょうか。この美しさは、なかなか醸す人、本物の女性でもいないようなあなんて思いながら観ていました。
最後は、一馬座長が白鳥みたいな美しい姿に。飛び立ちそうなみたいな言葉で書くと少し大げさですが、これまでは少し、イカした男って感じだったので、急変して驚きです。
その後、作品名でもあるまたしたなを。
ジャ○ーズみたいな感じかな。一馬座長が太鼓を。ここで、さっきの白鳥とまた急変して、かっこいい男になってしまいます。その周りを四方が、ちょっと無理している感がある方もいらっしゃるけど、美形役者で固める。
しっかりキメてきたなって感じの、ノリのいい若々しい空気で楽しく締められます。

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