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2016年4月

2016年4月29日 (金)

真夜中の虹【劇団子供鉅人】160428

2016年04月28日 HEP HALL (100分)

真夜中のまったりとした優しい時間を、ナトリウムランプに照らされた高速道路を軸に連作小説みたいな感じでコミカルに描く。
真夜中の時間を過ごす人たちが、色々と交錯しながら繋がり合っていく巧妙な作品。

昼間の明るい太陽光の下で日常を過ごす私たち。
何でも見える割には、肝心な自分が進んでいる道や、その先の自分の夢や希望は見えなくなってしまうものなのかも。
真夜中の温かいナトリウムランプに照らされた高速道路が、まるで色あせた虹のように映り、自分自身の本当の姿、その歩んでいる道、そして、その先にある乗り越えた虹の向こうの世界を見せてくれる。
そんな穏やかながらも、どこか勇気を奮い立たせてくれるような話でした。

<以下、あらすじがネタバレします。大阪に続き、東京でも公演があり、期間が長いため白字にはしていません。重々、ご注意願います。大阪は日曜日まで。東京は5/9から始まります>

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2016年4月24日 (日)

スポチャンストリート【劇団SOLA】160424

2016年04月24日 アカルスタジオ (60分)

金曜日に2週間ぶりの観劇を東京で果たし、大阪でも本日から復帰。
まだ、右手が痺れる症状は治まらないので、少し短めのランタイムで、難しいことを考えることなく単純明快な話、出来ることなら踊りや歌を交えたエンタメ要素の高い作品で、可愛い子もたくさんご出演されてなんて条件が揃う公演を探していたのだが、ここが全条件を満たした。
本当は本編の後、スポチャンの試合をする30分ぐらいのアフターイベントがあったのだが、ちょっと右手が限界。ビリビリと痺れて、感覚が無くなってくるので、安全をとって退席することにした。
まだまだ本調子からは程遠い感じだ。

まあ、しかし元気いっぱいの作品だった。
若いって羨ましい。元々の坐骨神経痛の腰痛に加えて、頚椎ヘルニアなのか、右腕までおかしくなってしまったこの中年の自分の姿が悲しくなってしまう。
若いだけでなく、思いっきり頑張っているという姿が輝いて見えるのだろうか。
若い熱量と共に、作・演が壱劇屋の大熊隆太郎さん、先生役として山本貴大さんがご出演されていることもあってか、全体的にスタイリッシュな空気も醸されているところが巧くはまっているように感じる。

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2016年4月22日 (金)

Gliese【ピヨピヨレボリューション】160421

2016年04月21日 シアターノルン (70分、休憩10分、アフターイベント30分)

2週間ぶりの観劇。
右肩甲骨が痛くて、右腕が痺れるという症状が続き、完治していないけど、いつまでも休んでいるわけにもいかないので、東京出張の夜に観に伺いました。
じっとしていられる自信が無いのと、初観劇の劇団・劇場ということもあって、いつでも退席できるように最後方の入り口近くに着席。
結果は、程よいランタイムの単純明快なストーリー、歌って踊ってのとても楽しい作品、可愛らしい子いっぱいで眼福、原色のごとく個性の強い魅力的な役者さんの心地いいハーモニーということもあって、背中の痛みで途中退席することも無く、楽しい時間を過ごすことができました。
処方されている薬よりかは効果があったのではないかな。やはり面白い舞台を観ている時間が私にとって至福の時間なのでしょう。
ただ、右手の痺れがけっこう深刻であることが改めて判明。
前説で劇中に客席も一緒に踊る振り付けを教えられるのですが、この時点で既に辛い。両手を上げてと言われても、右手が痛い。クシャックシャと手をグーパーにしてと言われても、右手がビリビリと痺れるという始末。
観劇中も、あ~っ、もう、うっとおしいと右手を思いっきり振りたい衝動に何度も駆られました。
観終えた直後は気にしていませんでしたが、翌日、今、このブログを書いている時点では、いつにも増して右手が痺れまくっています。これだけ痺れるなら、もうこういう手になってしまったのだと諦めるしか無いような・・・
まだ、少し様子を見ながらの観劇ライフになりそうです。

<以下、あらすじがネタバレします。公演期間が長いため、白字にはしていませんので、重々ご注意願います。公演は4月30日まで>

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2016年4月 7日 (木)

LOVE17【べろべろガンキュウ女】160406

2016年04月06日 B・SQUARE (95分)

基本的な構成は、前回と同じかな。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/160109-6579.html
最後まで観て、ようやく話が繋がるようなところもあるが、逆に最初の数十分で全てを描いてしまってラストシーンにまで至ったりしているところもある。
舞台上の人たちの心の中に、より入り込むことで、シーン一つから得られる情報量が変わる。それは多視点で見詰めることが出来たり、経緯を把握したりと、結局はその人への想いの質・量が変わっているのだろう。
リフレインを多用することで、一つの音楽のように、その繰り返しが盛り上がりを見せ始め、話に膨らみを感じさせる。同時に、情報量も少しずつ増やしているような巧妙さもあるみたいだ。

普通の町に住む、普通を意識しながら生きる人たち。
そこに起こった、まあ普通に起きることのある殺人事件。
その真相を追いながら、人の弱さや歪みを浮き上がらせる。
そんな人の姿は醜くもある。
憧れの気持ちは妬みになり、肯定は否定へと変わったり、思いやりは憎しみとなる。
でも、人はそんな弱い自分を知っているから、人を求める。
誰かを救うヒーローでありたいと思ってもいるし、自分が悪い奴だからヒーローに助けてもらおうともする。
そうやって、互いに求め合うことの先に愛が生まれるなら、人は素敵なんじゃないのかとも感じるような話でした。

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2016年4月 3日 (日)

飴男 チームS【GOOOOO-TO-J】160403

2016年04月03日 アトリエS-pace (85分)

何か、勝手にコミカルな話を想像していたのに、けっこうえげつない話のように思えて。
頭がぐちゃぐちゃになって、よく分からないところがあるのですが、どうも、作品名のように甘いものだけで、繋がっている人の結びつきへの警鐘みたいなことを感じます。
飴のように甘い男。それは、自分の凄さを知らしめたいという欲から始まり、それに憧れて執着してしまう人々の欲望へと結びつく。
それは、やがて、結びついていたはずの人同士を破壊するだけの恐ろしいものへと変換されていく。
そんな表面的な甘さに囚われず、そこにある人の想いをきちんと受け止めて、味合わないとえらいことになりますよみたいなことを感じる、何か心モヤモヤ、嫌な感じの話でした。

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2016年4月 2日 (土)

はやぶさものがたり ~宙(そら)翔けた軌跡~ 元服版 160402

2016年04月02日 道頓堀ZAZAHOUSE (90分)

4回目の観劇。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/150822-1f57.html

観る前から書こうと思っていたことを、書けますね。やはり、しっかり観て、その魅力を確認してからじゃないとね。
いいものはいい。
感想はこれに尽きると思います。

ちょうど先日、この作品とも関係が深い桃谷高校演劇部の公演を拝見しました。
The StoneAgeの大人の作品を高校生が演じる。
今回はその逆の高校生がずっと演じていた作品を、まずまず妙齢の大人たちが演じる。
大人だから、やっぱり若い高校生たちの熱量に比べると、衰えは否めないか。
と書くつもりだったが、十分、若々しく熱かったな。
貫禄ある役者さんもいらっしゃるので、安定した引き締まりはあるが、それをもエネルギッシュな舞台の空気にしてしまうような巧みさがあったみたいです。

感想は何回も書いたので、これまでとあまり変わりません。
感動するところも、作品を観て考えることも。
だいたい、太陽フレアのシーンあたりで涙が滲んできて、ミネルバとのお別れシーンで鼻がグズグズ言い出して、何か歌を歌うあたりで一旦、落ち着きを取り戻して、最後、はやぶさの身を呈して、希望を未来に託す凛とした姿に心震わされるという、もう私にとっては定番の観劇の流れでした。
ただ、今回、一番強く感じたことは、はやぶさを通じて繋がった人々の想いが、私たち自身の成長、大きく言えば社会や国の成長に繋がっていることでしょうか。
はやぶさの優しく、勇気ある立派な姿は、自分たち自身も、この日本で、社会で、周囲の者たちと想いを寄せ合い、何かをやり遂げようとすることで、きっとそんな姿になり得る可能性を示唆してくれているような気持ちになりました。
はやぶさには、勇気や誇りを多くの人がもらったと思います。
それは、そんなはやぶさを生み出した私たち自身の誇りであり、これからの不安も大きい未来へとより良き道を進もうとする勇気なのだと思います。

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2016年4月 1日 (金)

テノヒラサイズの人生大車輪【テノヒラサイズ】160401

2016年04月01日 HEP HALL (105分)

まあ、もう多くを書く必要はないですね。
生で拝見したのは4回目ですが、変わらず面白かったということで。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/110912-869d.html
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/110912-0933.html
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/100915-9579.html

今回は、後輩を連れて行きました。
最近では壱劇屋、これまでも、ピースピット、コメディーユニット磯川家、中野劇団、梅棒と、要は私が認める一級品しか見せないようにしています。
目が肥えたいだけ肥えた人を育ててみようかなと。
そんな後輩、
予想していた感想は、伏線回収の絶妙さ、湯浅崇さんの面白さが挙がるだろうなと思っていました。もちろん、その二つは出てきましたが、なるほど、そうかあと思う感想が。
「パイプ椅子のカテゴリでは確実に世界のトップレベルですね。パイプ椅子にあれだけの可能性を見せられたら、自分達もまだまだだなと考えさせられました。」
メールでもらったものをそのまま転載。
そう、もう当たり前になってしまっていましたが、ここはパイプ椅子パフォーマンスが凄いんだった。ちょっとしたロボットぐらいだったらパイプ椅子で創ってしまうのを知っているので、贅沢にも感動しなくなっていましたが、初めて観ると、お~っとなるんですね。思い起こせば、私も最初、そうだったかも。
改めて、この劇団の魅力を再確認ってところですね。

面白さは湯浅さんだけでなく、もちろん、いつものごとく、皆さん、個性豊かに楽しくおかしく。
川添公二さんのおふざけしながらも切ない哀愁漂う男の姿、木内義一さんのどこか虚勢を張った子供っぽさを醸す姿、松木賢三さんの男らしさを魅せながらも何か飄々として軽さを感じる姿、田所草子さんの荒々しくすさんだ女性が輝こうとする凛とした姿、上野みどりさんの抜け目ない小悪魔的な魅力、久野麻子さん(スイス銀行)のシュールキャラから弱々しい乙女とその幅広さと、個々の役者さんの魅力も光る作品でした。

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