« 飴男 チームS【GOOOOO-TO-J】160403 | トップページ | Gliese【ピヨピヨレボリューション】160421 »

2016年4月 7日 (木)

LOVE17【べろべろガンキュウ女】160406

2016年04月06日 B・SQUARE (95分)

基本的な構成は、前回と同じかな。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/160109-6579.html
最後まで観て、ようやく話が繋がるようなところもあるが、逆に最初の数十分で全てを描いてしまってラストシーンにまで至ったりしているところもある。
舞台上の人たちの心の中に、より入り込むことで、シーン一つから得られる情報量が変わる。それは多視点で見詰めることが出来たり、経緯を把握したりと、結局はその人への想いの質・量が変わっているのだろう。
リフレインを多用することで、一つの音楽のように、その繰り返しが盛り上がりを見せ始め、話に膨らみを感じさせる。同時に、情報量も少しずつ増やしているような巧妙さもあるみたいだ。

普通の町に住む、普通を意識しながら生きる人たち。
そこに起こった、まあ普通に起きることのある殺人事件。
その真相を追いながら、人の弱さや歪みを浮き上がらせる。
そんな人の姿は醜くもある。
憧れの気持ちは妬みになり、肯定は否定へと変わったり、思いやりは憎しみとなる。
でも、人はそんな弱い自分を知っているから、人を求める。
誰かを救うヒーローでありたいと思ってもいるし、自分が悪い奴だからヒーローに助けてもらおうともする。
そうやって、互いに求め合うことの先に愛が生まれるなら、人は素敵なんじゃないのかとも感じるような話でした。

サブカル。
名前のとおり、マイナーミュージック好き。マッシュヘア。普通であることが嫌。変わっていると言われたい。
メジャー好きのくだらない友達をイヌと呼ぶ。
自分は自分の世界をしっかり持っていて、それに誇りがある。流され生きている連中を下に見るみたいな感じか。
それでも、若いから性的な興味はつきない。売春OLの乳を揉む。
彼氏と別れた佐々木さんに想いを寄せる。少しだけだけど、いい感じなので幸せ。

イヌ。
普通じゃない何かを求めて、虚勢を張って生きている。所詮、自分は普通だということに気付いていながら。サブカルに対して、憧れと妬みの気持ちが複雑に同居している感じ。
両親は亡くなったが、それでよかった。自分がこんなダメな人間だから。母にしか性的な魅力を持てないような。
でも、OLと出会って変わった。母以外の人に勃起できた。彼女の好みは正義のヒーローのような男。悪い奴をやっつける。そして、彼女に抱きしめてもらいたい。

フツウ。
母親が新興宗教にはまり、家庭は崩壊状態。
でも、これが普通。普通になんて基準は無いから。
事なかれ主義で、普通じゃないことが起きないようにしている。だから、毎日がつまらない。

佐々木さん。
お兄ちゃんとの近親相姦で中絶の経験がある。酒に酔っていた兄。そこに愛は無かった。でも、嫌じゃ無かった。好きだから濡れていた。
久しぶりに、今は警察官になった兄が家に戻って来る。嬉しくて仕方がない。

OL。
正直者は馬鹿を見る社会。だったら、悪い奴になりたい。無理したすれた言葉と自分の身体を売ることで、そんな悪い自分を作る。
でも、正義のヒーローが現れて、自分が救われることを待ち望んでいる。そんな中、出会った警察官の優しく真摯な言葉や態度に心を奪われ、ストーカーになる。

お兄ちゃん。
警察官として、真面目に仕事をしている。だから、正義。でも、自分の中に悪者が潜んでいることを知っている。酒に酔って、自分の妹を犯した。妹のことが嫌いだった。両親の愛情を自分だけが受けたかったから。そんな悪が外に出ないように、いつも抑圧して生きている。

ボブ。
5歳で時間が止まってしまった中年の知的障害者。公園で子供のようにずっと遊んでいる。いつも一緒に遊んでくれるみーちゃんが大好き。みーちゃんがいない時に話しかけてくれた教祖という女性も好き。自分のことを可愛いと言ってくれるから。あと、フツウ。キモイとか言われるけど、なんだかんだ言って会いに来てくれるから。

教祖。
ある日、見つけたフツウに恋をする。多分。
その日から、自分が彼のプレーヤーとなる。つまらない顔をして生きる彼の世界を変えてあげる。彼の世界は私の世界でもあるから。
大丈夫。失敗してもセーブして、やり直せばいいのだから。

こんな人たちが住む町。
とんでもなく大きな事件が起きるわけではないが、ちょっとした汚職や残虐事件は普通に起きる。
何かに絶望して諦めて、考えることを辞めて自暴自棄になって無気力になってしまう病が蔓延している。それも伝染する。
そんな町でみーちゃんが公園で殺される事件が起こった。
佐々木さんのお兄ちゃんが自首をする。
そこから、連鎖的に各々に起こる出来事を描きながら、真犯人に迫るような話。

佐々木さんはショックで言葉を失う。サブカルはそんな彼女を家に閉じ込めて、必死に働いて食いつなぐ。彼女の笑顔を取り戻すために。
佐々木さんのお兄ちゃんは自首して警察に連れて行かれる。でも、彼はみーちゃんを殺してなんかいない。ずっと彼をストーキングしていたOLはそれを知っている。でも、彼は自分を信じられず、自分を悪者とした。
OLは、自分を助けてくれると盲信していた正義の味方を失う。
そんなOLの下に、正義になろうとするイヌが現れて、彼女を抱き締める。それはイヌにとっても、失った母への想いを取り戻すものとなる。
教祖に人生を遊ばれるフツウは、普通じゃない自分を演じるかのように、ダンボールを食べるとか、ボブに鏡を見せて、彼の精神を崩壊させるような、狂気的で残酷な行動を起こし始める。そして、そんなおかしくなった自分の原因の全ては新興宗教にあると煽られ、普通じゃなく綺麗な子だったみーちゃんを教祖として殺害する。
ラストはエピローグ的に佐々木さんとサブカルの姿が描かれる。
サブカルは、ちょっとだけ普通になる。普通が嫌だから、何かでずっと飾っていたのだろうか。飾らない裸の自分になって初めて言える言葉があったみたい。自分の世界からちょっと外を見れるようになり、彼女に合わせるようになった。ポリシーが愛に負けた感じか。
佐々木さんは、日常を取り戻す。普通はつまらない。でも、同時にその愛おしさも実感できるようになったみたいだ。

自分が自分だけの誇りある世界で生きながらも、常に不安を感じ、救いを求めているという人の弱さや、違う人の世界を観た時に憧れと妬みのような、肯定と否定の念を入り混じらせてしまう人の歪みを感じさせる。
自分を信じる。飾らない、ありのままの自分。普通。
自分のことのなのに、それが表に出てきてくれない。表に出しているつもりなのかもしれないが、多分、それは自分が今を生きるために作り上げた普通の自分。
自分では引き出せずに、誰かに引っ張り出してもらわないと仕方ないのだろうか。
自分を教えてくださいと、人を求める。求め合う。
知った自分の姿は、けっこう残酷。感じてはいたけど、やっぱりこんな自分だったんだ。
でも、それを引き出してくれた人だから、裸の自分を見せられる。そして、その剥き出しの気持ちを伝えられる。
よく分からないけど、そんな愛の姿かなあ。
青臭いような気もするけど、そこに真摯な人を求める優しい切実な想いも隠されているような感覚が残る。

|

« 飴男 チームS【GOOOOO-TO-J】160403 | トップページ | Gliese【ピヨピヨレボリューション】160421 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

SAISEI様

今年2回目ですか? この劇団。劇団名か作品名かわかんないですね。

SAISEIさんが観劇休まれている間に着々と追い上げています(笑) 1月にスピード奪取された際には追いつけないかと思いましたが2月に自己最高記録の31公演観劇でやや追い上げ、3月末日に今年70公演観劇。

SAISEIさんは現在たぶん今年87公演観劇。

9日(土)劇団プラネットカンパニー→オリゴ党
10日(日)関西大学演劇研究部学窓座→本若
16日(土)大阪大学劇団ちゃうかちゃわん→劇団チリアクタ

私、今年80公演観劇\(^^)/

17日(日)アカルスタジオ脚本・演出コース→劇塾!S.W.S→Zsystem
20日(木)立命館大学劇団月光斜
23日(土)関西大学学園座→は~もに~らんど→同志社小劇場
24日(日)大阪大学劇団六風館→真紅組→劇団SOLA

私、今年90公演観劇\(^-^)/

28日(木)劇団立命芸術劇場→同志社大学第三劇場
29日(金)劇団ショウダウン→FUKAI PRODUCE 羽衣※→第二劇場→劇団ショウダウン
30日(土)てんこもり堂※→三等フランソワーズ※
1日(日)劇団ミネット※→男はくさいよ※→劇団ショウダウン
2日(月)劇団「劇団」→劇団「劇団」

投稿: KAISEI | 2016年4月21日 (木) 01時45分

SAISEI様

前コメ訂正&補足

「奪取」ではなく「ダッシュ」ですね。

※はまだ予約していないもの。劇団「劇団」も両公演まだ予約してないですね。

Zsystem配下のZchildrenを中心として結成されたZgirlの『キラメキ~私はトビウオ、あなたは太陽~』かなり良かったです。これは観ていただきたかったかな? 皆さんステキでしたが 主演のリコモーション所属の高校3年生三田みらのさんの演技が素晴らしかったです。

投稿: KAISEI | 2016年4月22日 (金) 16時22分

>KAISEIさん

なかなかなハードスケジュールですね。
ショウダウンは、予約が埋まりそうなので、恐らく確実に伺えそうな、7、8日の公演を今、予約しました。
GW中は一人仕事なので、どうなるか分からないので。

Zgirl、テノヒラのオカモト國彦さん作品ですものね。
無理して行けないことも無かったのですが、まだ背中がかなり痛かったからなあ。
三田みらのさん、軽く検索してみましたが、ミュージカルとかでかなり鍛えられている方みたいですね。

投稿: SAISEI | 2016年4月23日 (土) 11時21分

SAISEI様

4/4(月)会場:club MERCURY

『さぼろう』
作・演出 星村 彰
<出演>
星村 彰 (ぽんこつチョップ)
ばんち。 (ぽんこつチョップ)
---------------------------
蝉が呼んでる。アイツが呼んでる。
うるさいアイツが叫んでる!心にピッタリ寄り付くアイツ。
私はがんばろうとしてるんだ、さぼろうなんて思ってない!
夏休みに休んでなんか居られないの!
自由気まま勝手気ままの我慢大会!お楽しみに!!

『なんかすごいばくはつ』
作・演出 マナカ(まきこみじこ)
<出演者>
火野 環妃 : 織部美月
水原 素子 : きゃな子
早川 光 : マナカ
りゅうこ : 山田百合香(声の出演)
黒沼先輩 : 星村彰
---------------------------
【恋する心を持つロボット】の開発
この研究が成功すれば、
その存在は多くの人に夢と希望を与えられるはずだった
「これ使って元カレぶっ殺します」
作った人間がまともでさえあれば……
機械じかけのラブ(をネタにした)コメディ。
「恋は爆発に似てると思わない?」
「しっかりしろ」

『大っ嫌いな姉ちゃんが嫁に行く』
作・演出・振付 星村 彰
<出演者>
ばんち。 (ぽんこつチョップ)
星村 彰 (ぽんこつチョップ)
山本マキシマム太郎(ぽんこつチョップ)
マナカ (まきこみじこ)
きゃな子 (まきこみじこ)
---------------------------
「ごめりんこ☆」姉がよく言う言葉。
謝ってんのか、ふざけてんのか。
家事全般苦手で、ドジで、頼りなくて。
俺は姉ちゃんが大っ嫌いだ!
姉ちゃん、それじゃいつまで経っても結婚、出来ないぞ?

…ほんの少し、家族が好きになるお話。

KAISEI感想

『さぼろう』
 夏休み,がんばって勉強しているばんち。さんに「遊ぼうよう」とかまってチャンになっている星村彰さん演じるさぼ郎(ちなみに着ている服-ウインドブレーカー?-に「さぼ郎」と書いてある)。あの手この手を使ってばんち。さんをさぼらせようと誘う。ある時は「もう帰るからね。ほんとは寂しいんでしょ」〔みたいな感じだったと思う〕と帰るふりをしたり,暴れすぎて暑かったのか途中でさぼ郎がウインドブレーカーを脱ぎ星村彰さんに戻ってしまう場面も。最後のほうでばんち。さんが上着? を脱ぐと「がんば郎」と書いたTシャツが,みたいなユルい感じの話でした。20分ぐらいかな。

『なんかすごいばくはつ』
 さて今回のお目当てのまきこみじこ。きゃな子さんを久しぶりに観れるということで今回観に来ていたので(笑)。
織部美月さん演じる火野環妃はロボット工学の博士。彼女が作った恋愛できるロボットがきゃな子さん演じる水原素子,マナカさん演じる早川光は博士の助手。博士からは虫扱い。山田百合香(声の出演)演じるりゅうこは人工知能を持ったコンピュータ。星村彰さん演じる黒沼先輩は火野環妃の大学時代の彼氏。たぶんこんな感じだったと思います。

 ロボットができた未来。人間とほとんど変わらないが一つ乗り越えられない壁があった。それは恋愛すること。ロボットはそれができない。でも火野環妃はそれをついに克服するロボットを作った。それが水原素子。実は火野環妃は大学時代,好きだった黒沼先輩に告白。付き合うことになったがいつでも黒沼先輩は「別にいいよ」しか言わない。そんな黒沼先輩に嫌気がさした火野環妃は自分から黒沼先輩をフる。追いかけても来ない黒沼先輩。それがトラウマとなって恋愛できない火野環妃。黒沼先輩に復讐しようと黒沼先輩に水原素子を近づけ水原素子がドキドキすると爆発する〔のかな?〕らしい。それを聞いて水原素子を止めに走る〔変装している〕早川光。水原素子に敵わない。火野環妃も気になって見に来る。いい雰囲気になっている黒沼先輩と水原素子だがいきなり水原素子が黒沼先輩に火野環妃の気持ちを代弁みたいな。恥ずかしくて二人の前に飛び出す火野環妃。久しぶりに黒沼先輩と会ったのにドキドキしていないことに気付いた火野環妃。昔の恋に恋していた(美化していた)というオチだったと思います。

『大っ嫌いな姉ちゃんが嫁に行く』
 両親が死んだあと,親代わりをしてくれているが家事が苦手でそそっかしい姉(ばんち。)が嫌いな弟(星村彰)。風邪をおして会社に行った弟に作ってくれた弁当の中身はネギが一本丸ごと入っている。「どういうことなんだ」と弟が姉になじると「ネギは風邪にきくから」という姉。弟が「そんなんだと嫁にいけないぞ」と言うとショックを受けた様子。その後料理教室に通い料理がうまくなる姉。味をしめた弟は「嫁にいけないぞ」というと姉は頑張るのだと思いそれを事あるごとに言う。どんどん優秀になる姉。しかしそれはそれで弟は悩む。今までは優秀な弟がドジな姉を支えている図だった。これじゃ逆じゃないか。こんなの姉ちゃんじゃない。最後は男(山本マキシマム太郎)と結婚する姉の結婚式に乱入して「姉ちゃんありがとう」か「姉ちゃん幸せになれ」って言って終わったような。マナカさんときゃな子さんは幼いころに死んだ両親役だったと思います。

やっぱり時間が経つと忘れますね(笑)

投稿: KAISEI | 2016年4月25日 (月) 11時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/549536/63448244

この記事へのトラックバック一覧です: LOVE17【べろべろガンキュウ女】160406:

« 飴男 チームS【GOOOOO-TO-J】160403 | トップページ | Gliese【ピヨピヨレボリューション】160421 »