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2016年2月 7日 (日)

居坐りのひ【劇団N2】160206

2016年02月06日 ウィングフィールド (80分)

残しておいたメモとにらめっこ。少し目をつぶって、あの舞台の風景や空気を思い起こしてみる。すぐに洗脳されてしまうところがあるので、あまりしたくないけど、他の人の感想を検索してみる。
30分経過。
素直に断念しましょう。感想を書くのを。
何を書いているのか、今となっては理解できないメモに記された数々の言葉。とにかく、緊迫感がピリピリしてて、でも、何かふわりと浮いた感覚もあって。その特殊な空気は、どうなっているのか分からないから、暗闇で頭は思考停止しているはずなのに、眠らせてもくれない。
神話、息苦しさ、すっきり、からっぽ、言葉遊び、なまぐささ。観た方の感想も、私にはそれ!って感じにはならない。
この状態では、仕方ありません。私にはまだ付いていけない作品だったのでしょう・・・

ただ、一点だけ。
月の光やら、雨やら、屋上やら、天井から落ちてくる紙やら・・・
上から下に。
舞台を踏みしめる足。でも、どこか、舞台上の人たちは浮遊しているような、消えそうな存在感。舞台に落ちている紙。その地面に転がる紙にはしっかりとした抒情的なのか抽象的なのか、とにかく言葉が刻まれている。
窓を閉めて、外の光を遮断して、暗闇に包まれて、この地に封印されているような感覚。そこに灯される灯りは男の持つ懐中電灯だけ。でも、その手にはビニール手袋がはめられ、生身ではないから、光の持つ温かさは感じられない。
降ってくる雨を傘で遮る。いつの間にか舞台はどこかから見下ろされているような感覚。
この舞台の上に何かあり、そこは暗闇では無い。冷たい雨もそこからきている。
何やら、重力に抗って、自分がこの地に降り立つ前のあの日に戻ろうとしているかのよう。でも、それは同時にこの世での自己の存在意義を失ってしまうような感じか。
この地に、降りかかるものに抗いながら、空からのわずかな光の熱をじっと受け止めながら、この地を踏みしめて生きていかなくてはいけない私たちの生みたいなものを描いているのかな。

散乱する紙屑、ビニール手袋、筒のように封印されたもの。天井には紙屑がこよりのようにぶら下がる。
窓際の椅子。
そこで、積み重ねられた木枠の格子の下に眠る女。
そこに、足を踏み入れ窓を閉める男。
そこに、懐中電灯を掲げて現れて、ビニール手袋をはめる男。

男は木枠の格子を外す。女が眠りから目を覚ます。
拾い上げられる紙屑。そこには、言葉が書かれている。
繰り返される言葉。継がれる言葉。掛けられる言葉。
暗闇、ほのかな灯り、雨。
1億5千万km先の月の光。
帯びる熱。感じて、やがて失う。
足りない物。あの日。思い出せない事・・・

メモに記してあったことだけを記載。
やっぱり、よく分からない。

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