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2016年2月14日 (日)

チョコレートタウンとトラブルカカオ【激団しろっとそん】160213

2016年02月13日 MOVE FACTORY (本編:70分、ゲスト:10分、おまけ:15分)

公演自体の楽しさは、一切否定する気はないし、それを魅せることが明確になってきて、文化祭と称するこのスタイルは非常にいいなと思います。
でも、今回は作品に関しては、ちょっと酷評かな。
少しはしょり過ぎな感じがするけどな。
アイドルアイドルして、元気いっぱいな彼女たち。
若さや熱さの力で押すようなイメージだが、実際に作品を観ると、いつも巧妙な脚本を丁寧に演じ、じっくりと積み上げて話を展開し、同時に心情の高まりを蓄積する。
それがあるから、妙なテンションの前説や本編に入る前の不可思議な時間とのギャップに驚かされるんだけど。
今回はそれが感じられない。
かなりご都合主義が入り、話の整合性が掴みにくい。恐らくは、それよりも伝えたいことを叫びたかったのでしょう。
それが少し先走るような感じで、まだ準備できていないところで叫ばれて、そのまま終わってしまったような感が残ります。
劇団としての想いが作品の中で強過ぎる、例えば、転機を迎える劇団の決起公演とかの作品を拝見した時にそんな感情をどうも私は抱く傾向が多いみたいなので、今回もそんなところかと思います。強い想いがあるからこそ、冷静に想いを重ねて表現して、それを心に刻みたいなと思いますが、これは創り手だけでなく、観る側の問題もあるので難しいのかもしれません。
それでも、ちょこちょこと各キャラの持ち味を活かした笑いを組み込みながら、安定した流れで話を展開させる力は、さすがは7年目の劇団だけあって、ベテランの域に達しているぐらいの魅力を感じます。

<一応、以下、あらすじがネタバレしますので公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

スイーツ王国の大都市、チョコレートタウン。
永遠のライバル、アルフォートとカプリコは、ホワイトロリータの実況の下、生クリーム作り対決。
アルフォートは、そのイケメンの姿を活かし、さらには女性を惹きつけるカカオマジックを発動。客席の女性たちを虜にして、生クリームを混ぜさせる。対するカプリコは、明るく元気なだけが取り柄。そして、体を、いや声を大きくするカカオマジックで応戦。声がでかくなっただけで特に何が起こるというわけでもなく。
ちなみに、カカオマジックはこの国の人ならば、必ず一つだけ使える特殊能力のこと。
戦いはアルフォートの勝利で終わる。99勝99敗。次戦、100勝を賭けた戦いとなる。
とこんなバカなことをしている場合ではない。
ホワイトロリータはMCの仕事に出かける。
今日はアイドルグループのショコラ46の総選挙の発表日。
選ばれたのは、アポロ。アイドルらしく可愛らしい女の子。カプリコの幼馴染。アイドルになってから、久しく学校に来なくなり、疎遠になってしまっているが。
これで夢のセンターに。でも、アポロの表情は曇っている。自分にそんな大役が務まるのかと不安な様子。でも、貴婦人のような綺麗ないで立ちのマネージャーのルックは、大喜び。勝手に公約まで発表してしまう。
トラブルカカオをアポロに渡せば、アポロとの交際権を渡しますと。
ちなみにトラブルカカオは、まだ見た者はいない伝説のカカオで、カカオマジックを一つ増やすことが出来るらしい。

グラビア撮影で、アポロは久しぶりに学校に。
カプリコと出会うが、アポロはなぜか憎まれ口を叩いて拒絶する。カプリコも売り言葉に買い言葉となってしまい、二人はケンカ。本当は二人とも、あの頃のように接し合いたいようだが。
人気アイドルが学校に来た。その噂は広まり、学校は大騒ぎ。
アポロは、そんな状況を嫌い、さらには勝手に自分を煽るルックから逃げ出したいと思っている。
ルックの言動に怪しさを感じているホワイトロリータ。
女性が困っている姿を見て放っておけないアルフォート。
二人は、アポロを連れて逃げ出そうとするが、ルックに見つかる。アルフォートのカカオマジック。でも、ルックには通用しなかった。女性を必ず惹きつける能力なのに。
逆にルックのカカオマジックにより、アポロは連れて行かれてしまう。
ニュースに、ルックがアポロと一緒に映っている。公約を大々的に発表。アポロにもトラブルカカオを持って来てくれる人を待っていると言わせる。
ジャイアントに待っている。
その言葉は。カプリコはアポロとまだ仲良しだった、あの頃を思い出す。
引っ越していくアポロに、カプリコは絶対にもっとでかくなって、強い男になるから、待っていてくれと言った言葉だ。バレンタインデーに大切なものを渡すと約束した。でも、それは渡すことが出来ずにさよならしてしまった。

とにかくアポロを救出しよう。
ホワイトロリータは、まずルックとMCの仕事を利用して接触する。
やはり怪しい。そして、彼女の冷静な解析から、あることが判明。
アポロは、ルックがトラブルカカオが欲しいと言った時に、何回やっても同じかとつぶやいた。
トラブルカカオに関して、アポロは何かを握っている。
恐らくは、アポロ自身の体内にトラブルカカオを持っていて、それを引き出す鍵がカプリコになっているから、避けているのではないか。
3人はアポロの下へと駆けだす。アルフォートはかっこよくサラブレッドに、ホワイトロリータはエレガントに馬車リムジン
(2016.02.16 訂正)で、そしてカプリコはどんくさくキックボードで。

アポロのカカオマジックは時を戻す力。
うやら、このトラブルカカオのために、何度も時を戻してやり直しをしているみたいだ。
ックは実は男性。トラブルカカオを手に入れて、自分を女性にしたい。それが本当の自分だから。
でも、トラブルカカオはそんな人の願いを叶える代物ではない。使う者を苦しみの中に陥らせるもの。
それでも、ルックは自分の切なる願いのために、自分を犠牲にしてでも、その願いを叶えようとトラブルカカオを使おうとする。
何度、時を戻しても。
そして、いつも、ルックは悲劇の中へと落されてしまう。

カプリコはその繰り返される悲劇にピリオドを打つべく、ある案を出し、それを実行することに。
アポロはショコラ46のセンターに選ばれる。同時に卒業を宣言。
どうしてそんなことをと責めるルック。でも、アポロはバカになったふりをして一切、彼女と会話をしない。
ホワイトロリータは、人に話をしっかりと聞かせるカカオマジックを使って、皆を惹きつける。MC能力が元々あるので、そんな力は不要なのだが。
劇場で卒業ライブ。
アポロは鍵であるカプリコに触れて、トラブルカカオを取り出し、それを破壊する。
アポロは、ルックと対峙する。
元が男性だろうと、女性だろうと、今のルックが好き。自分の傍にいて、いつも支えてくれるルックが。
ルックを抱きしめ、アポロは最後のカカオマジックを発動。
一緒に明日へ行こう。

未来は変わったみたいだ。
総選挙は、何と最下位。まあ、さすがに少しへこむが、自分らしくてその方が気楽だ。学校にも普通に行けるし。
もうトラブルカカオは本当に伝説になってしまった。
アルフォートはホワイトロリータに恋の告白なんかをしている。
カプリコはあの日渡せなかったバレンタインデーのプレゼントを渡したいと、アポロに顔を近づける。
いいところで、チャイムが鳴る。
先生が入って来た。
ルックは、今の偽りのない自分の姿で・・・

ちょっと最後の方が、かなりご都合主義的になっているようで、どうしてそうなるんだと整合性が取れなくなってあやふや。
まあ、とにかく、トラブルカカオなんかに頼らなくてすむ世界に変わったということでしょう。
あんな都合のいいものは、無くなった方がいいのでしょう。伝説は伝説の方が。
カカオマジックは、特殊能力じゃなくて、その人の個性、魅力みたいなものでしょうか。
違う力を身につけることより、自分の魅力をより極めていくことが大事だと言っているように感じます。だって、今の自分は、あなたは十分に素敵なんだからと。

本編終了後は、ピン芸人かけるさんのトークとネタ。
この日は、名古屋で観劇後に急いで駆け付ける。それでも、18:57に中崎町に到着。前説は恐らくこの方がするはず。芸人さんだから、絶対に喋り過ぎて、開演が押すことを信じて走る。
思ったとおりで、よく喋ってくれたかけるさんと。
おかげで最初からしっかり観れたので、ちょっと印象が良いということは抜きにしても、けっこう面白い方でした。けっこうというか、かなり面白いですね、この方は。喋りも、程よく自然体で、心地いい楽しさです。

その後は即興芝居。
明け方4:00くらいのテンションで書かれた初期の2作品を、キャストをくじ引きして演じるスタイル。
25歳の行き遅れぼっち姫に、求婚する爺ちゃん、父さん、馬、そしてイケメン王子の姿を描くファンタジー。
そして、4番に告白する、マネージャー、監督、チームメイト、そしてライバルピッチャーの姿を描く熱血野球ドラマ。
いやあ、びっくりしましたね。
何か怖くなるくらいに、ひどかったですね。キャラに完全に依存している作品。
まあ、ひどいと言っても、笑ったんですけどね。
やっぱり人って成長するし、脚本を書くには下調べって大事なんだなと。そして、明け方のテンションって何をしでかすか分からないんですね。
それがよく分かる作品でした。

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コメント

走ってのご来場ありがとうございました!
本当にいつも励みになるお言葉で嬉しく思っております。
アルフォート君はいかがでしたでしょうか?

またぜひ文化祭ご参加いただけばうれしいです!

投稿: くろ:アルフォート | 2016年2月15日 (月) 23時54分

>くろさん

コメントありがとうございます。

お疲れ様でした。
いやあ、走りましたよ、45歳のおっさん。
本編の話に入る前の、茶番、いや素敵な前説の間に、流れる汗もおさまりましたが。

アルフォートは鉄板ですよね。
お得意のキャラでしょ。
あのキャラは、もう完全に自分のものにされてしまっているのではないですか。
こんな風に、団員の方々が明確な個性を打ち出してた役作りをされているところも、しろっとそんならではの魅力かもしれませんね。

また、次の文化祭で。
お会いできることを楽しみにしております。

投稿: SAISEI | 2016年2月16日 (火) 08時39分

雨の中駆けつけてくださり、ありがとうございました!!
いつもいつも即日にブログを上げてくださり、ありがとうございます!!
ルックさんの魅力が、SAISEIさんにも届いていれば嬉しいです。
次回文化祭は未定なんですが、私達の文化祭は終わりません。またのご参加を、お待ちしてます。

投稿: しろ:ルック | 2016年2月16日 (火) 21時19分

>しろさん

コメントありがとうございます。

ルックは難しいですね。
どうにもならないことでもありますし。
ただ、役名どおり、ルックを見詰めてそのままのルックを好きになりたいし、ルックも自分を見てもっと自分のことを好きになれればいいように感じます。
私たちはどうであろうと、共に想いをきちんと寄せあえる人同士なのですから。

また、次回の文化祭を楽しみにしております。

投稿: SAISEI | 2016年2月17日 (水) 15時02分

SAISEI様

火曜日のゲキジョウから都合3回来てるのかな?

観劇好きな方がよく行かれることは知っていましたし何より主宰のぽるんさんがあちこちに客演やユニットを組んでの活動をされているし。

ただ率直に言ってまだこの劇団を自分の中でどう位置づけて良いのか観劇をどう楽しむのかが
わからない、という印象です。意外とユルいな~、という感想しかないですがそれを覆すようなコメ返いただけるかな?

お客さまを大切にされている劇団なのかなあ、というのは傍目から見て思ったりはしていますが・・・

会場のmove factoryは初かと思ってたら百々目色学園で2014年3月に来てました。私が2足制嫌いなの御存知だと思うので(笑)行く途中に気がついて(前は京阪で行ったんですw )ゲンナリしましたが(笑)

何か面白いなあ、と思うのは普段ぽるんさんがコメントされてると思うのですが今回はくろさんとしろさんが早々とコメントを(笑)

コメントしたはるから書くわけではなく

『アポロ4番勝負』(今回もだが)ではしろさんのかわいさと終演後の客対応(初見で声をかけてくらはった)が印象に残る。

今公演ではアルフォート役のくろさんの演技が一番印象に残りました。

コメント先に書かれてるとコメントしにくいんですが(笑)

投稿: KAISEI | 2016年2月17日 (水) 16時01分

>KAISEIさん

そうでしょうね。
位置付けは私もまだよく分かりません。
緩いとか、アイドルライブっぽいとか、決して私の好きな公演スタイルではありません。
私が魅力に思っているのは、その中で行われる演劇作品がきちんとしていることです。
数々の遊びはあっても、毎回、何かを伝えたいぽるんさんの脚本に、きちんと真摯に答えようと役作りをして、演技をする団員の方々の姿が見えているからだと思っています。

ここは旗揚げ公演から観ていますからね。
団長さんはじめ、みんな、いい子でしょ。
みんな頑張ってはるなあというのが、好きな一つの理由だと思います。

投稿: SAISEI | 2016年2月17日 (水) 16時57分

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