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2016年2月29日 (月)

名無しのサツキ!~ぶぶ漬けもう一杯くれ編~【劇丼】160228

2016年02月28日 道頓堀ZAZA HOUSE (110分)

面白かったですとしか、書きようがないな。
まあ、付け加えるなら、スタイリッシュなダンスや、音楽がいかしていてかっこよかったってところでしょうか。
学生演劇界で活躍する、面白役者博覧会みたいな感じで、いいもん観たいなら、今回出演している役者さんを追っていけといった感じかな。

サツキは、幼馴染のシンジからプロポーズされる。
シンジは、大きな病院の御曹司。いわゆる玉の輿ってやつだ。
中学生の時に父がいなくなり、母手一つで育てられたサツキは、母に報告。母はやるじゃんと心から喜んでくれる。
結婚。忙しくなりそうだ。
サツキは、昔のことを思い出す。

シンジと知り合ったのは幼稚園の時。
破壊衝動に、情緒不安定。このサツキの性格は、一生つきまとう。
高校の時に、サツキが告白。
高校のマドンナもシンジのことが好きだったが、対決して諦めさせた。
初デートは映画。シンジがいいところの家出身であることはその時知った。だって、お付きの人を連れて来るくらいだから。そんな金なんかどうでもいい。好きな人と一緒にいられれば。その時にネックレスをもらった。
その後、付き合いを続け、プロポーズされる。
母と一緒にシンジの親に挨拶。
いいところの家だけあって、シンジの母親はお高くとまっている。
緊張して支離滅裂なサツキ親子に容赦なく食いかかってくる。
でも、持ち前の肝っ玉座った度胸が認められる。
こんなバカな私が、あんな素敵な人と結婚できるなんて。そんなサツキの言葉に母は真剣な表情でこれまで秘密にしていた大切なことを語る。
あなたが生まれた時に、喜びのあまり、踊って落してしまったのだと。その時の衝撃で、きっと。
サツキは、そんなことは気にせず、そんなに喜んでくれた母に感謝する。
私は絶対に幸せになる。

結婚式。
新婚旅行はハワイへ。
シンジは親の跡は継がず、会社員に。そのため、仕事が忙しい。
旅行中も仕事を気にするシンジにいら立ちケンカ。もう離婚する。
シンジは、そう言うサツキをなだめ、帰国。
それから4年。
妊娠。
双子が生まれる。娘と息子。喜び踊るサツキ。娘の方を落としてしまう。

サツキ48才。
娘はちょっとバカだが、息子ともども元気に育つ。
シンジの様子がおかしい。仕事が忙しいと素っ気ないのはいつもと変わらないが、どうも何か隠しているかのよう。携帯を見ると浮気の疑いが。サツキは、初デートの時から長年の付き合いとなった付き人に調査を依頼する。
サツキはPTA総会に参加。
シンジからは、家事がおろそかになるといい顔されていないが、これも付き合い。
奇妙な会長、副会長、書記の下、会議が開かれる。バザーの催し物。サツキは色々な国の食事を出店ですることを提案。会長にうけて、一目置かれるように。
忙しくなってしまうが、ちょっと気分のいいサツキ。

そんなサツキに悲しい出来事が訪れる。
母が死ぬ。それも笑い死に。
三途の川の向こうに母はいた。
相変わらず、死んだのに元気な母。
母との約束。幸せになる。その約束は、今、果たせているのだろうか。母は、シンジの悪いところばかり見ているサツキを気にかける。
幸せになって。母は、昔、サツキからもらった作文をいつも肌身離さず持っていた。
そこには、私は母のようになりたいと書いていた。子供がいる母ではない。私は、この、今、目の前にいる母のようになりたかったのだ。
母は成仏する。

サツキは付き人にシンジの調査を辞めさせる。信じてみようと思ったから。
PTA総会では、サツキは次期会長、おまけに副会長までさせられることに。
シンジは仕方ないとはいえ、だいぶご機嫌斜めだ。怒って、先に寝室に向かってしまう。
一人になったサツキにサプライズプレゼントが届く。
娘と息子が現れ、誕生日おめでとうと。
しかも、このサプライズ、シンジが企画したのだとか。不器用なシンジ。どうしたらいいかと、色々な人に意見を聞いていたらしい。やっぱり信じてよかった。
翌朝、サツキは、シンジにありがとうの言葉をかける。シンジは照れて、子供たちに言われたから仕方なくだとか言っている。そして、タバコに火をつける。
タバコはベランダで。少しぐらいいいじゃないかと言うシンジとケンカ。
サツキは離婚だと騒ぎ立てる。
出て行け。実家に帰る。そんな応酬の上、サツキは涙を流して、実家へ。
でも、実家はもう無かったことに気付き、家に戻る。

72才。
入院中のシンジの下に、子供たちが見舞いに。孫も連れて。
娘は男の子を。息子は女の子を。血だろうか。幼き頃のシンジ、サツキにそっくりだ。
男の子はちょっと勉強が出来なくて困っているらしい。これまた、血には逆らえず、やはり生まれた時に落したらしい。女の子は、反抗期を迎えているらしく、素っ気ない。
シンジは嬉しそう。少し丸くなったなんて娘から言われる。
シンジは変わらないなんて意地を張っているが、やはり、歳もとって、あの仕事人間だった緊張感が緩くなり、どこか、昔のような穏やかな優しさが漂う。
やがて、息子と娘は帰って行った。今度はいつ会えるだろうか。

二人っきりの病室。
外は桜が咲いている。
サツキは、昔、花屋になりたかったことを話す。
シンジは、残ったお金で花屋をすればいいと言う。直に一人になってしまい暇になるだろうからと。
まだ早い。それをするには。
シンジは言葉を続ける。
ずっと仕事。こうして、病に倒れ、迷惑をかけるようになって分かったこともたくさん。よく離婚だと言われてきたが、今ならその気持ちも分かる気がする。
離婚しよう。届は既に書いてあるからと。
サツキは、もういいですと優しく答え、私はもう一つなりたかったものがあることを話す。
母になりたかった、あの母に。
幸せになると約束した。
あの初デートの日にもらったネックレス、新婚旅行、数々の思い出・・・
全部、覚えている。
私はずっと幸せだった。

喪主になったサツキ。
数々のシンジとの思い出を胸に、シンジの葬式に参列する人たちに挨拶。
これまでの幸せを噛みしめて・・・

みたいなサツキとシンジの二人の時間を、面白おかしく、かつ、しんみりと温かく、でもやっぱり面白く描いたような作品。
笑いにセンスがあるのかなあ。
作・演の方が、役者さんとして拝見している頃から面白い人だったからなあ。
その笑いのセンスを、この個性豊かな役者さんの腕で見事に味付けしているところがまたいいのでしょうね。
エンタメの魅力を彩るダンスシーンなどは、スタイリッシュ風。これにこだわったのか、カーテンンコールも、その空気で締める。
実にかっこよさにもこだわったコメディー、ちょっとハートフルも入れてみたいな感覚がとても好みでした。

役者さんは全員書くとしんどいので、ちょうど1/3になる女優さん3人と男優さん2人にコメント。
松田佳奈さん。学生時代のサツキ、双子の娘、孫と、幼いキャラを全部。その可愛らしさと、奇妙な笑いを生み出す空気に絶賛。動きから、その発する言葉と、全てに巧妙な笑いが込められている。
竹内雪乃さん(劇団ずぼら)。逆に老人のサツキ、後は結婚式の司会役。落ち着きのある、特に老人のサツキの語りは、じっくりと温かく心情を積み上げていく素晴らしい空気を漂わせる。これまでも何回か拝見している方で、今回、気付いたけど、この方、凄く、声が綺麗ですね。
三木ちふでさん(自由劇場)。学生とは思えない、妖艶な空気。これを活かしたギャップ笑い。作品全体に散らばるクールでスタイリッシュな感覚は、この方からにじみ出ているところも大きいような感じ。
高橋仁さん(題名のない演劇会)。一番、堅物の中年のシンジ、大きくなった双子の息子、あと、一瞬だけ出て来る変な人。最後を除いて、実に落ち着いた、不器用な、でも妻や娘にかけがえのない愛情を抱いていることを感じさせる温かみを醸される。
小林晋作さん。付き人、ハワイにふさわしくない外人、あんまり覚えていないけど校長。細かく細かく、隙間を埋めるような笑いを飄々と奪われる。味のある笑いを生み出す天性か。

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