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2016年1月22日 (金)

APOFES2016 【福地教光】160121

2016年 01月21日 APOC THEATER (50分)

久しぶりの東京観劇のラスト。
ひとり芝居フェスティバル。
大阪でいうINDEPENDENT 一人芝居みたいなものでしょうか。
全部で23作品あるみたいですが、今回は時間の都合もあり、かつてはよく大阪で拝見していた福地教光さん(バンタムクラスステージ)の作品を拝見。
穏やかで優しい心地よさの余韻が残る素敵な話だったなあと漠然と感じて、大阪に戻り、今、ブログを書いているわけですが、書き出すと、あれっ、よく話を把握できていないのではというところが恥ずかしながら多々出てきて・・・
分からないところも多々ありますが、日々、変わらぬと言っても変わっていく世界で生きる自分が、遠き自分に確かにあった想い、心を星を見るかのように見詰めて思いを馳せるような、そしてそのことを生きる力とするような話だったように思います。

・曇り眼のペテルギウス : 福地教光(バンタムクラスステージ)×新井幸雨

ある小さな島。
水と飯と空気がうまい。あと、景色もいい。とりわけ夜空の美しさは格別だ。
難点といえば、変化しないってことだろうか。景色も仕事や日々の生活も。
男は島で郵便配達の仕事をしている。局長と自分だけしかいない。
定期船で本土から来る手紙を受け取り、こちらのポストから回収した手紙を渡す。受け取る手紙が多ければ、簡単な仕分け作業をするが、大概はそのまますぐに配達。
おばちゃんの元気を確認するついでに手紙を渡して、いつもラブレターが届く男を冷やかし、太ったとか痩せたとか要らないことを話していつも叩かれるお姉ちゃんのところへ。途中に愛想の悪い猫がいる。
いつもの変わらない配達ルート。
島には灯台がある。
あんなところに人が住んでいただろうか。男はそこに向かうと、灯台のある部屋には、望遠鏡を前に椅子に座る老人がいた。
男はそれから、毎日、老人の下に通うようになる。相変わらず、配達ルートは変わらない。そこに灯台の老人が入っただけ。この島は何も変わらないから。本土では戦争の足音が近づいているみたいだが。
老人はいつも星のことをよく語ってくれた。
でも、なかなか望遠鏡は見せてくれなかった。
ペテルギウスが消えた後に何が残るのだろうか。男はそんな老人の言葉を聞き流す。消えたら、そこには何も無くなるに決まっている。それに、それが見えるのはもうずっと先の話なのだから。
自分でも色々と星の勉強をしているうちに、老人はついに望遠鏡を覗かしてくれる。そこには、いつも見ている綺麗な星空とは違う、美しい世界が拡がっていた。
老人はいつどうやってここに来たのだろうか。この島の人たちはその老人のことを誰も知らない。
本土で人を殺したりしているのではないか。
本土には悪い実業家がいる。そんな実業家に老人の妻は囚われの身になったようだ。
老人は妻を見殺しにした。
老人はいつもその妻を想い、望遠鏡で本土を見ていたのかもしれない。
老人は妻に手紙を書く。それを男に預ける。その手紙を受け取った時、男は嫌な予感がした。この仕事が長いせいか、手紙の内容が何となく分かってしまう。この手紙はまるで遺書のように見える。
男はそのうち、この島の変わらない生活に嫌気がさしてくる。
どうして何も変わらないのか。
老人が書いた手紙を男は受け取らなくなる。ポストにきちんと入れるのがルールだから。
そして、男は、灯台に老人が住み着いていることを役人に告げ口してしまう。
いつものように手紙を仕分けする男。
そこに、配達所止めの手紙を見つける。差出人は老人の妻から。
きっと、こうすれば、誰かが老人に手紙を届けてくれるだろうと祈りを込めて書いたに違いない。
すぐに灯台に向かう。でも、そこには望遠鏡だけしかなかった。
その時、自分がしている仕事、自分が何を配達しているのかを知った。

ある日、灯台宛に手紙が届く。
配達人は灯台に向かう。
老人は自分に手紙が届くはずないと追い払おうとする。
配達人は、いつも手紙を老人に読ませようとするが、年老いて盲目となった自分に届くはずがないのだ。
こうして、光を失った目で、望遠鏡を覗く。そこに変わらずあるだろうペテルギウスの光を求めて。
これが自分の贖罪、あの老人への弔いなのだ。

違うかな・・・
何となく分かったつもりで、ちょっと観ながら書いておいたメモを基に、いつものように簡単にあらすじを書こうと思ったら、全く整合性が取れない。
何度もこれはおかしいと書き直しているうちに、もう訳が分からなくなってしまいました。
もしかしたら、配達人と妻への罪を贖罪しようとする灯台の老人と、時が経って変わらず島にいる配達人と老人への罪を贖罪しようとする灯台にあれからずっといる年老いた配達人が交錯して描かれていたのかな。
要は4人演じていたということ。
そう考えないと、話が組み立てられないのですよね・・・

余韻が残る、何か優しい匂いが漂ってくるような感じの舞台だったので、変わってしまった人、変わってしまった時代を生きる人が、あの変わらぬ、そしてもう戻らぬ時を想いながら、あの頃に確かに見ていた自分の中にある光を見詰めるような話かとは感じます。
あの時に分からなかった自分の想い、感じ取れなかった人の心。時が常に進む宇宙の原則に基づいて生きる私たちは、その時には当然戻れはしないわけで。それでも、その時のことを忘れて、これからを生きることも出来ない。
星空を見詰めて、星を見たら、あの頃の自分がそこにまだ輝いているのではないか。その自分に今を生きる自分は何かを語りかけなくてはいけないのではないか。
そうして、めまぐるしい変化の中で、変えてはいけない大切なことを自分の胸に刻み込んで、生きていかなくてはいけないのではないか。
そんなことを優しい愛で包み込んで、伝えようとしているような感覚を抱く作品でした。

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