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2016年1月30日 (土)

想い出パレット ~乙女の戦、なにわ場所~【大阪ゲキバカ】160129

2016年01月29日 世界館 (95分)

2年前に拝見したこの作品の女子版ですね。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/602014140327-fa.html
バカをするのは男だというのが定説ですが、どうしてどうして。女子だって相当バカじゃないですか。引くぐらいにバカでしたよ。
キラキラ輝く女子の素敵な姿。その輝きは私がこれまで拝見してきたのとは違う輝き方を魅せていた方もいらっしゃいましたが。
大阪ゲキバカは役者さんを壊すからなあ。破壊して新たに生み出された魅力もこれまた良かったりはしますが、ちょっとポカーンと開いた口がふさがらなくなるところも多々あり。

ずっと頑張ってきたが、ふと立ち止まってしまったかのような私。
そんな時に、自分を愛し続けてくれる母のいる実家に帰省する。
そこで思い起こされる仲間たちと過ごした楽しい時間。楽しいだけでは無かったはず。悲しく、辛く、苦しいこともたくさん降りかかり、子供だからどうしようもなく何もできなかったこともある。
でも、そんな時も決して立ち尽くして、ただ立ち止まったりはしていなかった。いつも、目は前を向き、足を前に踏み出した。そして、どんなことも楽しくしてしまえる力があった。
みんなと一緒だったから。母や姉妹、友達。そんな想いを胸に自分は今を生きている。
頑張っても頑張っても結果が出ず、もう自分にはいいことなんか起こらないんじゃないかと孤独に苛まれた時。 たとえ離れていても、ずっとそばにいて自分を想ってくれる人がいること、そんな想ってくれる人だって、今を懸命に生きていることに気付く。
頑張らなくっちゃ。何でも夢にできて、それを叶えるための希望に溢れていたあの頃の気持ちがあれば、きっと頑張り続けられる。
そんな心が奮起されるような作品でした。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

実家の引っ越しを手伝いに久しぶりに帰省したまりえ。
寝転がって漫画を描いていたら、部屋の掃除にやって来たクソ生意気な妹、百花が掃除機でちょっかいを出してくる。
脂肪吸引だあなんて、じゃれ合っていたら、お腹の大きい姉、のりこが諫めに。おっとり天然ボケの空気は今も健在だ。そんな姉ももうすぐお母さんになるというのだから月日の流れってやつは。
百花は彼氏もいて元気に暮らしているらしい。小さい頃からまつ毛パチパチのおませさんだったから。
自分は・・・
まりえは、大学で絵を学び、漫画を描き始め、佳作だけど賞を獲って、今は連載を目指して出版社のいやらしい編集者に頭を下げながら頑張っている。でも、その先行きは不安ばかり。いつまで経っても芽が出ない。
セミの音がうるさい。
引っ越しの荷物を片付けていると昔のまりえの絵日記が出てきたらしい。
まりえは懐かしくその日記を開く。下手くそな絵だ。今もそうじゃんなんて憎まれ口を叩く百花を睨み付けて、まりえはこの家に引っ越してきた時のことを思い出す。

小5の夏。
のりこは小6、百花は小4。
ポンポコ山を登ると広い野原が。
そこで、縄跳びをして遊んでいると、いつの間にか仲間に入ってくる女の子が。
話しかけてもずいぶんと警戒している。
一緒に遊ぼう。そう言うと、急に馴れ馴れしくなった。
山田というらしい。
うちも昨日、ここに引っ越してきてん。転勤族やから。
珍しい。関西人じゃないか。まりえたちのテンションは上がる。
ツッコンで欲しい。だったらボケてえや。
のりこは、勝手にドラえもんをお題にして必死にボケる。冷たい空気の中、山田は愛想ツッコミを入れる。今から思えば、のりこの天然ボケはこの頃に開眼したのかも。
4人は仲良く遊びだす。

そこに悪そうなガキたち4人組がやって来る。
ここは私たちの秘密基地だ。
凛としたスマートな大人のようなたたずまいのマルちょう。
服もボロボロで小汚いやんちゃそうな悪ガキ風のびん子。
豪快な破壊力を見た目と音程の狂った歌で醸すアリエル。
はんなり、おしとやか、清楚など微塵も見せない、驕り高ぶった京おんなのおじょー。
4人はあねごーずを名乗る。
ということで、あねごが登場。
どう見ても33歳にしか見えないいかつい女の子が現れる。
大人びたあねごは子供が出来ないことも何だって出来る、皆の尊敬の的。出来ないことは結婚ぐらいだろうか。

何やらしているうちに、いつの間にか皆は意気投合。
一緒に遊びだす。
子供の遊びは、楽しいと同時に残酷で人に迷惑をかけることも多い。
悪魔におっぱいを触られてその大きさを暴露されるおっぱい悪魔。ただ観に来ているだけの者たちを巻き込んだ借り物競争。
そして、家族ごっこ。
父が出て行って、今はトタンのボロ家に住むびん子はこの遊びが嫌いで一人、輪の外に。
まりえはそんなびん子と一緒に話す。
奇跡ってあるのかなあ。信じたいけど。
びん子から内緒でもらったお菓子を食べながら。でも、そのお菓子は万引きしたものだ。
まりえは咎めるが、びん子はそれを聞き流す。
友達だから。傷ついて欲しくないから、辞めて欲しいのに。でも、子供であるまりえには何も出来ない。

夏休みも半分終わった。
今日は夜遅くまで、この秘密基地で過ごすつもりだ。
今度は殿方も誘って、公園でも行かないか。金の力なのか、既にこの歳で男を股にかける修羅場を知っているらしいおじょーの提案。
遠距離恋愛中の百花。
男に縁がないあねご。
ガールズトークは盛り上がりを見せて、やがて怪談話へと発展。
すっかり遅くなり、もう山を下りることに。
マルちょうは自分の家にみんな来ないかと誘う。
盛り上がる皆の中、おじょーだけは微妙な表情。親から言われている。マルちょうとは遊ぶなと。
理由が分からないみんなに、マルちょうは自分でそれを説明する。在日だから。日本人じゃないから。
そう言われても、マルちょうは友達だし、同じ仲間じゃないか。皆は理解できないが、マルちょうにとっては深刻みたいだ。
それにマルちょうというあだ名はずっと嫌だったらしい。それなら新しいあだ名にしてあげよう。数々の意見が出される中、せんまいになった。マルちょう、改めせんまいは微妙だと泣きながら山を下りていく。
結局、この後、みんな21時過ぎに家に帰る。
まりえたちは母から思いっきり叩かれ、抱きしめられた。そして、山での出来事を話した。マルちょうのことも。母はあなたたちはマルちょうの一番の友達になりなさいと言い、もう一度自分たちを抱きしめてくれた。あなたたちを生んで良かったと。
それから、しばらくして、皆で海に行って遊んだ。

まりえはいつの間にか寝てしまっていたみたい。
懐かしい夢を見ていた。
その夢の最後に、あの編集者が出てこなかったら最高だったのに。
原稿に難癖つけて、体を迫ってくるあのいやらしい奴。
この部屋も懐かしい。
よくここでみんな集まって遊んだ。
田舎だから玄関の鍵もかけておらず、家に帰ったら、勝手にみんなが入り込んでいたことも。
一度、びん子が家の花瓶を持ち逃げしようとした。その時、みんなでびん子の万引きを責めた。
生きるのに必死だったのだろうな。子供が出来ることって、限られているから。

大荒れの天気の日。
せんまいは得意の泳ぎを披露すると言って、川に飛び込んだ。
流されてきた大木にぶつかり、足を大怪我する。
まりえの家にも、せんまいの両親が怒鳴り込んできたことをよく覚えている。
その日から、何となくせんまいを避けるようになった。せんまいも声を掛けても無視して、お姉さんと一緒に遊んでいる姿しか見なくなった。
いつものように遊んでいると、あねごがせんまいを背負ってやって来る。
母親をぶん殴って連れてきたらしい。
あの時、止められなかったリーダーの責任だろうか。本当はみんなと遊びたかったせんまいの想いを受け止める。
少しぎごちない空気が漂うものの、皆で遊びだす。かけっこ、ケンケンパ。どれも怪我をした右足に負担がかかる。そのたびに悲鳴をあげながらも、大丈夫だと言って、必死にみんなに交じって遊ぼうとするせんまい。
もう辞めようと言うと、せんまいは頑張って遊ぶから、友達でいてと懇願してくる。
あねごは自分の右足を手で掴み、片足立ちになる。悪魔ごっこだ。
皆もあねごの真似をして片足立ちに。
皆は秘密基地の野原を駆け回る。

もうすぐ母が戻ってくる。
姉の体を気遣い、夕食はすき焼きの予定。野菜を切っておけと言われていたのを忘れていた。
このあたりも変わった。
あのポンポコ山は宅地開発が進んでいるらしい。あの秘密基地の野原も今はゴルフ練習場に。川は水も少なくなり、汚くて泳げたものではないらしい。
あの頃、みんなで夢を語った。
パン屋になって貧乏から脱出、泳げなくなっても水と関係する仕事に、転勤族を活かして友達をいっぱい作る、ずっとモテモテだろうから操の固いしっかりした女に、やっぱり歌で勝負して宝塚に、誰もが楽しく幸せに過ごせる国の大統領に、大きな家に住んで子供と一緒に縄跳びを、いつまでも自分らしくをモットーに。
今はどうなっているのだろう。
ゲーム会社の社長、水商売、ツアーコンダクター、フランクフルト屋の店員、カラオケ店のバイト、子持ちの普通の主婦。そして、今の姉と妹。
私は・・・
まりえは、大人になったらいっぱい色々なことを知る。世界は広いから、まだまだ色々なことがあるはずだから。そう、これからの時間を輝いた目で見つめていた。
そして、今の自分。
電話がかかってくる。連載が決まったらしい。
夢はきっと叶う。みんな、その途上にいるのだろう。
あの頃、びん子と話した奇跡。今ならきっと答えられる。
セミの音が心地よく響いている・・・

今の自分。
それは、これまで出会い別れを繰り返しながら、その時、その人と想いを通じ合わせた中で得られたもので築き上げられている。
作品名は、生まれてきた時にある親の原色。そこから様々な人と出会い、新しい色を知り、その色を混じり合わせたりして、自分だけの彩りを生み出すようなイメージだろうか。
その一つ一つの色が、これからの自分を彩る大切な想い出であり、同時に自分もきっと誰かを彩るための色の一つであるという作品から得られる感覚が、とても生まれてきたことを温かく尊く感じさせ、生きることへの勇気を与えてくれているように思います。

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コメント

SAISEI様

2016年1月26日になってますよ~♪

投稿: KAISEI | 2016年1月30日 (土) 18時19分

>KAISEIさん

ありゃっ、本当だ。
ありがとうございます。

投稿: SAISEI | 2016年1月30日 (土) 22時41分

SAISEI様

大阪ゲキバカ初観劇(笑)

2014年は観劇を本格的に始めた年でゲキバカを知らず大阪ゲキバカの旗揚げ公演を見れず観劇ブロガー諸氏の記事を読んで次回公演は必ず行くと誓ったものの2015年は公演なく。。ようやく行けました。

関西小劇場の美人役者が多く出演されていて特に水着は良い目の保養になりました(笑)(一昨年11月の夕暮れ社弱男ユニットの『プール』では美人役者Sさんの着る着る詐欺に合いましたからw)面白かったこともあってつい録ってだしDVDを買ってしまいました。無念(>_<。)

一番印象に残った役者は谷野まりえさんですかね。

投稿: KAISEI | 2016年2月22日 (月) 00時35分

SAISEI様

翌日、『ソドムの紅い月・・・』を観に行った際、出待ちをしてたらたまたま近くに澤井里依さんがおられて話しかけたらとっても良い方で。。もちろん『おぼろ』の時に当ブログでSAISEI さんと話をしたこともあったし気にはなりつつあまり観れていず。今公演も口をあんぐり開ける演技が面白かって(笑)

しっかり対応してくださって握手もしてくださって、その上「どなたかお待ちですか?」とキャストを呼んで来ようとしてくださる心配り。惚れたよ姐さん、という感じです。

今年は澤井さんで絶対チケット取るぞ~♪(笑)

投稿: KAISEI | 2016年2月22日 (月) 00時44分

>KAISEIさん

私、まだ握手してもらってない(-ε-)

と、どこかの記事でも書いたな。
それはともかく、澤井さんは、機会あれば、エレベーター企画というところの公演を観に行かれると、さすがは女優さんでもあるんだなという、しっかりした演技が見られると思います。

録って出しDVD、こちらもソドムの方も欲しかったなあ。
初日に伺ったので、購入できず。
本DVDは出ないのかな。

投稿: SAISEI | 2016年2月22日 (月) 15時34分

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