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2016年1月18日 (月)

対ゲキだヨ!全員集合【短距離男道ミサイル×オレンヂスタ×コトリ会議】160117

2016年01月17日 アトリエS-pace (45分、40分、45分、休憩10分×2)

家族をテーマにした三劇団の三作品。
色々な発想で作品を創り、個性的な演出でそれを舞台で魅せるものですね。
恐らく、初観劇となる宮城の短距離男道ミサイル、愛知のオレンヂスタ。両劇団ともちょっと尖ったところを見せながら、独自色で家族を考えさせる話でした。
コトリ会議はよく拝見しているので、いつものごとくか。訳の分からない話の展開にクスクス笑いながら、何か重いものを与えられたような不思議さ。
各劇団の魅力が明確になった非常に楽しい公演だったように思います。

<2016.01.18追記。4月に東京公演があることを忘れていました。以下、ネタバレしますが、白字にはしていませんので、ご注意願います>

・新興宗教ワタシ教 : オレンヂスタ
山奥の宙の家と呼ばれている施設。
傷つき苦しみ、ここにたどり着いた者たちを集めて、自立を目指して共同生活を営む。
一部では新興宗教だと噂もされているが、施設を管理している女性の薦めもあり、男はこの施設に入所することに。
そこで男に与えられた役割はオトウサン。
施設を管理する女性はオカアサン。同じように入所している、離婚でおかしくなったらしい女性はオネエチャンとイモウトチャンを。オタクで引きこもりの末のような男はオジイサンとオニイチャンを。
要は家族を形成している。
しばらくして、ある男が入所してくる。障害があるのか、意志を的確に伝えられない彼に与えられた役はペットのポチ。
女性はあからさまに苛立ちを見せ始める。その男が実の兄であるから。
それでも、家族はまとまっていなくてはいけない。
時折、施設を管理する女性の下に電話。その女性の母親らしい。それはここでは神。神の家族は批判し合ってはいけない、平等でなくてはいけないという言葉を盲目的に信じる。
皆でキャンプに。星空を眺めながら、キャンプファイアー。星座。あの星一つ一つが繋がっている。
女性に電話。母が亡くなったらしい。すぐに戻りますと答える女性。しかし、ポチが泣き出し、悲しみを見せる姿を見ると、豹変し、もう母とは関係ないので適当に処理してもらうように伝える。そして、泣きわめくポチをキャンプファイアーの中に。
あたりに異臭が漂う。でも、女性にはすがすがしい空気らしい。
ずっと家族とはこうあるべきというものに悩まされてきたのだろう。でも、所詮は他人だ。自分は自分だと言う女性に男は答える。それは当たり前のことだと。
男は山を下りる決心をする。
ここは女性がただ孤独を恐れるがために出来た、あの女性のための施設に過ぎないから・・・

家族をテーマにと作品を創って、この家族を根本から否定したような作品。かなり尖った作品を創る劇団なのでしょうか。
ただ、否定するということは、肯定すべき点も見えているということなのでしょう。そこに安堵や優しさを感じる話でもあるように思います。
こうじゃないといけないとか、こうしないといけないとか、生きていると役割を与えられることは普通にあることでしょう。その役割を果たせない自分を見つけてしまうと、不安になり、人を恐れ、孤独へ向かうのかもしれません。施設を管理する女性の姿はそんなことを感じさせます。
あなたは、この星座を構成する星ですから、どこにいて、どのくらい輝いてください。そうしないと他の星との繋がりが無くなって、星座として見えなくなってしまいますから。でも、その星座はその指示する人が考えている星座であって、他の人にはどのように見えるのかは分かりません。
多分、見せたいのは星座では無く、自分という星の輝きなのだと思います。そんな個の輝きを見せる星たちが、自然に集まって、誰かの目に綺麗な星座として見える。
それが、誰から言われることも無く、こうするべきと決まりも無いのに、自然に思いやり合って、集まった本当の家族の姿と同じなのだと思います。

・あたたたかな北上 : コトリ会議
としあきは、へそみと別れて車に乗り込む。
車はうたたろうとかなが、レンタカーの店長を襲って奪い取ったもの。ナビロボットも付いている。
全ては渡されたしおりに記載された手筈どおりだ。
これから、火星に向かう宇宙船に乗り込む。私たちは選ばれたから。
ずっと、窓も無い工場でこけしを造って生きてきた下層民たち。火星で新しい生活を始めるつもりだ。
としあきはそこで、今のように縛られない工場を自分で創るつもりだ。自分に想いを寄せてくれていたへそみは選ばれなかったから置いてきた。きっと、数を数えられなかったから。
うたたろうも火星でこれまでの悲惨な生活とおさらばするつもり。そのためには失敗は許されない。ミスが許されないこの緊迫した状況で、飴ちゃんを薦めてくるかなの気の抜けようにイラダチを見せる。くだらないミスは絶対に許されない。このしおりに記載された題名。あたたかな北上。ではない。あたたたかな北上となっている。このミスを犯した者は電気椅子で処刑された。それぐらい厳しい中に今、自分たちはいる。
このまま進むと検問があるらしい。偽造した通行許可証は見破られ、レーザー銃で一発でやられるだろう。なかなか言うことをきかないが、ナビロボットにルート変更を命令する。
その途中、車は火星人を轢いてしまう。こうなったら、この火星人にとどめを刺すしかない。うたたろうは、レーザー銃を火星人に向けるが、使い慣れていないからか、その先はかなに向けられてしまい、かなは絶命する。
ともあき、うたたろう、火星人、かなの死体、ナビロボット。おかしな旅になった。
そんな中、先行していたうたたろうの仲間が検問で銃殺された情報が入る。
助けに行く。いや、助けないという選択も当然ある。
それよりも、今はかなを助けたい。そのためには、火星人の触角を移植すれば、生き返るのだとか。
迷わず、うたたろうは火星人を殺し、触角をかなに移植。
かなは、うたたろうを外に連れ出し、地球人が火星を侵略にきて、多くの者が虐殺された過去を話し出す。と思えば、うたたろうのことが好きだと告白してきたり、どうやら、人格が融合してしまったらしい。もう、二人でここにいてもいいかもしれない。
車内では、ナビロボットが本部に連絡。全て仕組まれたことだったみたいで、火星人の件がおかしな方向に進んでしまったことを伝えている。
ともあきは、ナビロボットを撃ち殺す。
へそみはまだ、部屋にいるだろう。星を見ながら、数を数えているだろうか。その距離はさして離れていない・・・

クスクス笑える不思議ファンタジー。でも、奥深くに重厚なテーマが隠されていそうな感じはいつものごとくか。
暗闇の工場から外に出て、遠い宇宙のどこかで輝く星たちに思いを馳せて、その星一つ一つを数えるへそみ。その遠く離れた星の下へと向かおうとするとしあき。
今とは違う新しい世界に飛び立ち、これまでの自分を変えたいうたたろう。そんなうたたろうの傍にいながら、遠き火星の昔の記憶を植え付けられてしまったかな。
としあきとへそみ、うたたろうとかな。
二人の物理的や精神的に離れてしまった距離があっても、どこかで繋がっている姿が何となく切なさと共に温かみを感じます。
時間や距離に支配されない間柄。そんなものが家族なのかなあと。
離れた昔の友を思い出すような優しい作品。

・R.U.R. 外伝~突撃!隣の晩プルトニウム : 短距離弾道ミサイル
人工生命体、R.U.R。その最新型モデル、ホンダツバイ。
隣の晩ごはんレポーターのヨネスケは、そのロボットが家族を作って、共同生活を営んでいるという鉄地河原の家に向かう。
そこには、確かに最新型モデルのパパとママ、怪しげなペット、そして、巨大なロボットである息子がいた。
晩ごはんはプルプルに溶解したプルトニウム。
男は防護服を纏い、チャンスをうかがう。
男は貧者の薔薇という強力な爆弾を持たされていた。ロボットたちを壊滅させるために。
ところが、息子が漏電。男は気を失う。
目を覚ますと、目の前にはペットの肛門。
本部に連絡をする中、朝のラジオ体操が始まる。
今度は息子が暴走を始める。いわゆる、反抗期ってやつだ。
皆で必死に抑える中、テレビでは、ロボットの総統が、ロボットの三原則を破り、人類を敵として壊滅させる宣言をしている・・・

噂には聞いていたので、当然、最前列には座らず、後ろで構えて観ていました。おふざけがひどくて嫌いなタイプかななんて思っていたのですが、ここはかなりいいですね。
全力茶番とか、本気のおふざけみたいなところもいいですが、細かなところまで楽しませようとしている舞台セット、小道具、演出、そして、ダンスなどの技が総じて、見事なエンタメを生み出しているように感じます。
息子ロボットの反抗期を親たちは全力で受け止めようとします。この戦いによって、息子ロボットは、新たなプログラミングがなされ、より成長するようです。
これは、もしかしたら、今、人間が出来なくなってしまったことの一つではないでしょうか。ということは、当然、成長もしないわけで。
ここのロボットは最新型モデルと次々と成長した姿を見せています。人間はもしかしたら、さほど成長せず、一昔前のままで止まっているのかもしれません。
そんな中でロボットが出した人間を攻撃する宣言。しっぺ返しを食らった人間というブラックなオチにも見えるし、ロボットは決してロボット三原則を破ってはおらず、人間が成長をするために自らを犠牲にして戦いの場を与えようとしている希望のラストのようにも感じます。

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