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2016年1月12日 (火)

旅猫リポート【演劇空間WEAVE CUBE】160111

2016年01月11日 十三 Black Boxx (120分)

観る前にTwitterで流れる感想を見た限りでは、感動やら胸いっぱいやら、どうやら泣ける作品だと知る。
どんな話かを良く知らなかったので、ネットで読書感想文を少し見る。6回泣けたなんて感想もあり、どんだけ涙脆いねんと一人ツッこんでいた自分を今や完全に否定せざるを得ない。
じわじわ盛り上がって最後に泣けるパターンなら何度も経験しているが、確かにこんなに頻繁に涙腺崩壊警報が頭の中で何度も発令するのは初めての作品かもしれない。

人生と向き合いながら、出会った人たちとのそこにあった想い合いを感じ取っていく。
そこにある想いは、何も無いところから勝手に生み出されたものではない。
優しい人の想い。それを受け止めて、相手にその想いを返そうと応えることから生まれた絆、繋がりが生み出した産物である。
そんなことが、一見クールで、自分の自由な世界を持つ猫視線で語られていく。
ある不幸な事故で両親を亡くしたことから始まる、たくさんの出会いと別れを繰り返した男の人生。でも、さよならする時は、いつもそこにありがとうがあった。たくさんの想いを皆から注いでもらったから。
それは最後の最後までそうだった。
その最後のありがとうを受け止めた猫。
猫はその男の素晴らしき人生、そしてそんな男と出会ったことで得られた素晴らしき自分の人生、いや猫生を感謝の気持ちを込めて、悲しみ無しに、その喜びだけを純粋に私たちに伝えているようだった。

サトルとその飼い猫ナナは旅に出る。
ナナとの出会いは5年前。
家の近くでよく会うようになった野良猫。猫好きなサトルが、カリカリを貢いで撫でさせてもらったりしているうちに顔見知りの関係に。
ある日、外から猫の叫び声が聞こえてくる。窓から見たら、あの猫が怪我をしている。車に撥ねられたらしい。
すぐに助けに向かう。サトルは猫に話しかける。もう、大丈夫。自分のことを思い出してくれてありがとう。
2ヶ月ほどは散歩禁止で家の中に。猫は昔、飼っていたハチという猫によく似ている。ハチの代わりというわけでは無いが、何か運命を感じる。でも、怪我が治ったらすぐに出て行こうとする。生粋の野良猫なのだろう。サトルは、うちの猫にならないかなと思っていたのだが。
そんな寂しげなサトルの姿を見て、猫は決める。サトルの猫になる。名前は尻尾が鍵形で7みたいに曲がっているからナナと安易に名付けられた。
そんなナナ。サトルに大切にされて、5年の一緒の時を過ごした。
でも、お別れをしなくてはいけなくなった。もう、飼うことが出来なくなってしまったから。
この旅は、ナナを引き取ってもらうために、サトルの知り合いを訪ねる旅だ。

最初は小学校時代の友人、コースケ。
今では親の写真館の跡を立派に継いでいる。
奥さんが今、実家に帰ってしまっているらしいが、猫好きな人なので、問題は無いらしい。
ハチのことを思い出す。
コースケが捨て猫を見つける。猫が大好きなサトルは、引き取って飼いたいと言うが、コースケも猫が大好き。自分が飼うと言う。コースケが先に見つけたのだから当然だ。でも、コースケの父親は、人の気持ちをあまり考えない人だ。ダメの一点張り。
サトルは、コースケを家出に誘い、父親に考えを変えてもらうことに。でも、とんだ騒ぎになってしまう。結局、サトルが飼えば、いつでも会えるということに気付く。
それからというもの、コースケは、よく家に遊びに来て、ハチと遊んだ。
京都への修学旅行。母親からはようじ屋のあぶらとり紙を土産に頼まれた。
店を探している途中、サトルは急遽、家に帰らなくてはいけないことになる。コースケは、土産を買えずに家に戻ったサトルのために、代わりに小遣いをはたいてあぶらとり紙を買って帰る。
コースケが帰宅すると、喪服を着た両親の姿。急いで用意をしなさい、コースケ君の両親が事故で亡くなったと父は言う。
コースケは、通夜の席で、サトルのお母さんの妹、ノリコおばさんに連れられて茫然としているサトルの姿を見つける。もうサトルのお母さんには渡せなくなったあぶらとり紙をサトルに手渡す。
サトルは両親が亡くなった後、初めて、涙を流して泣き出した。
サトルはノリコおばさんに引き取られ、北海道に引っ越すことになった。判事の仕事をしているノリコおばさんは忙しく、転勤も多い。だから、ハチは飼えない。遠縁の小倉のおじさんに引き取ってもらうことに。
コースケは、そんな知らない人よりも、自分がハチを飼えば、サトルも安心だと、もう一度、父にお願いするが、厳しく断られる。
サトルとお別れの日。コースケの父はその場にいた。平然と向こうでも頑張りなさいとサトルに声を掛ける。サトルは返事をしなかった。
コースケは父を睨みつける。何だ、その目は。結局、コースケは一度も父に自分の気持ちを理解してもらうことが出来なかった。
それからもずっと。
だから、今だって、子供が出来ない妻にデリカシーの無い言葉をかける父に嫌気がさして、妻が出て行ったりしているのだ。
そんな今のコースケを見て、サトルはナナを手渡すことを辞める。
ハチと似ているナナ。コースケにとっては、そのナナの姿はハチのこと、父とのことを思い出す存在になってしまう。
コースケは、ハチのことを忘れなくてはいけない。そして、父との確執に決着をつけなくてはいけない。そのためには、きっと、今の猫好きな奥さんと一緒に、新しい自分たち二人だけの大切な猫を飼った方がいい。そう思ったから。
そして、何だったらペット写真撮影なんかもしたら、新規事業として父からも認められるのではないか。
サトルは、ナナを連れて、コースケと別れる。

次に向かった先は、中学時代の友人、ヨシミネ。
今は、ド田舎のおばあちゃんの住んでいた家で農業をしている。
猫を飼っているみたい。茶トラ模様なのでチャトラン。安易な名前を付けるのはサトルだけではないようだ。
まだ幼く、すいぶんとほわーっとしている猫みたい。農家の飼い猫たるもの、ネズミぐらい平気で捕まえるぐらいじゃないと困る。そんなヨシミネにとっては、ナナはぴったり。仲良くしてくれたらいいのだが。
ヨシミネの今は亡くなってしまったおばあちゃんには本当にお世話になった。自分にとっては、本当のおばあちゃんのような存在。おあばちゃんもそう思ってくれと言ってくれていた。
親に捨てられるようにおばあちゃんの家に預けられていたヨシミネ。
そんな親の愛情を受けること無く育ったヨシミネは、先生にそのことで同情されたりするのを嫌った。最初はサトルにも、同情して気を使っているんだろうと噛みついてきた。でも、サトルは、両親がもういない。自分よりも抱える辛さは上だと思ったのか、気持ちを分かってくれると思ったのか、とにかく二人は仲良くなり、おばあちゃんの畑仕事をよく一緒に手伝ったりした。
博多への修学旅行。ちょっと足を延ばせば小倉に行ける。そこにはハチがいる。
サトルは抜け出すことに。それに付いて来てくれたヨシミネ。結局、先生に掴まる。
ヨシミネは、昔、食べた美味しいラーメン屋さんにサトルを連れて行こうと思ったと嘘をついて、全ての責任を被った。
その後、ノリコおばさんの下に、ヨシミネのおばあちゃんから、うちの子のせいでとんだ迷惑をかけたと謝罪の電話があったらしい。
ヨシミネがサトルが叱られないようにとおばあちゃんにお願いしてくれたらしい。ラーメン屋さんのことが嘘だということはおばあちゃんも分かったはず。何か別の理由があった。それが何かは分からないが、おばあちゃんはヨシミネのことを心底信じていたのだろう。
ヨシミネの両親は離婚。どっちが引き取るかで揉める。いや、どっちに引き取らせるかで。そんな両親の姿を知り、悲しみと不安の中、ヨシミネがどっちに付いて行けばいいのかをおばあちゃんに相談した時、おばあちゃんは力強く、お前はここにいればいいと言ってくれたようだ。
そんな優しかったおばあちゃん。その墓参りをする。心残りが一つ無くなった。
そんな人間たちのやり取りの中、ナナとチャトランはある計画を練っていた。
チャトランはご主人様のヨシミネのことが大好き。気に入られたい。だったら、もっと強くならないといけない。ナナはチャトランを特訓する。
そして、ヨシミネとサトルの前で、威嚇するナナに立ち向かうチャトランの勇敢な姿を見せる。
どうやら、仲がうまくいかないみたい。一緒に暮らすのは無理かも。
サトルはちょっと安心した表情でナナを連れて帰ることに。ヨシミネも残念そうだが、チャトランもなかなかのものかと抱きかかえる。
サトルはヨシミネとお別れする。そして、ナナもチャトランにしてやったりと目配せをして。

富士山が見えてきた。
ここで夫婦でペンション経営をしている、スギとチカコ。
高校時代の友人。
山で迷ったシーズを二人で保護しようと、必死に格闘したこともあったか。
この頃、ハチが死んだ。
チカコの親の畑でバイトをしてお金を貯めて小倉へ行こうと考えていた矢先に。
すっかり落ち込んでいたが、チカコの強い薦めもあって、小倉を訪ねて、ハチの墓を参った。帰りに京都によって、そのお礼にようじ屋のあぶらとり紙を買って帰った。あの頃とは違う。手鏡も付けて渡す。ハチと、そして両親の死をしっかりと受け止めることが出来たのかもしれない。
高校3年の時に引っ越して二人とお別れ。
でも、大学でまた再会することになる。
そんな切っても切れない仲だ。
スギとチカコは、トラマルという若い犬と、年配のモモという猫を飼っている。
トラマルはご主人様であるスギに忠実だ。スギの気持ちをしっかりと理解している。それは外には出てこない内に潜む思いまで。
だから、サトルとナナに敵意を向ける。
スギは幼馴染でもあるチカコのことが好きだ。だから、結婚した。
でも、そこに至るまで、いや今でも、そこには常にサトルの影がちらつき続けていた。
猫好きなチカコ。自分よりももっともっと猫好きなサトル。両親を亡くすという辛い経験をしながら、皆に優しい。そんなサトルが大好き。だからこそ、チカコだってサトルが好きだろう。きっと自分のことよりも好きなはずだと思うと心が苦しくなる。
いい奴だから憎むことも出来ない。憧れ、敬意があるけど、憎しみ、妬みも同時に共有してしまう大切な友達。そんな小さな自分も嫌いだ。
そんなスギの心を知っているトラマルは、ご主人様の下に、その苦しみの要因を置いておくことなど出来るわけが無い。ナナとサトルに吠えまくる。
ナナは喧嘩っ早いので、トラマルと一戦交える体制に入るが、モモはトラマルの若さゆえの言動だから許してやってとその場を諫めようとする。
しかし、本当に喧嘩を治めたのは、トラマルが口にした言葉。サトルから漂うもうすぐいなくなる匂い。
ナナだって気付いていた。だから、これはサトルとの最期の旅なんだ。
ここに引き取ってもらうつもりなど始めから無い。ずっと、自分はサトルと一緒にいるのだから。
そんな動物たちのやり取りはいざ知らず、サトルは、ここもダメかと少し安堵の表情を浮かべる。
サトルはスギと飲み明かす。チカコのことも、スギから本当の気持ちを聞いた。
翌日、別れ際、サトルはチカコに告白する。
今さら、何を言ってるの。笑って返すチカコ。
スギにとってはそれだけで十分だった。サトルは最後に、ほら見ろ、自信持って幸せにすることだけを考えろとスギに無言のエールを送った。
笑顔を見せるご主人様を見てトラマルは、二人がここにいていいのだと理解するが、時既に遅し。
でも、どちらにしても、スギもチカコもナナを預かるだけの気しか無かった。また、飼えるようになったら、サトルが迎えに来ればいいと思っていただけだから。
そんな二人の気持ちにサトルは感謝する。

北海道までたどり着いた。
ここにはノリコおばさんがいる。そして、両親の墓も。
ようやく参れた。
にしても、ノリコおばさんに引き取られて、しばらくして聞かされたことにはびっくりした。
自分が両親と血が繋がっていないと言うんだから。あんなに大切に可愛がってくれた両親が。
判事だったノリコおばさんは、ある虐待事件を担当する。施設に引き取られる子供。
その子供を両親が引き取った。それが自分だ。
本当の親じゃないの。その質問にノリコおばさんは、いいえ、あの二人は本当の親です。産みの親が別にいるだけだと答えた。
そう、二人は今でも自分の本当の両親だ。
この日から、3人暮らしが始まる。
と言っても、ノリコおばさんは幼き頃に猫に噛まれて以来、猫が苦手らしく、ナナにもかなり怯えているが。
サトルは病院に行って、なかなか帰って来ない日も多くなった。
ノリコおばさんはナナにもだいぶ慣れて、撫でるのも上手くなった。そして、時折、涙を流している時がある。
ある日、サトルは病院に行って、そのまま家に戻らなくなった。
しばらくして、病院の庭でサトルはノリコおばさんに連れられたナナと久しぶりに再会。その日から、ナナは病院の庭に住み着く。サトルと一緒に。そう決めたから。毎日、1回ここでサトルと会うのがナナの日課となる。
血相を変えて、ノリコおばさんが病室へ。ナナはそれを見送る。
もう最期の時がやって来たらしい。
ノリコおばさんは、ナナをここに連れて来たいと懇願する。
看護師はそのお願いに返事をしない。それが返事だ。
ノリコおばさんは、ナナを抱いて、サトルの下へ。
サトルとナナは本当に最期までずっと一緒だった。

葬式には、皆が集まって来た。
ペット写真が当たって大忙しのコースケ。
美味しい野菜に磨きがかかったヨシミネ。
相変わらずたくさんの動物たちで騒がしいスギとチカコ。
写真はただで撮影してくれると言ってくれるコースケのところへはまだ行っていない。夫婦で飼っている猫は真っ白でとても可愛いらしい。
ヨシミネは、野菜をよくたくさん送ってくれる。チャトランも少しはたくましくなったことだろう。
ペンションへはノリコおばさんが一度連れて行ってくれた。トラマルは少し大人になり、モモはいい老猫として元気だった。
ある日、ノリコおばさんは、捨て猫を拾ってくる。
今度はお前の番なのかな。
サトルが、死んでも皆を繋げ合ったように、自分も。
夢の中でサトルと出会う。旅の最後に見た美しい虹の景色が蘇る。
もう、そろそろこっちに来るか。そんなサトルの言葉にナナは言う。
いや、もう少しかな。新しい猫を鍛えないといけないし。
サトルは、微笑んでナナを見詰め、その声を聞いている・・・

あらすじを書いているだけで、こんな下手な文章でも、ちょっと泣けてきますね。きっと、観た方ならシーンを思い浮かべて、その気持ちが分かるはずです。
一人の男が人生を清算するように、過去に出会った大切な人と向き合い、同時に最後までずっと一緒にいる大切な猫との時間を旅として描いた話。
話を思い返してみると、確かに絆や繋がり、そこにある優しい想いが溢れんばかりに伝わってきます。
でも、そこに、ちょっと人への厳しい警鐘があったりするのかなとも感じました。

いい言葉ではありませんが、産むだけだったら犬や猫だって出来る。そんな言葉が、犬や猫に失礼になるくらいなことを、今、人が平気でしているようなニュースをよく耳にします。
サトルを虐待した産みの親、コースケの気持ちを理解しない父親、ヨシミネの子供を邪魔に思う両親。
子供を育て、その一緒の時間の中で互いに絆を深め合うことなく、ただ、産まれたという血縁だけに絆を求めようとしているような。もっと言えば、絆をはなから求めてもいないような。だったら何で産んだんでしょう。捨てるために、服従させるために。子供がいない私には理解し難いことがたくさんです。
この作品は、そういった親となる人に対しての、厳しい警鐘があるような気がします。コースケ夫婦、スギ・チカコ夫婦の描き方も、お父さんやお母さんがそんなに悩み事を抱えていたら、安心して子供も産まれてこれないし、育つことも出来ないでしょ。大切な新しい命を迎える万全な幸せ体制を創り上げる努力を親となる二人は夫婦でしないといけません。産まれた子供はこれからの時間を過ごし、出会い別れの中で色々な繋がりを生み出しながら人生を歩むのですから、最初の出会いである親との絆は絶対に大切にしなくてはいけません。そんなことが伝わってきます。

同時に、不幸にして、そんな環境にある子供には、優しい安堵を与えるような祈りの念を感じます。
ナナは最後までサトルの猫でした。
サトルは両親の子供、ヨシミネはおばあちゃんの子供でした。
本来、受けるべきだった親の愛情を不幸にして得ることが出来ない子供。それは虐待やネグレストという場合もあるでしょうし、本当に悲しい話ですが、事故やら天災で親が与えたくても与えられない場合もあるでしょう。
でも、そんな時でも、必ず、あなたの周囲にはあなたを優しく想うものが存在してくれます。あなたは、その想いを素直に受け止めて、その想いに喜びや幸せを感じて欲しい。決して、親から受けられない愛情に対しての憎しみや悲しみにだけ囚われないで欲しい。
人の優しい想いは、必ず憎しみや悲しみを包んで消してくれる。
そして、そのことをあなたと人生で出会った繋がったものたちに、あなた自身の言葉で伝えてあげて欲しい。
サトルの無償の優しい皆への想いを感じさせる言動を見ているとそんな考えが浮かび上がってきます。

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コメント

SAISEI様

先に『机上の空論』をアップされた後,ふだん午前中にはアップされることが多いのに中々,演劇空間WEAVE CUBE『旅猫リポート』がアップされないのでちょっと焦りました。行かれなかったのかな,と。10日はお会いした場所で観劇した後,速攻で阪急電車に飛び乗ってギリギリ開演に間に合いました(笑)『旅猫リポート』を観劇した後,是非ともSAISEIさんに観劇してほしいな,と思ったものですから(笑)

 開始早々,唄種夢さんのナナが明快な台詞回しをされて,台詞が頭の中にぐんぐん入ってくるんですよね。この間からの話なんですが,「あ~ やっぱり,女性役者がいいと思うのか~」と思ってたらその後,川田さんの優しげな演技に惹かれて(笑)昨年,sputnik.の『そこにあったはず/サリマライズ』を2月8日の14:30~からCafe Slow Osaka(終演後,川田さんと話す機会があったとき中崎町と言ってしまったw)で拝見したり前回の『Fire Cracker』の時などはそこまで印象には残ってないたんですが今回は役にピッタリで(KAISEI感性比)好青年サトル役を繊細に演じられていたと思います。

唄種さんと川田さんの中心線がしっかりしていたせいか公演自体がかなり印象に残りました。死にネタなので感動はしやすいとは思うのですが有川浩の脚本も良かったし。すが展開がうまいですね。脚本は既成のもの(脚本の著作権はスカイロケット,とブログにある)だそうですが演出は独自でやったはるみたいで。演出も良かったなあ。1人で何役もやったはったはずですが違和感なかったし。私の2016年の上位作品には絶対に入ってきますね。

 客出しも良かったし,費用対満足度は物凄く高かったです。

これだけの満足度なので役者さん全員上手かったと思うのですが,敢えて言うなら個人的には奥井智大さん演じるコースケが一番お気に入りかな。

ちなみに有川浩は『シアター』という小劇場を描いた小説と脚本があります。もう少しで『シアター』を読み終わりそうです。中々,おもしろいですよ。読まれていないなら是非。

投稿: KAISEI | 2016年1月12日 (火) 21時01分

>KAISEIさん

確かに役者さん方が非常にしっかりしていたことが、脚本の良さと相まって素晴らしい作品を生み出したなと思います。
川田さん、奥井さん、非常に味のある魅力を醸されていました。このタイプの男優さんは、今回のようなはまり役で拝見すると、かなり評価が高くなりますね。

そうそう、有田浩のシアター。
これを読んだのか、映画になっていて観たのかは覚えていませんが、この作品から小演劇に興味を持ってはまった方がいらっしゃいますよ。
ご存知かな。
シアターを愉しもうで検索するとブログにたどり着くはずです。
私も読もうかなとその時思って、ほったらかしでした。
機会があれば。
でも、もう時間がいっぱいいっぱいで・・・

投稿: SAISEI | 2016年1月14日 (木) 15時29分

SAISEI様

御紹介ありがとうございます(笑)

TAKUさんですよね(笑)ZTON 『王の血脈』の観劇感想をこりっちの「観てきた」に書かれてたので早くから存在を知ってはいたのですがブログをちょくちょく見始めたのは昨年5月くらいかなあ。1度コメしたんですがコメ返なくて(笑)

TAKUさんは有川浩からなんですね~(笑)

私が前から思っている小劇場界の商売下手や構造的欠陥にも切り込んでいるので私は楽しく1を読み終わり2を読み始めています(笑)

SAISEIさんも早くから小劇場界の欠陥は気がついておられるみたいで(笑)昔の記事にはチラホラ(笑)

私もまだまだ知らない観劇マニアがおられると思うのでまた御教示ください。

ちなみにTAKUさんとは御面識は?(笑)

投稿: KAISEI | 2016年1月14日 (木) 23時31分

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