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2016年1月22日 (金)

軽くフィクション team B【シザーブリッツ】160121

2016年01月21日 中野ザ・ポケット (120分)

出張を利用した東京観劇。
前日に梅棒を二作品拝見して、もうお腹一杯の大満足。
これで、大阪に戻っても良かったのですが、17:30から、以前、よく大阪で拝見していた役者さんの一人芝居があるので、これを観て帰ることに決める。
となると、午前中は仕事をするにしても、それまでに何か観れるんじゃないのと急遽、ネット検索。
大阪ではDFG OSAKAという公演をまとめたサイトがあるので、すぐに調整できるのですが、東京の方は、そんな便利なサイトがあるのかどうかも分からず。
色々と調べた中、ここに決めました。理由は単純。チラシに載っていた女優さんが可愛らしかったから。昔もボクラ団議だったかな。この理由だけで拝見して、めちゃくちゃ面白かったから、この決め方はバカにしたものではありません。
そして、そのことを証明するかのように、今回も見事に成功。
かなり癖のある登場人物たちによるコメディーでしょうか。話の芯にあるものはけっこう深刻な人の生き方に通じるものですが、それを最後に柔らかく浮き上がるように、様々な伏線回収を楽しく魅せながら、話を展開するという見事な作品でした。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

白虎組組員、優作。
今日はブツの取引のために恭介に同行して倉庫へ。恭介は組の先輩ではあるが、一番親しくしている男だ。
優作は香港マフィアらしき、怪しげな男二人組を見かける。自分たち以外にここで取引をしようとしている奴らがいる。優作は急いである人に電話をかけて、計画の中止を申し出る。
優作は女性の悲鳴を聞く。急いで駆けつけると、そこには百合がいた。頭に怪我をしている。百合は地域雑誌のライター。優作が恭介から紹介されて一目惚れした女性。黒づくめの刑事のような男女コンビに追われているらしい。優作はロッカーの鍵を渡され、百合は気を失う。再び、目を覚ました時、記憶を無くしてしまったのか、恭介も優作も分からなくなっていた。
恭介はある人から電話を受け取る。電話が遠くてよく聞こえない。ただ、どうやら刑事か何かがここに潜り込んでいるらしい。取引は中止して優作と合流する。
優作と恭介は、同じ組の組員と出会う。背が小さく童顔だけどガラ悪い女、すずめとその女に絶対服従するMっ気のある男、猫柳。二人は組長から指示されてある女を追っているとしか言わない。
香港マフィアの二人組は、ブツである黒ダイヤを目に埋め込んだぬいぐるみを持って取引相手を待っている。ボスのリーは周囲に目を光らせるが、部下らしき男、チャンは頼りなさそう。トイレに行きたいと立ちションをしている間に、そのぬいぐるみを盗まれる。盗んだのは何でも屋のセクシー女性、理沙。理沙は恭介や優作とも面識のある金のために何でもする女。
刑事は取引情報をある男から得て、潜入捜査中。組壊滅を目論むベテラン刑事、平と、部下の気の弱い新米刑事、野々村が待機する。しかし、どうも場が色々と騒しくなっているようで、一旦、退散する。

冒頭のシーン。
白虎組、刑事、雑誌ライター、何でも屋、マフィア、謎の黒づくめと一見つながっているようで、どうなっているのかよく分からないこの謎がこれから紐解かれていく。
百合は怪我の治療をして、妖艶な雰囲気を醸す精神科女医に連れて行かれる。
恭介の妹、奈々も駆けつける。今では底抜けに明るい女性だが、昔は病んでいたのか、この精神科医にお世話になっている。その時に一緒にグループ治療を受けていた野々村という男とは今もいい付き合いをしているらしい。恭介はシスコンなのか、そのことにいら立ちを隠せない。
理沙もやって来る。奪ったぬいぐるみは自分には合わないので奈々に無理やりプレゼント。何か手がかりはないかと百合の部屋を調べたが、一枚の写真ぐらいしか無かった。その写真に写っていたのは、白虎組の組長。百合は何も思い出せないが、その写真を見て気分を悪くする。どうやら、精神的な何かが彼女を抑えつけて、記憶を戻さないようにしているみたいだ。

そんな白虎組の組長はカンカン。
取引をミスった恭介と優作。女を見つけられなかったすずめと猫柳。
組長は今、追い込まれている。大物政治家、大沢との密会写真を撮られたので、そのネガを取り戻さないといけない。さらには、その大沢に多額の選挙資金を工面しないといけない。恭介たちには金を、すずめたちにはそのネガを手に入れてもらおうと思ったのに。
組長は、恭介たちに5千万円をとにかく準備するように命令。
出来なかったら組はお終い。いや、大沢はネガを取り戻すために、殺し屋を雇ったという。最悪、自分も殺されてしまう。
その恐怖から組長は中二病を発症。あまりにひどいので、精神科医に連れて行かれる。ご常連になっているみたいだ。中二病ともう一つのM体質が異常に発現する病気も併発。ここの女医が妖艶なのには理由があるようだ。特別な治療に入る。
すずめは奈々と出会う。この病院で親しくなったらしい。奈々はぬいぐるみをすずめに渡す。ガラじゃないからと拒否するものの、けっこう気に入ってしまった様子。
百合の治療が始まる。催眠療法。昨日の倉庫での出来事。何者かに追われ、隠れていたところ、黒づくめの人たちと出会う。悲鳴をあげて逃げる。携帯を落としてしまった。それぐらいしか思い出せない。

優作は、ある人から電話で倉庫に呼び出される。平だ。二人は癒着していた。
優作を白虎組に潜入させ、情報を手に入れる。そして、組を壊滅に追い込むという作戦。
でも、優作はどこまでも人がいい恭介を裏切ることに抵抗を覚えるようになっていた。もう、しばらく裏切りを辞めたい。そんな申し出が通るはずもなく。
平は百合が何者に追われているのかという情報をちらつかせ、裏切りを続けさせる。
組壊滅に執着し過ぎの平を上司の室井刑事は心配している。自分もあの組はどうにかしたいと考えている。あの白虎組は昔は闇金で名を馳せていた。厳しい取立てで自殺に追い込まれた被害者も多い。その娘の一人が百合だ。当時の自分は上層部と組の癒着に逆らうことができず、何もしてあげられなかった。だから、今、何とかしてあげたいが、急速な攻めは足元をすくわれる可能性もある。

倉庫では、黒づくめの男女が、ピストルを手にして、年配の男と何やらしている。
噛み噛み男優、若林とちびっ子セクシーもどき女優、大原。年配の男は演出家の稲川。大沢とそっくりだ。脚本家の二谷は、厳しくダメ出し中。
どうやら、これは芝居の練習らしい。昨日の百合はこの練習を、自分を追ってきた奴らと勘違いしたようだ。だから、落とした携帯を若林が持っている。二谷はそれを警察に届けておくと預かる。これで、百合との接点ができた。彼は組長に連絡。彼こそ、組長が雇った凄腕の殺し屋らしい。
二谷はすぐに携帯を基に百合を探しに向かう。
そんな劇団を恭介と理沙が訪ねる。理沙はあるアイディアを持っていた。大沢と似ている稲川。彼を組長に仕立て上げ、その権力が欲しい奴らから金をせびる。要は詐欺行為だ。リスクも高いが、恭介は5千万円がいる。劇団員は当然、金がいつもいる。

優作と百合は話をしている。治療の一環だ。女医は彼女の凍った心を溶かすのは優作しかいないと思っている。いわば彼女の心は永久凍土。優作はその探検隊。笑顔という宝物を探す。女医はそう分かりにくく表現する。
記憶を失う前の話。優作はとにかく百合に惚れていた。恭介から何かで落ち込んでいた彼女を元気付けてと言われ出会い、一目惚れ。その理由は教えてくれなかったが、そんなこと関係なく、百合に優しく接した。奈々はそんな話を聞いて、二人を冷やかす。隠れて聞いているすずめもけっこう感動している様子。
その落ち込んでいた理由。これが分かれば、記憶が蘇るのではないのか。でも、無理に蘇らせる必要はないのではないか。そんなことを話している中、二谷が現れ、百合を拉致しようとする。そこに、野々村刑事がやって来て、皆を助ける。かつてはそんな勇気もなかったのに、今は治療の成果あって、まだ実力が伴わないがこんなに立派になった。

劇団員は、計画を遂行。稲川は大沢になりすます。
でも、ターゲットを間違ってしまう。よりにもよって、組長から金をせびろうとする。組長は大沢に金を渡さないといけないことにはなっているので、変に話が合ってしまい、皆は組事務所に向かうことに。
そんなことになっているとは知らない恭介と理沙。騙し相手のマフィア二人組がやって来るが、皆がいない。やむ得ず、二人が対応。理沙はあのぬいぐるみの秘密を知ることとなる。何も知らない恭介は、そのぬいぐるみ探しを手伝うことに。
理沙は奈々に連絡。すずめに渡した。理沙はぬいぐるみ探しの旅に出かける。

平刑事の暴走は止まらない。
偽札5千万円を用意した。これを組長に渡せと優作に指令。持っているだけで逮捕に結びつくはず。
そんな中、百合がフラッシュバックを起こしたらしく、行方不明になる。
優作は探しに出かける。
恭介と出会い、偽札を見られる。恭介はこれがあのぬいぐるみを売ったお金と勝手に判断。売りやがったな、お前。俺には分かっている。でも、構わない。魔がさすことなんか誰でもある。俺は許す。そんな言葉を優作は自分の裏切りを恭介が知っていたのかと勘違い。
百合は記憶を取り戻し、逃亡する中、すずめと出会う。すっかり、優作とすずめの純愛に心惹かれているすずめはぬいぐるみを百合に。
百合はさらに劇団員と出会う。黒づくめの人たち。あの日のことが思い出される。百合はぬいぐるみを放って逃げ出す。奈々と野々村刑事がやって来る。ぬいぐるみは結局、奈々の下に。
マフィアは、二谷に襲われ、チャンをはじめ、次々と現れた兄弟たちを亡き者に。

百合の記憶は完全に戻ったらしい。
恭介は優作からあの鍵を預かり、大事なものを取りに向かう。
自分たちの目的を果たすために必要なもの。
それは、恭介、百合の親が、あの白虎組に殺された復讐をするために、撮られた写真。そこには組長と大沢がSMプレイをする姿が写っている。
百合は組事務所にやって来て、組長にピストルを突きつける。しかし、それを恭介は止めて、組長を逃がそうとする。
あいつを殺さないと。そう言う百合に奈々は語りかける。兄はきっと自分を一人にはしない。そう信じている。だから、殺しに手を染めるようなことをしなかったのだと。そして、今は、百合には優作がいる。
優作は百合を本当の意味で元気付けてあげられなかったことを悔いている。家族を亡くして、辛く、苦しみと憎しみに囚われて凍った心を完全に溶かしてあげられていなかったことを。でも、これからは違う。だって、自分は探検隊だから。彼は百合の永久凍土に降り立ったようだ。
奈々ぐらいにしか分からない例えだが、とにもかくにも二人は、今、本当に結ばれたということだ。

恭介は何も組長を許す気はない。きちんと法の裁きを受けてもらう。
大沢に化けた稲川が組長の下へ。あの写真を見て、組を辞める決意を固めたすずめは偽札の5千万円を組長に渡す。大沢先生のためにこの金を用意しました。きっちり録音された。稲川は組長にご褒美を。たっぷりと可愛がってあげよう。手錠をして、目隠しをして、屋外プレイだと外へ連れ出す。
外には警察が待ち構えている。
大沢の方は、写真をばら撒けば政治生命も終わり。それに室井刑事も後は任せろと言ってくれている。もう、権力を行使して、組長が助かるということは無いだろう。

長きにわたって、恭介を騙していた優作。でも、それは恭介も同じだった。恭介も、実は百合も全てを知って、優作と接していたのだから。
欺瞞と裏切りにまみれていた3人。でも、それは、悪に大切なものを奪われたことへの悲しみと憎しみの代償だった。
今、それは何も無くなった。3人はまた一から友人、恋人として時を進める。
マフィアや、劇団員も変な事件に巻き込まれたが、まあ何とかやっていくだろう。
二谷は、再び現れるが、このことを脚本にしたためる気満々だ。
ところで、ぬいぐるみの黒ダイヤは。すずめが可愛がっているところを誰かに見られるたびに、叩きつけて可愛がっていない素振りを見せていたので、その時にどっかいったみたいだ。理沙は慌てて探しに出かける。そんなすずめは新しい組を子分と立ち上げる。すずめ組。幼稚園の組みたいだが、持ち前のガラの悪さでやっていくことだろう。
皆、各々の新しい道へと進み始めた。
恭介と優作は改めてこれからを誓う。何か事業でも起こそう。そんな資金、どこに。そう言う優作に、恭介は黒く輝く小さな石を見せる。
裏切りや欺瞞はいつも人の中ではつきもの。大事なことは、本当に心が通じ合っているかだけなのかも・・・

普段の大阪での観劇と違って、役者さんの顔と名前が全く分かっていないので、役を把握するだけで一苦労。
それに、えらい可愛らしい子もいるから、そっちに見惚れていたら、話が追えなくなるし。さらには、裏切り渦巻くハードボイルドと思いきや、ほとんどコメディーチックに話は展開するので、その笑いを楽しんでいたら、大事な伏線を見逃しそう。
そんな苦労が多い中で、何とか掴んだことを筋にしてみたのが上記です。
色々と飛んでしまっているところも多々あると思いますが、とにかく、数多い事象を、全て巧妙に繋げていく見事な話でした。
伏線回収により、点が線になっていき繋がっていく快感と、その中で浮かび上がっていく人の思いやる純粋な優しい気持ちにちょっとホロリと。
綺麗なハッピーエンドと共に、どうであろうと大切な想いで繋がっていた素敵な絆を深めながらこれからも生きていくだろう人の姿に感動を得る作品でした。

大阪の役者さんは濃いいとかよく言われますが、東京の役者さんもかなり濃いいし、癖がありますね。基本、面白い方ばかりでした。
ちょっとオトボケ、オバカな中に芯ある想いを魅せる恭介、高木俊さん。純粋で優しさ溢れる一途な姿が素敵な優作、岸本卓也さん。穏やかでほんわかした空気を醸しながら、葛藤する憎しみの感情をアクションで美しく魅せる百合、里久嶋祐果さん。
中二病爆発、おかしな性癖が狂気の沙汰の組長、春山大輔さん。見かけの可愛さとガラ悪さのギャップが半端ないすずめ、大塚愛菜さん。ブレないM体質がキモおもろい猫柳、江藤聖矢さん。
遊び幅が無い執着した正義を狂気として見せる平、大沼優記さん。自分との戦いを真摯にまっすぐ表現する野々村、泉紫太朗さん。もう、言葉に出来ない破壊力あるパロディーで登場したら笑いをひっさらう室井、伊東一人さん。
冷徹なかっこよさの中にすっとぼけたギャップを混ぜ込む面白キャラ、リー、渡辺隼斗さん。ダメキャラに完璧なまでに徹するチャン、右田隆志さん。
ねちっこい気味悪さを内に潜めた脚本家、殺し屋、久高将史さん。スマートなダンディな紳士と思いきやどこか抜けている演出家、大沢、工藤竜太さん。微笑ましい微妙なセクシーさを醸すチビッ子キャラ、大仲マリさん。いっぱいいっぱいの使えない役者に自分自身で苦悩する嘆かわしい笠原賢人さん。
やたら色気を振りまく妖しげな女性の魅力、女医、中崎美香さん。漫画から飛び出てきたかのような冷淡知的なセクシー怪盗だが情に厚い、何でも屋の長谷川あかりさん。純粋、天然の自由奔放さの中に、人を思いやる大切な心を芯に抱く奈々、妃野由樹子さん。
皆さん、個性が出過ぎなくらいのキャラ作りで、これがまた話の展開を楽しくさせているようでした。

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