白井宏幸探検シリーズ 六甲山の珍獣 小永井コーキの謎を追え!【エリーの晩餐会】151227
2015年12月27日 インディペンデントシアター1st (75分)
もう一年が終わりますねえ。
今年2月に拝見した、同じ変態シリーズ。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/55-97dc.html)
2月ですが、私は今年は1月は観劇を休んでいたので、今年2本目の観劇でした。
そして、今年はあと1本で観劇納めにする予定。間に火ゲキでも変態を観たんだったかな。
変態で始まり、変態で終わろうとしているかのような今年の観劇。
でも、不思議と心地よさがあるのは、両作とも変態に隠されて愛ある温かみのある作品だったからでしょう。
舞台は冬の六甲山。
白井宏幸率いる探検隊は六甲山に出没する謎の珍獣を追っていた。
隊員は土肥嬌也、栗田ゆうき。栗田は土肥目当てで付いてきただけみたいだが。
何かが動く。
土肥は構える。白井は失禁。
現れたのは、サンタコスプレの中年おっさん。土肥は何者なのかとさらに身構える。白井は脱糞。
サンタコスプレのおっさんは自分のことを語り出す。
名前は小永井コーキ。
花火職人だった。花火大会で出会った視覚障害の女性。目は見えていないのに、自分の花火が打ち上がった時に綺麗だと。
不思議に思い、小永井は彼女の後をつける。
現れた変態。彼女の汗を舐める。名前は宏幸。変態としか思えない名前だ。
小永井は彼女を救うために変態と対決。
小永井は弱かった。でも、彼女は目が見えないので、いかにも強いかのように振る舞って誤魔化す。
そんな小永井を気味悪がって、変態は去っていく。
彼女の名前は有元はるか。はるか向こうの星よりも綺麗にと付けられた名前。小永井の目には、はるかが星よりも綺麗に映る。
一緒に歩き、小永井はさっきの花火のことを聞く。
綺麗だったから。澄み切った音で分かったのだとか。
小永井は、はるかの目を治すために医者を探す。
そして、自分には天才の妹がいることを思い出す。
妹の愛は、自分がロボットになる研究をしている。
愛の紹介で、優秀な医者、青木道弘先生を訪ねる。
青木先生はセクシーなお姉キャラ。
小永井は、そのフェロモンにすっかりはまってしまう。
そんな訳の分からない昔話に付き合っていた一行。
その時、ハンターの銃声が。
白井はビビッて逃げ出す。
土肥は後を追う。
その途中、謎の殺し屋Xこと、得田晃子と出会う。
得田はイケメンの土肥に惚れて、土肥の股間を掴む。
小永井は残された栗田に自分の過去をさらに続ける。
はるかの治療費を稼ぐために、ゲイストリッパーになる。青木先生の紹介で。
その店で、殿村ゆたか、チャッピーと出会う。
チャッピーには恋のことを色々と教えてもらった。小永井に惚れていたようだが、そういう趣味は無いので断ったが。
チャッピーには股間を掴む癖がある娘がいる。その娘は、ゲイストリッパーとして踊る小永井に恋心を抱く。
やがて、お金がたまり、店を後にする。
走って青木先生の下へと向かう小永井。自分がちょっと誇らしげだった。
しかし、町行く人の視線がおかしい。
すっかりお姉になってしまっている自分。
いつの間にか、自分は色々なものを失っていた。穢れた自分。
小永井は治療費を、すっかり男になっている青木先生に渡す。
そして、はるかが初めて見る世界にお前みたいな穢れた人がいてはいけないと、はるかを忘れ、六甲山に籠れと命じる。
これが自分の全て。
栗田は小永井の悲しい過去に涙する。
これでいい。自分の恋は。
でも、あなたは恋を実らせて欲しい。
小永井は、妹が昔、はるかとの恋が成就するようにとくれたお守りを栗田に渡す。
小永井は六甲のおいしい水を取りに行く。
そんな中、晃子に股間を掴まれたまま戻ってきた土肥。
栗田は、異常な行動をする晃子を警戒しながら、土肥に小永井の全てを話す。
土肥ははるかを探すことを決意する。優しい人と改めて惚れ直す栗田。
土肥と栗田は下山する。
戻って来た小永井。晃子と再会。小永井は気付いていない。
晃子は小永井に銃を向ける。
誰かから殺しの依頼を受けているらしい。
土肥と栗田は、はるかを探す。
まずは青木先生に会うつもりだったが、もう大学は退職して居場所は分からなかった。
土肥のアイフォンの調子が悪いので、ソフトバンクへ。
店にいたペッパー。
ペッパーは栗田の持っていたお守りに反応。
自分が小永井の妹であることを思い出す。
どうやら、あの社長に本当にロボットにさせられてしまっていたらしい。
ペッパーのデータベースを利用して、青木先生の居場所を追跡。
青木先生は、はるかと同棲していた。
部屋にはバイブ。青木先生の変態っぷりは今も変わらぬようだ。
興味深そうにバイブを触るはるか。青木先生はうぶなはるかにそれは爆弾だと教える。
青木先生ははるかに惚れており、気を引こうとずっとしている。
でも、はるかの心の中にはまだ小永井がいる。
青木先生は殺し屋を雇って、小永井を殺そうとしているみたい。
はるかの下に、土肥たち一行がやって来て、全てを話す。
はるかは、自分に会いに来ない小永井は、自分を避けているのだから迷惑になると会いに行こうとしない。
違う。会いたいというあなたの気持ちが本物ならば、それは迷惑にはならない。
そんな今はロボットになって感情を失ってしまったペッパーの心の言葉にはるかは心を動かされ、小永井の下へと向かう。
置手紙を残し、いざという時のために爆弾を持ってはるかは家を出る。
そんな置手紙を見る青木先生。
そこに殺し屋から電話。彼を殺した報告。
良かった。間に合った。青木先生も六甲山へ向かう。
六甲山では、晃子と小永井がいる。
晃子に殺せるわけがない。だって、かつて、晃子はゲイストリッパーの小永井に恋をしていたのだから。今でも、小永井の股間を掴みたい気持ちでいっぱいだ。
小永井とはるか、再会。ついでに妹とも。
小永井ははるかを拒絶する。自分は穢れているから。
そんなことを言う小永井に、はるかは美しいと答える。
いつも青木先生からもらった花束。寄せ集めただけ。そんなものはいらない。たった一つの大切な大好きな花があればいい。
改めて、はるかは小永井に好きを伝える。小永井も自分への劣等感を乗り越え、本当の気持ちをはるかに伝える。私もあなたが好きです。
これで終わりかと思って時計を見たら、まだ1時間ぐらい。上演時間は75分予定だから、後の15分は何だろう、エピローグでも描かれるのだろうかと思った瞬間でした。
轟音と共に土肥が狂い出します。ちょっとびっくり。と同時に、やっぱこうなるんだあと脱力。ちょっと感動して損した。
土肥の正体は闇の一族。白井はその魔王だったのです。要は変態集団だ。
はるかは、光の神子一族。興奮すると体に走る電気から汗を出す。その汗を舐めると絶大なパワーを手に入れられるらしい。
恋が実ったはるかは興奮状態になる。そのために、二人を会わせるべく、土肥は奮闘していたようだ。
そこに現れた青木先生。
小永井が憎い。でも、はるかを危険な目に合わせることは不本意。だから、加勢をすることに。
ここからしばらく稀に見る茶番。
ペッパーや晃子も大活躍。青木先生も最初は弱かったものの、自分の利き手が左手だったことに気付いてからは最大の戦力に。
皆は、小永井とはるかを下山させ、自分たちは闇の一族と決着をつける覚悟をする。
土肥は栗田の変わらぬ愛を受けて改心する。あなたが変態なら、自分だって変態になる。相手に寄り添ったその強い想いが彼の闇の一族の血を浄化する。
魔王は二人を追う。
小永井は応戦するがかなわない。
はるかは最後の手段と爆弾を手にする。もちろん、その爆弾は怪しげな動きをするだけ。
魔王は巨大化。
絶体絶命の小永井に妹の声が届く。妹は全ての力を小永井に渡すと言う。そんなことをしたら、妹が。
でも、妹はずっと一緒だという言葉を残してその力を小永井に注ぎ込む。
小永井も巨大化。
小永井は魔王を倒す。
小永井とはるかは手を取り合って、愛を誓う。はるかの光り輝く体は世界を、いや六甲山を幸せへと導いたみたい。
あれから、栗田と土肥はまだ互いに素直になれず、付き合う一歩手前みたいな感じ。
青木先生と晃子は、恋が実らなかった同士でいい感じに。
六甲山では、珍獣、小永井コーキが自然を守っている。
今日は小永井からはるかにプレゼントがある。
少し、遅くなってしまったけど、いつか一緒に見たかった花火を・・・
人を想う、想い続けることで生み出される強い大きな力。
はるかは輝く光の神子になり、小永井は誇りある変態のお姉になる。姿はむちゃくちゃでも、そこに互いに愛し続けてきたという尊さが残っているかのようだ。
そして、そうして人に想いを寄せるという事実は、人が道を誤って間違った姿になってしまっても、それを元に戻してくれる力もあるみたいだ。
はるかへの愛に執着し過ぎて、本当に人を想うことを忘れてしまっていた青木先生。
股間に囚われ過ぎて、人の心が見えなくなってしまっていた晃子。
研究に没頭し過ぎて、人の感情を失ってしまっていた愛。
はるかの変わらぬ小永井への想い、真摯にはるかを想い続けた小永井の姿や、チャッピーの娘を大事に想う気持ちが3人を変えたよう。
闇の一族の血を重んじるあまり、自分を想ってくれる大切な人が見えなくなってしまっていた土肥。
純粋な栗田の想いに触れた時に、その汚れた血は浄化される。
結局、人は想い、想われることで幾らでも変われるのだろう。
変われるのなら、それは例え、過ちであっても、きっと救われる。
こうして見ると、魔王、白井だけは何も無く、彼こそは本当に救われることの無い変態だったという結論に至るように思う。
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