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2015年12月27日 (日)

会いたくて会えなさすぎるあなたたちへ【baghdad cafe】151226

2015年12月26日 シアトリカル應典院 (110分)

今年の6月に行われた試作公演で選ばれた作品。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/2015.html
この時は作品の構造が難しそうだなと思っていたが、本公演になると構造よりも話自体が深刻で難解な話になっていた。
何か気持ち悪くなって吐きそうになる作品。
正直、好みじゃない。
演劇には観劇するということでしか触れていない私のような人が、この作品を観ることで、描かれる演劇に関して同調することは非常に難しいことだと思う。だから、自分の人生の何かに置き換えて想像しないといけない。でも、演劇ってかなり特殊な世界のようで、それにはまる何かが観ていてもなかなか見つからない。
と言って、俯瞰して観るには、演劇やそれに関わる人たちを好きになり過ぎたようにも思う。
演劇をされている人、それに囚われているような人ならば、もっときつい思いを抱きながら観たのだろうか。それとも、心が解放されるような何かを得たのだろうか。
この作品に登場する演劇人って、自分の人生にまで演出をつけてしまっているような感じで、それが表現をする人の宿命なのだろうかと感じる。

劇団キンセアニェーラ、公演の打ち上げ。
劇団員のトロは、他の劇団員、客演の女優たちに感謝の言葉を述べている。
皆、盛り上がり、次の公演へと気合をいれる。
そんな姿をただ黙って見ている、劇団の作・演の日日絵。
彼女は、この日、演劇への決別の言葉を記した置手紙を残して失踪する。
次回公演の60日前。

45日前。
元劇団員の羽世が訪ねてきて、結婚式に日日絵を呼びたい旨をトロに伝える。
トロは、日日絵の置手紙を見せて、現況を説明。
次回公演は、彼女の過去の3作品のオムニバス。
迷惑をかけたくないこともあるし、彼女無しでもやれることを証明したかったのか、トロはプレッシャーがだいぶかかっている様子。

14日前。
劇団員の弥子が辞める意志をトロに伝える。
何とか抑えるものの、劇団内の空気は明らかにおかしくなっている。
Mの趣味を持つバルと、弥子、風莉帆の異常な三角関係も明らかになる。
客演のベテラン女優、当間はそんなイラつく劇団員を年の功で治めるが、全てを仕切ってるような感じにもなり、同じ客演の女優、菜種から反発を持たれるように。菜種は日日絵の才能を認めており、自分だけが彼女を理解できていると考えている。
一方、羽世は結婚式に日日絵を何としても呼び出すことを婚約者に伝える。仮に来なければ、結婚式はやり直し。そんな勝手な言動に、ずっと優しかった婚約者はキレて暴力を振るい出す。それでも、羽世は日日絵が結婚式に必要だと叫ぶ。

8日前。
稽古。
ここで描かれている作品が、上記リンク先に横領した男の話。
作品の中から日日絵の考えを掴もうとする皆。金の問題だったのだろうか。タナトス。
まとまるはずもないそんな会話は更なる亀裂を生む。

7日前。
バルと羽世がホテルでSMプレイ。
羽世は日日絵を連れて来いと。
その隣の部屋では日日絵に執着して精神に異常をきたしているような菜種が、ホストを呼ぼうとしている。
稽古。
悪魔の父と妖精の母の幻影に惑わされながら、暗い森から温かい白いご飯が待っている家に戻る少女の話。
皆は幻想の日日絵に語りかける。帰ろう、あなたの家に。

このあたりから、話が追えなくなってしまったので、ちょっと適当。
菜種は日日絵の芝居を見て、演劇を始めている。だから、日日絵が全て。いなくなった今、自分が演劇をすることへの基盤が崩れているよう。
日日絵が学童保育にいた頃。
怪しい職員は日日絵に台本を手渡す。彼女は朗読する。職員のいかがわしい行為を横目に日日絵は自分の世界を創り出す。
彼女は幼くして、自分で物語を生み出す。そして、学童保育の子供にそれを演じさせ、演出をしたようだ。それが羽世。
羽世は大学で日日絵と演劇部に。
劇団運営費の横領。その罪をかぶってくれた日日絵。演劇を続けるため。それが全てだったのか。
羽世の結婚は、演劇からの決別。決別することで幸せを掴む。だから、その場に日日絵が必要。

1日前。
もう覚悟を決めたのか、トロは、当間や弥子と楽しく談笑。やけくそに近いみたいだが。
笑えない話を無理に笑っている。
騒いでいても、盛り上がっていても、感じる孤独。
これが日日絵の心境だったのかもしれない。
そう思うと、泣きたくなってくる。そう、声をあげて泣けばいい。叫んで。
そんな中、狂った表情の婚約者が拳銃片手に現れ、発砲。

後日。
公演は結局、婚約者の発泡騒ぎでうやむやに。
劇団員たちは各々、まだどこかで演劇をしている。バルなんて、国立劇場で今度、公演をするのだとか。
みんな、演劇を辞めない。依存症みたいなものかも。
風莉帆は、コスプレ姿で、朗読をしながら撮影されるという変な仕事。
それでも、そこから拡がることを考えて、いかがわしくてもその仕事を断る気は無い。
やっぱり、みんな、演劇を辞めないのだ。
日日絵もきっとどこかで・・・

人の心を探るのって厳しいものだ。
会って話したい。でも、会えない時もある。
そのもどかしさは、自分の頭の中で相手の心を試行錯誤しながら見つめ、かつ自分の正直な心を見出していくことで、昇華するしかないのだろうか。
もしかしたら、演劇作品を創るのは、そんな作業を繰り返しているのかな。

会えないんだったら、もういいやと切り捨ててしまうことも出来る。
でも、出会ったことを真摯に捉え、大切にしようと、自分の人生の大事な糧にしようと考えている人はそんなこと出来ないだろう。
向き合えば向き合うほど、見つめれば見つめるほど、深くに潜り込んで、溺れて息苦しい思いをするような感覚が残る。
そして喪失感を募らせ、孤独になるんじゃないだろうか。相手の方をこんなにも向いているのに、見つめているのに。
ただ、その苦しさ、そういう風な場に身を置くことが、私たちは人に触れる、寄り添うことで生きていることを実感させるようにも感じる。

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