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2015年11月24日 (火)

趣味と実害【中野劇団】151123

2015年11月23日 音太小屋 (105分)

2年振り。
待ち望んでいたこの劇団の公演。
変わらぬ安定の面白さ。この一言に尽きます。
前回の第15回公演のDVDも購入して、多分コンプリートしているはず(4回公演だけ無いけど、受付にも並んでなかったから販売していないのかな)。
計算し尽くされた巧妙な笑いが今回も最高。

・保険
勇者とエルフの夫婦に保険を薦める保険外交員。
その価格、30万ゴールド。
何百年も生きるエルフ、魔王との戦いが近づくにつれて高まる勇者のリスクを考えるとやむを得ないか。と言っても、定期収入は望めず、不安定な生活の中で払えるのかと悩む二人。
そんな中、保険外交員なら保険には入らないと。だって、教会で生き返るから不要。
運んでくれる友人関係の方が今は大切ということだ・・・

鉄板のRPGネタ。
よく考えるものです。

・ペタジーニ
バーで友人と待ち合わせする男。
大事なことを伝えないといけない。女性バーテンダーも応援してくれている。
友人がやって来る。
結婚することになった。相手は。
友人は、その言葉を遮り、相手が誰かを当てるとはしゃいで、色々とエッチな質問までしてくる。
どう言い出せばいいのか。
相手が友人の母親であることを。
看護師長をしており、若いナースに混じって合コンで知り合い、誘ったのも母親の方からだということを。しかも、このバーで・・・

こういった感じで、会話の背景を巧妙に設定して、もう何を喋っても面白いという状態にしてしまう笑いの技術が凄いです。

・取調室
部屋で女性が殺害された。
容疑者の男はふてぶてしい態度で犯行を認めない。
取り調べをする刑事に連絡が入る。
指紋、いや唇紋がドアノブから検出。容疑者と一致。
刑事は、別れ話がもつれ、つい首を絞めて殺してしまい、逃げる際にドアノブにチュッとした、そんな性癖、逆にドアノブにチュッとするために女を殺したのではと、次々に勝手な推理で容疑者を追い込む。
再び、刑事に連絡が入る。聞き違い。指紋だった。
滅茶苦茶な推理にうんざりしていた容疑者は、指紋だったら仕方ないとあっさりと認める・・・

犯行を認めるか認めないかからの、唇紋か指紋かという問題のすり替え。いつの間にか、容疑者は犯人であることが前提になってしまう妙。

・さいなら空想
中国の皇帝らしき男に寄り添う女。
そこに男が血相を変えて、やって来る。
女を連れ出しに来た。その女がここに留まるせいで、ある女性が困っている。
皇帝は男を威圧し、女は嫌がる。
男は皇帝と戦い、必死に女を説得する。
皇帝の名は、腸壁。男の名はコーラック。女は・・・
皇帝は、こんなものに頼っていたらいつかダメになると吐き捨てる。
男は女を連れて、開門された出口から外の光を目指す。あとは、流れに乗って。
困っている女性から感謝されることだろう・・・

この劇団と張り合うとするなら、やはりThE 2VS2だろうか。同様のネタを観たことがあるなあ。作家はこんなことばかり考えているのだろうか。

・夕食
夫婦の食卓。
夫は、遂に意を決して妻に話しかける。
自分は何をしてこんなにお前を怒らせてしまったのだろうかと。
妻は驚いた表情を見せ、冷静に夫の言葉を聞く。
今年に入ってしばらくして、おかしいと思いながら、この11月過ぎても言い出せなかった夫。
それまで、ずっと夕食が同じカレー。
妻は夕食に興味が無いと疑っていた夫がいつ気付くのかずっと待っていたようだが・・・

夕食は毎日、献立が変わるのが当たり前だと妻への感謝を忘れていた夫。そんな感謝の気持ちが見られないから、夫は夕食自体に興味が無いのだろうと思うようになってしまった妻。夫婦といえど、思いやりの心を忘れ、互いに分かち合うための言葉を無くしたら、こうなってしまう。カレーが二人の倦怠の象徴のようだ。

・浮輪
喫茶店。
女が一枚の写真を手にして、男に詰め寄っている。
隣で読書中の男も聞き耳を立てている。
女は、嘆き悲しみ怒っている。涙も見せる。
男は必死に違うと言い張っている。
あなたが浮輪をしているとは思わなかった。違う、浮輪なんかしていない・・・

浮気。似た言葉に置き換えて、会話を成立させてみたら。そんな試みなのだろうが、こんなに面白くなる。実験的な作品。

・誘拐
もう4年前になるのか。火ゲキで再演された作品。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/3030110315-6243.html
名作。
嘘を口にしないというミッションを与えられた状態で、嘘だけど、本当でもある言葉を紡いでいく。そのハラハラドキドキ感に、巧いという感激が混じり合って面白くなります。

・エスカレーター
エスカレーターに閉じ込められた上司と部下。
エレベーターでは無い。エスカレーターだ。
部下は出口を見つけて脱出。
取り残された上司は、出口が分からず。いや、それどころか、根本的な状況が把握できない・・・

暗闇で会話だけの作品。
シュールと言えばシュール。
廻り続けるエスカレーターの中みたいな、何かの比喩表現が絡んでいるのかなとも思いますが、意味は分かりません。

・遺言
おじいちゃんが亡くなり、通夜に集まる親戚たち。
5人の子供がいたらしく、唯一独身のちょっと痛そうなおじさんを残して、他は夫婦でカラオケに出掛けた様子。
孫たちは皆、残って勢揃い。ペタジーニで友人の母と結婚した男も、今や息子となった友人を連れてやって来ている。
昔話をしていると、弁護士がやって来て、遺言状を読み上げる。
21:00から0:00までの間に、じいちゃんが数千万円をかけて作ったお手製の人生ゲームをみんなでして、その最終資金比率で遺産を配分するのだとか。しかも、その額、数億円。宝くじに当たっていたらしい。
急いでゲーム開始する面々。
マスに書かれた内容は、全てこの家にちなんだもの。
サイドビジネスの失敗、ヤフオクの転売、デートクラブへの出入り・・・と、誰かが実際に起こした様々なことが暴露されてしまい・・・

前回の短編集コント公演でもそうだったが、最後はオールキャストでワイワイガヤガヤ。
親戚たちが、この通夜に集まって、こんなゲームをしながら、昔を思い出してみたいな、ちょっとしんみりいい話なんかにはなりません。
最後の最後まで、皆をかきまわして、笑いながら豪快に天国に旅立とうとするじいちゃんの遊び心が浮き上がります。

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コメント

SAISEI様

この公演も感想を挙げたいな、と思っていてまだ挙げたませんでした。

とりあえず終演後、桐山さんに話しかけた話を(笑)

とても紳士でした。話しかけて良かったなあ、と(笑)

中堅~ベテランの男性役者が一番話しかけるのに勇気がいる(笑)対応が悪いイメージがあるから。

投稿: KAISEI | 2016年2月22日 (月) 00時17分

>KAISEIさん

桐山さんは、けっこう注目している役者さん。
飄々とした存在感出しますからね。
落語を一度、観に伺いたいと思っているのですが、なかなか。

投稿: SAISEI | 2016年2月22日 (月) 15時27分

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