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2015年10月 9日 (金)

Lobby【VOGA】151008

2015年10月08日 京都・マスギビル 地階特設舞台 (120分)

2回目の観劇。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/125-5c8a.html

これぞという良い作品に出会えたら、よく連れて行く後輩と一緒に観劇。
何をもってエンタメなのかは分かりませんが、まあ、これまではそういった楽しい作品に連れて行くことが多かったので、これにはだいぶ驚いていたようです。
ただ、この日は満席。最前列の桟敷に座ったので、尻が痛いのが一番の感想だったみたいですが。
観終えた後、マスギビル近くの店で2時間ほど、けっこう真剣にディスカッション。
この作品、というかVOGAの作品は非常に余韻が残ります。観た後に、あの美しい風景をお互いに頭に描きながら、振り返るというのは、観劇を趣味にする者にとって至福の時間です。

感想は、上記リンク先と大きくは違わないかな。感覚的には人の生というものを描き、そこにある愛、想いが絡まっているように感じます。

無限に拡がる空、宇宙から一つの命が舞い降りる。
オギャアー、オギャアーって泣いている。周りの人は優しい笑顔で、その命を喜んで抱きかかえる。
泣いているのは、何かとサヨナラしてきたのかな。
みんなから、よくやって来たね、大丈夫だよ、怖くないよとあやされるけど、生まれてきたってことはけっこう大変なことだ。
このあたりは旧約聖書ヨブ記が絡んでいるのでしょう。原典は読んだことなく、昨年、演劇作品で拝見したことがあるので、とにかく人は生きれば苦しいみたいな印象が残っています。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-1.html
人の愛や想いがそれを和らげてくれるのかと思いきや、この作品の婚約者、父、母のように、離さないでって言っているのに、簡単に離されてしまい絶対的なものでは決してないようです。それでも、きっと人は変わらぬ想いを求め、それを信じて祈る。大野との出会いは、市川薫の生きる苦しみを少しだけでも楽にさせるものだったのでしょう。
彼は市川薫を何者かにする世間の風、彼女の進む先の光みたいな存在だとするなら、ヘッドライトを点けて風を切って走るバイクでの登場の意味合いが何となく分かるような気がします。
大野の存在は大きいのでしょうが、彼だけでなく、社会で関わる様々な人たちがそうなのだと思います。自分を傷つけ、欺き、苦しみを与える人であったとしても。個は集団の中で何者かになっていくといった感じでしょうか。

こうして屋上に降り立った命が、階下へと深まっていく姿は、何となく収束していくようなイメージです。
無限の可能性を秘めた宇宙から、有限の物質の中に宿る命。
それはやがて一つの点となるのでしょうか。でも、その点は、また無限大の宇宙を創り出すような、人の生も膨張と収縮を永遠に繰り返すような考えが浮かびます。
点となり自分の存在は消滅し、新たな生が膨張へと向かう。物理的には、自分の命は消え、いわゆる死となるのでしょうが、忘れない想いを残すということが、そこから新しい命へと繋がっていくような印象を受けます。
だから、死ぬ時、人はサヨナラでなく、繋がる生の原点に笑顔でようこそと言ってあげないといけない。途中で生を投げ捨てたり、自らの生を疎かにされないように責任を持たなくてはいけないことをけっこう厳しく言及しているようなところがあったように思います。

上記した後輩と飲みながら色々と話をしました。
テーマは突き詰めれば、生と愛なのかなあとか。
でも、愛がけっこう残酷なところもあり、大野と老婆の繋がりは分かりますが、特に母の愛はすごく薄く描かれているように感じます。
通常は無償の愛として描かれるように思いますが、このあたりも、ヨブ記の愛の非絶対性みたいな感覚なのかもしれません。
なぜ、真相を語らず出て行ったのか。どうして戻って来たのか。その時は死んだから戻って来れたのか・・・

三人の百目女は、後輩はマクベスの三姉妹かと思ったのだとか。確かに市川薫の人生の転換点に現れ、ささやくかのように運命へと導いているような感じはします。
私は、未だによく分かりませんが、何か動きを見ていると、一番背の小さな方が一人になってしまうシーンが多いような気がします。そして、残りの二人をずっと見詰めたりしています。回想、階層の中の三人の市川薫に対応しているのかとも考えてみましたが、どうも動きとの整合性がとれません。過去・現在・未来みたいなものでしょうか。過去は、ただ現在と未来を黙って見ることしかできない。生きることは今、そして未来の時間へと進むことだからみたいな。
そんな話をしている中、赤という単純なことから、流れる血じゃないのかという考えに行き着きました。市川薫、そしてビルの中を巡り続ける赤い血。
とすると、ビル世間の人たちは細胞かな。
ビル自体が市川薫であり、その中に存在するものたちは全て彼女の成分。彼女の成長や感情の高ぶりなどを全て担っている。
そんなミクロ視点でとらえながら、視点を拡げていくと人やビルの個体、そして社会という集団、さらには宇宙へと結びつくように感じます。

人が生きるということを、生命というものがそもそもどういうものなのかと科学的な観点で捉えながら、人の生き様、生き方を宗教的な観点も含め、その精神を突き詰めてみようとしているような作品のように感じます。
古くは多くの哲学者が、同時に医者、天文学者、科学者・・・でもあったように、今はずいぶんと研究とかが区分けされてしまいましたが、そんな多様な視点から人の生を見詰めて、そして生きることを考えようとしているみたいです。

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コメント

SAISEIさん

空の驛舎さんはノーマークでした。私は

9日(金)青年団
10日(土)ショウダウン→ファントマ→gate#14→ショウダウン
11日(日)1人芝居フェス→cheeky.queens →ショウダウン
12日(月)ヨーロッパ企画
13日(火)火曜日のゲキジョウ

の予定。よろずやポーキーズは前売完売のところ急遽空きが出て行けることになりました。今週もさることながら来週も激戦でござる。


投稿: KAISEI | 2015年10月11日 (日) 00時58分

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