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2015年10月

2015年10月31日 (土)

御伽噺失格【ノオビウエ】151030

2015年10月30日 シアターカフェ Nyan (70分)

帯金ゆかりさんと野村有志さん(オパンポン創造社)、上野淑子さんの現実なのか、虚構なのか曖昧な境目で繰り広げられる見事な掛け合いを楽しく拝見。
それが面白いだけにとどまらない。
幾つかの層構造から、その強い個性や引っ込み思案な性格などから世間に認められない者たちが、そんな自分自身を受け止めた上で、懸命にひたすら走ることで、一つの盛大な拍手に繋がる作品を創り上げられるという、舞台に立つ者の覚悟を魅せるようなところも感じさせられ、楽しさに隠れてはしまうが、少し感動を覚える作品となっている。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで>

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槻見家の傷跡【第三劇場】151029

2015年10月29日 同志社大学 新町別館小ホール (120分)

1956年。
第二次世界大戦から11年。
日本は近代化を遂げ、高度経済成長の始まりを迎える。国際連合にも加盟。
もはや戦後ではない。この年の経済白書ではそう記述されている。
そんな時代を生きる、ある一家の姿を通じて、いくら日本があれから成長を遂げたとしても、未だ日常生活に潜む戦争の傷跡と対峙して、そして、変化する戦後日本、新しい時代を生きようとする者たちのこれからを歩む覚悟の姿を見詰めていく。

どこか、今と同調するような時代背景の中で、そこにいる人の想いの変容をしっかりと見つめ、これからの豊かな未来へと皆で繋げていきたい。単なる起こった事実ではなく、そこにあった人の想いを見せることに優れた表現物だと思われる演劇作品を通じて、そんな道筋を各々で導き出そうとするような作品でしょうか。
役を演じる役者さん個々が、そんな姿を真摯に魅せている印象が深く残る舞台だったように思います。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2015年10月26日 (月)

寿司【芝居処味一番】151026

2015年10月26日 インディペンデントシアター1st (90分)

新聞社の記者たちが、過去に封殺された、ある記事から引き起こされた同僚が事故に巻き込まれて亡くなるという事件の真相を追う話。
その中で、記者としての仕事のポリシーが浮かび上がるような感じでしょうか。
記者として、真実を皆に伝えるだけでは仕事は成り立ちません。そこには、共に仕事をする仲間がいる。そんな仲間たちの考えを尊重し合い、かつ思いやって進めることで、本当の仕事が出来るといったようなことを感じさせられる話だったように思います。
記者を題材にしていますが、記事を書いた自分自身の記憶に残る、関わった仲間たちの記憶にも残る、そして読む人の記憶にも残るといったものが本当の仕事だと言っているようです。これは、演劇作品のように創る仕事をする人たちにも通じるようなことで、そんな仕事への考えを見詰めたような作品なのかもしれません。

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メガネニカナウ【iPpei】151025

2015年10月25日 芸術創造館 (35分、25分、30分、冒頭・間にMC10分)

メガネにまつわるショートオムニバス3本立て。熱血不条理、ハートフル、中年男の悲哀みたいな感じでしょうか。
間は、作品に関係しているのか、していないのか、山本香織さんのMCと称する一人芝居、独り言で埋められる。妙齢女性の合コンや元カレをテーマにした自虐ネタ、眼鏡だからこの芸能人となのかシュールな朗読と、オムニバス作品に失礼かもしれないが、むしろこちらの方が印象に残り、iPpei×山本香織プロデュース公演なのではないかと思えるくらいに面白かった。

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2015年10月25日 (日)

また夜が来る【KOINU】151025

2015年10月25日 カフェスロー大阪 (80分)

一人の女性の人生が終わろうとしている。
今の女性と、過去の女性。そこにいた家族をはじめ、様々な人たち。
そんな人たちが時空の概念を超えて、皆で女性に幸せな想いを抱いて死へと導けるように祈るような話でしょうか。
下記しますが、その時空を超えた表現に、練られた配役や連続性を失わない場転が効いていて、その作りに感動します。
素晴らしい作品でした。

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2015年10月24日 (土)

カミナズム【彗星マジック】151023

2015年10月23日 シアトリカル應典院 (100分)

難解で神経質な、神仏やら宗教やら天皇やらがテーマに盛り込まれた話。
人と神仏はどのような関係であり、それが今、どうなっているのか。
神仏に対して敬愛、崇拝、畏怖の念が薄れ、もはや存在を否定するような私たちに、神仏はどのような言葉を投げかけられるのか。
そこに、自己本位では無く、互いに想いを尊重し合って、共に豊かな成長を遂げていこうとする人と神仏の在り方が見い出せるような感じだろうか。
圧迫される重さがあるものの、熱の籠った、真摯な姿を魅せる役者さん方の熱演が、逆に軽快で、重苦しさを受け止め、素直に人間、神仏の言葉に耳を傾けようという気持ちになる。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2015年10月19日 (月)

ガウデンテ ~私の守りたかったメロディ~【四方香菜Produce】151018

2015年10月18日 ARCDEUX (80分、休憩15分、70分)

戦争が残した爪痕。
大切な家族、友達を失った者たちが、その厳しさの中で、懸命に生きて、社会の一員となる。
その社会を創り上げる中で、個々は守らなければいけないものを明確に抱き、互いにそれを尊重し合って想いを通じ合わせていく。
戦争の足音が常に聞こえる二つの国。その国で活動する楽団の人たちを通じて、そんな平和な社会への祈りを考えさせられる作品でした。

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愛染学園戦争決戦編!! ~戦場のgraduation~【劇的細胞分裂人間 和田謙二】151018

2015年10月18日 スペース・イサン (105分)

(前編の感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/70-f77d.html

緩く観るつもりが熱演に感動。
ベタベタの学園モノの王道。ここまでやり抜けば、感動に値します。
戦いの中で敵、仲間と触れ合い、悩み苦しみの中で、自分自身を肉体的にも精神的にも成長させていく主人公。誰のものでも無い、自らの正義を貫き、そのために努力をして、必死に悪と戦い勝利を得る。
少年ジャンプの友情・努力・勝利の世界でしょうか。
本当の人の強さとは。
中高時代に、漫画を読みながら心震わせていた頃の感動が、40半ばのおじさんの心にもう一度舞い降りてきてくれたような時間を過ごせました。

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2015年10月17日 (土)

狐憑【maz】151017

2015年10月17日 京都市東山青少年活動センター (60分)

優しく切ない想いが残ります。
生きるということ。
命を長らえるということもあるし、その中で豊かに生を全うしようとすることもある。
衣食住は必要だけど、それだけだろうか。
芸術に触れることで得られる想像の世界。創り出される膨らむ想像の物語に、生きる楽しみがあるのではないか。
そんなことを、命を守ると生きるというバランスに揺れる環境の人々から、人が本当に生きることを見詰めてみるような話。
そこにある優しい人の触れ合いと同時に、甘くない厳しいさも描かれており、それが上記したような想いを心に残したように感じます。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2015年10月14日 (水)

火曜日のゲキジョウ【俺たちの地球空洞説×チューズデーず】151013

2015年10月13日 インディペンデントシアター1st (20分+25分、休憩15分)

偉そうな書き方をして申し訳ありませんが、今回、共に稚拙なところが多々見られます。
チューズデーずは、それを女性の可愛さだけで、魅力にもしてしまい、華やかで楽しい時間を創られます。
そんな女性の力、可愛さという絶対的な正義に屈服するしかない不条理さが、俺たちの地球空洞説の作品の中に含まれ描かれているような感じでした。

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2015年10月13日 (火)

ナイゲン(全国版)【アガリスクエンターテイメント】151012

2015年10月12日 元・立誠小学校 音楽室 (125分)

噂どおり、めちゃくちゃ面白かったですね。
文化祭へ向けての会議。
押し付けてくる学校側の規制と生徒たちの自主性。
こんな真剣なテーマを根底に置きながら、会議のバタバタ模様で思いっきり笑わせながら、自分たちの想いを伝える熱さを見せつける。
ボケとツッコミの絶妙な掛け合い、次々に起こる新たな事件。
ワクワクして楽しく見た最後に、押し付けに対して、どうあるべきなのかをちょっと真面目に考えさせられたり。
最高級の社会派コメディーといった感じでしょうか。

<以下、会議進行内容が若干ネタバレします。京都公演は終了しましたが、東京公演が11月にあるようです。白字にはしていませんのでご注意願います>

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さらば、トレイン仮面【崖淵五次元】151012

2015年10月12日 OVAL THEATER (120分)

話の流れと伏線回収が、もう少しスムーズだと私にとっては完璧でした。
個性的なキャラを巧く掛け合わせ、テンポ良く展開。
狭い舞台に多人数。ゴチャゴチャさせずに、躍動感溢れる盛り上がった熱い空気を醸す、エンタメ的な魅せ方は特筆すべきでしょう。
夢と現実。自分の人生。
その捉え方、進み方を、あるしょぼいヒーローに魅惑された3人の男の姿から導き出されるような話でした。

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2015年10月12日 (月)

gate #14≪Oct≫【KAIKA】151011

2015年10月11日 KAIKA (20~25分×3 作品終了後8分程度の講評)

大阪、京都、福岡の三劇団。
そんなこともあるのか、個々、自分たちの魅力を一番活かせる作品を選んできたようで、三者三様の作品を楽しませていただきました。
一つはおじさんの笑えるだけのコントでしたが、残り二つは若い人の劇団ということもあるのか、今の社会に対して、反抗・批判を露骨に、もしくはほのめかしたような作品でした。

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2015年10月11日 (日)

遠浅【伏兵コード】151010

2015年10月10日 シアトリカル應典院 (90分)

舞台上の真理が、過去の記憶をたどり、過去の真理を彼氏に話す。彼氏はそれを受け取り、二人の距離をより縮めて寄り添い合う。
そんな作品を、実在する真理が描き、私たちに見せる。
私たちは、一人の創作家の赤裸々に曝け出した生い立ちを目の当たりにする中で、自分自身、自分の人生と向き合ってみる時間をもらう。
それが全てかな。
それでいいのかなと思う作品だったように思います。

見せられた生い立ちは、私には虚構にしか思えない現実でした。
でも、それを全てを肯定しているような感覚が残ります。
そうしたいという祈りなのか、そうしなければいけないという警鐘なのか、そう出来るようになったのか。
どちらにしても、暗闇の中、壮大な海で彷徨うような中、道はあるという力が感じられる。プカプカ浮遊して、ゴミのように彷徨っているようでも、どこかに生きた証はきちんと残っているような。
それを感じて、それぞれの人生を進めば、それでいいのではないだろうか。

<以下、微妙ですが、一応ネタバレ注意。公演終了まで白字にします。公演は火曜日まで>

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2015年10月10日 (土)

一握の夢 ~朝顔・海底の動物園・human lost~【空の驛舎】151010

2015年10月10日 ウィングフィールド (90分)

短編戯曲三本立て。
ちょっと共通テーマは書きにくい感じがしますが、悲しみや苦しみの中にいる人に差し伸べられる手みたいな感じでしょうか。
悲しいから、辛いから泣き叫ぶという分かりやすい感情表現がなかなか出来ない、妙に相反してしまう人の潜む感情を見詰め、そこに少しでもいいから寄り添ってあげたいなという優しい気持ちが見えてくるような作品だと思います。
死、破局、病気みたいな不条理に降りかかる悲しみ、苦しみ。
それに人は潰されない力がある。それは、人はどうあっても誰かと繋がっており、そこにやっぱり人を想う気持ちがあるからなのだと思うのです。
そう思うと少し安心して、嬉しい気持ちになる。
そんな作品だったように感じます。

<以下、許容範囲な気がしますが、一応ネタバレ注意として公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2015年10月 9日 (金)

Lobby【VOGA】151008

2015年10月08日 京都・マスギビル 地階特設舞台 (120分)

2回目の観劇。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/125-5c8a.html

これぞという良い作品に出会えたら、よく連れて行く後輩と一緒に観劇。
何をもってエンタメなのかは分かりませんが、まあ、これまではそういった楽しい作品に連れて行くことが多かったので、これにはだいぶ驚いていたようです。
ただ、この日は満席。最前列の桟敷に座ったので、尻が痛いのが一番の感想だったみたいですが。
観終えた後、マスギビル近くの店で2時間ほど、けっこう真剣にディスカッション。
この作品、というかVOGAの作品は非常に余韻が残ります。観た後に、あの美しい風景をお互いに頭に描きながら、振り返るというのは、観劇を趣味にする者にとって至福の時間です。

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2015年10月 5日 (月)

FIVE STAR SPLASH【W.Strudel×壱劇屋】151005

2015年10月05日 ABCホール (175分)

正直、長過ぎるわ。
観終えて、その感想しか出てこない。
色々と盛り込むのはサービスたっぷりでありがたい話ですが、疲れやもういいよ、そろそろ終わろうよみたいな気持ちが最後の方は強くなり、せっかくの感動シーンもあまり心揺れ動かず。
もっとスパッとしたって、十分魅力的な方々が揃っているのだから、その方が心に残るいい作品になると思うんだけど。もったいないなという印象が残ります。
ドタバタエンタメで楽しいし、話もちょっと切ない愛を含めながらサクサクと進む。
途中の遊び部分もけっこう面白い。
メリハリが無いわけではないが、緊張と緩和だったら、かなりのウェイトで緩和の方に傾倒した展開。
これで2時間越えは厳しい。
迫力ある殺陣やら、シリアスな展開のシーンでもっと緊迫感を煽るような形でも良かったように感じます。舞台で遊べる芸達者な役者さんが多かったのかな。
まあ、この緩さをのんびりとただ楽しめばいい作品なのかもしれませんがね。

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詠人不知のマリア(再)【劇団ほどよし】151004

2015年10月04日 芸術創造館 (100分)

知り合いの観劇仲間から、初演は絶賛と伺っており、今回もTwitterなどで同様の感想が並ぶ。
今週も公演激戦で、この作品だってそうなのだが、どうしても観ておきたい作品があり、諦めていた。
何とか観に行きたいという思いが通じたのか、当日券で駆け込めることに。
観終えた今、観ておいて本当に良かったということしかない。
何もかもが闇へと通じているとしか思えないような環境で、覚悟を持って生きる人の力強さと共に、そこにある優しい心が狂おしいほどに尊く見えてくる。
人は弱いし、醜いし、汚いし。でも、人はそれ以上に美しい存在であることを感じる作品だった。

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ブラックホールのそこ【コンブリ団】151004

2015年10月04日 アイホール (100分)

この私たちが生を営む広い宇宙には、どこかにブラックホール、心の闇みたいなものがあり、ちょっとした負の感情がその入口への招待状みたいになるのか、吸い込まれてしまいそうになるみたい。
色々と悩み多き時代でもあるから、そのブラックホールにいつ引き寄せられるのかなど分からない。
宇宙の定理は、吸い込まれたブラックホールからは出ることが出来ず、どうなるのか分からないが死とか屑みたいになってしまうのでしょうか。
そんな人たちは声もあげないから、誰からも知られることなくひっそりと消えてしまうのかもしれません。
でも、その引き寄せられてしまった人への想いは必ずどこかにある。見ている人がいる。忘れない人がいる。
そんな人の想いは、宇宙の物差しでなど計れるものではなく、宇宙の定理を超越した、光の速度を超えたスピードで人を救い出す。
そんなイメージを抱く作品でした。

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2015年10月 3日 (土)

ガールズ、スロー!ピロー!【こみかさ×ハナさく*ラボ】151003

2015年10月03日 紫明会館 3F講堂 (80分)

惹き込み方が非常に上手い。
4人の27歳になった小学校の時の同級生。
彼女たちの悩める今と、仲良しグループだった頃の記憶を先生という大人を交えながら回想していき、揺れ動く心情を同調させていく。
そこには、一人が怖いから群れをなしていた迷える自分がいた。でも、今だって迷っている。
かつての先生の言葉が、時を超えて、今、また響く。
孤独を恐れて出来た群れは、今、友情で結ばれた大切な場所となっている。そんな場所を得ている自分たち。彼女たちは、不安を恐れずに、明日に向かっての一歩を確実に踏み出していく。

冷静沈着な空気の中、周囲への気配りを見せる賢い子。
せかせかと落ち着きない、自由奔放な子。
ちょっとズレてる変わり者。
斜に構えたような客観的な視点で物事を見てしまう優等生。
常に前を向き、自分の夢へと向かって邁進する潔い覚悟を見せる先生。
登場人物のバランスの良さが、軽快な会話を作り出し、楽しく面白い時間を実現している。

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石田アキラ版 西遊記 ~冒険!冒険!また冒険!~【PLACE KOBE Presents】151002

2015年 10月02日 KAVCホール (95分)

2年前に初演を拝見。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/ai-flims-presen.html

感想ブログが、溜まって大変なので、今回の感想は、上記リンク先の通りでいいかな。
茶番ですから。その代わり、最高の茶番ですけどね。

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老人と怪物【テノヒラサイズ】151002

2015年10月02日 SPACE9 (105分)

以前、拝見したこの作品に近いような気がします。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/120908-7909.html

孤独の寂しさから生み出される怪物。
この怪物を倒すものは、たった一つ、あなたを想う気持ちがそこにあることに気付かせることであると伝えているような作品。
ある老人の心を支配し続けた怪物が消え、凍り付いていた心を溶かしたような優しい安らぎの時、生きてきたことの尊さを温かく感じさせるラストが秀逸だと思います。

<以下、あらすじがネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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Lobby【VOGA】151001

2015年10月01日 京都・マスギビル 地階特設舞台 (125分)

空間芸術というのか、どこかに連れて行かれてしまったかのような感覚を抱きながら、まるで浮遊しているような状態での観劇。
その美しい空間は、観ないと分からないでしょう。とても言葉で説明できるものではありません。
ある老婆の人生を、ビルの階層の記憶として振り返る物語。
そこに、人が生きて、残していく尊き想いが感じられるような作品かと思います。

<以下、一応ネタバレにご注意ください。公演期間が長いのと、話の内容がどうこうという作品ではないと思うので白字にはしておりません。公演は12日まで>

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