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2015年10月13日 (火)

ナイゲン(全国版)【アガリスクエンターテイメント】151012

2015年10月12日 元・立誠小学校 音楽室 (125分)

噂どおり、めちゃくちゃ面白かったですね。
文化祭へ向けての会議。
押し付けてくる学校側の規制と生徒たちの自主性。
こんな真剣なテーマを根底に置きながら、会議のバタバタ模様で思いっきり笑わせながら、自分たちの想いを伝える熱さを見せつける。
ボケとツッコミの絶妙な掛け合い、次々に起こる新たな事件。
ワクワクして楽しく見た最後に、押し付けに対して、どうあるべきなのかをちょっと真面目に考えさせられたり。
最高級の社会派コメディーといった感じでしょうか。

<以下、会議進行内容が若干ネタバレします。京都公演は終了しましたが、東京公演が11月にあるようです。白字にはしていませんのでご注意願います>

文化祭の各クラスの催し物について話し合う会議。
学校が生徒たちの自主自律を尊重するため、生徒たちだけの自治で行われる。
内部限定会議、通称、ナイゲン。

議長、2年2組の男子。1年の時は文化祭にあまり関わらずだったが、やると決めたら議長にまでなって頑張ろうとしているみたい。と言っても、カリスマ性があるタイプではなく、どちらかというと気が弱く優柔不断。誠実さが取り柄みたいな感じ。
監査委員長、2年2組の女子。基本、ルールに従うことをモットーにした生き方。そこを押さえていれば決断は早い。その代わり、反していれば融通が利かない。
文化副委員長、2年1組の女子。文化書記2年3組の女子。仲良しみたいで、文化祭は祭りごとだから楽しいというノリで実行委員になっているだけのようで、実務に関してはあまりやる気が無い。

1年1組代表の男子。「Iは地球をすくう」。金魚すくいやヨーヨー釣りなど、いわゆる縁日。やたら熱いが、周囲はついて行っておらず、空回り。
1年2組代表の女子。「3148」。かき氷・パフェの専門店。おとなしい性格で、主張することが苦手。学年のヒロインなのか、1、3組の男子から想いを寄せられている。
1年3組代表の男子。「おばか屋敷」。おばけ屋敷。弁論上手のようで話の組み立ては巧いが、2組代表の女子にいいところを見せようとして、その力がおかしな方向へと進む。

2年1組代表の男子。「海のYeah!!」。焼きそばやフランクフルトの海の家。見た目と同じく軟派者で、今は文化書記と付き合っているが、相当な浮気性なので、それが本気なのかは分からない。
2年2組代表の男子。「アイスクリースマス」。アイス専門店。屁理屈をこねさせたら右に出る者はいないくらいの達者ぶり。目的達成のために手段選ばずのあざとさも。
2年3組代表の女子。「ハワイ庵」。和風ロコモコ専門店。ボケーっとしている天然。マイペース。自分が納得できなければ頑固なところも。

3年1組代表の男子。「花鳥風月」。3年生は演劇をすることになっている。11ぴきのねこを上演。昨年は実行委員として活動。学校側からの規制やこの会議での皆のやる気の無さに失望して、今年はただ参加するだけぐらいのつもり。
3年2組代表の女子。「道祖神」。TRUTHを上演。自分のクラスのことだけしか考えておらず、他はどうでもいいという自分勝手さを醸す。
3年3組代表の男子。「どさまわり」。幕末純情伝を上演。昨年の議長。この高校の自主自立を守る。昨年の学校側の規制に関しても厳しい視点を持っており、この文化祭自治は絶対に守るという強硬な考えを持つ。ただ、全体を見て、きちんと意見するという頼れる人でもある。

特に問題なし。
規約通り、全会一致でこのナイゲンを終了。
・・・のはずだった。
ナイゲン終了直前に議長が学校側から呼び出しを受ける。
内容は、どこかのクラスに「節電エコキャンペーン」をしてもらうことになった。
うちわを配り、打ち水を定期的にして、エコエコアザラシとかいう着ぐるみを着るというもの。
つまりは、上記クラスのどこか一つは、自分たちの考えた催し物を中止して、学校側が考えるキャンペーンの催しをしなければいけない。
もし、しなければ、文化祭の一般公開ができなくなる条件だ。

どうするか。
そもそも、そんな学校側の要望を安易に受け入れていいのか。反対声明を出すべきではないか。
いや、それでは一般公開が出来なくなる。
規約により、どうするかは多数決を取ります。
・・・
各々の思惑が飛び交い・・・

流れとしては、結局、学校側の要望は飲むことに。
犠牲クラスを決め始める。
力の弱い1年生、一番気弱そうな女子ということで3148がまずターゲットに。
しかし、同じ1年生が横暴だと反発。
全てのクラスを順番に審議していき、落とすべきと判断するクラスに票を入れる。途中で変更することも可能。下校時間の18:30の時点で一番票が多いところに決めることに。
重箱の隅をつつくようなダメ出しが始まる。
人を蹴落とす醜い戦いが繰り広げられる。
学年間の隔たり、恋愛が絡んだ男と女の妬み、挙句には容姿などの個人攻撃まで始まり、事態は収拾がつかない。
そんな中、花鳥風月が上演許可を取れていなかったことが判明。
色々とバタバタしたが、このクラスがエコキャンペーンをすることに。
最終決議。全会一致で今度こそナイゲン終了。
・・・のはずだった。
どさまわりだけが承認しない。
彼は、断固として学校側の要望を飲むべきでないと話を最初に戻す。
学校側が考えたキャンペーンを押し付けてきた。自主自律の尊重を学校が否定してきた。文化祭の在り方を考えるべきだ。

下校時間が迫る。
議長があることを思いつく。
押し付けじゃなければ。
やりたいという形になればいいのでは。
花鳥風月は11ぴきのねこをしたかった。エコキャンペーンをしながら、これを実現できれば。
11ぴきのエコエコアザラシ。
うちわ、打ち水、屋外公演に必要な音響・照明・・・
各クラスがアイディアを持ち寄り、自分たちに協力が出来ることがあれば、それを提案する。
活気を帯びてきた会議。
上演許可が下りていない問題。これは監査がオリジナルであることを認めさえすればいい。でも、融通が利かない彼女。彼女自身も、何とか自分を納得させて欲しいと願う。
屁理屈男が立ち上がる。屁理屈をこねて、見事にこれもクリア。
花鳥風月から、やります、いや、やらせてくださいという言葉が発せられる。
黙っていたどさまわり。
机を大きく叩き、涙を流し、それでも、ダメなんだと。
こうやって学校側の押し付けを受け入れてはいけないんだと。

下校時間。
最終決議。
議長の言葉に8人が手を挙げる。
そして、どさわまりも・・・

実際に会議に使用される各クラスの催しものに関する提案書や内容限定会議の規約が載った資料が配られる。
会議に参加しているような感覚を得させる巧い手法だ。

納得できないことには反抗しないといけない。
涙ながらに訴えるどさまわりは、それに従うことで大切なものを失ったことがあるのだろうか。
確かにそうだが、受け入れて、それを自分のものにしてしまうということも、強い覚悟がいる。
外から見れば、従った形にしか見えないのだろうが、分かる人には分かるだろうし、それはこれからに繋がりを見せるはずだ。とっても悔しいことだろうけど。
仕事とかでもそんなことはいっぱいあるように思う。
絶対揺るがせてはいけない自分のポリシー。妥協する、屈服するのではなく、それを取り込んでしまうことはポリシーを捨てることとはまた違う。
真剣に考え、その中で生み出された結果。
きっと今年の文化祭で、節電キャンペーンは盛り上がる。それが、ナイゲンでぶつかり合った者たちの勝利となるのだと思う。

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コメント

SAISEI様

公演あるのはわかっていたので行かなかったのは場所なんだろうな、と思います。よく覚えていない(笑)でも教室こそ今回の公演にふさわしい場所やったみたいで(笑)

予告動画も見たんですが行けば良かった、と(笑)ま、時間がなかったんですが(笑)

また観られるかな?

投稿: KAISEI | 2015年10月17日 (土) 22時47分

>KAISEIさん

観劇三昧で2013年度版が配信中なんですけどね。
機会あれば、観る価値あるなかなかの作品かと思います。
今回のメンバーではもうすることが無いのだとか。
高校生役が厳しくなってきているから。

投稿: SAISEI | 2015年10月19日 (月) 18時04分

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