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2015年9月26日 (土)

タカマニズム宣言【笑の内閣】150926

2015年09月16日 吉田寮食堂 (85分)

まあ、あんまり深く考えずに、下ネタや禁断ネタがたっぷりに詰まった時事ネタ作品を楽しむような公演かと思います。
ただ、性格的に手放しで観ることが出来ないので、ちょっと色々と考えてしまう。
きっと、これまでの本公演作品と同じく、いけないこととこか、反対される考えがいったいどこに由来して、そうなっているのかをきちんと見てみようといった警鐘が込められているように思います。
意外に巧みな喋りや、上っ面の情報だけに囚われて、本質を見失ったことに対して、必死にそれを肯定しないといけないと必死になっている自分が見えてくるかもしれません。
そんな生き方、何も楽しくない。きっと、だったらおかしいんじゃないかなと思わせてくれるような作品が揃っています。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで>

・教えて髭の総長

開演前に流れる映像作品。
ゴリラの研究の権威と言われている京大総長と可愛らしく物分かりのいいちっこいゴリラが、次の駅までという制約された短い時間の中、吉田寮問題について語る。
吉田寮食堂西側に新しく建設された寮への段階的移行、入寮者募集停止という提案の真意、老朽化する現吉田寮の今後の適切な運用に関して、髭の総長は優しく教えてくれる。
多分、この会話がこの問題の真相をよく知らない私たちに伝えられている内容なのだろう。
この作品では、その裏側を描く。
上っ面な答えを繰り返すだけでは、ちょっとやそっとで納得しませんよといった、どしんと腰を下ろした大きなゴリラが、同じシチュエーションで髭の総長と会話し・・・

いつ以来だったのか。吉田寮は変わらないが、食堂は立派な屋根になっており、西側に本当に新しい寮が出来ており、ずいぶんと変わっていた。
大学は自治区という言葉が嫌なのだろうか。国際問題の縮図みたいな話なのかなとも感じる。許容と弾圧のバランスがおかしくなっている印象を受ける。それが崩れた国家を批判する日本の代表的な大学がこれでは、色々なところで説得力が無いだろうに。

・実録 おまんこ闘争

刑事課に勤める明菜。疲れたのかうたた寝。
平家の尼僧となった明菜は怨霊に狙われる。法師にお経を身体中に書いてもらう。
現れる怨霊。でも、身体中に書かれたお経が効いて尼僧の姿は見えない。
ただ、まんこだけ、書き忘れ、その姿が見えてしまう。 このままではまんこが取られてしまう。
怨霊は許しを乞えば、助けてやると。さあ、まんこを取らないでくださいと言え。
あそこを、ここを、女性器を・・・どうしてもまんこと言えない。憐れ尼僧はまんこを取られ・・・
目が覚めると事件が起こっていた。
ろくでなし子が、まんこ展を開催。課長に命じられ、明菜は潜入調査。
至る所にまんこ。これはひどい。戻って報告。刑事を連れて、公然わいせつ罪で逮捕する。
事情聴取。適当に謝らせて、釈放する予定だった。でも、なし子は、これは公然わいせつでは無いと罪を認めない。 課長はお手上げ。明菜に事情聴取は任せる。 女性器を形取ったわいせつ物を・・・
なし子は反論する。違います。まんこを形取ったものです。
調書をを読み上げないといけない明菜は、どうしてもまんこと言えず・・・

単純に確かにまんこと言えない世の中は不思議ですね。
ある種の言葉は、歴史的に確かに悪意が潜んでいる場合もあり、人を傷つけることを考えれば規制されたりすることは仕方ないとは思いますが、このまんこはねえ。
考え方によっては、人が生まれる通り道みたいな聖なる場所としてイメージが根付いても良さそうなのに、卑猥とかで定着させてしまった。
人の性欲が成してしまった大きな罪かもしれません。
このまんこがダメというのは、日本だけでなく、世界にも通じるのでしょうか。今、調べるのもじゃまくさいので、また暇な時にでも、ネットサーフィンしてみようかな。
長編作品になる可能性もありとのこと。きっと、もっと深く踏み込んだ考えが浮き彫りになる作品となるのでしょうから期待したいと思います。
凝り固まった固定概念に囚われた明菜演じる楠海緒さんの何とも言えない無骨さと共に醸すエロさが魅力的です。
ろくでなし子を演じるピンク地底人2号さん(ピンク地底人)が、妙にはまっています。
冷静沈着、かつ責任の所在をいつも気にする中間管理職の切なき姿を由良真介さんがいい空気を醸しています。

・殿下さん

あーこ様は、お年頃になり、晩餐会に出席されたいようです。侍従はちょっと困っています。
理由は従姉のかっこ様のファッションをはじめ、注目される姿への憧れのようです。
長男様はまあいいでしょうと許します。どうせ、いつものごとく、お一人での参加になるのでしょうから。
それに、次男様は色々といちゃもんをつけます。敷いては跡継ぎ問題にまで発展。
そんな中、かっこ様が、一族にふさわしくない、あられもないお姿で現れ、次男様はお嘆きになられますが、かっこ様はそんなことは全く気にもかけず自由奔放にふるまわられます。
どちらのお家でも問題が多い模様。お世継ぎ問題を万全にするためにと、皇族復帰を語る竹田宮様という平民が現れ・・・

この劇団を観ていると、テレビであの方々のお姿を見ても、こちらの姿をすぐに思い浮かべるようになってしまいますよね。
金原ぽち子さん(友達図鑑)のあーこ様には、もう釘付け。新キャラ、かっこ様演じる大牧ぽるんさん(激団しろっとそん)も、新たなイメージとなって刻まれることでしょう。

・小保方晴子探検隊

映像作品。
あのジャングルにSTAP細胞があった。
数々の危険を乗り越え、リケジョ3人組は、奥地へと向かう。
そこには原人なのか、ダールマンが・・・

バカバカしい。といった褒め言葉を記しておきます。
ニコニコ動画風になっており、画面に数々のツッコミが。
あの藤岡弘探検隊も、この作りなら、今、復活して再燃するのでは。
テレビ関係者に見られたら、パクられるんじゃないでしょうか。

・対案を出せ!

おっぱい揉みたい。 女性に頼んでみる。当然、嫌だと返事。
だったら、対案を出せ・・・

一瞬の切れ味。
これを見たら、対案を出せという言葉がいかに恥ずかしいことを言っているのかが分かりますね。

・どうなる維新分裂

宮根さん司会の討論番組。
テーマは大阪都構想。
賛成派、橋下市長、松井知事 VS 反対派、藤井教授、浜教授、香山先生。
ボードに賛成、反対の人の名前が書かれる。
数十秒後、藤井教授と浜教授が突然、倒れ死を遂げる。反対派で生き残ったのは香山先生だけ。賛成派、市長、知事は無事。
ネロを名乗る者が現れ、橋下市長の策略を暴く。
このボードはデスボード。本名を書きこまれると、40秒以内に死ぬ。
芸名の香山先生、市長、知事と書かれた三人が無事だった理由が判明。
橋下市長は本性を表す。
我こそ、通天閣を中心とした大阪新世界の神。
逆らう者は、このデスボードで亡き者にするという、得意の身勝手な行動を起こす。
あまりの傍若無人に松井知事もいさめようとする。
橋下は全てを亡き者にとデュークを呼び出し・・・

よくこんなこと考えるものです。
ちなみに、デスノートは演劇界でもよく使われることがあり、大概の公演での未着は、受付にある予約者リストに名前を書き込まれて死んでしまったからだそうです。
そうならないように、自分でお金を振り込んであらかじめチケットを手に入れておくか、コンビニ決済でチケットを発券しておくことが薦められています。
橋下市長演じる石田達拡さん。失礼ながら今まであまり目を惹くことは無かったのですが、今公演では、この作品はじめ、他作品でも狂気的な熱演が光ります。

・創作落語 江戸しぐさ

横山清正さん(月面クロワッサン)の落語。
アポを取っての訪問、5分前到着。
こぶし腰浮かせやら、傘かしげやら。

思いやりですね。
この劇団でこんなテーマで作品を創られるとは。
ただ、その江戸しぐさの言葉自体は美しく立派なものですが、そこに潜む裏みたいなことをブラックに描いているようなところもあるみたい。
気持ちから生まれる行動ではなく、その言葉に囚われて、するだけだったら何の意味もない。
情報を鵜呑みにして、発言や行動を安易にしてしまう現代社会の風潮への警鐘も込めたような話ではないでしょうか。
横山さん、好きな役者さんの一人ですが、やっぱり味があります。

・現代口語AV

世に出回るAVは男の観賞用に創られたもの。
そこに実際のセックスはありません。それを知らずに、AVで得た知識を現実世界のセックスに持ち込んで痛い目にあった男の数は知れません。
監督、平座オリ太は、そんな今のAV界に警鐘を鳴らし、本当の性を描くことを目指した作品を創ります。
設定は保健室。保健の先生と性欲の塊とも言える若き青年。
いきり起つあそこを先生に突き付け、卑猥な言葉を持ってバックで攻める。
平座オリ太は、本当の日常的な保健室の風景を描き、女優の顔を見せない新しい演出、さらには精密な演出プログラムを組み込めるロボットを女優にして・・・

素晴らしい。と思わず感動してしまう作品。
セックスをベースに、本当の日常を描くとこうなってしまう。
要は抜けなくなる。
その代わりに浮き上がる作品の魅力が本当のエロなのかもしれません。
現代口語演劇では身体から湧き上がるような言葉を生み出すことが大事なのだとか。そうなると、まさにそれを押し殺した平座オリ太の作品は、身体の興奮を抑制するものとなるのは当たり前なのかもしません。
淡々と平座オリ太の世界を創り出す高間響さんの姿が、本物を創ることで日常にも潜む劇的を魅せられるという敬意にも、でもやっぱりセックスネタにしてしまうとこんなことになってしまうじゃんという揶揄に通じるようなラストになっています。

・演劇人のための生活保護講座

将来は公務員になって福祉の仕事に携わりたいというけん太君。
だったら、生活保護の勉強をしておかないといけないねとお姉ちゃんが教えてくれる。
生活保護は財政を圧迫している。不正受給は全体の1.8%。それに対して、受給資格があるのに申請をしない人は80%。
つまり、公務員としてすべきことは、申請を受け付けないようにすること。
まだ若いでしょ。親に頼れませんか。書類をきちんと揃えてください。
様々な事例を基に、その対処法を勉強する・・・

実際はその対処法と共に、法律的にはその対処を申請者は拒絶できるという、こちら側に立った勉強も教わります。
両側視点から一つのことを勉強しておくと、相手の一手も読めるし、次の自分の一手も考えることが出来ますね。
素晴らしい教育番組で、これがシリーズ化されて、もしテレビ放映でもされるなら録画は必至という代物です。
あと、常々思っているのですが、こんな風に教育にもっと実学部分を入れるべきだと思うのですよね。普通に教育受けているのに住民票の存在すら理解していない人ってけっこういます。私自身がそんなでしたから。生きる上で、いや生活する上でかな、覚えておかないといけないことを正論でいいから教えればいい。そこから、要領よく事を進めることを考えるかは本人の知識の広げ方次第ですから。
けん太君演じるHIROFUMIさん(Dream Factory R2)。そのイライラさせるうざさが面白く。

・実録 コンドーム伯爵の冒険

カトリック教会の七つの大罪を全て背負っているかのようなクズ王様、チャールズ2世。
性欲に任せて、多くの私生児をつくる状況を重く見て、避妊の研究が進む。
オギノ式は、その時、我慢できない可能性があるからダメ。
コンドーム。これは素晴らしい。開発者のリチャード・コンドームは伯位を授けられる。
しかし、これをよく思わない聖書絶対主義の大司教。
コンドームに穴を開けてしまう。
避妊がうまくいかず、死罪を言い渡されるコンドーム。
しかし、大司教の悪巧みはあからさまになります。
童貞だからセックスが憎かった。その言葉にチャールズ2世は、自らの尻を差し出します。
もっともしてはいけない同性愛。
しかし、その誘惑に・・・

まあ、認めたくはないですが、人の本性はチャールズ2世にあるのは確かでしょう。
でも、それだと獣と変わらないから、人間はあらゆる英知と科学を駆使して、他とは違うとしながらその地位を絶対的なものにしているのだと考えています。
避妊はその英知と科学が生み出した一つであり、それを否定するのは人は獣でいいとすら言っているような気がします。
人が人であるがために、生み出された素晴らしきこのシステムを、人自身が否定していることに違和感を覚えるのですが。
それにしても、この人間であることを幻滅させてしまうくらいの勢いのクズっぷりを魅せる髭だるマンさん(劇的細胞分裂人間和田謙二)の怪演は改めて凄いと感服です。

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