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2015年9月29日 (火)

それでも「これ」は奇跡のカケラ【N-Trance Fish】150928

2015年09月28日 ABCホール (125分)

どうして、こんなに心に響かなかったのかな。
昨年も拝見して、とってもお気に入りだったのに。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/kisoun-trance-f.html
ただ、単に凄いパフォーマンスを見ていただけみたいな観劇でした。
本当は、ここは、凄いはもちろん、そこから美しいという気持ちが沸いてきて、さらには感動して涙を滲ませるまでになるはずなのです。
これでは、単にダンス技術を見ているだけみたいになってしまって。それも、ダンスを良く知る人ならいいでしょうが、技術的なことなど何も分からずなので、正直、退屈だなあと思いながらの観劇になってしまいました。

まあ、この2週間ぐらい、個人的に嫌なことが続き、精神的な余裕が無いこともあるのでしょうが、この間に観た作品はまずまず楽しく観れていたのに。
こういった感性の鋭さを求められるような作品には、心の乱れが顕著に影響するのでしょうね。残念な観劇でした。また、来年。

・ Opening -Players-

今から思うと、もうこの時点で何か自分の中でテンション上がっていなかったかも。
凄いとはいつも思い、口開いたままポカーンとなるくらいの圧倒感があるのですが、何か冷静に観ている自分がいた。
分からずに書くのもなんですが、踊りが激しく、熱を発散させているだけで、いつものようなエレガントな美しさが見えなかったのかな。

・ 喜積のカケラ ~Drawing~

会場が暗いので、当日チラシに書かれている作品名は見えず。この状態で見て、何か縫って、自分の心の沸き立つ喜びを舞台に残しているみたいと感じたのですが、作品名からはそのままですね。途中、明るくなった時に作品名を見て伝わっているし、私も理解できていたのかと。

・ 希寂のカケラ ~Warming~

43歳。ラーメン屋でバイトをする男。男には個展を開く夢がある。
数々の不安の中、それに向かって突き進もうとする男。
差し伸べられる手。自暴自棄になってそれを拒絶する男。孤独に苛まれる。でも、再び勇気を出して、その手を握る。連鎖的に開かれる男の輝く世界。
二人の中年男の生き様を描いた作品かな。
中年って、自分もそうだけど寂しいんですよね。ずっと。歳とってプライドも高くなるし、それだけに自分でやれるなんてつまらん意地も張る。
でも、いつも輝きたいなとも思っています。だったら、ちょっと勇気を出してみたら、きっと。
そんな気持ちを抱く共感を得て、舞台で輝く中年の姿が嬉しくなるような作品でした。

・ 鬼籍のカケラ ~Wishing~

クリスマス。彼と一緒。
ずっとこれからも一緒。
でも、彼は・・・
これも、作品名を見ていなかったので、たくさんの天使のように可愛らしい方の華やかな空気から一転、堕天使のような黒さに覆われ始め、そのまま終わったみたいな感じ。
彼女の中で、永遠に繰り返される亡くなった彼との楽しい時間。希望ある終わり方かと思いきや、どこかブラックで気味悪さを残す作品でした。

・ 欠落バトル

警戒心、自尊心、自制心、羞恥心を無くしたモンスターも持つ多国籍バトル。
う~ん。それほど面白くも無く・・・

・ 輝石のカケラ ~Going~

舞台床に映し出された光の四角枠の中に閉じ込められる白服の3人。もがく。
同じようにとじ込まれられる黒服のたくさんの人。狭しと踊る。
交互に切り替わる中、抜け出した女性。光を浴びて。
閉鎖空間に閉じこもる一人の女性の脳内世界かな。
出ようともがき、この居心地の良さに甘えたり。
でも、踏み出した外の世界には光が降り注ぎ、彼女に生きるエネルギーを与える。

・ 千秋楽スペシャルプログラム ~Flying~

前作品の流れで、四角枠の中でマイムのようなパフォーマンス。
美しいたたずまいでした。カーテンコールの時も、一人、どこか礼する姿が美しい流れるような動作で、美をそのまま形にしたみたいな人なのだろうなと。

・ 軌跡のカケラ ~Tracing~

男と女の出会い。
遊園地行って、映画見て。
プロポーズ。喧嘩したりしながらも二人の人生を歩む。
つい先日まで、この場で公演していた梅棒の世界ですな。
ちょっと違うのは、こちらは情景描写も全てパフォーマンスで創り上げているようです。同じダンスを基盤にしたパファーマンスでも、その魅せ方は様々なのでしょう。
とにかく無理してでも走り続けるといった活発な女性と、それに翻弄されながらも受け止めて、共に歩む二人だけの道が微笑ましい。
二人、バラバラだった歩幅が揃ってくるような感覚がとても温かく感じます。

・ Ending -それでも「これ」は奇跡のカケラ-

これまでの各作品のシーンを切り抜きながらの役者さん紹介。

テーマはカケラ。
私たちは、誰かのための欠片であり、それがピースのようにはまって、様々な感情を呼び起こし、そして奇跡の物語を生み出しますみたいな感じでしょうか。

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コメント

9月26本観劇ですか…

いよいよ本調子になってこられましたね(笑)

観たかったのを観られているので羨ましい限りです。

私は東京遠征の疲れが中々とれなかったり(観劇してて疲れたことがないなんて絶対嘘や。Yさんw )や仕事が忙しくなってきたので調整をするのもめんどくさく(笑)シルバーウィークは調整大失敗。17本に終わりました。9月終わってトータル192本です。あ、プロトテアトル『フェスティバル』は2本扱いにしてます。SAISEIさんは一緒なのかな?

今日も森林浴やピッコロ劇団が面白そうなのヤってるのに…

10月観劇はじめは今日VOGAを観に行ってきます。

SAISEIさんもいろいろあるみたいで…

またお会いできるのを楽しみにしています。

投稿: KAISEI | 2015年10月 1日 (木) 12時40分

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