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2015年9月

2015年9月29日 (火)

それでも「これ」は奇跡のカケラ【N-Trance Fish】150928

2015年09月28日 ABCホール (125分)

どうして、こんなに心に響かなかったのかな。
昨年も拝見して、とってもお気に入りだったのに。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/kisoun-trance-f.html
ただ、単に凄いパフォーマンスを見ていただけみたいな観劇でした。
本当は、ここは、凄いはもちろん、そこから美しいという気持ちが沸いてきて、さらには感動して涙を滲ませるまでになるはずなのです。
これでは、単にダンス技術を見ているだけみたいになってしまって。それも、ダンスを良く知る人ならいいでしょうが、技術的なことなど何も分からずなので、正直、退屈だなあと思いながらの観劇になってしまいました。

まあ、この2週間ぐらい、個人的に嫌なことが続き、精神的な余裕が無いこともあるのでしょうが、この間に観た作品はまずまず楽しく観れていたのに。
こういった感性の鋭さを求められるような作品には、心の乱れが顕著に影響するのでしょうね。残念な観劇でした。また、来年。

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片付けたい女たち【劇団センマイる】150927

2015年09月27日 CAFE SLOW OSAKA (90分)

笑いの絶えない会話の中には、切なく痛ましい歳をとること、それも女性としてという厳しいテーマがある。
それでも、そんな厳しさを吹き飛ばすくらいに、まだまだやってやるよといった、強い覚悟、そして、それを色々な悩みを抱え合う友と共に乗り越えるという深く強い絆が見えてくる。
部屋のお片付けと、人生の整理整頓を同調させながら展開する会話劇。
話としての魅力はもちろん、演じる3人の女子大生が等身大の50代を演じている姿が非常に素晴らしい。

歳をとることを、歳を重ねるなんて言うけど、この作品の登場人物たちも、様々な経験の中で、歳を一つとるたびに、何かを蓄積しているのでしょう。
それを綺麗に整理整頓なんてなかなか出来るわけなく、そもそもそれがいつ必要になるのかなんて分かるわけもなく、捨てていいものなのか、これから先必要になるものなのか、今、使うべきものなのかと悩みながらも、結局、とりあえず置いておくみたいな繰り返しが散らかった部屋、乱れた心を生み出すのかもしれません。
でも、それだけ、きっと豊かな心になったのだと言えるのかもしれません。整然としていなくても、きっと引き出しが増えたみたいに。
時に傍観者でなければいけなかった時があるかもしれません。でも、また違う時には、そんな経験から得た何かで、人に寄り添えることが出来るようにも思います。
肌に張りは無くなるし、シワは深まるし、膝は痛いし、老眼で見にくい・・・
出来ることも少なくなる。
でも、その中で、いかに自分が納得出来るような生き方を見出して、様々な視点で物事を捉えられようになった幅広い自分を信じて、進んでいくことが大事なのだと思います。
奥深くなった自分だからこそ、片付けも時間がかかる。
だから、じっくりと、ゆっくりと自分を見詰めて、歩めばいいのではないでしょうか。

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2015年9月28日 (月)

We are lucky friends【劇団冷凍うさぎ】150927

2015年09月27日 ウィングフィールド (100分)

過去は消え、導かれる未来の世界は今とは違う場所。
そんなパラレルワールド的な世界に入り込んだ男が、今を生きることと、その生きるためにどの世界にもいてくれる友人や恋人への感謝を見出すような話でしょうか。
過去は消えるし、未来はもう用意されている。それでも、今をもがいて、必死に生きる意味合いがどこにあるのかが見えてくるような気がします。
今いる世界は消えて、昨日とは違う新しい世界へと連れて行かれる。こうして世界は続く。
それは過去も未来も存在しないような世界と言えるのかもしれません。でも、今は必ずあり、そこに自分とその周囲の人は必ず存在する。
それだけで、今を頑張って生きる理由には十分じゃないかと思わせるような話が、悩み苦しみ生きる中に安堵と温かみを感じさせます。

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2015年9月27日 (日)

サイドカー【壁ノ花団】150926

2015年09月26日 元・立誠小学校 講堂 (70分)

2年振りに拝見。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/120913-1fa8.html
この時の印象が、凄く不安を煽られて、心ザワザワとなるのが怖くて、2年も観なかったのかな。
今回も似た感想ではあります。

自分の生きる力となっているような人を失う。
取り残された自分。襲ってくる不安と悲しみ。
それでも、生きていかなくてはいけない。
傍にいる人たちのことを想い、その想いを自分に力に変える。
そんな純粋で力強い人の姿が見えるような話でした。

<以下、うろ覚えになっていますが、一応あらすじがネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は本日、日曜日まで>

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2015年9月26日 (土)

タカマニズム宣言【笑の内閣】150926

2015年09月16日 吉田寮食堂 (85分)

まあ、あんまり深く考えずに、下ネタや禁断ネタがたっぷりに詰まった時事ネタ作品を楽しむような公演かと思います。
ただ、性格的に手放しで観ることが出来ないので、ちょっと色々と考えてしまう。
きっと、これまでの本公演作品と同じく、いけないこととこか、反対される考えがいったいどこに由来して、そうなっているのかをきちんと見てみようといった警鐘が込められているように思います。
意外に巧みな喋りや、上っ面の情報だけに囚われて、本質を見失ったことに対して、必死にそれを肯定しないといけないと必死になっている自分が見えてくるかもしれません。
そんな生き方、何も楽しくない。きっと、だったらおかしいんじゃないかなと思わせてくれるような作品が揃っています。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで>

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いいなずけ陰陽師【かのうとおっさん】150925

2015年09月25日 HEP HALL (120分+アフターイベント10分)

面白かったとしか書けない作品は、ブログ書きにはなかなか困ったものだ。
とっても、非常に、凄く、やたら、めちゃくちゃ・・・
接頭辞を付けるぐらいしか出来ない。
たっぷりの笑いの面白さと一緒に、今回はちょっと自分探しや、家族愛の要素も組み込まれていて、少し感動して泣けるところもちらほら。

才能や環境の問題から、自分の生きる道に悩む女子高生。でも、そんなことは実は大人でもみんな同じ。悩み苦しみ、今を自分なりに頑張って生きている。
そして、辛くなったら、誰かに救いを求める。恋人や友達、家族に。
悩み過ぎて頭がいっぱいになっていると、ついつい自暴自棄になって忘れてしまっていることがあるけど、自分にはそんな愛してくれて、想ってくれている人が必ずいるんだよといった心和らぐ安堵と、だから思いっきり自分の思う道を進んでみようかなという自信や勇気が沸いてくるような話でしょうか。そんな話を、あらゆる笑いで覆ってしまったような作品だと思います。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2015年9月24日 (木)

クロスジンジャーハリケーン【梅棒】150923

2015年09月23日 ABCホール (120分)

シルバーウィークの最終日は仕事でいっぱいいっぱい。
観劇予定は一切、入れていなかったのですが、やっぱりどうしても。
どうしてもどうしても、梅棒をもう一回観たい。いや、観なくてはいけない。
とった策が、徹夜で仕事をして、そのまま大千秋楽に間に合わすというもの。
仕事だけしていたら、計画成功でしたが、このシルバーウィーク中に観た作品のブログとかも書いたりしてたら、結局、仕事終わらず。
途中で抜けて観劇。その後にまた仕事さえなければ、最高の作品を観た後に、美味しいお酒と楽しめたのですが。
まあ、仕方がありません。
もう一度、無事に観れただけで大満足ですから。

1回目観劇の感想。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/115-cbf9.html
あらすじを書いているのですが、ちょっと違うところがたくさんありますね。まあ、作品を冒涜するレベルでは無いので、そのままにしておきます。
2回観ると、やっぱりよく分かります。そして、よりパフォーマンスを楽しむことが出来たように思います。
楽しい時間でした。
本当に・・・

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2015年9月23日 (水)

パレード 星の時間 隣の鳥は青いトリ【近畿大学文芸学部芸術学科舞台芸術専攻24期生 卒業公演】150922

2015年09月22日 近畿大学会館5F 日本橋アートスタジオ 
     (星の時間:50分、休憩15分、パレード:85分、休憩10分、隣の鳥は青いトリ:20分)

豪華三本立て。
ちょっと疲れた。

リズムのいい会話から導き出される不条理の中にある孤独への不安感を覚える星の時間。
好きなことを本気でやるってどういうことか、限りある時間の人生を豊かに生きるってどうしたらいいのかに悩み彷徨っているような印象を受けるパレード。
コミカルな中に、温かさを滲ませて、誰かのことを想うことで拡がる優しい繋がりを思わせる隣の鳥は青いトリ。
三作品とも、少々物足りなさが残るところもありますが、それぞれ魅力ある作品に仕上がっているように思います。

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PANDORA -Op.4 樹の章-【Project UZU】150922

2015年09月22日 インディペンデントシアター2nd (130分)

昨年に引き続き。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/09/120-0394-1.html

上記リンク先の前回の感想に、エンタメ性を、衣装、ハープ、ダンス、映像をベースにしながら、例年、積み上げていっていると書いていますが、今回は、前回積み上がったエアリアルティシューに加えて音楽でしょうか。合唱が入り込み、とてつもない美しい世界が創り上げられています。

愛から生まれた世界が、どうしてこんな憎しみで破壊されるような世界へとなったのかという、これまでの疑問が解消されるような重要な章になっているようです。
そんな中で、生み出される悪魔の裏側に潜む、人の尊き感情が、世界を再生させる始めりへと繋がるという感覚が得られるような話でした。

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2015年9月22日 (火)

にゃっつ【魔法のチョコレート】150921

2015年09月21日 シアターカフェNyan (65分)

キャッツのまほちょこ版でしょうか。一応、ミュージカル調になっていたりします。
何でももらえる、いつも大事に想ってもらうみたいに、受け取ることが当たり前だった甘えんぼ黒猫が、これまでとは違う世界で生きている仲間と共に時間を過ごす中で、自分にいつも想いをくれていたものの存在に気付き、成長するような話でしょうか。
想われているだけじゃなくて、想うこともしないといけない。想い合い。何事もこの合いというのが大事なのだろうなと思います。
作品中に描かれるたくさんの想い合いから、優しさという言葉が浮き上がってきたように感じます。

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MUGEN -proto.type-【Daikichi project】150921

2015年09月21日 STAGE+PLUS (15分×5 作品間に転換5分)

6本立ての15分一人芝居とジャグリング作品の公演。
最終ステージ以外は、一人芝居が4本しか公演が無いので、2作品は観られませんでした。
短い時間ということもあるのか、作品の中に込められている思惑がどの作品もいま一つ響いてこず。
難解だったという印象が残ります。

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2015年9月21日 (月)

夜と星と風の物語【Contondo】150920

2015年09月20日 SPACE9 (85分)

星の王子さまをベースにした作品みたい。
と言っても、別役実作品なので、不条理で難解。
時空を越えて、無数に存在する多次元の人たちが、ある星降る夜に集い、交錯する中で、その多次元を包み込む宇宙が人の愛によって存在していることを思わせるような話かな。
思い出すことで、繋がれる人と人の心。この愛の力が、宇宙を回している。
小さな舞台が最後、壮大な宇宙へと拡がり、そこにある人の優しく力強い想う心が星のように輝いている、安らぎの空間を生み出していたように感じます。

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2015年9月20日 (日)

クロスジンジャーハリケーン【梅棒】150920

2015年09月20日 ABCホール (115分)

最高でした。
と、初めから書くつもりで観に行ったのですが、やっぱり本当に最高でした。
確認済みの最高。
目の前でスタンディングオベーションも起こり、その気持ちは皆も同じだったようです。

悩み苦しみながら、真摯に懸命に頑張り続ける少年。
そんな少年の姿に、共に過ごす皆が動かされ、さらには時を超えて、その想いを果たすべく応援する者まで現れる。
そして、その力が、悲しみの中にいる一人の女性、負の感情に囚われて生きる男の凍った心を溶かしたような話。
何かを変えるとはとても思えないようなちっぽけな頑張りが核となり、それを大きな大きな力に皆で、繋げながら育て上げていった素晴らしさを感じる作品でした。

<以下、あらすじしか書いていません。ネタバレになりますので、公演終了まで白字にします。公演は水曜日まで。席があるのかは知りませんが、この感動を味わいに是非、足を運んで欲しいと思います>

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2015年9月19日 (土)

太陽が死んだ! ~ヒモがドラマチックに世界を救う~【劇団ちゃうかちゃわん】150919

2015年09月19日 芸術創造館 (105分)

私が言葉の意味を履き違えているかもしれませんが、立派なアングラ演劇だと感動。
これは見事な作品だと思います。
面白さが唐組とかに通じているような印象を受けます。
あちらは、突き抜けた不条理設定やぶっ飛び感が全面を覆うので、頭混乱させて、ちょっとした不安を煽られながら、何が何やら分からないけど面白かったみたいな感じになりますが、こちらは、それが程よく覆われていて、非常に安堵を抱きながらの心地いい観劇。

熱さはもちろんありますが、決して勢いに任さず、会話の掛け合いやシーン転換の間合いがしっかりと感じられ、とても丁寧な作り方をしているんだろうなといった印象。
笑いの仕掛けも巧妙に計算されて、緻密な策略がうかがえます。
それだけに、ちょっとしたミスで起こってしまう笑いが面白いけど、残念だと感じるところが多々あったように思います。

ノストラダムスの予言があった1999年。本当に自暴自棄になって、おかしな行動をした人もいたような覚えがありますが、ほとんどの人がどこか期待をしながらも淡々とその時を生きていたように思います。
いつか滅亡するかもしれないし、私たちは神様みたいなものに、生かされているだけなのかもしれません。
それでも、今、この地球に生きている自分は、きっと誰かのために、自分の大切な人のために生み出され存在している。だから、その人のためだけでもいいから、自分の生を全うしようみたいなことを描いているような話だと思います。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで。連休で公演激戦ですが、お薦めの一品だと思います>

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2015年9月18日 (金)

月下美人【浪花グランドロマン】150918

2015年09月18日 難波宮跡公園内 特設テント劇場 (135分)

2011年に、拝見した作品と雰囲気は似ているかな。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/110927-72e0.html
今年でいったんテント公演は終了らしい。
テント公演って面白いなと思えるようになったのは、ここがきっかけで、そこから唐組とかも観るようになったので、私の観劇人生に大きな影響を与えてくれた劇団です。
昨年が日程調整つかず観れなかったので、最後に観れてよかった。

ネタバレもあるので、ここでは詳しく書けませんが、最後は心震えるシーンだった。
今、自分たちが生きている時代って、例えば、何でも情報が手軽に入って便利になった、でもその反面、生き辛い世の中になったとか、不人情になったとか、コミュニケーション不足になったとか、色々とあるけど、それは今ある事実に目を向けているだけであって、今に至る時代がどうであったのかまで想いを馳せてみないといけないような感覚を得る作品でした。
空虚な心を見て、何も無いねで終わりではなく、その中にある、あった確かな想いたちを見詰めることで、その心を埋めることが出来るのかもしれません。

物や情報が溢れ過ぎて、自分たちが居場所と思っている場所が本当にそうなのかが分からない世の中かもしれません。
ネット住民なんかは、きっとそこに居場所を見出しているのでしょうが、それは本当にそうなのかは疑問です。
消えて無くなってしまった時、本当に消えてしまうようなものは居場所ではなく、そこに確かにあったという人の想いが残る場所が、居場所なのかもしれません。
そして、消えて無くなってしまわぬように、その場所で人は想い合うことで、人の心に自分を植え付けているように思います。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで>

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2015年9月16日 (水)

火曜日のゲキジョウ【三俣婦人会×小骨座】150915

2015年09月15日 インディペンデントシアター1st (25分+30分 休憩15分)

毎回、何となく共通テーマみたいなものが感じられるのだが、今回は別々だったなあ。
強いて書けば、両作品とも人の本質を描いているような感じはあるかも。
不条理な世界の中で人の愛や欲を描いているかのような三俣婦人会と、現実世界の中で人の生死を捉えようとしている小骨座ってところか。
両作品とも、独特の世界観を創り出しているのだが、少し惹き込み方が弱いので、話に入り込めない印象が残ります。

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月曜劇団のコントっぽい劇短編集【月曜劇団】150915

2015年09月15日 金毘羅 (80分)

前回の感想を読み返してみたら、この公演は観た後、面白かった、笑ったという記憶だけ残して、内容がほとんど飛んでしまう状態になったみたい。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/140625-b943.html
ちょっと覚えておくようにと意識して観て、メモも少しだけ取って下記に内容を書いたけど、何か凄くつまんなくなった。
あんなに面白くて、笑ったのに。
そんなことより、西川さやかさん、凄い顔して必死に動いてはったな。上原日呂さん、西川さんの自由な空気に困り顔で絶妙な間合いのツッコミ入れてはったな。森口直美さん(パプリカン・ポップ)、清楚で綺麗な雰囲気の方なのに、思いっきりぶちゃいく顔で弾けまくってはったな。吉田青弘さん、一人だけやたら熱いテンションで、声もでかく、舞台から飛び出るくらいの圧力で迫ってはったな。
と思い出し笑いをしている方がとても楽しい。
記録より記憶ってやつですかね。
また、DVD出たら買おう。

<以下、観ないと分からないでしょうが、一応ネタバレ注意です。公演終了まで白字にします。公演は木曜日まで>

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2015年9月14日 (月)

ピンク地底人 開墾の番外公演【ピンク地底人】150914

2015年09月14日 ライト商會
             (聖!アラサー小学校 : 75分)
             (蝉の泣き止む、その頃に : 40分)

久しぶりのピンク地底人の公演。
今回は二本立てで、いつもの3号さんが作演の本公演とは異なり、2号さんと5号さんの作演の作品となっている。
お二人とも、役者さんとしては、これまでにも拝見しており、何となくイメージどおりの作品として出来上がっているようだった。
2号さんは、コミカルと狂気を交錯させて、厳しい現実の中にある光を毒を持って描くような感じ。
5号さんは、不器用、朴訥みたいな空気を醸しながら、そこにある優しい愛を淡く描くような感じ。
ただ、ベースには、これまでの作品と同じようなところがあるように感じられる。
一緒に生きている家族や友達。そんな人たちと共に歩む中で、厳しい現実の終着場所みたいな行き詰まりに陥る者が、出口を見つけ新しい道を導き出しているような感覚が残る。

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2015年9月12日 (土)

ツキシカナイ【満月動物園】150911

2015年09月11日 シアトリカル應典院 (110分)

2年前の2013年01月18日に拝見した作品。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/130118-98c6.html
<↑あらすじを書いているので、ネタバレしますのでご注意ください>
その2年後の同じ日、今年の2015年01月18日。
母が亡くなった日です。
観たら分かりますが、この作品は否が応にも自分のお母さんを思い出す話です。

自分の時はどうだったのかな。
母とはいい意味でも悪い意味でも性格が似ていると思っていますが、それは育てられたからとかではなく、初めからそんな人だったら、一緒にいて楽しく、互いに分かり合えるから、大切にし合えるからいいんじゃんないかな、この人の子供でと自分で考えたのか。
それとも、そういう人と一緒だと、互いに魂を成長させていきやすいからと、高い魂を求める死神さんにお薦めされたのか。
確か、亡くなる数週間前には、先に逝った父と向こうで待ってるからと言っており、完全に死を意識するようになったなと思ったりしましたが、本当に待っとるのかな。
きっと、母とは生まれる前から、そして、亡くなった後も繋がってるのでしょう。
それが、人は決して終わらず、ずっと繋がりながら続いていく存在なのだと伝えているような感覚を得る話でした。

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2015年9月 7日 (月)

呼子鳥【虚空旅団】150906

2015年09月06日 カフェ+ギャラリー can tutku (80分)

あ~、なんかとっても素敵だった。
このポカポカ心温まる心地よさといったら。
女優さんお三方の自然な姿がまた素敵で。
ちょっと笑えてきてしまったり、じんわり切なくなったりするんだけど、そこにはいつも優しさがあるんですよね。
友達同士だから、厳しくこんなのダメとかズケズケと言い合ったりするんだけど、幸せや価値観の押しつけとか、相手の否定じゃなくて、そこに思いやりや、相手への信頼、許容があるからこその互いの言動なのです。
きっと、これが世界に誇れる大和撫子の姿ですよ。
みんな幸せになってくれたらいいなあ。これからも降りかかる悩みや苦しみを、互いに受け止め合って、自分で掴む幸せを手に入れて欲しい。そして、その幸せを、喜び合って、さらに幸せを増幅して、みんな素敵な人生を歩んで欲しい。
3人に素直にそう思える気持ちを持てた自分も、きっと、この作品を観て幸せ。

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蒸発【intro】150906

2015年09月06日 インディペンデントシアター1st (85分)

雨漏りする家に集まる家族とその関わりを持つ人たち。
もう、その家からは離れてしまった人もいるし、戻って来ないだろう人もいる。
あんなにしっかりと建てた家だったのに、いや、そもそもどこかに手抜きがあったのだろうか。そんな家の緩みは、各々が抱える憎しみや妬み、悩みを溶かした水滴を家の中に降り注がせる。その湿気は、家を不快にし、もどかしいイラ立ち、痒みとなって、皆を苦しめる。
でも、それが家だから。
私たち家族を守ってくれるバリアとして家があるのではなく、私たちがこれまで過ごしてきた想いの塊がそんな家を作っているのだから、その繋がりが緩めば、家にも隙間がたくさん出来る。
壊れたところは、また修復すればいい。隙間が出来ても、そこに埋めるものを家族は持っている。
やがて、もう修復できなくなるくらいに、朽ち果ててしまうその時まで、自分たちが家族でずっといるように、家もそこにある。
そんな感覚を抱く作品でした。

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2015年9月 6日 (日)

In The Cage【Random Encount】150905

2015年09月05日 Cafe Slow Osaka (100分)

3話がリンクした気味悪い作品。
籠の中の鳥。
きっと、籠を意識している間は大丈夫なのかな。
誰も入って来ない。籠が自分を守ってくれる。扉が開けば、飛んで行ってもいいし。その安堵の空間でさえずっていればいい。
でも怖いのは、籠の中にいると思っていない鳥。
人から強制的に閉じ込められた籠には気付くが、どうも、自分で創り出した籠や巧妙に用意された籠には気付かないみたいだ。
全ては自分の弱さに起因しているみたい。弱さが、防衛本能をくすぐるのか、いつの間にか、籠の中で守られたいと閉じ込められてしまうみたい。
籠の中では、飼われているだけで、自分は自分でいられない。だから、本当の自分が見出せないなら、きっと今、籠の中に入ってしまっているのかも。扉を開いて、外に出て、本当の自分を生み出そう。
そんな感覚を抱く作品でした。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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広島に原爆を落とす日【Z children】150905

2015年09月05日 十三Black Boxx (110分)

必死って、これだろうなと思う、魂のこもった迫力ある舞台でした。
そんな熱情の中に、様々な感情が流れ込んできて、考えがまとまらず、頭が混乱気味。
差別意識ってのは、残念ながら、消えることなく、いつも人や社会の表面に出てきてしまっている。でも、その中に、その人を想う気持ちが潜んでいることも決して否定できない。
戦争という究極の状況、それも偽りではあるけど日本の過去の歴史を描く中で、互いに傷つけ合いながらも、そこにあった愛の大きさを浮き上がらせ、その愛の魂が、今を生み出しているのだということを見詰めさせているように思います。
日本への愛。そこに生きる人への愛。そんな愛がいつか本当に豊かな世の中を実現すると、多くの犠牲を厭わず、未来への願いとして託した者たちの真摯な言動に目を向け、耳を傾け、今を振り返るような作品なのかなと感じます。

<以下、あらすじがネタバレしますが、有名な作品でネット上でいくらでも詳細な記載があるので、白字にはしていません。ご注意願います。公演は月曜日まで>

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2015年9月 4日 (金)

湿原ラジオ【スクエア】150904

2015年09月04日 近鉄アート館 (125分)

一言、傑作。
嘘と勘違いが、繋がる、繋がる。そして、最後、真実へと導かれる。
心地いい伏線回収、テンポのいい掛け合いで流れる話の絶妙な展開と、その巧妙な脚本は定評があるとはいえ、あまりにも素晴らしいと興奮する作品でした。
最後の方もいいんですよね。
感動の涙。あまりお涙頂戴にしたくないのか、これを笑いで、わざとなのか拍子抜けさせ相殺してしまう作品はけっこう多いですが、この作品は泣きと笑いを同居させることを実現させたように感じます。
泣き笑い。言葉としてはあるものの、なかなかそこに至らない。久しぶりにその素敵さに感動して泣いているのやら、面白くて笑っているのやらが分からない、これは最高だと心地いい気持ちになれる作品だったように思います。

<以下、ほぼあらすじだけ。ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで>

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真昼のジョージ【劇団子供鉅人】150903

2015年09月03日 HEP HALL (80分)

ある男の夢と現実を交錯させた二重構造になっている話。
さえない現実から、ある女性への不毛な愛によって輝く夢の中へと入り込む。
しかし、厳しい現実はそんな夢の世界を脅かし、浸食してくる。
男が最後に行き着いた夢の中での絶望。
物語はそこから始まるというようなラストを迎える。
男は戻るしかない現実の世界の中で、これまで気付かず、目を背けてきた本当の愛を知ることが出来るのか。
愛の不毛と救済の物語。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで>

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2015年9月 1日 (火)

フェイク・ショウ episode0【クリエイティブスタジオゲツクロ】

月面クロワッサンの作道雄さんが描いた、フェイクドキュメンタリー作品。
名作だという噂で、とりあえず30分×4話の作品なので、一話ずつ時間がある時に観て、感想を書こうかななんて思って観始めたが、思いのほか、かなり面白く、4話一挙に観てしまった。
全体的にはホラーチックな空気を醸しているが、落語という笑いをベースにコミカルさも盛り込まれる。それでいて、温かみがある話として出来上がっており、何とも不思議な感覚に包まれる。かつ、一つのことに打ち込む覚悟の大切さなど笑いをベースに教訓のようなメッセージも組み込まれているようだ。

月亭太遊さん演じる揚鳥亭翔鳥という、落語家人生に悩む男が、今は亡き、一門の創始者である何百年も前の師匠が、ある村で過ごした一時と対峙する中で、落語という笑いの意味合いを見出していく。
そこには、笑いで皆を幸せにしようと、全人生を賭けて、真摯に落語に取り組み、それを後世に繋げたいという想いがあった。
昔も、今も、そして未来も、皆が笑顔でいられる楽しき世の中。
一人を笑わせることで拡がる皆の笑顔。
過去の笑いの技術を駆使して、今、生み出される楽しい笑い、そして、そこから導かれる楽しく幸せな未来。
笑いがそんなこれまでの歴史、そしてこれからの未来永劫、幸せを導くための、繋がりの媒体として存在していることが感じられる。
笑いだけでなく、古くから伝わる芸術や様々なこと。そこには、きっと多くの人たちが幸せになって、笑顔でいて欲しいという願いから、繋げられてきた想いがあるのだと思う。

<以下、あらすじだけ。ネタバレしますので、ご注意ください>

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