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2015年9月16日 (水)

火曜日のゲキジョウ【三俣婦人会×小骨座】150915

2015年09月15日 インディペンデントシアター1st (25分+30分 休憩15分)

毎回、何となく共通テーマみたいなものが感じられるのだが、今回は別々だったなあ。
強いて書けば、両作品とも人の本質を描いているような感じはあるかも。
不条理な世界の中で人の愛や欲を描いているかのような三俣婦人会と、現実世界の中で人の生死を捉えようとしている小骨座ってところか。
両作品とも、独特の世界観を創り出しているのだが、少し惹き込み方が弱いので、話に入り込めない印象が残ります。

・「受動的読書「快壊」」 : 三俣婦人会

1.プレゼントふぉ~みぃ~
サンタがプレゼントをくれた。
おっぱいだ。お母さんが欲しいと言ったから、きっと毎年パーツを届けてくれるのかも。
お父さんにもおっぱい。
お母さんが出来上がるのも、そう遠くないかも。

2.パセリ
目覚めたら、頭がパセリになっていた。
シャンプーとかして大丈夫なのかな。
一応、ラップしておく。

3.もっともっとおっぱいを
おっぱいが大好き。女が好きだと勘違いされるのが心外。女はおっぱいの付属品に過ぎない。
妻はいいおっぱいを持っていた。その遺伝子に惚れ込んでいて、繋げていきたかった。でも、子供は男の子だった。

4.英才教育
だから、お父さんは英才教育を施している。
好きなカップによって、どういう人格かを歌にして。

5.福沢諭吉失踪事件
福沢諭吉が失踪した。外交にも支障が出ている。
そんな中、樋口一葉の暗躍が。
こうなれば、野口英世に頼るしか。

6.25以上の女
グラビアアイドルの後をつけるお父さん。
25万円を渡して、おっぱいを奪い去る。その跡はえぐられたアボガドみたい。
女性は昏睡状態から目が覚め、無くなったおっぱいよりも、その25という価値に納得がいっていない模様。

7.魔女たち
悪い魔女に250mlのペットボトルに閉じ込めら、身動き出来ない男。
現れた笑顔が素敵ないい魔女。
彼女に大きなサイズのペットボトルに移してもらう。
少し広くなって動けるようになった。これから脱出を考える。

8.その店の丼は
男は店で丼を食べる。
丼の中の老夫婦をいただく。電柱と電線もいい組み合わせで、おかわりしたくなる。
翌日、トイレで見た排泄物は退廃した死んだ街だった。
改めて、食は命をいただいていることを知る。
男は店でまた丼を食べる。いただきますと感謝を込めて。

9.あの日あの時あの場所で
お父さんの下に、グラビアアイドルが。
25という数字を撤回しろとしつこく訴求する女性。
お父さんはその女性の胸にふさわしいおっぱいを付けるが、女性の主張は変わらない。
子供はお母さんを求める。お母さんの柔らかいおっぱいを。お父さんの行動を責めるが、お父さんは帰るべき場所におっぱいを戻しているだけと聞く耳を持たない。
上空に何やら棒らしきものが。
迷い箸。食べられる。逃げ出す3人。

このオムニバス短編をどう繋げればいいのかよく分からない。どこかに収束してそうだが、置いてけぼりの作品もあるし。
何かイメージ的にはつげ義春の世界みたいなシュールで不条理な中に、どうにもならない抑圧された欲や暴力性が見え隠れする。
性、食、金銭、地位、名誉、自由・・・
そんな欲のどれかに囚われると、それを満たすために周りが見えなくなってしまっている悲しい人間像が見えてくるような感じがする。
リズムはとてもよく、心地いい気分で読まれる話を聞ける。基準点5点に+2点。やっぱり話は分からないので-1点で6点評価。

・「平成リビングデッドウォーズ」 : 小骨座

ずっと働かず、ギャンブル狂い。それがロックだと荒んだ生活を過ごすベテランホームレスの男。どこかの成金ババアの趣味なのか、ホームレスを見下して、ばら撒かれる金を這いつくばって拾って生活する。
失職して、ホームレスに身を落とし、この男にルールを教えてもらいながら、今ではこの生活に慣れてきた男。一応、プライドは捨てず、日雇いの仕事をしているみたい。
まだ心の余裕があるのか、だいぶ歳もいき、動けない老婆のホームレスに色々と気を使っている。炊き出しをもらいに行くことも出来ないので、自分が代わりにもらってきてあげたりする。
成金ババアの金だが、そのお金で酒を飲み、ベテラン男のギターで奏でられる悲しきロックを聞きながら過ごす夜もある。
仕事に男にと愚痴ばかりのフリーターの若い女の子たち。
汚いホームレスを見つけて、絡み出す。
社会のクズ。私たちの税金で食っているんだから土下座しろ。
ベテラン男は殴りかかろうとするが、男は止める。
娘だった。軽蔑の眼差しを向けて、乾いた笑いを見せる。
ある日、成金ババアは金を配るのを辞める。そして、役所は強制撤去を決める。
物のように扱われながら、撤去は進められ・・・

ホームレスが死んでいるようで生きているという概念なら、私たちはもしかしたら、生きているようで死んではいないか。
登場人物全てをホームレス姿として見せており、そんな感覚を抱かせる。
生きている、死んでいる。生きていない、死んでいない。
この区別を考えさせるような話だろうか。
ベテラン男は初めから死んでいるような考え。でも、生きている。
男は生きていたけど、死んでしまった。でも、生きようとしているみたいだ。
老婆は生きている。死んでいないから、死が迎えに来ないから生きている。生きるのはしんどいから辞めたい。でも、死にたくはない。
若者たちは生きている。でも、先のことを考えず、その日のことだけを考えているような姿は、死んでいるとも思える。
役所の人や成金ババアも生きている。でも、それって本当にそうなのか。
生死の定義があやふやになってくる。
生の反対語は死なのだろうが、実は同義語として存在する場合もあるような気にもなる。
死から目を背けて生きているからおかしくなるのかな。死にたくないと死を拒絶する、生きてるから死んでないと死と向き合おうとしない、そもそも生きている実感すらないから死なないとでも思っているのか死を意識すらしない。
そんな中で得られる生はとても脆弱で屍のような人を作り出しているようである。
死と向き合う、死を考えるからこそ、今ある生を尊く感じ、生きる力を生み出すのかもしれない。
基準点5点に役者さんの力強さ+2点、設定の面白さに+1点。若干テンポが悪く、話に惹き込まれにくい点で-1点の7点評価。

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