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2015年8月22日 (土)

まつりのあらし【カメハウス】150822

2015年08月22日 パシフィック・シアター (115分)

恥ずかしくなるような女子高生たちの青春群像劇。
私は44歳。この歳になるとねえ。こういうの観るとなんか恥ずかしい気持ちが出てくるし、ちょっと知的に脚本の文学的なところがどうだとか、演劇的な手法がどうだとかを口にして、いちゃもんつけて、かっこつけたくなったりもするわけです。
でも、まあ気取ってもしょうがないですわなあ。
めちゃくちゃに楽しんで、感動して、泣きそうになりました。
恥ずかしいけど、正直に書くと、どストライクの作品で、最高でした。
どストレートな青春、その中で各々悩みを抱えながらも懸命に時を過ごす女子高生たちのパワー、そこにある互いを思いやる優しさ、打ち込みやり遂げる覚悟の強さ。
単純に可愛さ、そして、ちょっとサービスも。
どこにも文句をつけられません。
女子のパワー、王道の揺るがない力を、エンタメ演劇の中に思いっきり込めて、見せつけたかのような力強く、かつ温かさを持つ素晴らしい作品だと思います。

<以下、あらすじがネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

高知の田舎の小さな町。
町は夏祭りを企画し、その実行委員として、各高校から代表を募ることに。
かくして、地元の3つの高校から5人の女子高生が選ばれる。
頭が悪く卒業も危うい。このままでは夏休みはほぼ補習漬け。打ち込むことが見つからず、中途半端に高校生活を過ごす夕夏。まあ、補習サボれるしぐらいの気持ちでやむなく実行委員に。
夕夏と同じ高校。科学オタクでちょっと気味悪い子。最近はロケットにはまり、怪しい実験を繰り返す。今回の祭りのメインイベントは花火。打ち上げ繋がりでテンション上がっている明日香。
水泳部部長。昨年のインターハイでは、レース中の不慮の事故で無念の敗退であったが、その実力は誰もが認める有名人、万里子。近づく最後の水泳大会に向けて、懸命の練習の日々であり、正直、無駄な時間を取られたくない。
万里子と同じ高校。資産家令嬢、かおる。高飛車なところは一切見られず、明るく自由奔放。何でも今日は出来そうな気がすると、あらゆることに挑戦してしまう超前向きな精神。今回も祭りが大好きということで、実行委員に立候補。しかし、実際は病弱で、すぐ倒れ、おまけに所構わず吐いてしまう。
有名進学校に通う生徒会長、澄香。友達もあまり作らず、勉強に全てを打ち込み、優秀な成績を収める。受験合格を確実にするためには、あとは内申点。今回の実行委員参加はポイントアップに申し分ない。
みんな、それぞれすることがある。いまひとつ乗り気のしない祭りに深く関わる気は無いし、所詮は子供。出来ることも限界があるから、そんなに任せられても無理だと冷めている。
東京からやって来て参加することになった女性花火師の真知子。最初こそ、見た目の綺麗さに合わせた淑女らしさを見せていたものの、まとまりのない女子高生たちに痺れを切らせ、本性を現す。祭りのプロだけに、男勝りで、グダグダしているのが大っ嫌い。女子高生の首根っこ掴んで、無理矢理に頑張らせる。
そんな温度差に始めは戸惑いを見せるものの、女子高生たちはいつの間にやら、一致団結して、祭りを成功させようと奮闘し始める。そんな姿を羨ましそうに見つめながら、影ながら少しでも役に立とうと、控え目に、でも誰よりも祭りを楽しみにして、行動を共にする子も現れる。ユウという名前らしい。

そんなある日、祭りの中止が伝えられる。予算不足が理由らしいが歯切れが悪い。
せっかくの頑張りを無駄にしたくない。みんなで市役所に直訴しに行こうとするが、花火師がそれを止める。決まったことは覆らない。ましてや、子供が行ったところで。
その通りだろう。現実は甘くない。ちょっと、燃えちゃったけど、なんということはない。また、元の生活にそれぞれ戻るだけだ。
夕夏はボケーっと補習。明日香は怪しく自分の実験。万里子はひたすら泳ぐ。澄香はバリバリ勉強。
みんな、ふと、思い出したりすることもあるみたい。あの大変だったけど、楽しかった日々を。もう戻らないあの日々。でも、今は今だ。
そんな中、かおるは納得いかず、町を彷徨う。そこで、あの花火師が市役所に祭り開催を頼み込んでいる姿を見る。私だけ代わりを立てればいいのではないのか。あの子たちの本気を無駄にしたくない。
かおるはその言葉を聞き、祭り中止の真相を調べ始める。
5年前の東京で起こった花火事故。死者を含む、多数の犠牲者を出した。その時の責任者が真知子だった。そのことが発覚し、危険を理由に祭りは中止になった。

かおるは、仲間たちに全てを伝える。
夕夏はもう一度頑張る気になってくれた。単純だがきっといい子なんだろう。明日香も打ち上げへの執着からか協力することに。
そんな動きを知った真知子は学校の先生にもお願いするが、事故のことを黙っていたことを責められる。田舎町の小さな祭り。大したことはないと舐めていたのだろう。彼女たちの祭りへの本気を踏みにじったのはあなたではないのか。真知子は返す言葉がない。でも、一緒に行動した皆は知っている。彼女も、またこの祭りに本気で真剣に関わろうとしたことを。
澄香は、受験に必死で、もう一度と言っても、聞く耳を持たない。
万里子には、もう今は泳ぐことしか考えていないと無視される。
夕夏は悔しさからか、万里子に勝負を挑むことに。
それも泳ぎで。負けたら祭りに協力してもらう。その代わり、勝てば何でも言うことを聞く。裸でお遍路だってもちろん構わない。
夕夏、明日香、かおる vs 万里子の100m対決。勝負は3日後。
ちなみに、かおるは泳げない。
対決の日。無理は承知で、必死に泳ぐ3人。そんな姿に、見届け人として拉致されていた澄香と真知子は声を振り絞って応援する。
勝負は3人の勝ち。万里子は途中で立ってしまった。本気を出さなかったのではない。わざとでもない。ただ、何で自分が泳いでいるのか分からなくなったから。昨年のインターハイでも実はそうだった。

こうして、また再び、皆で祭りに向けて活動開始。となるはずだったが、澄香は、まだ協力する気はないらしい。
そんな澄香にユウは近づく。もっと、リラックスして、自分に正直に。彼女の凍った心は少し溶け始める。
残りの4人は、合同文化祭という形で祭りを復活させる案を先生に持ちかける。もちろん、花火も。
でも、何の書類も無い。3校合同なら、各校の承諾書が必要。澄香の通う進学校が、こんな遊びに協力するとは思えない。それに、花火をするなら、設計図から安全管理の書類など、膨大な資料が必要。勢いだけの女子高生たちは、そんなことまで頭が回るわけも無く。先生も協力してあげたいけど、これではと断念ムード。
この空気を断ち切ったのが、現れた澄香。
頭がいいのは伊達では無い。全ての資料を準備してくる。私がいないと何も出来ない奴らだから。そして、私は彼女たちがいるからきっと何でも出来る。
先生もここまでされたらと協力を惜しまないことを約束してくれる。

祭りを盛り上げるには。
花火はいいけど、それだけでは物足りない。
女子高生たちはよさこいを披露することに。もっとも、自分たちで大胆に改変するらしく、どうもおかしな方向に進んでしまってはいるが。
花火の方は一尺玉が完成。祭りまで大切に保管する。もう二度と事故など起こしたくないから。
そして、やぐらも協力して組み上げる。
これで、後は祭りの日を待つのみ。

祭りの前日。
あいにくの台風で大雨。
みんな、やぐらが心配で、大雨の中、様子を見に来る。
先客がいた。ユウがやぐらの前に立っている。
危ないから帰れと言うけど、そういうわけにはいかない。心配だから。何も出来ないけど、ここにいて、想いだけでも、誰なのか何なのかは分からないけど伝えたい。
そんな中、保管庫にあったはずの一尺玉が向こうの方に見える。
みんな、急いで一尺玉の方に向かう。その途中、崖から滑り落ちてしまう。
そこには、一つの小さなお墓があった。自分たちと同じ女子高生の墓みたい。日付は明日の祭りの日だ。きっと、思い残すことがいっぱいあっただろうに。やりたいこと、挑戦したいことも。祭りとかもまだまだ楽しみたかったはず。
彼女たちは、明日、使う予定のよさこいの鳴子をそっと供える。

祭りの日。
花火師はイライラしている。
女子高生たちが来ないから。
先生にも、女子高生が行方不明になっていることを知られ、祭りは中止にすると言われる。
女子高生たちがボロボロになってやって来る。
昨日、崖から落ちて、何とかここまでたどり着いたらしい。
なにわともあれ、祭りは開始。
まずは、花火だ。
でも、花火が着火しない。それもそのはず、昨日の大雨の中、外に置かれていたので、湿っけてしまっている。
残念ながら打ち上げは中止か。
一つだけ方法があるらしい。直接導火線に火をつける。
危険も伴う。でも、真知子は経験があるからやれると言い張る。もちろん、観客はもちろん、女子高生たちは遠くに避難させるつもり。
先生は大反対するが、真知子の意志は固い。
皆を避難させ、真知子は一人、やぐらに向かい、一尺玉に火をつけようとする。
その時、避難したはずの女子高生たちが戻って来る。そして、やぐらの方に向かって来る。昨日の大雨で地盤が緩んでいる。花火を成功させるために、私たちにも出来ることがある。
女子高生たちは、やぐらを取り囲み、支え始める。気付けば、ユウや先生もその中にいた。
一尺玉は着火し、花火が打ち上がる。
そして、女子高生たちのよさこいが始まる。
先生や真知子、ユウもその踊りを笑顔で見守っている。
皆で作り上げた祭り。
女子高生たちは、自分たちの誇り、そして皆への感謝の気持ちを込めて、ひたすら踊る。その向こうに、あの鳴子を掲げ、自分たちと同じように、いや、自分たち以上に祭りを喜び笑顔を浮かべるユウの姿が見える・・・

上記したように、熱血青春物語そのもの。
ブレることなく、ひたすら女子高生たちが走り、その姿に大人も動かされ、一つの祭りというゴールを迎えた話。
こんなどストレートな青春群像劇。同じように皆で走り、その周囲も巻き込んで、出来上がった祭りのような楽しさと同時に尊き優しさとかも感じさせる作品を創ったというこの公演と同調しているのかもしれません。
子供のように純粋でまっすぐに感情を露わにして、温かさや優しい空気を醸す夕夏、プリン松さん。
自分自身を見詰め、悩みながらも覚悟を持って道を見出そうとしながら日々を過ごす男前の万里子、宮崎サカナさん。
狂気と執着。気持ち悪さの中に、何事にも左右されない没頭することから生まれる無限の力を感じさせる明日香、玉一由樹美さん。
とにかく倒れる、吐くキャラが一切ブレない、笑顔の可愛さの中にある一本筋が見え隠れするかおる、江藤美南海さん(第三劇場)。
人の目を気にして、自由に生きれない不器用さから、固まった、凍った自分が、仲間と共にぎこちなさを見せながらも柔らかく、溶けていく姿がとても素敵な澄香、上久保梓さん。
素朴さ、人懐っこさ。その残された思いが哀しく切ないが、この一時の祭りまでの時間で昇華されていく様に、作品全体に温かさをもたらすユウ、みなみさん。
江戸っ子チャキチャキ。女子高生に負けずの弾けっぷりという勇ましい姿を見せる、真知子、辻野加奈恵さん(チャイカ)。
自制心、責任感、妬み。勢いだけでは対処できない様々な人生の酸い甘いを経験したからこその視点で女子高生を見詰める先生、大田アキラさん。
こんなにまで個性豊かなキャラが絡み合って、一つのことをやり遂げる。そこから浮き上がる共通したもの。きっと、それは互いに抱える不安や悩みを見詰め合って、それを思いやりながら、自分もあなたもより良き道を見つけて歩みましょうといった優しい心。その集大成に楽しき祭りが出来上がったことに、心が温かくなり、心地よさを感じるのだと思います。

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コメント

玉一さん観たかった… 以上。この周辺は後から後から公演が追加されてきて。身体2つないとムリやっちゅーねん、と(笑)

投稿: KAISEI | 2015年9月10日 (木) 10時55分

>KAISEIさん

玉一さん、きっしょい役でしたよ。面白かったけど。
セクシーシーンもあったのに( ̄ー ̄)ニヤリ

投稿: SAISEI | 2015年9月16日 (水) 20時28分

くそうΣ(ノд<)

投稿: KAISEI | 2015年9月16日 (水) 23時05分

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