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2015年8月17日 (月)

LAST NOTE OF PANDORA【劇団SOLA&モデルスクール sen-se】150816

2015年08月16日 近鉄アート館 (110分)

汗ほとばしる若さ、溢れる元気、がむしゃらな熱量、突き進むパワー、アクティブな動き、情熱的な歌声・・・
洗練された美、凛としたたたずまい、張りつめた空気、優雅な動き、落ち着いた身のこなし・・・
劇団SOLAの若くて元気な女の子たちと、モデルスクールsen-seの美しく綺麗な女性の方々の魅力を融合させた作品となっているようです。
融合というか、ぶつかり合い。それが弾けて、大きなパワーを舞台に生み出したかのような作品が出来上がっているように感じます。

話としては、若い子たちが、仲間たちと共に、自分の人生を切り開く勇気を持つことを描いたような作品。
自分自身を表現する。より輝く自分を。
そのために、今、身に付けているものだけでなく、色々なものをさらに身に付けないといけない。それは、自分で選ぶ、各々の魅力を引き立たせるもの。
でも、それを手に入れるには、きっと辛いこともたくさん降りかかってくる。それでも、仲間たちと助け合いながら、それに打ち勝ち、その先にある希望を見出そうといった、今、進む道への覚悟や決心を感じさせられました。

プロメテウスは人類に火を与える。
それに怒ったゼウスは、災いの源、パンドラという女性を作る。神々は、パンドラに美や知、そして、箱を持たせる。
プロメテウスの弟、エピネテウスはパンドラに魅惑され、その好奇心からパンドラの箱を開けてしまう。
箱からは様々な災いが飛び出し、後には希望だけが残った。

天使のような3人組が、若い女の子たちの下へそんな箱を持って来る。
リーダーシップを取る子、おとなしい子、お調子者、変わった子、・・・と様々な個性を持つ女の子たち。
3人組は、女の子たちに箱を開けさせようとする。

ファッションモデルたちが、浴衣姿の女の子たちを華やかな紅いドレスに。
マネキンたちが、普段着をシックな黒いドレスに。
そんな夢を見させても、女の子たちは箱を開けるのを躊躇する。
ジャージ姿の女の子たち。隙を見て、救急箱と思わせ、無理やり背中を押して開けさせようとするが、失敗。

かつては、多くの人を手助けしてきたのに。
江戸時代には花魁の叶わぬ恋の手助けも。まあ、叶わないから、救えはしなかったのだが、花魁のまた別の誇りある人生を歩む手助けにはなったはず。

最終手段は操って開けさせる。
でも、女の子たちは操られていることに気付く。
私たちは、こうして、ずっと操られているのだろうか。
違う。自分たちに合ったドレスのような服に着替え、ファッションモデルかのように、舞台を歩くショーの夢を見ていた時、自分たちは楽しかった。
人生変わったかのようだった。
自分の着たい服を、自分で選んで身につけたら、違う人生がきっと開ける。
箱を開けるって、きっとそんなこと。
怖いけど、開けてみよう。
パンドラの箱が開けられる。
思い思いの服を纏い、自分たちの輝く姿をファッションショーの中で見せる。不安で足が前へ進まない者には手を携え、声をかける。一緒に運命を切り開きたいから。
時が経った時に思い起こすだろう。
勇気を出して、一歩踏み出したこの時から、自分は変わり、自分だけの大切な人生を切り開いて進んだことで、今があることを。

災厄が渦巻く、この世の中で、希望の残る箱を、若い子たちの手で開けて取り出すようなことを描いているのだろうか。
本当に希望が残っているのか。これ以上の災厄がまた飛び出し、全てを台無しにしてしまうかもしれない。
それでも、今を変えるには、自分たちの手で箱を開けるしかない。
希望は自分で探し、自分で掴もうみたいな感じでしょうかね。

話の感じとしては、若い女の子たちは、日々、楽しく過ごしているけど、自分自身の表現に関して悩んでいるようです。
歌や踊りなど、様々なレッスンを受け、その実力は身についているものの、それを表現として魅せるというのは、またもう一つ壁を乗り越えないといけないことなのかもしれません。
そんな頑張る女の子たちの背中を押して、自分を信じて、もう一歩踏み出した、自分だけの表現に挑戦してみなさいと、3人組の天使は言っているようです。
ファッションショーが絡んでいるので、3人組はコシノ三姉妹みたいなイメージでしょうか。彼女たちによって創られた鮮やかなファッションのモデルたちが、女の子たちに自分を魅せる手段を教えているかのようです。
みんな、とても綺麗。歩く姿だっていかしてる。そんな素敵な自分が、あなたたちの中にはこれからの希望として秘めていることを知って欲しい。そして、そんな秘めたる力を、もっともっと輝かせられるように、様々な試練を覚悟して、その希望を見出すように箱を開けてみてといったようなことを描いているように感じます。

降りかかる様々な辛いことの先には、必ずあなたの希望がある。それを掴むためには、怖くても箱を開けなくてはいけない。辛いことにも耐えて頑張れる自分、輝くことが出来る自分を信じて一歩踏み出すことをパンドラの箱を開けることとして捉えているような話でした。

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コメント

8月16日(日)12時~劇団SOLA初観劇。昨年8月? の旗揚げから気になっていたものの他公演とのハシゴの関係などでたぶん都合3本逃しているのかな? ステージタイガーの虎本さんが演出をされたりしてるのでそれにも興味があったんです。


今回はムーンビームマシンにダンサーとして出演されてる団長の高安さんや昨年の劇団カラクリで印象に残ったオーディション組の伊藤さん・今年の暇ステの公演で印象に残った加島さんを観るのも楽しみに近鉄アート館へ。


若い女性が多数出演されたということもありとても華やかな舞台でしたね。照明などの使い方からショー的要素が強い舞台だったと感じました。


内容そのものはそんな深いわけではなくて勇気を出して自分で新しい世界に踏み出していく、みたいなメッセージの込められた舞台でした。


いろいろな趣向が盛り込まれていて目先を変えられたこともあり2時間経つのが早かったです。


最後の歌などはサービスいいなあ、と思いました。でも最近の子は歌もダンスも上手い。印象に残った役者は豆田さん。歌も上手かった。


高安さんも舞台慣れされてるのて流石、と思った表情をされた時がありました。


ただ公演全体では六本木香和の方々が1番印象に残ったかな。やっぱり商業でやったはる? から見(魅)せるのが巧い


DVDどれ買われたんですか? また感想楽しみにしています。


あと好みの娘いましたか?(笑) もし宜しかったら教えてください(笑)私も言いますので(笑)

投稿: KAISEI | 2015年8月21日 (金) 05時50分

>KAISEIさん

もうちょっと芝居にウェイトが欲しかったところもありますが、まあ、個々の力、その集まりから発せられるパワーを魅せる公演なので、あれでいいのでしょうね。
楽しかったです。

好みの娘、印象に残った娘・・・
皆さんを目で追っかけるだけで精一杯。高安さん、伊藤さん、豆田さんはその中でも目を惹いたかな。
最後の方で緑リボンで髪くくってた子、私の可愛いい発見センサが作動したんだけど、誰か分からず。写真見ても・・・

投稿: SAISEI | 2015年8月24日 (月) 12時28分

緑リボンは高倉響さんだそうです(笑)

投稿: KAISEI | 2015年8月25日 (火) 10時53分

>KAISEIさん

(*^.^*)
情報網、凄いですな。

投稿: SAISEI | 2015年8月26日 (水) 18時30分

コシノ三姉妹は思い浮かばなかったなあ…

投稿: KAISEI | 2015年9月 3日 (木) 01時21分

>KAISEIさん

前に、ドーンセンターでコシノ三姉妹を描いた作品を観た時の記憶が蘇ったのかな。
まあ、関係ないでしょうが。
イキイキと輝く女性の姿は、やっぱり見ていて素敵ですね。

投稿: SAISEI | 2015年9月 7日 (月) 18時10分

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