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2015年6月

2015年6月30日 (火)

ふがいないや【劇団冷凍うさぎ】150629

2015年06月29日 アトリエ S-pace (120分)

食人一家が住む町で起こった、連続殺人事件の真相を追うみたいな、ドキュメンタリータッチの作品。
もう、うんざりだ。というぐらいに、人が連鎖的に死に続けます。そして、そこには多くの人の歪んだ感情が渦巻きます。
その中から、どうして死ぬのか、死なないといけないのか。だったら、生きるって何なのかということを考えながら、観ていると、ほんの少し、でもきっとそれが全てであるような、大切なものが見えてくるようです。
それは、多分、憎しみ、妬み、無関心と負の感情が渦巻く中でも、存在している愛だと思います。

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2015年6月28日 (日)

ヘルタースケルター -リブ・アンド・レット・ダイ-【TEAM☆RETRIEVERS】150628

2015年06月28日 オーバルシアター (90分)

いまひとつ解釈できないところが残ってもどかしさがありますが、役者さんの熱演光るいい作品だったように思います。
他人と自分を比較しても仕方が無い。他人は自分を貶めるために存在しているのでは無い。あなたが、生きるために、様々な考えを与えてくれて、自分の生きる道を拡げてくれるためにいる。だから、自分を見詰めると同時に、他人にも目を向けて、その関わりの中で、自分の生を豊かにすればいい。
不器用で巧く生きられなくても、それは死に通じるものではない。あなたが生きるということで、他人も生かされている。
与えられた生をただひたすら全うすることが、人としての大切な使命です。
そんなことが感じられるような話でした。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで>

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さよならウィキペディア【劇団ジャブジャブサーキット】150627

2015年06月27日 ウィングフィールド (105分)

突拍子もない話で、なんじゃこれといった作品ですが、よくよく考えてみると、確かに作品名にあるような、情報社会への警鐘が隠されているような気もします。
情報は、今やいくらでも手に入り、それを繋げることで、何かの真実にたどり着くことはあるでしょう。
でも、私たちは人間ですから。真実を知ることも大事ですが、そこにある人の想いや心を見詰めることを忘れてしまえば、そんな真実にどこまで意味があるのか。
凄いテクノロジーの下では、情報など一瞬で消し去ってしまうことも出来るようです。世のありとあらゆるデータが消されてしまったら。もちろん、とても困りますが、それでも人の心や記憶までは消せないでしょう。そこに人間という、コンピューターとかではどうやっても真似できない素晴らしい価値があるような気がします。

<7月に東京で公演があるようです。ミステリー要素もあり、下記、犯人が推測できるような文章が含まれており、ネタバレしますので、重々ご注意願います>

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零度の掌【May】150627

2015年06月27日 シアトリカル應典院 (140分)

在日が、親類と会うために、祖国、北朝鮮を訪ねる話。
日本を出発する時から、北朝鮮で親類と会って、また、日本に帰って来る姿を描く、それだけです。
それだけの中に、北朝鮮の現実、そこで生きる人、在日として生きる人の姿を浮き上がらせています。
心揺さぶられるのか、何なのかはよく分かりません。心が熱くなって、涙が込み上げてきます。
再会する感動、苦しみの中で必死に生きる辛さ、弱者に付けこむ汚さへの怒り、・・・
涙に繋がる要素は多々ありますが、感覚的なのでうまく書けませんが、そんな一つ一つに涙するのではなく、この作品そのものに涙が溢れてくるような感じです。
作品を観て、人の痛みを知るからでしょうか。それとも、その痛みを見せることは、自身を見詰め、その痛みを思い起こすことになるのに、それでも、見せようと真摯に描こうとされているからでしょうか。
ほんまもんを見た。だから、そこにいるほんまもんの人たちの姿に心を打たれた。多分、そういう作品だったように思います。

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2015年6月27日 (土)

運命の子供【伊藤えん魔プロデュース】150626

2015年06月26日 近鉄アート館 (130分)

一言で言えば、人生訓が詰まった作品だと思います。
乳児という未熟な存在。それは、人が生まれたばかりで物理的にも精神的にも多くの大人と呼ばれる者たちの手助けが必要な状態だからですが、ずっと生きて大人になっても、別視点からはまだまだ未熟だったりするものでしょう。
何も変わらない。その生きるステージで、次のステージを目指しながら、成長しようと頑張る。その時に、やはり周囲の仲間、その時点で自分よりも大人の人たちの手助けを得ながら。
こうして、自分の成長を繋いでいくことが生きる証。成長を止めてしまえば、そこで、終わってしまう。
もう記憶には無くなっているだろうけど、誰もが確かにあったあの乳児の時間。その頃にきっと、思い描いていたであろう、多くの不安や、他人への憧れ、嫉妬、自分の能力の限界を抱えながらも、成長することの喜び。
未熟な人間の象徴として、乳児を題材にして、大人が演じるのでコミカルに魅せながらも、今の私たちにそんなことを語りかけてくれるような話でした。

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2015年6月22日 (月)

かつての風景【ikiwonomu】150622

2015年06月22日 KAIKA (70分)

素晴らしいマイム公演でした。
主宰の黒木夏海さんの作品は、以前に拝見した時に、とても分かりやすく、ちょっとくすりとしてしまうコミカル要素も絡めて、温かく優しい空気を醸されるので、お気に入り。
観逃すわけにはいかんと、公演激戦の土日を外し、ちょっと仕事の都合は無理矢理つけて、月曜日に伺ったのですが、期待以上に素敵な時間を過ごせました。

やはり相当、鍛錬を積まれているのでしょうかね。
その役者さんの動き、表情、たまに発せられる声は、緻密で繊細で。まさに、息をのむ観劇状態になりました。
そこにある物、ひいてはそれらが創り出す風景、音、言葉などが、実際に見る、聞くを超えて伝わってくるような気がします。何だったら、何か匂いまで漂ってくるくらいです。
そして、その状況の中で、感じる登場人物たちの心情。そこにあるかけがえのない大切な想いが、何よりも美しく尊きものに感じられ、心震わされます。

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POST★GIRL【激団しろっとそん】150621

2015年06月21日 MOVE FACTORY (95分)

おかえりなさい、しろっとそん。
長く待っていた私たちを、迎えてくれたのは、各々の道で成長し、その魅力を高めたメンバーの方々と、その力を結集し、また一つになって創り上げた文化祭と称したとても楽しい時間でした。
いい時間でした。

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2015年6月21日 (日)

夏の魔球’15【吉本新喜劇 佐藤太一郎企画】150621

2015年06月21日 近鉄アート館 (140分)

どうでしょうかね。感想としては面白かったと記しておきます。
この作品は以前にも、他劇団で拝見しており、やはり素晴らしい。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/130-c6bf-2.html)
その作品の魅力を引き立たせる個性的な役者さん。笑いと熱さの巧妙なバランスを持って、リラックスして楽しみながら観ることが出来ることは、以前に拝見した佐藤太一郎企画と同じく。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/14-140625-643e.html)

とてもいい話だったと思うし、だいぶ笑かしてもらって楽しかったなあと思います。
でも、あんまりブログに感想を書く気が出ません。
作品を観に来たのか、単に新喜劇の役者さんを見に来たのか、ただ笑いに来ただけなのか、よく分からず、私とは、笑いはまあ同じだけど、涙のポイントとかに明らかにズレが生じている全体の空気に、それが分かりやすい形として現れている、すぐ側で観劇していたおばちゃんたち。
携帯を切れば、お喋りはして構わないと思っているのでしょうか。着信音はある程度鳴れば静かになるし、どこかボタンを押せば音は止まります。正常な機械なら。だけど、おかしい人のお喋りは公演中ずっと続く。その若いお姉ちゃんの口を塞がない限り。
退屈なのか、カバンをガサゴソ、足をブラブラ。お喋りは当たり前。声をあげて駄々をこねる。挙げ句の果てには、立って動き始めてしまう子供。隣にいた方々は、親じゃないんでしょうね。私の常識では、注意するか、連れて出るかしますので。それか、教育方針で、外では人に迷惑をかけるように、厳しく言い聞かされているのでしょう。
そして、客を会場の中に詰め込めば、それでミッションは終了なのでしょう。一切、注意をしない場内スタッフ。
これではねえ・・・

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俺の屍を越えていけ【いるかHOTEL】150620

2015年06月20日 B.SQUARE (95分)

6人の中堅、若手社員が、管理職以上の上司を誰か一人選んで辞めさせるという社長命令を下され、話し合うという作品。

凄い臨場感。気が重い会議の空気がひしひしと伝わる。
濃密な話の中に完全に惹き込まれる。個々のキャストの個性的な魅力も栄えている。
また、話がリアルだ。これから、本当にぶつかる問題だろう。
今、44歳の自分は、その時、どちら側にいるのかと思ってみたり。
早ければ、人を斬る苦しみ、遅ければ、斬られる苦しみか。人を斬るよりかは、斬られたいなんて言いたいが、きっともがき苦しむことになるのだろう。
話自体は、これからの若手に斬る想いをさせたくないから、自決するといった形をとる、ある男の姿と、その姿を胸に、今、出来ることをひたすら頑張ろうとする若い人の姿が描かれる。

今、活躍している自分の周囲には、そうさせてくれる環境を整えてくれていたり、かつて自分を指導してくれた先輩や年配の人たちの姿があることに気付こうとするような話でしょうか。同時に、社会問題ともなる、老害みたいなものを、セクハラや最新技術についていけないみたいな単一視点で全否定してしまうことで失うことの大きさも伝えているような気がします。
若者はまだ、未熟だからという理由で、技術的に足りないことや、思慮が足りない行動を許容されることがあると思います。でも、それは、年配の者でも実は同じなのでしょう。年配の者でも、足りないことはたくさんあります。時代に合わない行動を思慮が足りないと言うならそうなることもあるでしょうし。
出来なかったら否定。自分にあるのに、その人に無ければ否定。
そんな否定し合って戦うような関係ではなく、互いに、利用できるところを使い合うぐらいの巧妙さを持って、補填し合える関係があればいいように思います。もちろん、そんな先導は、きちんと年配の者がする責任があると思いますが。

<以下、あらすじを書いていますが、有名な作品みたいなので、調べたら出てくると思いますので、白字にはしていません。ご注意願います。公演は、本日、日曜日まで>

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輪廻 万華鏡展【星屑企画】150620

2015年06月20日 STAGE+PLUS (125分)

三部作の最終章。
前2作品も一応観ている。あまり覚えていないのだが・・・
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/110305-dd54.html)(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/09/yellow-sunrise-.html

人が生まれ、死ぬ。そして、きっと生まれ変わる。
繰り返される人生。
その輪廻は、単発の事象では無く、永遠に受け継がれていくもの。
かつての人生で経験したこと、教えられたこと、感じたこと、悲しかったこと、誤っていたこと、大切に想ったこと・・・
そんなものは全て記憶となり、その人の中に刻まれる。
そんなことを、自分の人生の記憶を一つの作品として描きながら、その作品で彩られる美術館を自分自身のように見詰めてみる話。
コミカルで不可思議な短編をオムニバス形式で楽しく観ながら、最後に今、生きている自分自身の存在への想いを浮き上がらせ、作品名の意味合いを分からせるといった巧妙な作りになっている。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は本日、日曜日まで>

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2015年6月20日 (土)

ツキノオト【満月動物園】150619

2015年06月19日 シアトリカル應典院 (140分)

この劇団、初観劇作品。もう5年前になりますか。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/100813-b52c.html
今では、当たり前になった、この劇団特有の美しい舞台の空気に、なかなか感動していたようです。
あらすじは書いていないのか、少し変わったのか、よく分かりませんが、基は同じですが、ずいぶんと膨らんだような気がします。

想いを通じ合わせることって、本当に難しい。
きっと無理に引きずり出すことをしてもダメだし、ただ待っていても時間が経つだけ。
結局、そこに想いがある。これに寄り添って、人を信じていかないとしょうがないのかなと感じさせられました。
そして、人生というのは、限られた時間。その限られた時間にいつ終わりがくるかは分からない。生死を分かち合うことで、そこにあった想いが消えるだけなら、まだいいような気がします。残される生きる者にとっては、別れによって、伝えられなかった想いは、悔いや悲しみに変わってしまい、苦しみを生み出す。だから、限られたその時間で、少しでも、人の想いを感じ合いながら、喜び、楽しみを生み出し、幸せな時間を過ごしていきたいとも思わせられるような話でした。

<以下、ネタバレしますが、再演作品なので、白字にはしていませんのでご注意願います。公演は日曜日まで>

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2015年6月19日 (金)

Windows5000【壱劇屋】150619

2015年06月19日 インディペンデントシアター2nd (120分)

原作を創られたヨーロッパ企画が面白いのか、そこに目をつけてご自分方で公演にまで持っていった壱劇屋が面白いのか。
とにかく面白い作品であることは間違いないだろう。

ある集合住宅のようなところに住む人たちの生活を覗き見する実況放送。アナウンサーと解説者のような振る舞いをすることになる男二人の掛け合いは見事。笑いが絶えない。
近未来を描きながら、現代社会への痛烈な批判も組み込まれる。特に、最近、大阪では話題になっていることもあるので、その感覚はひとしおだろう。
そして、舞台セットの凄さ。
この作品の感想は、ネットで少し調べていたが、オチがあっさりし過ぎというコメントがちらほら。観ていると、確かに最後の方で、これで終わるなら、本当にオチが弱いなと思っていたが、オチは何も話だけでつけるものではないだろう。
最後に観る舞台での姿そのものが、この作品の見事なオチになっており、感動する。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで。下記の白字部分に記していますが、ゲスト目当てで観に行くのもなかなかおつなのでは。それと、この作品は面白い。ヨーロッパ企画が面白いのは、私もよく知っていますが、観に行ったことは数回しかありません。その理由は、すぐに席が埋まってしまうから。仕事の都合上、早くても1週間前ぐらいじゃないと予約できない者としては、なかなか厳しいのです。それが、なんと。この劇団には失礼ですが、まだ席は十分あるという。それなら、せっかくだから観に行かないとね>

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キスインヘル【悪い芝居】150617

2015年06月17日 HEP HALL (140分)

2年ぶり。
かなり歪んだ恋愛像を描いたラブストーリー。
・・・を、ベースにその愛を叫ぼうとするライブみたいな公演だろう。
歪な設定なので、その姿に変態性や異常性を感じてしまうが、よくよく深く見詰めてみると、狂おしいぐらいに好きという純粋な想いから成り立つ純愛がしっかりと隠されている。
そんな愛の素敵さを、最後に爆発させて、公演は締められる。
私は突然の爆発に唖然としてしまって、申し訳ないことに立つタイミングを失って呆然と観ていましたが、刺激を受ける作品だと思います。
立たなくても、その愛を感じて勃てばいいんじゃないですかね。
そんな作品だったように思います。

<以下、あらすじがネタバレします。大阪公演が火曜日まで、その後、東京でも公演が続き、公演期間が長いので、白字にはしていませんのでご注意願います>

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2015年6月15日 (月)

アタックチャンス【ThE 2VS2】150614

2015年06月14日 インディペンデントシアター1st (90分)

難しい作品を観た時の感想はなかなか書くのが辛い時がありますが、こういう面白いという感想しか書けない時もまた同じく。
そうですね。
前回公演は、場外ホームラン1本、ホームラン1本、いい当たりのヒット2本、ポテゴロ1本、空振り1本といった感じでしたが、今回は場外ホームラン1本、いい当たりのヒット5本といった感じでしょうか。
要は勝ち試合だということは間違いないということです。

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山の声 -ある登山者の追想 山編【カムヰヤッセン】15614

2015年06月14日 ウィングフィールド (75分)

孤独を愛し、孤高にストイックに生きる。誰かの後を追随するわけでもなく、苦しい時に助けを求められる人の隣にいるわけでもない。道は、自分が切り開いて、その先の新しい世界を目指し続ける。その道の厳しさに怖れ、自分の力の限界を知り、悩み苦しむ。それでも、その道を進むことは決して止めない。
人を求め、家族や友への愛情に溢れている。人を拒絶するような孤独ではない。誇りある孤独。自分が戦う孤独の時間を愛すると共に、家族や友と過ごす時間を大切に想う。
作品を観ていて浮き上がる、加藤文太郎という登山家の人物像。
その加藤が、命を絶つことになる最期の登山の遭難の様子が描かれる。
それは壮絶であるが、彼が最後まで、自分の生き様、精神を守り抜き、愛する家族の下へ戻ったような形となっている。
切なさと同時に、悔しいという気持ちが湧き上がる。

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2015年6月13日 (土)

赤ずきん The Labyrinth【ムーンビームマシン】150612

2015年06月12日 HEP HALL (110分)

今の自分は幸せ。もしくは不幸せ。
幸せの象徴のような赤い頭巾をかぶっていれば、お金があれば、地位があれば、健康があれば、可愛がられていたら、信じられていたら、愛されていたら・・・、幸せ。
不幸の象徴のような青い頭巾をかぶってしまうと、お金を失えば、地位を失えば、健康を失えば、嫌悪されていたら、妬まれていたら、恨まれていたら・・・不幸せ。
そんな単純な選択肢で人の幸せは決まらない。
様々な状態に身を置けば、自分自身や相手のことを見詰めることが出来るようになる。
その時、人には様々な色があり、それが混ざり、彩り合って、素敵な世界が生まれることを知る。決して、一人ぼっちで、素敵な世界は創られない。
今、生きている世界をより良くするために、何色の世界にするとかではなく、みんなで持ち寄った素敵な色で、世界を彩りましょう。
そんなことを、赤頭巾を脱いで、青い頭巾をかぶり不幸だと嘆く赤ずきん、その脱いだ赤頭巾に執着して、かぶり、幸せだと言い張るある者を通じて、童話風に伝えているような話かな。

少しややこしい話の展開の割には、あっさりとした結末で少し物足りなさは残る感じでしょうか。
舞台の魅せ方は、これまでどおり、卓越したレベル。ただ、贅沢な悩みです。昔ほど、衝撃は受けません。もう、この点に関しては、私の中では飽和しているのだと思います。
後は、もっと、凄いことをしてくれるか、それか、話をあり得ないくらいに感動するものにしてもらう。
求めるものは大きいです。
もうここは、自分で楽しむのはもちろんですが、それよりむしろ、人に薦めていくべき公演になったのかもしれません。
まだ、あまり観ていなかったら、それはもう衝撃を受けるはずですから。
月曜日まで公演は続くので、機会があれば、観ておくと、他の公演との比較ともなるので、いいように思います。

以下、若干ネタバレ。許容範囲だと判断して白字にはしていませんので、ご注意願います。

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メインディッシュはちゃうかちゃわん ~それってメインディッシュなの~【劇団ちゃうかちゃわん】150613

2015年06月13日 大阪大学豊中キャンパス 学生会館2階大集会室 (110分)

毎年、このオムニバス公演は観に伺うのですが、疲れますね。感想書くのが・・・
下記の感想を書き終え、今、ようやくこの冒頭部分を書いています。
観るのは気楽なのに、なぜか、毎年、膨大な時間がかかってしまいます。
きっと、新入生の方も入って、いつも以上に様々な人の熱が籠っていることを感じるからでしょう。

今年は6作品中、4作品しか観られませんでした。
今年の印象を思ったまま書くと、だいたい下記のような感じでしょうか。
脚本が非常にしっかりしている。30分弱で短か過ぎず、間延びもしていない良作。
映像の技術が上がったのか、従来のエンタメに巧く溶け込み、より魅力的な舞台が出来上がっている。
上回生の方々の舞台での姿はやはり貫録があり安定、安心感がある。
派手さは無く、じっくりと落ち着いた感じだけど、何か奥に潜んでいる面白さが浮き上がるような役者さんが多い。
新入生、可愛らしい方が多い。
と、これぐらいかな。

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キンセアニェーラ【baghdad cafe】150612

2015年06月12日 カフェ+ギャラリー can tutku (20分、15分、15分、25分  切り替え、各5分)

次回本公演に向けての試作公演。
3つの15分程度の作品を上演し、最後に各々の作品の説明、PRポイントが語られる。
そして、客はどれかを一つ選ぶ。

イベントとかではありそうな感じだが、これに演劇的な技術を加えて、新テイストの不思議な魅力を醸す作品。
役者さんの言葉と身体から創り上げられるサイケデリックな空間を楽しむ、コレクトエリット風の作品。
時間と空間軸を交錯させ、二つの表現者の物語を描く、sunday風の作品。
こんな感じでしょうかね。
好き嫌いはありますが、各作品とも魅力や期待が感じられ、本公演のレベルにまで拡げたら、面白そうな作品が並んでいます。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2015年6月12日 (金)

この町で、僕はバスを降りた【がっかりアバター】150612

2015年06月12日 シアトリカル應典院 (100分)

初めて拝見して衝撃を受けた俺ライドオン天使でのはちゃめちゃなエログロ、不謹慎さをかなり抑え込みながらも滲ませ、やっぱりがっかりアバターだなと思わせる。
ここはかなり魅力的な劇団だと確信したおしゃれな炎上と私が一番名作だと思っているあくまのとなりのような系統を引き継ぎ、生きる中での苦しさから、ほんの小さな幸せを見つけ出そうと懸命に生きる力強さを感じさせる。
そして、私は全く合わなかったが啓蒙の果て、で恐らくは描きたかったのだろうと思っている愛の交錯、そこから生まれる苦しみと対峙して、生き抜くという強い覚悟。
当日チラシにこれまでの集大成の作品だと書かれていますが、確かにこれらが全て盛り込まれているような感じです。
そして、エンタメ風の魅せ方にバランスの良さが出たのかな。それとも、色々な悩みが吹っ切れて、勢いが増したのでしょうか。何かはよく分かりませんが、非常に洗練された知的さや、音楽を組み込んでいるからか、リズムの良さと言葉の重みが感じられる作品として仕上がっているように感じます。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで>

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彼女の起源【劇団鹿殺し】150611

2015年06月11日 アイホール (110分)

圧巻。
凄まじい舞台でした。
生演奏や歌による豪快でパワフルな空気の中、生きることの苦しさや、同時に感じられる優しさが繊細に描かれたストーリーが展開される。

妬み、裏切り、憎しみに囚われて、自分を狭い閉鎖空間に追いやって、それに満足だと言い聞かせていたような父と姉。
そんなことないよ。誰もそんな時間を過ごしてなんて言っていない。せっかく何にでもなれる可能性を持っているのに、そんなことしていたら、気持ちも冷たくなって、もう何にもなれなくなってしまう。外を見てみよう。自由に飛び回って、あなたの可能性を追求できる場所が拡がっているから。
そんなことを弟が、家族への、兄弟への想いを声にして伝えたような話。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで。今週も公演激戦だけど、かなりお薦め>

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2015年6月 9日 (火)

七人のふたり【クロムモリブデン】150608

2015年06月08日 HEP HALL (100分)

ネット依存、安易な殺人、自殺、過剰化する自己顕示欲、・・・
今の社会状況を冷たく、淡々と覗き込んだような話。
スピード感ある話の展開に身を任せていたら、結局とんでもないラストに導かれる。
そのこと自体が、今の社会の行き着く先の狂気ですと伝えているような感が、非常に気味悪さや恐ろしさを残す。

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楽園【南河内万歳一座】150608

2015年06月08日 シアトリカル應典院 (85分)

これまで拝見した中では、この作品と非常に似た感じでしょうか。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/120613-49f4.html
どこか懐かしく、切なく、哀愁を感じるように、その視点は過去にあるのに、なぜか妙に明日への活力が湧いてくる不思議な感覚。
明日へ向かってやっていこうぜみたいな熱い気持ちのノリではなく、気付けば自然と足が明日へ向かって、その気持ちもジワジワと火が灯り始めているみたいな。そして、瞬時の勢いではないので、その歩みはゆったりでも力強く、その心の炎もちょっとやそっとでは消えやしないという覚悟を感じます。

<東京公演が6/17から始まります。まあ、大丈夫なレベルだと思いますが、一応、下記、ネタバレにご注意願います。白字にはしていません>

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2015年6月 7日 (日)

ようこそアトリエ【こみかさ】150607

2015年 06月07日 Social Kitchen 2F Space (50分)

物と会話をして、きちんと心を通じ合わせながら作品を創る女性が、新しく見つけたアトリエで繰り広げる会話劇。相手が物なので、一人芝居の形態をとっている。
当然、物は喋らないわけだから、その会話は妄想で自問自答のような形になる。
これが、彼女自身が自分と対峙して、本当の自分の心の声を聞くということに繋がっているみたいだ。
自分と向き合い、本当の自分自身を理解することで、そこから発せられる表現が真のものとなり、人の心の深くまで訴えかける。
芸術家の自身を削る作品創りや、それを披露するアトリエという場に潜む表現者の信念が浮き上がるような話になっている。
演じる水月りまさんの、真摯に物に寄り添い、そこから想いを引き出そうとする姿が非常に懸命に映り、物に限らず、様々な人たちの想いを背負って、こんな一つの一人芝居作品が出来あがっていると感じさせられる。

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2015年6月 6日 (土)

ミッドライフ乙女【劇団暇だけどステキ】150606

2015年06月06日 芸術創造館 (130分)

ちょっと、前2作の評価が高過ぎて、ハードルが上がり過ぎかな。
正直、満足はしませんでした。
転換期を迎える人の苦しみに同調し、そこにあるかつての自分の想いを見詰めながら、まだまだ前へと進む勇気を抱かせるようなことを優しく描く。そして、それを歌や踊り、個性的な役者さんたちによる華やかなエンタメ色で彩る。
そんな感じのいつものこの劇団の作品ではあったのですが、何か足りないなあと感じてしまいました。

作品は、廃墟となった遊園地で、今は動かない人形たちと、かつてその人形と触れ合った人たちを描きながら、そこにあった想いを呼び起こして、前へ進むことにちょっと躊躇してしまっている人の背中を押すような話。
遊園地自体が人間、そこにいる数々の人形たちが、これまでの人生の中で得た心の中に残る夢の欠片みたいな感じで捉えても、新たな人生を進もうとする人への温かい激励として感じることが出来る話だと思います。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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文明ノ獣【劇団レトルト内閣】150605

2015年06月05日 近鉄アート館 (115分)

戦争から今の日本までの歴史を、数奇な運命の双子と共にたどる壮大な物語。謎解き要素も多く、話に惹きこまれる。
人は、より良き国、社会、時代を創るために必死に生きてきた。そして、文明や文化を発展してきた。でも、その生きる中で、人は獣になっていないか。
生きるために、殺し合い、傷つけ合い、そのことを正当化してしまう。人と想い合い、愛を育むことを忘れてしまっているのか、出来なくなっているのか。
文明を自らの手で、もしくは天変地異により破壊された時、そこに隠れていた人として大切な優しさや愛があったことに安堵を得る反面、結局、人はより良く生きることを考え始めると、原罪や呪いかのような獣の心が浮き出てしまうのかという不安も抱く話だった。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。謎解き要素が多いので、本当にかなりのネタバレになるので、重々お気を付けください。公演は日曜日まで>

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