タイムズ【極東退屈道場】
2015年04月25日 アイホール (105分)
久しぶりの3本はしご観劇。
昔はよくやっていましたが、今は体力が持たなくなって。
今回はわざとそうしたようなところがあります。
この作品、初演を観れず。
色々な人の感想を拝見すると、とにかく情報量が膨大で、一度観て内容を把握することが不可能だそうで。そもそも、その内容を把握するのではなく、感性でそのまま見て、何かを感じ取るのがいいようです。
私の苦手な観劇パターンです。筋を追ったり、いちいち、そのシーンを理解しないと置いてけぼりを喰らった感じで不安になり焦ってしまったりするので。
そこで、考えたのが、もう頭をいっぱいいっぱいにして、これ以上考えられないくらいにして観たらいいんじゃないのかと。
幸い、2本も観たら、その内容をブログに書くために覚えておくだけで私の頭はキャパオーバーになってくれます。
この状態で、この作品を観たら、何も考えずに素直に楽しめるんじゃないかなと。
結果はよく分かりませんが、この作品、そんないらないことをせずとも、普通に楽しめるんじゃないでしょうかね。
確かに情報量は膨大で、ここまでされたら、それを頭に入れることは必然的に拒絶してしまうくらいのレベル。自然に感性でしか見れない状態にしてくれるようです。
そして、一シーンが一つの話のようになっており、何かで繋がった短編オムニバスと割り切ってしまえば、かなりの話が面白いものとなっています。
全体を通して、そこにあるのであろう作品の本質まで感じ取れれば、より楽しいのでしょうが、それは残念ながら無理。単発で各々を楽しむところに留まりました。
それでも、何か日常を過ごすちっぽけな自分と、壮大な宇宙、時間の中で存在する自分という姿が見えてきたような気もします。
一応、キーワードだけをメモ書きしているので、それを思い出しながら振り返り。
色々と抜けたり、順番がおかしくなっているかも。かもじゃなくて、確実になっていると思います。
ゼビウスのカンストを目指す男。自分の操作に従って、敵の出現形式が少しずつ変化しながら、延々と面が繰り返される。終わりはこれ以上、点数をコンピューターがカウント出来なくなった時。6時間かかるらしい。バイトまでの時間、男はかつて幾度となく達成したカンストに再びチャレンジする。
敵は自分の尿意。それも、トイレに行っている間にいくつかの戦闘機を犠牲にするという手段を使えば大丈夫。
宇宙の始まりから終わりまでみたいな感じでしょうか。少しずつ異なる繰り返しの歴史が積み重なり、やがて終わりを迎える。そのために犠牲になるものの存在。消えゆく星。
混んでる立体駐車場を避けて、高めのパーキングに停めるお父さん。息子はいつの間にか寝ており、奥さんだけ買い物で留守番。ファミマでアイスでも買って時間つぶし。
以後も、ある人の体験談みたいな感じで、この作品名どおりのパーキングネタが所々入り込む。何だろうか。待つ、時間が経過する中、自分が立ち止まっている間にすること、考えたことを語っているみたいだが。
4人のビッチたちが囚われる。
看守にお前の母ちゃんでべそと屈辱的な言葉を浴びせるが、家には帰してもらえない。帰る家は無いとか看守は言っている。大変なことになってるらしい。
ビッチたちは、看守にへそを見せて、その隙に逃げだす。
感覚的には放射能汚染区域かな。ビッチ呼ばわり、その繋がる血縁関係の人まで迫害される。風評被害みたいな感じか。看守は世間、それに同じ人間としての証拠のへそを見せたようなイメージ。ここから、彼女たちの帰るまでの旅が始まる。どこかは分からないが。先ほどのゼビウスをカンストする男がバイトを終えて帰宅するまでと並行しながら。
モーターショー。
ビッチたちはコンパニオンになっている。
核融合、性欲エネルギー、憲法と同じ数の説明に従って組み立てる、スマホタイプ、そして、UMA。
ビッチたちはUMAに乗って逃げ去る。彼女たちの正体はフェイクエンジェルス。
この作品の話は全て、昨日、今日、明日と分けられている。言い換えれば、過去、現在、未来か。
フェイクエンジェルスは、Siriみたいな物も使いながら道を進む。現在から少し発展した未来の時にいるみたい。未来のモーターショーはこんな感じになっているのだろうか。本当に科学が発展したのか疑問が残るショーのように映る。
今、問題になっていることが、未来に役立つと問題をすり替えられてしまっていることの皮肉か。今、現在のまま、時が進めば、こんなおかしな未来が待っているみたいな。
今の世の中のフェイクって感じか。フェイクエンジェルスは、騙されず、UMA、恐らくは原始的な馬を選んでいる。
野球。
寝てしまったので、覚えてない。
往年のプロ野球選手の名前が出ていたような。スーパーカートリオとか。
先輩と後輩。
オロナミンCが好きな先輩。巨人ファンだから。西武は嫌いだからファミマには行かない。
後輩が買いに行くが売ってなかったのでデカビタで。後輩は桃の天然水。
チョイスがおかしな自販機。
プロ野球繋がりかな。よく分からない。だけど、この掛け合いが一番面白かった。
美容室近くのパーキング。
2時間はかかるけど、店は1時間分しかチケットをくれない。
もう1枚くれとは言えない。店員が握手をしてきたり、変な媚びを売るような接客をしてくるから、そんなこと言ったら野暮。
さっきの話で少しシャンプーなんて言葉も出てきたような。その繋がりか。
何か、NOと言えない日本人みたい。オーバーアクションで握手なんかしてくる相手には言いたいことが言えない国民性みたいな。そんなことより、最低限すべきことをしろと言えればいいんだけどねえ。これからも、この美容室にはずっと通うんだから。
荒くれ者が集う西部。
UMAに導かれ横浜からやって来たビッチ。
どうも、テーマパークのウェスタンエリアに着いた様子。
渡り鳥のアキラもやって来る。
ビッチたちはUMAに再び乗ってワープ。
耳があればミッキー、渡り歩けばアキラ、西部っぽかったらウェスタン。安易なものにすぐ騙されているのではないか。ミッキーは良く見りゃおっさんだし、アキラはギターじゃなくマグロを抱えている。ここだって西部じゃない。
所詮、フェイクってことか。
横浜からやって来る。古い時代ネタが多いから、大洋、太陽から来たってことかな。ゼビウスの戦闘機もそんな意味があるみたいだし。彼女たちが戻る場所は宇宙の原点なのだろうか。
つけ麺屋さん。
ぼーっとしていて覚えていない。何か待ち時間が長いという話で、ブヒっとかいう店長がいたらしい。さっきの続きか古い時代ネタでダッコちゃんとか。
ワープ渋滞。
暇なので思い出話。
頭の悪い後輩と童貞のファッキン仮面。
罰ゲームで雨降りしきる屋上のパンダの乗り物にファッキン仮面を乗せた話。
そんなことしてるうちにファミマが見つかり入る。
で、何なのって話。そろそろ、頭が混乱してしまっているだろうから、息抜きがてらに本当にどうでもいい話を入れ込んだのではないかと。
ゼビウスカンスト男がバイトしているファミマ。
うっとおしい客を相手にしながら8時間。7600円なり。カンスト76回分。
時間の価値観みたいな考え方。いいところで飯を食えば数時間の金。でも、カンストすれば途方もない時間がその金から生まれる。時間の大小なら、後者に軍配が上がるが、果たしてその価値やいかに。
渋滞の原因は道の真ん中で囲碁をしてる爺さんたち。
国姓爺合戦を語る弁士、囲碁をNHK教育テレビばりに解説する二人の下、対局は進む。
対局が終わった碁盤が輝く。ワープホール出現。ついに出口を見つける。
パンダの白黒つながりで囲碁か。さっきの話も白黒つけるみたいな意味合いだったのか。
恐らく、近松門左衛門の作品とかかっているのだろうが、原作をよく知らず。
出口というかは、宇宙の始まりへの入り口。
素粒子であるかのようなフェイクエンジェルスが太陽から解き放たれるみたいな。
通夜に集まる親類。田舎なのかみんなが車で来ている。
乗っている車やナンバーでその人の出身や生活環境が分かってしまうパーキング。
乗り物がその人を表す。服とかアクセサリーとかもか。要は外観で見えるものに捉われてしまう人の決めつけみたいな感じ。これもフェイクで本質を見詰めろと言っているのか。
宇宙、時間の中を浮遊するフェイクエンジェルス。
ゼビウスカンスト男は雑踏の中、家に帰る。
おかえりなさい。
昨日・今日・明日レベルの一日の始まりから終わりと、過去・現在・未来レベルの宇宙の始まりから終わりを、日々の時間の中を彷徨っているかのような一人の男と、宇宙、時空を駆け巡るフェイクエンジェルスたちの姿を通して、同一時間軸で描いているような話かな。
時が過ぎる。感覚的には、この言葉がフェイクであり、過ぎるのはいつも自分。流れているのも時間では無く、時間の中を人が流れている。
そんな粒子のような人から宇宙は成り立ち、時間が生まれている。
流れる時間をただ見るのではなく、そこから変わりゆく宇宙、世界を見詰めなさいみたいなことを言っているような気がします。
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