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2015年3月14日 (土)

松原京極オプマジカリアルテクノ【「アーティストインレジデンス in 松原京極商店街」舞台公演】150313

2015年03月13日 KAIKA (95分)

実際にある松原京極商店街のことを、そこにいる方々にインタビューしたりと現地滞在の形で創られた作品らしい。
創られた過程が珍しく、興味深いだけに、出来上がった作品も一風、雰囲気の違った面白味というか味わいのある奇妙な作品でした。
商店街という独特の雰囲気でしょうか。とてもノスタルジックで、歴史の重みや人の温かみを感じる話でした。

<以下、若干ネタバレします。許容範囲内として白字にしていませんのでご注意ください。公演は日曜日まで>

舞台には、床に散乱したり、壁に張り巡らされた絵。思い出の数々を描いているみたい。
7人の役者さんが、パイプ椅子を持ち運んで、自分自身や商店街の方々に成り代わり、エピソードを語る。
その内容は、人に歴史ありといった感じで、単に自己紹介であったり、淡く切なかったり、辛く悲しかったり、人情味に溢れていたり、シュールで意味不明だったり、何か恥ずかしかったり、どこか温かかったりと様々。全てにおける共通点は、そこに人の笑顔が浮かぶことだろうか。会場も一緒になってそのエピソードを笑いながら聞いていたように思う。
実際に観劇して残っているのは、結局、商店街のことはよく知らんけど、きっといい場所で楽しい時間を過ごせるんだろうなということだけだ。

基本的に、このエピソード語りを続けていく中で、演じる役者さんのことを知り、商店街の方々のことを知り、そして、この商店街のことを知るといった仕組みになっている。
パイプ椅子は、エピソードが連なるたびに増えていき、最後の方ではいつの間にか片付けられていく。絵も一緒に。
シャッター街みたいなイメージでしょうかね。舞台に所狭しと乱雑に並ぶパイプ椅子は活気があった頃の、ゴチャゴチャした商店街を想像します。そこには、一人一人の人が住み着き、そこから様々な思い出を生み出していった。
でも、エピソードを聞いているうちに分かるように、衰退の方向へ向かっているのは明白な事実みたいです。いつの日か、舞台の最後のように綺麗さっぱり無くなる日も来るのかもしれません。

この商店街から夢見て旅立っていった人がいる。新たに夢を抱いてここにやって来る人もいる。旅立ったが疲れて戻って来た人もいる。もちろん、ここを見限って出て行った人も。
でも、みんな、その人生の中で、この商店街で時を刻んだことはいつまでも残り続ける。その時間は、きっと商店街があれば、そこにあった数々の思い出が残れば、いつでも蘇る。
これが大事なんじゃないかと伝えているように感じました。
人生において、今、出来ないことや、置いて行くとか捨てるとか残していくしか無いものってあるような気がする。そんなものとは、またはるか先、自分が歳をとった時にもう一度出会いたい。その時はきっと、しっかり掴んで離さないようにしてあげられような気がするから。
そんなものを商店街はずっと残してくれるんじゃないだろうか。それを守ろうとしてくれているんじゃないだろうか。
いつまでも、自分たちの忘れ物みたいなものを残し続けて、それを取りに来る人たちが、そこで出会い、笑顔を生み出してくれるような空間を大切に考えてみたい。
そんな気持ちにほんの少しなって、ノスタルジックな想いにふけるよう作品でした。

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