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2015年2月20日 (金)

グッバイ,マザー【劇団ズッキュン娘】150220

2015年02月20日 STAGE+PLUS (70分)

公開ゲネプロを拝見。
ここ2日間、難解な考えさせられる作品を観て、頭が疲れたので、チラシを拝見して、ちょっと目の保養も兼ねて楽しそうな公演をイメージして足を運ぶ。
ふ~ん、ズッキュン娘っていう東京で人気急上昇、ご活躍の劇団なんだあ。
また、大阪に来られた時は、是非、観に伺おう。
とても楽しい公演だった。

ハイテンポな展開にエンタメ要素をふんだんに盛り込みながらとにかくお気楽な楽しさをずっと維持させて、かつ、自分を想ってくれる人たちへの感謝や大切さとしっかり向き合って、これからの自分の道へと歩を進めるといった大事なメッセージも読み取れるような作品。
感想を思ったまま書けば、少々、話が飛んでしまっている印象も大きいが、楽しかったのと、魅力的な女優さん方の可愛らしいお姿を拝見できて、おじさん大満足といったところだろうか。
まあ、役者さん方、弾けすぎてグイグイくる方が多いので、観ていて気恥ずかしさとまた別の意味での疲れが残るのだが・・・

高校生のこずえ。
学校では、細かいことはあまり気にしない大らかな先生のクラスで同級生たちと学生生活をそれなりに楽しんでいる。
これぞ学級委員という真面目そうないでたちの子は、時折、融通の利かないことを言ってきたりするが、風貌ほど真面目一辺倒ではない。どちらというと、ちょっと変ってるくらいか。
成績の悪いおバカな子とは、何かあれば口ケンカ。こずえもそれほど頭は良くないので、低レベルなガキのくだらないケンカになってしまう。
成績優秀の子は、魚屋の娘で、この青春の時を異性より魚のことを想って過ごしている。お嬢様キャラなのか、芝居がかった貧血で倒れることが多い不思議ちゃん。
親友の子は、こずえのことをいつも気にかけてくれているおとなしい子。少々、個性が際立つ同級生たちの調整役。と思いきや、弾ける時は引くぐらいにぶっ飛んだ姿を見せるから、この子も変った人たちの仲間と言っていいのだろう。
こんなおかしな人たちが集まるクラス。多分、このクラスだけではない。学校自体が少し変わっているのだろう。保健の先生なんか、完全に自分に酔っており、その色気で若い男を手玉に取っているみたいだから。

そんなこずえの悩みの種。
お母さん。
とにかく、何でもかんでも干渉してくる。
私のことが大好き過ぎるのだろう。
学校には平気でやって来て、人のいい先生を押しのけて自分が仕切り出すし、四字熟語のカルタ大会では頼みもしないのに、暗記しやすいようにノリノリのラップを創る。友達を家に呼んで、鍋パーティーをすれば、鍋奉行の火がついて、その場はめちゃくちゃに。
もう、お母さんからは離れないと。
大学は東京に行く。お母さんは大反対だが、そう決めた。

でも、こんなちょっと狂気的とも思える母の行動は、自分にも見当たるところがある。
DNAだろうか。
束縛しないでと思ってる反動なのか、親友の子をすぐに束縛してしまう。
他の子と話しちゃ嫌。いつも自分の傍にいてくれないと。
親友が自分にとって不安な行動をとると、圧迫するかのように二人の絆を確かめる言動を押しつけてしまう。また、親友も人がいいから、それに応えてくれる。でも、いつの日か、見捨てられてしまうのではないか。
ごめんなさい。謝るのは親友ではなく、カバンの中にいつも入れているウサギのぬいぐるみピョン吉。
今年に入って、何回目。そんな束縛の行動をとった戒めとばかりにピョン吉の後頭部にマジックでその数を刻む。いつの日か、自分の心の闇のようにまっ黒になってしまうのではないか。
そんな悩みを抱える中で、こずえの受験が始まる・・・

最後は、第一志望は落ちましたが、滑り止めの大学に入学するこずえの姿で話は終わります。
でも、そのこずえの表情は今までと少し違います。
東京の大学受験が決まり、母とずっと疎遠になっていましたが、実は影でずっと母は自分のことを見守ってくれていたことを知ります。
私にとって、どんな時でも味方でいてくれる人は・・・
そのことに、今まで守られていた母から巣立つ時になって気付いたようです。
私もそんなことを考えたことがありましたね。
2009年にこのブログで絶対的味方という題名で記事を書いています。http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/post-0835.html
ちょうど、先月、母も亡くなり、私も味方がいなくなってしまいました。こんな歳になって恥ずかしいですが、辛いことがあっても、もう無条件に泣きついていい人はいなくなったんだなと感じる時があります。
でも、こんな時がまた新しい道のスタートになるような気もします。
かつて、就職で実家を離れて暮らすようになった時みたいに。
作品中も出てきますが、やっぱり孤独は怖いし、辛いし、悲しいから人を求めてしまうのだと思います。
そんな時、身近にいる人を求めて、その人に囚われてしまうのは当たり前のように思います。
きっと、そんな時は、互いに囚われ合ってしまっているようにも思います。
その囚われから互いに解放された時に、跡に絆みたいなものが残るのではないでしょうか。
こずえは、この旅立ちの日、母、そして親友から卒業することで、本当の親子、そして親友同士という大切な絆を得たように感じます。
これからの人生、また再びそんな別ちの時が来るのかもしれませんが、その時はその時でまたさらに深まった絆が生まれるように思うのです。

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コメント

本日(21日)の15時に観劇予定です。今週末は
ピッコロ劇団「マクベス」
ズッキュン娘「グッバイ,マザー」
大大阪博覧会

22日
「地球戦士ゼロス」
the 2vs2「大阪24区」
大大阪博覧会

24日
柿喰う客「リチャード3世」
火曜日の劇場

の予定です。

投稿: KAISEI | 2015年2月21日 (土) 00時28分

劇団ズッキュン娘ですよねw 題スッキュン娘になってます(笑)

投稿: KAISEI | 2015年2月21日 (土) 00時29分

>KAISEIさん

う~ん、どうも合わないみたいですね。

私は、土曜日はevkk。仕事の都合が合えばカミシバイ。
日曜日は恐らく厳しそう。行ければ、大大阪博覧会をとは思っていますが。VOGAとか観たいですね。
火曜日。学会でどうしても行けず。
ずっと応援しているしろっとそんが火ゲキで復活公演です。
是非、お楽しみいただきたい。

投稿: SAISEI | 2015年2月21日 (土) 01時55分

>KAISEIさん

重大なミス(゚ー゚;
面白かったので宣伝と思って早くにアップしたのに、検索に引っ掛からないですわ。
すぐに訂正。
ありがとうございます。

投稿: SAISEI | 2015年2月21日 (土) 01時57分

避けられてる(笑)火曜日は会えると思ったんですが…あとゼロスとVOGA、柿喰う客は行かはるかなと。来週末はキンヘビは行かはるでしょう(笑)

投稿: KAISEI | 2015年2月21日 (土) 03時37分

ステージプラスは初めて。楽しかったですね。楽しいだけじゃなくてホット&クールがあって観やすかった。印象に残ったシーンはカナコちゃんがキレるシーン前後。前川裕里さんが変なことした後にそれまでの大人しい姿をかなぐり捨てたところ。

投稿: KAISEI | 2015年2月25日 (水) 22時49分

>KAISEIさん

ステージプラスは、狭いので長時間観劇は窮屈でしんどいのと縦長なので後ろだとかなり観にくい時がある印象が強いです。
あまり好きな劇場では無いけど、キャパ的にちょうど良かったりするんでしょうね。
非常にしっかりと作られていますよね。また、観たくなる劇団の一つとなりました。

投稿: SAISEI | 2015年2月26日 (木) 17時21分

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