男なら、やってやれ!!【梅棒】141212
2014年12月12日 ナレッジシアター (100分)
さすがでした。
まあ、正直に書けば、前作ほどの感情移入は無かったのですが、また別の形で魅力を感じさせてくれる作品でした。
多くは書くことが出来ませんね。
観て抱くことになる、高まる感情、湧き上がる楽しさは言葉には出来ません。
舞台で輝く人たちの素敵な姿を目に刻めば、それで十分な公演なのだと思います。
<以下、話の流れを書いているのでネタバレしますので、ご注意願います。白字にはしていません。大阪は本日まで、その後も福岡で公演があります>
幼少期。
友達の輪の中に入れず、いつも独りで音楽を聞いている内気な男の子、ヤマダ。
やんちゃ坊主で、いたずらばかりだけど、男気があるオグリ。
天真爛漫、優しい女の子、リサ。
3人の出会い。
ずっと友達の願いを込めて、リサから渡されたリストバンド。
ほのかな恋心。
近所のカミナリ親父の家のみかんを盗みに行く。
案の定、見つかってオグリが捕まる。逃げてしまうヤマダ。
裏切り。
3人の仲に亀裂が走る。
時は経ち、3人は高校生に。
オグリは暴走族に入る。
リサは家庭の事情で引越し。
ヤマダは冴えないオタクに。
さらに時は経ち、3人は成年に。
ヤマダは、二次元の女の子を愛する、すっかりオタクの世界へ。
オグリとヤマダが再会。相変わらず、ウジウジしているヤマダをオグリは殴り飛ばす。
オグリは暴走族で活躍。バナナを常にほうばって、完全にいってしまっているような凶暴な総長に絶対服従の厳しい世界。どちらかというと、宗教団体みたい。
リサは街角で出会ったアイドルを目指す子に誘われてオーディションに。合格。ぷらちな娘という3人組アイドルユニットに。プロデューサーはアイドルを育てるポリシーは持っているようだが、どうにも怪しい。
街中をチラシ配りしているリサにオグリが気付くが、リサは変わり切ったオグリに目がいかない。
ぷらちな娘のコンサート。
オタク軍団の中のヤマダが気付く。
帰りの電車の中にリサが乗って来る。テンション上がるオタク達。暴走族の総長がリサにちょっかいをかける。ヤマダは止めに入るがボコボコに。リサが総長をビンタして逃げる。
ヤマダとリサがこれで再会。電話番号交換。
でも、総長もリサに恋。
ヤマダとリサが仲良くしているところを暴走族のメンバーが激写。総長は写真を見て、激怒。
ヤマダをぶっ殺せ。そんな指令が。
でも、オグリはそれがヤマダとリサだと気付いて、命令に従わない。
暴走族は、リサを拉致。
オグリは身を張って抵抗するが裏切り者として返り討ちに合う。
一人、無理だと諦めるヤマダをオタク達は励ます。
リサを救いに。
ヤマダを筆頭にオタク軍団と、暴走族の戦いが繰り広げられる。
オタク軍団、全滅。
ヤマダもやられてどうしようもなくなった時、オグリが負傷した体で駆けつけ・・・
と、こんな感じの幼き頃にちょっとした亀裂で仲を分けてしまった3人が、再び友情を取り戻すまでを描いた作品。
最後は3人がリストバンドの繋がりを再確認して、随分と長くかかりましたが、幼き頃の仲違いに決着をつけます。
逃げてはいけない、仲間は大切、守り合わないといけない、信じ合わないといけない。そんなことを自分たちの経験で知った3人は、自分たちの幼き頃ぐらいの子供たちが、同じ過ちをしようとしているところを諭したシーンなども組み込まれたラスト。
親が子供たちに大切なことを教えるなんてところが、より良き、これからの世の希望みたいなものを感じさせます。
自然と笑みがこぼれ、これからの3人の新しい道にちょっと涙が出てくるような最後が、これまでの魅入ってしまうダンスのかっこよさと相まって、本当に素敵に輝いていました。
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コメント
「今年の観劇をふりかえる」のコメントがいっぱい(22)になってきたのでこっちにコメントしますw Micro to macroの『ワンダー三日月リバー』の返信昨日気がつきましたwありがとうございます。だいぶお気に入りになってしまったようです(笑)ミクロックナイトは仕事で行けないのですが来年1月の道頓堀ZAZAは行きたいなと思っています。話は変わってなんか行けない劇団ってありますよね(笑)私は伏兵コードや浮遊許可証・コトリ会議が行きたいと思いながら観逃しています(パッと思いついたものだけ)。コトリ会議は年末に初観劇できそうですが… ピーパーの『Again』は今日の14時しか空いてないのに満席で諦め。満月動物園・劇団赤鬼も仕事などと重なりムリみたいです。今年はあと3~5本観れたらいいほうかな… 多くの方がコメントされてますね。SAISEIさんの徳でしょう。こういうコメントで気が紛れてもらえればいいのですが…いつも丁寧な返信ありがとうございます。梅棒・テノヒラサイズは今年は観れず。来年以降の宿題になりそうです。
投稿: KAISEI | 2014年12月18日 (木) 12時22分
>KAISEIさん
けっこう、断念せざるを得ない公演が多いみたいですね。
PEOPLE PURPLE、木曜マチネも満席なんだ。きっと、私も同じ状況になっていただろうな。
確かに、気になりながら観に行けない劇団はありますね。縁なのでしょうが、何かの力が働いているのではないかと思わせるくらいに、必ず仕事が入ったりね。
伏兵コードは、一度は観ておきたいですね。独特の張りつめた空気がありますから。あれは、稲田さんしか作れないと、ある劇評家の方は言われていました。確かにそんな気がします。
梅棒は来年のABCは是非。テノヒラは、本公演はいつか分かりませんが、各役者さんがあちこちで活躍されることでしょう。
投稿: SAISEI | 2014年12月18日 (木) 16時54分
自由表現空間 シアターカフェNyan
2014年12月20日8th ANNIVERSARY 『Nyan SELECT 2014』グループB 19:30~観劇。今回の舞台美術はブランコ一台と天井から下がる2枚のティッシュー。猫庵主人山崎惠子さんの開会の辞によると,自分の得意な舞台美術でうまく演じるのは当たり前。あらかじめ設定された舞台美術を使ってどううまく演じるかという実験的な舞台のよう。ブランコ一台と天井から下がる2枚のティッシューを使いこなす演出や演技が求められます。最初2人の女性―HONTAKAさん・坪内りえさん―のエアリアルティッシューから始まるのですがこれは基本3本の劇の開始前に演じられます。私はメモを取らないのでいろいろたどたどしいのですが記憶をつついてみると以下の感じです。
1.『月影運河であいましょう』無敵光線赤紫
脚本・演出:日吉イクラ
出演:唄種夢(演劇空間WEAVE CUBE)大和田智子(劇団明朗会計)日吉イクラ(無敵光線赤紫)
子どもたちがかくれんぼをしているところから始まります。唄種さんがティッシューに隠れます。そして次のシーン。天女がいるという公園に,大和田さんがリュックを背負って登場。木(ティッシュー)から出ている足に気づき引っ張り出します。天女の生き血を求めているらしい。いきなり包丁で唄種さんの手を切ろうとします。危うく逃れた唄種さん。なぜそんなことをするのかと大和田さんに問います。大和田さんは友達を生き返らせるために天女の生き血を求めていると答えます。唄種さんは記憶を失っているみたいで自分がだれかわからないみたい。大和田さんは唄種さんを天女と思っています。ここから親友の死んだ日の再現シーン。人間が死ぬと35グラムほど軽くなるらしい,うちのハムスター?だったかなが死にそうなんだけど量ってみないという日吉さんの誘いを大和田さんは断ります。その晩日吉さんは飛び降りて死にます。それが大和田さんは心の傷になっているみたい。ただ,この後日吉さんがイジメにあっていたことが明かされていきます。結局自分もそんな目に合うのが嫌で大和田さんは日吉さんと一緒に登下校をするのを断ったりしていた。唄種さんが私はその友達だった,と言い始め,大和田さんをなじったりします。土下座する大和田さん。このシーンの最後どうやったかなあ,最後は子どもたちがかくれんぼをしているところに戻り,唄種さんが塾で帰るわ,と言ったのをきっかけに3人がバイバイして終わります。この最初と最後のかくれんぼシーンと真ん中のシーンの結びつきがよくわからないのですが… 全体としては良かったです。特に唄種さんがいい表情されてたシーンがありました。役名は唄種さん,日吉さんが演じたのがアサミ,大和田さんがユカだったと思います。
2.『ぷくぷくぽこぽこ』魔法のチョコレート
作:うみみ 演出:初恋双葉
出演:うみみ 田中瞳 チャムヒコ
少年(田中瞳さん)と少女(うみみさん)が,二人だけで楽しく暮らしていました。少年は少女にもうすぐクリスマスだね。僕はプレゼントに友達がほしい,と言います。そこに登場したのがサンタクロース(チャムヒコさん)。サンタクロースの登場とともに少年(田中瞳さん)が消えます。逆に少年(田中瞳さん)がサンタクロース(チャムヒコさん)といると少女(うみみさん)が消えます。どうもずっと1人でいたため友達を自分の心が作り出してしまったみたいです。でもサンタクロース(チャムヒコさん)という実在の人物が来たため幻想である片割れが消えてしまったという感じでしょうか… 隣に座っておられた○田さんのアンケートをチラッと盗み見すると「自閉症云々…」という言葉がありましたが,精神の世界であることは確かでしょうね。
うみみさんがとりあえず超絶かわいいかったです。チャムヒコさんもお爺さんの役うまかったです。最初に発したセリフはおっ,てなりました。田中瞳さんも少年役がステキでした。双葉さんの衣装もキレイでしたよ~。
3.『ぶらんこゆれる』劇団T.C.N
作・演出:八方ねこ 出演:NYAN.鉄(ぬいぐるみ猫)ダンス:HONTAKA・坪内りえ
自由表現空間シアターカフェNyan主催者山崎惠子さん(役者名Nyan)の一人芝居?ベテランらしいいい演技でした。末期ガンで余命すうかげつをせんこくされた女性がショックで彷徨っていると,どこからか子どもの泣き声が。泣き声を辿ると6歳の子(ぬいぐるみ猫)が泣いています。慰めているうちに自分の人生を語ることに。病弱の妹のためにお姉さんらしくふるまった幼少期,三流大学だけど?諦めずいいところに就職すると誓った大学時代など。結婚と夫の浮気による離婚。アメリカ大陸放浪を経て帰国後の清掃の仕事などが語られます。その合間にNyanさんによる「かもめが翔んだ日」(渡辺真知子)の熱唱とHONTAKAさん・坪内りえさんによるエアリアルティッシュー(気持ちを表しているのかな? 衣装がお2人違ってダークな感じと真っ白な感じ)が挟み込まれています。最後は泣いている子は幼少期の自分なのかな?融合して終わる感じでした。あっ,今思いついたのですがもしかしたら走馬灯のイメージなのかもしれません。
投稿: KAISEI | 2014年12月21日 (日) 12時23分
>KAISEIさん
ありがとうございます。
これ、もったいないよ。
試しにgoogleで作品名で検索したけど、ここには行き着かないですもの。ブログやりはったらいいのに(゚▽゚*)
1は何でしょうかね。ちょっとトリックを交えたブラックな話なのかな。
2は何となく分かるな。一人じゃないんだよって感じの温かさみたなものが伝わってきます。可愛いうみみさん、少年姿がとてもチャーミングな瞳さん、綺麗な双葉さんは、この劇団のお決まりスタイルになってますね。その中で、いい味出されるチャムヒコさんは魅力ありますよね。
3。これは観たかった。相当、心に響きそう。ただ、ちょっと今はおかしな感情移入してしまいそうですが。
美しい空間を創り出されていたんだろうなあ・・・
Nyanさんにも観に行きますねと言っていたんだけど、こんな状況になってしまったので、申し訳なかったな。
5年振りですわ。もう1週間を超えて観劇していないのは。
ちょっと辛いけど、恐らくは伺っていたであろう公演の様子が頭に思い浮かべることが出来てよかったです。
ありがとうございます。
投稿: SAISEI | 2014年12月23日 (火) 09時09分