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2014年11月28日 (金)

INDEPENDENT:14 141127

2014年11月27日 インディペンデントシアター2nd (30分×3、休憩30分、30分×3)

6作品観劇。
今年はトライアル予選を全く観に行かず、本選も辞めておこうかと思ったりもしたが、なかなか難しい。
一人芝居をまとめて観れる機会はそうそう無いことと、あと、やはり好きな役者さんが出演されるならそれを味わいには行きたくなる。

この日は、例年、必ず出会う、魅力は感じるのだが表現方法が難し過ぎてよく分からない作品が無かった。次の日も残り6作品を観に伺うつもりだが、まとめて出会うのだろうか。
あと、話は面白いけど役者さんがそれにはまっていない作品も無い。逆はある。どれとは書かないが。感想を読んでもらえれば何となくは分かると思うが。
そして、最高の一作。好きな役者さんだったし、大いに楽しかった。

<以下、ネタバレしますので公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

・「ドラキュラに狙われちまったあの子を救うために白井宏幸が出来る唯一の方法」
白井宏幸(ステージタイガー)×けーあーるえりー(エリーの晩餐会/劇団エリザベス)×谷屋俊輔(ステージタイガー)

大好きなアイコちゃんをストーキングする白井35歳、童貞。ふと見ると、同じようにストーキングをしている奴がいる。彼はドラキュラ。処女のアイコちゃんの生き血を狙っている。白井はアイコちゃんを半ば騙してファミレスに呼び出し、Sexを迫る。それしか彼女を救う方法は無い。彼女も驚くことに了承した。でも、店は彼を通報。だって、アイコちゃんは10歳だから。
これではいけない。彼女を救うには。彼はドラキュラと対峙し、戦い合う・・・

話としてはストーカーしている幼女とSexしようとするとんでもない変態の話ですけどね。そして、それを演じるのも変態性を強く醸せる方。えげつない空気になるかと思いきや、苦悩する男の姿に魅力を感じてしまい、変態性は異常な狂気となって浮き上がる。自分の奥底に潜む変態性と対峙して戦う。そこには、深い愛があるなんて感じ。この自らを曝け出すパターンの作品は演劇ではけっこう多いが、かなり個性的な変態オーラを漂わせている人じゃないと、本当に単なる変態の虫唾が走るような話になる。これはきっと白井さんを役者さんとして選んだ時点で成功が確約されていた作品だろう。

・「楽屋から」
犬養憲子(演劇きかく「満福中枢」)

沖縄なのか民族舞踊みたいな公演を終えて楽屋に戻る女性。今、舞台にはずいぶんと白塗りで張り切っている先輩女優さんが出ている様子。
女性は楽屋にいる女優さんたちととりとめもない楽屋トークを繰り広げる・・・

本当に楽屋トークそのものみたいで、ちょっと妬みや裏のブラックな要素を込めたトークを様々な話題で繰り広げる。日常の些細なことから基地問題まで。
民族舞踊はやっぱり沖縄を感じさせる。そして、この作品自体も。芸術作品が生み出されるのには、その社会や自分たちが生きる日常がベースになっているのか。作品の話自体を楽しむと同時に、その奥に含まれる作品が生まれた経緯を暴露しているような設定になっているよう。
大阪ノリに近い軽快なトークが心地いい。

・「graph」
立花裕介(STANDFLOWER)×勝山修平(彗星マジック)

家族や職場の人たちと上手くやっていけないゴッホは、伝道師の道を志す。しかしながら、貧しい者たちに寄りそい過ぎる彼に協会は彼の伝道師としての資格をはく奪する。
この頃から、彼の左耳は、この世の表面の声では無く、本質が聞こえるようになる。それに従って書いた絵。弟はその絵を認め、彼の絵を買い取って生活を支える。伝道師とはなれなかったが、自分自身の絵が社会の救いになるならば。ところが、右耳からは現実の声が聞こえる。
弟の援助がなければ自分は生きていくことも出来ない。弟からの手紙に書かれた言葉は彼の右耳に声となって聞こえてくる・・・

ゴッホと弟の往復書簡に書かれた言葉を綴りながら、一人の画家の人生を描く。手紙の中の言葉を拾って、その言葉の中にあった心情を浮き上がらせていく形。
wikiなどでちょっと調べれば、この作品の中で語られる様々な事件のことも数行で書かれている。きっと手紙の文章だってそれほど長くは無かったはず。でも、そこにあるゴッホの苦悩はどこまで深いのやら。そんなところを、手紙の中の言葉から、掘り下げていったような作品だろうか。
まあ、この方たちがタッグを組めば、こんな熱量たっぷりで、かつ美しさがある作品には当然なるわなといったのが感想か。

・「ライト」
おぐりまさこ(空宙空地)×関戸哲也(スクイジーズ)

深夜の弁当工場。
シュウマイにグリーンピースを正確に載せる作業を7年続けている主婦は、班長を呼び出しクレームをつける。キンピラ担当のムラタさんの置き方が悪いから、作業に支障が出ていると。
自分は社長にもけっこう目をつけられているとか、元バンドでバリバリやってたとか、シュウマイは弁当のメインだとか、とにかく自分を認めて欲でいっぱいの模様。それもそのはずで、ムラタさんが、どうやら旦那とラブホテルを一緒に出て来たのを見たらしく、子供も口を聞いてくれなく、もう3日も家に帰って来ないとか家庭も崩壊しているようだ。私はずっとずっと・・・

自虐的で切ない女性の言葉が、最後に狂気へと急変する。この日、この女性は、心筋梗塞で倒れた夫をほったらかしにして工場に来ている。もう、明け方。どうなったかは明らか。満たされず、人生に彷徨う女性は、家と工場を行き来する道すら、自分で壊してしまった。
行き詰まり感が生み出した破滅。私を照らす光と幸せになる権利から見放された女性の悲しき物語を、最後の最後、ギリギリまでずっとコミカルに描いていただけに、ラストの絶望が怖い。

・「DANCE BURRN」
河口仁(シアターシンク万化)×二朗松田(はちきれることのないブラウスの会)×福谷圭祐(匿名劇壇)

小劇場のチラシデザイナー。世がいくらネット社会でもこの業界は、A4一枚のチラシが動員数に大きく関わるため、それに依存する者たちは多い。
USJに行きたいなんて何度も電話をかけてくる彼女をいさめながら、メールで入って来た依頼を確認する。若者が主宰らしく、とにかく熱さが伝わってくる。逆に言えば、それしか無い。作品名はDANCE BURRN。情報はそれだけ。こんな依頼、普通は断るが、こんなこともこの業界では当たり前だったりする。だから、どんな作品なのかをこちらでイメージを膨らまさないと。
ダンスと言えばアメリカンか、主宰が女性ならやはり定番のファンタジーか、いや恋愛ものか・・・

まあ、面白くて。最高でした。
チラシデザイナーとしての仕事を通じて、演劇界の裏を暴露して笑いを取る。
依頼仕事を通じて、作品の妄想世界を繰り広げ、様々なスタイルの作品創りの姿を魅せる。
そして、そこに潜む、自分勝手で、自分の思い通りにならないととんでもない行動を起こす女性の存在が引き起こす狂気を妄想世界と交錯させる。
演劇作品を面白いと思わせる様々な要素を見事に組み込んだ完璧な作品のように思います。

・「Hello Miss パンプキン」
ハシグチメグミ×魔人ハンターミツルギ(超人予備校)

お弁当のカボチャを残した子供を叱る母親。
カボチャは甘い。甘いものが好きなのは子供として当たり前。もっと残念なのは、苦いゴーヤとピーマンは食べていること。子供が嫌いな食べ物の定番のなのに、全部食べている。
子供は子供であることを追及して、らしくしないと。
母親は、何とかカボチャを食べさせようと、栄養素を分かりやすく説明し、さらにはカボチャ王国のカボッチャなんてキャラを生み出し、物語風に語りかけるが・・・

これも非常に面白いのだが、後半、ちょっと退屈に。
一つは、不思議ワールドに行き過ぎてよく分からなくなったこと。もう一つは、根本的な否定みたいになってしまうが、これは普通にたくさんの面白キャラを演じる役者さん方がいる作品として観た方が面白いのではないかと思い始めたことが原因だろうか。
もちろん、役者のハシグチさんはオーラを持っている人なので、その子供に言い聞かせようと四苦八苦する姿や間合いは絶妙で、ミツルギさんらしい不思議で楽しいキャラたちが織り成す話も魅力的ではあったが。
あと、オチが唐突過ぎて、ちょっと。

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投稿: theresece4 | 2022年12月22日 (木) 06時06分

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