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2014年11月 8日 (土)

花田一郎の述懐【カストリ社】141107

2014年11月07日 SPACE9
   廃材を振り降ろすまで  (65分)
   あしたてんきになあれ  (70分)

フラッシュフィクションと称して、3分以内の超短編を次から次へと見せる。
Twitterみたいに流れる情報を瞬時に捉えていくみたいな感じかな。60分でも観るだけでけっこう疲れる。その中で、頭に残る言葉や印象はきっと人それぞれで、それだけに心に響くものなのでしょう。
好みの問題かな。
単に笑いたいなら、あしたてんきになあれ、この公演自体の意味合いを巧く描いている様に感動したいなら廃材を振り降ろすまでかな。
まあ、両方、観たくなるのでしょうが。

<以下、大したことはありませんが、白紙の状態で観た方がいい公演だと思いますので、ネタバレとして公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

・廃材を振り降ろすまで

俗名劇団の主宰によって描かれた脚本から始まる男女の恋愛物語。もつれた男女関係に影を持たせながら、ゾクっとする恋愛の世界を見せるような役者の演技の腕が大事な本格的作品みたい。稽古場では、そんな男女の心情をより良く魅せるための演出が飛び交う。
でも、もう一つの劇団、パッパラパー(名前忘れた)と一緒にリレー形式で話を繋げていくがために、いきなりシュールな世界へと様変わり。軌道修正もどうにもならないくらいのシュールさで話はアングラに傾倒し始め、よく分からなくなってくる。さらには、稽古場に男か女か、大人か子供か分からない者も現れて、作品はおかしな方向へと向き始める。
全ては劇団パッパラパーの策略だったのか。俗名劇団への嫉妬なのか。作品を壊して高笑いして、ミッション完了の報告に主宰の下へと向かおうとする者を、ぶん殴るために廃材を手にした俗名劇団の主宰が・・・

といった感じの表題作に、色々な超短編が絡む。むしろ、逆かもしれないが。個性が強く、融合しそうにも思えるし、合うわけが無いとも思える両劇団の共同公演自体を作品にしたお得意のメタですね。
客演の方々が光る。
体型を活かして、意味の分からない、なんか気持ち悪い食べ物ネタで活躍する市瀬大樹さん。
妙に気味悪いキレある動きとバカバカしいネタに思い切った真剣味を醸すすっ太郎さん(ドキドキぼーいず)。不細工顔も妙にはまる。
不思議なおかしな人の雰囲気と凛とした闇を抱える美人な雰囲気を切り替える南風盛もえさん。蒸気機関車に乗ってだったかな。急に美しい短編が入り込み、印象に残る。

一番印象に残るのはサンダルかな。
片足のサンダルが脱げて、ケンケンで旦那を見送る主婦。満面の笑顔でけなげな姿を見せる。旦那の姿が見えなくなったら、片足、裸足で平気で、無表情に家に戻る。それだけの1分ぐらいの作品だが、想像で幾らでも、この二人の日常が膨らむ。松原由希子さんの切り替わる表情の闇に痺れる。
ベルを鳴らしたのは。石畑達哉さんの独断場。友達の家に火をつけ殺しと気がふれた異常性をシュールな笑いを交えてひたすら語る。
MTSHだったかな。4人の女性に咎められる男。各々の女性にかける言い訳の言葉を決めて、ゲームのように対応する。佐々木誠さんのいずれ破滅に向かうことが何となく分かるのに、その場で調子よく振る舞う男の哀れさがいい。
夜の恋人、朝の母親。文字どおりの男にとって都合のいい女像を描いた作品。作品名が上手いなあと。芝原里佳さんの女と母の同居した優しい雰囲気がとても魅力的。
あと、何か色々と巻き込まれるおかしな弟といった変な連作短編。長谷川桂太さんがウザい。でも、あれだけの語りは見事。

・あしたてんきになあれ

カンフーマスターに3年殺しの技をかけられた男。
その日から、死ぬまでの時間をホネホネくんと過ごすことになる。3年という時間に焦ったのか、男はある女に出会ってすぐにキス。悠長に少しずつ愛を育めるような状況では無いのでいたしかたないが女は結構、怒っている。それは、男が嫌とかじゃ無くて、男が3年で死ぬということ、それに関わるホネホネくんの存在にイラダチを見せる。女はよく分からない技でホネホネくんを亡き者に。
驚いたのはカンフーマスター。そんな事態はさすがのマスターでも聞いたことが無い。マスターのバイブルを調べたら、ホネホネくんが死んだら、3年殺しはかけた側にかかってしまうらしい。愕然とするマスター。世の全てにウンコの呪いをかける。
みんな、ウンコになってしまった。絶望するマスターは、自らに3年殺しをかける。ホネホネくんが現れる。世界が終わるまでの間、ずっと一緒に・・・

廃材と同じでこんな作品がベースに。言葉にすると、バカバカしい話のようになりますが、後半から美しい話へと変わっていきます。ウンコなのに。
女を演じる吉本藍子さんが、とても可愛らしい。
ホネホネくんの特殊キャラ。葛原敦嘉さんの中性的な美しさが、骨という死して残る想いの残存と同調して際立つ。
男の乾寿々香さん。飄々としたすっとぼけぶりが愛らしく。

一番印象に残るのは、ずっと持っているあなたとずっと待っている私かな。元カノのラブレターをいつまでも持っている男を女が責めて、捨てろと迫るのをグジグジとごまかす男。破り捨てられて、元カノにお前がなりきれるのかとキレる男。何かよく気持ちが分かります。男の恋愛は女の上書き保存じゃなくて、名前をつけて保存ってやつね。福谷圭祐さんの虚勢を張りながらのウジウジ感と、東千紗都さんの女心を冷静沈着見せて、男の逃げ場を無くす責めがきつい。
馬鹿と女の子だったかな。おばあちゃんと究極なまでに頭の悪い男の数学をモチーフにした会話。杉原公輔さんのたたみかける馬鹿さ加減に笑わざるを得ない状況に。コンビニで意味なく殴られる姿も面白く。
タトゥーにまつわるエトセトラ。感動的なエピソードを交えながら、苦笑いのしょうもないエピソードを自然に笑いに変える。けっこう感動する。
坂本アンディさんは、神様のような感じで登場。好き放題だ。アンディさん、いやアンディ様と写真を一緒に撮影できる特典を得るために、アンディのことを知るクイズに客同士で争って答える時間がある。これほど、外したいと願うクイズも珍しい。そのためにはアンディのことを真剣に想って、その逆の答えを出さないといけない。頭の中でアンディのことばかり考える時間。最大で3分とはいえ、これはきつい。
 

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