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2014年9月16日 (火)

STING OPERATION【THE ROB CARLTON】140915

2014年09月15日 元・立誠小学校 音楽室 (100分)

やっぱり最高だな、ここ。
とにかく面白いもんなあ。
計算され尽くしている話には感動するし、役者さんの掛け合いの間合いとかが抜群。
前回公演を拝見して、今回も面白いのは間違いないだろうと足を運んだが、期待以上の面白さ。(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2014/02/post-7.html

いやあ、最高だ。
DVD出ないのかなあ。何回も観ると、もっと面白くなりそうな気がするけど。
劇場の空間をも面白さの要素としている感じだから、無理なのかな。

舞台は高級ホテルのスイートルーム。
17階の部屋に、捜査員たちが集まる。
これから、すぐ下の16階の部屋にある議員がやって来る。そこでおとり捜査をすることになっている。
段取りはこうだ。
かなり前から議員と親しくしており、一緒に泥風呂に入るくらいの仲となった男の仲介で、ロシアのある会社のトップである巨漢な男が事業計画書を見せて、その支援の見返りとして賄賂を渡す。
事業計画書は、自称、天才である技術屋の男が完璧に作成してあるので、先方がのってくるのは間違いない。仲介の男も議員からかなり信頼されているので、心配ない。ロシア人役の巨漢な男は、ロシア語に少々、難があるが、最初の挨拶だけで、後は英語の方が堪能と言ってあるので大丈夫だろう。
部屋にはカメラとマイクを仕掛けており、その様子を撮影することで、収賄の証拠とする。
もちろん、仲介の男も、巨漢な男も捜査員。彼らにはイヤホンをつけてもらい、17階に待機するリーダーと技術屋の指示で動く。
さらには、仲間をこのホテルのルームサービスとして数か月前から派遣させてあるので、ホテル内の情報も掴める。
どこをとっても完璧な計画。
ところが、いざ捜査が始まると、とんでもないことばかりが起こり、・・・

ルームサービスの男は、新人扱いでスイートルームを担当できず、計画に参加できない。パーティーの手伝いに行っているみたいだ。代わりに部屋に入り込んで来た男は、部屋に設置されたモニターに興味津々。
ロシア人役の巨漢な男は、スキンヘッドなのでイヤホンがバレるので、カツラをかぶらせ、怪しげな人になる。仲介役の男は、ラジオ好きな男として、ずっとイヤホンをつけた状態で議員と会っていたので大丈夫みたい。
挨拶のロシア語が間違っている。おやすみなさいを覚えていた。急いで、辞書で初めましてを調べるが、練習不足で結局、噛んでしまう。
議員がかなり優秀な秘書を連れて来る。ロシア人を疑い、その語学能力を活かし、ロシア語で質問してくる。とりあえず、全部、ハラショーで答えると大丈夫だったという奇跡がおこる。ただ、これはこれから起こる数々の奇跡の序章に過ぎない。
カメラの撮影に適した位置に座ってくれないので、意味なく、椅子取りゲームをして座らせる。
計画書を上の部屋に置き忘れていた。ルームサービスの背中に貼り付けて、持って行かせる。
お金の入ったアタッシュケースが、全てが終わった後にみんなで食べる予定のヤミースティック(うまい棒)の入ったアタッシュケースに代わっている。上の階からお金の入ったアタッシュケースをロープにくくり付けて下の階に降ろそうとするが秘書に見つかりそうになってうまくいかない。
イヤホンの電池が切れる。
議員には睡眠薬、秘書には気絶チョップを無理やりかまし、二人は一度、アタッシュケースを取り替えるために上の階に上がる。まず必要の無くなったイヤホンを外す。でも、仲介の男が、人のいい議員に情にほだされ始めており、みんなには気づかれないように、またうまい棒の入ったアタッシュケースを持って降りる。
議員たちは目覚め、帰ろうとするが、まだ撮影していないので無理に引き止めた拍子にカツラが取れる。なんか空気が悪くなって、仕方なく議員たちは残る。
上の部屋では、アタッシュケースがそのままであることに気付き、リーダーが下の階に突入する決心をする。なんとか潜り込み、うまくぶつかる振りをして、アタッシュケースをすり替えることに成功。でも、計画書の内容について秘書から質問されてしどろもどろに。どうも、完璧すぎる計画書に怪しさを感じたらしい。その様子を見ていた技術屋は自分も突入するしかないと決心。
秘書と技術屋は頭がいい者同士で意気投合。秘書は何の疑いも無く、納得する。
お金の入ったアタッシュケースは、ついに議員に渡される。
誰もいなくなった上の階では、ルームサービスが掃除に入り、モニターに映る収賄現場を見て驚愕。でも、ホテル員として、お客様のプライバシーに関しては一切触れない規則を守り、見なかったことにして部屋を後にする。

議員と秘書は中身を確認する。開けるとそこには大量のお札。
議員は怒り出し、がっかりと肩を落とす。こんなものは受け取れない。収賄になってしまうではないか。みんなを信頼していたのに、こんな行為をされるとはと嘆き、泣き出す。
秘書も厳しい口調で、先生は賄賂を最も嫌っていらっしゃるのだと。
議員はとても人のいい方で、見返りなど関係なく、仲介の男の人柄を気に入り、ロシア人の熱意に心を動かされ、事業を支援するつもりだったようだ。
悪い空気の中、思いついたように仲介の男が言葉を発する。
アタッシュケースが間違っていたようです。その言葉に呼応して、捜査員たちは話を合わせる。
このお金は、私のお小遣いでしたとロシア人。
そして、うまい棒の入ったアタッシュケースを渡して、あらためて確認。
議員はにっこり微笑み、嬉しそうに部屋を去る。いただいたお菓子は、ハロウィンの時に子供たちにでも配ろうと思いますと言いながら。どこまでも、いい人だった。

結局、おとり捜査は根本的にターゲットが悪い人では無かったということで失敗に終わる。でも、あんないい人が捕まるようなことにならなくて良かった。奇跡と言えば、これが最大の奇跡かもしれない。
疲れ切った捜査員たちは、部屋でお酒を飲むことに。その前に、上の部屋を片付けなくてはいけない。
リーダーと技術屋は部屋に戻り、驚愕。
部屋が綺麗に掃除されている。あのモニターに興味津々だったルームサービスが部屋に入ったのだ。急いで口止めに向かう二人・・・

舞台であるホテルの部屋は、おとり捜査の現場の16階と、モニターで監視する待機場所の17階の空間を、シーンで切り替えたりしないで、同時に描いています。よくあるパターンなのかもしれませんが、私には斬新でしたねえ。登場人物の動線がぶつからないように、計算されていないといけないのですから。
伏線の回収も絶妙。その回収が、すぐだったり、忘れた頃にだったりとメリハリがあって、ずっとワクワクさせられる。
とにかく、最高の一時でした。
大阪ではまだ知らない人が多いのではないでしょうか。微力ながら、観劇仲間にお薦めしておかないといけませんね。

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