3年目の講評委員をさせていただきました、久保健太郎と申します。
ブログで感想を書くという形でお引き受けいたしましたので、以下に、拝見した作品の感想記事のアドレスと簡単なメッセージを記すことで、講評に代えさせていただきます。
(各校、A4で5枚くらいになってしまいますので、印刷の都合上、書面での提出を控えさせていただきました。お手数ですが、リンク先アドレスでのご確認をお願いすることをご容赦ください)
今年度は、仕事や他の観劇なども重なり、6本しか拝見できませんでした。
基本的に、既成脚本・オリジナル脚本問わず、作品の話がどう理解されたのか、作品にこめられた想いがどのように伝わったのか、登場人物たちの心情に向き合って創り上げられた役にどのように心を動かされたのかを中心に言及させていただいたつもりです。
私が理解した話のあらすじ、作品が伝えていると感じた内容、役者さん方が演じる個々の役に感じた魅力という形で感想を構成しています。
皆さんが、お仲間と共に懸命に創り上げた作品が、一人の観劇好きな中年男性の心にどのように届いたのかを確認していただき、そこから、やり遂げたことへの誇りや自信を得ると共に、まだ足りない何かも感じ取って、更なる演劇作品を創る上での技術向上に繋げていただけるなら、これ以上の喜びはありません。
高校生の皆さんは、今の世の中をどう感じているのでしょうかね。私には決していいとは思えない今を。
その一つに、何かをしてもどうせ・・・みたいな負の感情が渦巻いているところがあるように思っています。創り上げた何かを破壊されることを恐れるのではなく、もっとひどい、最初から創る気にもさせないような圧迫感です。戦う気にもさせないような。
その中で、こうして自由に懸命に自分たちの想いをこめて創り上げられた個々の作品は本当に素晴らしいものだと思うのです。
技術的な優劣うんぬんはもちろんありますが、こうして出来上がった作品一つ一つは皆さんのエネルギーの塊で、必ず人の心を動かせるものとなっています。これは観劇した全作品に共通して思っていることです。
この蓄積が世の中を変えてしまうのだろうなという力を感じます。実際に、そんな力が集まった各劇場は、普段、観劇に通う時の空気や風景とは間違いなく違っており、輝いて見えました。
今と向き合う。これからを仲間たちと共に見詰める。懸命に真摯に、そして感謝を忘れずに歩んでいく。当たり前のことに気付かされる時間。
わずか、2週間弱、舞台と客席の間ではありますが、皆さんの素敵な姿に触れ合えたことに深く感謝しています。
*8/2に開催される閉幕セレモニーで配布する資料として作成しています。