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2014年8月11日 (月)

わーく/ビッチ【谷町ナポリタン】140810

2014年08月10日 インディペンデントシアター1st (85分)

いまひとつ焦点がぼやけているような気はするが、なかなか面白い作品だった。
仕事における世代間ギャップが引き起こす関係の亀裂。
仕事が絡んでいるので、何かしらのマイナスの結果が導き出されて、その関係は終わりを迎える。
そんなこともあるだろうが、関係を作るまでに過ごした同じ時間を思い出して、もう一度、触れ合ってみたくなるような話だろうか。

<以下、あらすじがネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は本日まで>

ある会社の人事課総務部に勤務する千鶴子。
今日は、会社の役員や多くの社員たちは、パーティーで出払っており、千鶴子と後輩のトキコはお留守番。
黙々と社員の給与額をパソコンに打ち込むような経理仕事をしているが、なかなか終わりそうもない。
それもそのはず。後輩は、新人類、ゆとり、何というのかは分からないが、とにかく何かにつけて仕事をサボろうとする。
口答えだけは一人前で、最後はどうせ中卒の契約社員ですからとひねくれてしまう。
千鶴子は、飴と鞭を使いながら、仕事をさせようとするが、自分の方がイライラしてしまうありさま。
それでも、もう一年もこのコンビで仕事をしているというのだから、何かしら通じ合うところがあるのか、千鶴子が我慢強いのか。

そんな中、外で爆音がする。窓から覗くと、少し先のビルがえらいことになっているみたいだ。
そして、何と、そのビルは会社のパーティーが行われているところ。
ラジオを聞いてみると、被害はかなり大きい模様。
みんな死んだんじゃないですか。もう、仕事をしても仕方が無いと、トキコはより一層、仕事をするのを避ける。それでも、千鶴子は黙々と仕事を続ける。ワーカホリックなのか、仕事が自分の居場所なのか。
千鶴子の携帯に着信が入る。専務からのようだ。まだ、死んではいないみたいだ。それよりも、携帯の着信を見て、千鶴子の言動はどこか不穏になる。かけ直してみるものの通じない。

とにかく、今は仕事と、冷静沈着な千鶴子。
あまりにも仕事をしないトキコにちょっと厳し目に説教をすると、トキコは、逆ギレをし出す。
盗み見した千鶴子の履歴書から、かつて、千鶴子が専務と婚約をして、別れて、しばらく休職していた事実を突き付ける。偉そうなことを言いながら、やってることは専務に媚を売って正社員の地位を得たビッチじゃないかと。
千鶴子もそうなると、言いたくは無かったが、トキコに役員たちに誰かれ構わず股を開いていることを知っていると反撃。ビッチはあなただと。
千鶴子は頭を冷やしに外に出る。

一方、爆発したビルでは、一人の男と少女が閉じ込められている。
男は専務。こんな状況なので、少女を安心させるために、気の利いた言葉をかけたり、遊んであげたりしたいところだが、世代間ギャップが大き過ぎて空回り。
少女は、ずっとここにいるのだとか。
かつて、大切な人と別れるしかしょうがない状況になってからずっと。その人はお腹をさすりながら、謝り続けていたらしい。
話を聞いたところ、どうも少女は死んでいる人みたい。もしかしたら、死神か。どちらにせよ自分も死んでしまったらしい。それならば、ある人に言葉を残したい。でも、携帯は先ほど一瞬通じてからは、一切通じない。
話しても仕方ないけど、男は少女にその大切な女性とのことを語り始める。
本当に好きで、大切な人だったのだと。
その言葉に少女は笑顔を浮かべ、その瞬間、携帯が復活する。急いでかけるが、今度は留守電に。
え~っと・・・と十分に想いをまとめきれないままに、留守電の録音が終わる。最後まで、締まらないなと苦笑いを浮かべて。

一人、部屋に残されたトキコの下に、警備員がやって来る。
警備員は、千鶴子の一つ下の後輩らしく、かつてのことをよく知っていた。
本当に好き合って専務と付き合っていた千鶴子は、婚約後、仕事を頑張りすぎて流産してしまう。休職後、専務とは一緒にいにくいのだろうということで、この人事課に回されている。
そして、トキコのことはよく気に掛けてくれていたみたいで、専務に正社員への登用を打診してくれたりもしていたらしい。
トキコは、ひどいことを言ってしまったと反省する。
1年間、ずっと指導をしてくれており、実は大好きな先輩。会社は嫌だけど、先輩がいるなら辞めずにずっと続けられると思っている。
トキコは警備員の協力を得て、千鶴子に謝罪も込めて息抜きをさせる計画を立てる。
屋上で、千鶴子の好きなワインを。つまみはピザで。

千鶴子が戻って来る。
いつもと変わりなく、冷静な面持ちで。
トキコはどうしても、話したいことがあると屋上へ千鶴子を連れ出す。
屋上からは、爆破したビルの様子がよく見える。やはり、大騒ぎみたいだ。
その時、再び爆音がする。
トキコのぎごちない謝罪を受けて、千鶴子も悪かったと仲直り。
屋上は寒いし、風もきついし、あのビルの状況も気になるからと、部屋に戻ることに。
千鶴子は何気なく、携帯を見る。
留守電が入っている。それを聞く。
千鶴子は泣き笑いの表情で、ビルに向かって、我が子と愛した人があの世で出会うことを祈る。

冒頭は、最後の屋上のシーンから始まり、爆音と同時にダンスで開始する。
この時点では、当然、何のことやら分からないのだが、それがラストに繋がっているという構成。
世代間ギャップのおかしな掛け合いの中から、各々が背負っているものを見せていく。
仕事というものに囚われ、自分の人生に大きな影響を与えてしまっている。そこには、自分を追い詰める結果しか出せていないようだ。
本来の、人を教えること、教わることから構築される新しい人間関係や、仕事を達成することで認められる喜び、貢献できることへの誇りなど、仕事のプラス要素が見い出せていない二人。
千鶴子とトキコ、千鶴子と専務。仕事で出会った者たちが、仕事により、関係に亀裂を走らせる。でも、その仕事の中で互いに信頼し合い、時には愛し合ったという事実もあることを確認出来たかのよう。
人同士が働いている。世代の違いもあるし、これまでの環境や人生経験によっても、同じ価値観の人間はいない。そんな人同士の共同作業。そこにギャップが生じれど、出会って何かしらの時間を共に過ごしていることにまで否定の念は持ちたくない。

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