少女探偵あやか【アマゾンの大王魚ピラルク】140818
2014年08月18日 インディペンデントシアター1st (110分)
まあ、可愛らしくて、楽しい作品。
自然に笑顔になれる。
どこをツッコめばいいのか、もうとんでもない設定の中で、面白キャラたちが舞台を盛り上げまくる。
遊びの楽しい時間でした。
アマゾンを探索する、4人のミステリ倶楽部の女子高生一行。
妙齢の高校三年生の部長がリーダーであるが、これまで、実際に数々の難事件を解決して、活躍してきたのは少女探偵と呼ばれる二年生のあやか。
あやかの同級生で、おっとりして場の空気を和ませる子、ハイテンションで元気いっぱいの子もいる。
矢印の記された看板を見つけるが、書いてある文字が読めない。アマゾン語だから当たり前だ。
なぜかうんこに関して議論したりして大合唱。
およそ、どういう状況なのか分からない。
こうなったのには、もちろん理由がある。時は夏休み前にまで遡る。
終業式。
いつものように、おちゃらけた校長と教頭の悪ふざけの漫才のような話を適当に聞き流す女子高生たち。
夏休みデビューなんて、この夏であっと驚くほど変わった成長を見せられるように夏休みを過ごせなんて言っている。
続いて、表彰式。先日の探偵大会で、ミステリー倶楽部は、惜しくも小学生率いる探偵団に敗れたものの、準優勝の座を得る。褒められるのかと思いきや、小学生に負けるとはと校長と教頭は大激怒。夏休みデビューを果たせ。さもないと、廃部という厳しい言葉を投げ掛けられる。
どうするかとみんなで話しているところ、テレビで大会で優勝した小学生探偵団がインタビューを受けている。
しっかりしてそうなリーダーのいちごを筆頭に、ずいぶんと大人びた高慢な女の子、二人の影に隠れてしまっているが元気いっぱいの男の子、そして、何を考えているのかよく分からない謎めいた男の子。
彼女たちはアマゾンのパピコピコ村の村長とその通訳から届いたビデオを見せる。
通訳がしっかりしていないので、いまひとつよくは分からないが、要はアマゾン川に生息する黄金のピラルクを守って欲しいという依頼。なんでも、その黄金のピラルクは何でも願いをかなえてくれる力があり、それを幻の怪盗団ホワイトが狙っているというのだ。
小学生探偵団は日本国の支援の下、アマゾンへと旅立つ。
それを知ったあやかたちは、彼女たちよりも先に手柄を立てるべく、同じくアマゾンへと旅立つ。
飛行機内では、エコノミークラスでぎゅうぎゅうなあやかたちに対して、ファーストクラスでエレガントな時間を過ごす小学生探偵団たち。
しかし、いちごは、あやかたちもアマゾンに向かっていることを知り、正々堂々と同じ立場で対決するべく、日本国の支援を断る。
一方、怪盗団ホワイト。
この人の歌を聞きながら、もう終演を迎えてもいいかなと思うぐらいに美しい歌声を持つ女性リーダーとお調子者のおっさん2人。
ピラルクを捕獲するために開発した潜水艦に乗り込み、バズーカ砲を備えて、アマゾンへと向かう。かなり大きなバズーカ砲。撃たれたらひとたまりもないだろう。弾は八百屋で仕入れたとか訳の分からないことを言っている。
途中、潜水艦に自由奔放な可愛らしいアマゾン川の妖精が現れる。俗世では声優をしているのだとか、そんなネタを披露してくれる。同じく、もう一つの顔として声優である女性リーダーも負けじと、不発ではあったが笑いネタも含めて、お得意のネタを披露。
そんなことをしている場合ではない。
ピラルクに願い事を叶えてもらうには、あることをしなくてはいけない。でも、そのあることは、村長しか知らないというのだ。そして、その村長は体調が悪く、今にもあの世へと旅立ちそうな状態。
一刻も早く、パピコピコ村に向かわなくてはいけない。
潜水艦はアマゾン川をどんどんと上っていく。
と、こんなことがあって、冒頭の話に結びつく。
何の準備もせずに、アマゾンに来てしまったあやかたちは食べるのもままならない。
野ネズミや、客席にいるたくさんの魚を食べながら、パピコピコ村を目指す。この日は、お母さん魚に連れられた可愛い小魚が捕まった。
調子に乗って、大きなうなぎも捕えようとするが、それが電気うなぎであやかたちはビリビリに。
いちごたちは、支援を断ったので、同じく苦労の多い旅となる。
しかし、いちごは優秀なので、少しアマゾン語が出来る。
パピコピコ村の場所を突き止め、もう命が尽きそうになっていた村長と出会う。
いちごは、村長のアマゾン語を理解し、ピラルクに願い事を叶えてもらうための、あのことを知る。そして、村長は命尽きる。
傍にいた通訳がそれを教えろといちごに迫る。
通訳なら、村長の言葉を理解できるはず。それが分からないということは。
通訳は正体を明かす。怪盗団ホワイトの一員だった。
怪盗団ホワイトたちの魔の手がいちごたちに迫る。
いちごは、仲間を逃げさせて、一人で怪盗団に立ち向かう。村長は、悪い人たちに教えてはいけないと言っていた。世界征服に繋がるから。
強情ないちごに、怪盗団ホワイトはバズーカ砲を向ける。そして、砲撃。
その時、遅れてやって来たあやかたち。あやかは、いちごの前に立ちはだかる。あやかの背中が真っ赤に染まる。
倒れ、息絶え絶えのあやかに、いちごは過去のことを話し出す。
自分の父親が殺された時に、真犯人を見つけてくれたのがあやか。その時からあやかに憧れて、自分も少女探偵になったのだと。その時の恩返しがまだ出来ていない。さらに、また、今も助けてもらったのに。
あやかの死に、怒りに震える仲間たち。先ほどの電気うなぎでやられた体に残る電気で怪盗団たちを攻撃。怪盗団たちはビリビリに痺れてしまう。
悲しみに暮れるいちご、女子高生たち、小学生探偵団。
ピラルクに生き返るように願い事をしても、けがや病気を治すことは出来ないらしい。それに、願い事を叶えるためのあのことはあやかしか知らない。
そんな中、怪盗団が涙しながら、現れる。痺れがとれたみたいだ。こんなことになるとは。自分たちは、怪盗団を名乗ってはいるが、盗みを働いたことは無いし、ましてや人を傷つけたことなど無かった。
今回だって、怪我がないように、バズーカ砲の弾はトマトにしていたのにと泣き叫ぶ。
唖然とする一同。
疲れが溜まっていたのか、眠りから覚めたあやかは、何事も無かったかのように元気いっぱい。
みんな集まり、黄金のピラルクを探す。
村長曰く、願い事を言う人を決めたら、ピラルクは向こうから勝手に現れて、そして願い事を言いながらあることをすればいいのだとか。
色々とあったが、今は女子高生たちも小学生探偵団も、怪盗団もみんな仲間だ。
誰か一人を決めるのは大変だ。
それなら、2チームに分かれて勝負。勝利チームのMVPがその権利を得る。
客席の魚たちが持つチラシの中から、好きなチラシを一枚選んで、その予告編を即興芝居する。どこかで聞いたことがあるイベントだ。
選ばれたのは、伊藤えん魔プロデュースの10/10からABCホールで行われる百鬼繚乱。
熱い、いや寒い・・・そんな戦いが繰り広げられる。小学生探偵団の面々の活躍が、妙齢の役者さん方のグダグダを見事にフォローすると書いておく。
結局、その権利を得たのは、ミステリ倶楽部の妙齢の女子高生部長。
ピラルクが現れる。舞台の上手から映像で。
願い事は、まあ老化の進行を止めてみたいな感じか。それは重要な願い事だ。次回ご出演の作品では、もっと若い子の役をすると言うのだから。
しなくてはいけないあることとは、ピラルクを10秒持ち上げながら、願い事を言うこと。
みんなのカウントと共に、黄金のピラルクは高々と持ち上げられ・・・
といった話。
アマゾンという世界、黄金のピラルクは、何かのメタファーなのか。
なんて、そんなことは考える必要も無く、考える気にもなれないくらいに、ただただ楽しい作品でした。
小学生探偵団の面々の魅力が突出しています。可愛いだけでなく、演技もしっかりしてるし、笑いの掴み方もお上手。頭の回転がみんなよく、それぞれの持ち味を出されているなあと感心。大人顔負け。
そして、映像というか、映写の技術ですかね。その演出がとても綺麗で、舞台の楽しさを盛り上げていました。
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