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2014年7月12日 (土)

喫茶がけっぷち【837B】140712

2014年07月12日 カフェ+ギャラリー can tutku (65分)

私の中で今、何も考えずに気楽にコメディーを観るならここだと思っています。
その想いを全く裏切らない作品でした。
キャラの個性、メリハリの付け方、起伏のあるテンポ、何かふんわりしたのどかな空気・・・とか、妙に観やすくて合うんですねえ。
感想は面白かったの一言です。

<以下、若干ネタバレしていますが、チラシに書かれている範囲と判断して白字にはしていません。ご注意願います。公演は日曜日まで>

喫茶ヒマラヤ。
マスターのヒロシが、全財産をつぎ込んで始めた店だが、世話好きでお節介な人のいい性格が災いしたのか、適当でいい加減なところがダメだったのか、はたまた、何かに呪われているのか。とにかく、経営破綻に追い込まれている。
このままでは、女子大生のバイトの子に給料も払えない。学費の支払いにお金が必要な女子大生にとっては、そんな話は寝耳に水で、どうにかしてくれと怒り心頭。
どうにかしようと、マスターは、店の経営再生のためのコンサルタントの女性を雇うことに。ところが、このコンサルタントの女性、会社でもお荷物扱いになっているようで、これまでの実績もなく、ただ一発逆転を狙って勝負したいという熱い気持ちだけで行動する。自分自身の会社での進退もかかっているので、懸命に頑張ろうとするが、当然、何をさせても空回りで上手くいくわけがない。

スタッフルームには、キノコ、それもワライダケが群生してしまっているというくらいに、いい加減な管理で経営されている喫茶店。
どこから改善していけばいいのか、いっぱいいっぱいになってしまっているコンサルタント。
本当に呪われているのか、井上うらめしいと額から血を流しながら、成仏できずにこの喫茶店に身を置き、バイトの子の守護霊になる幽霊。
カメラマンのタカシという彼が浮気をしているとわめきちらし、その怒りと悲しみをこめて、どこから取り出したのか、マイクで熱唱する常連客。
彼女と待ち合わせをしていて、喫茶店のキノコに異常な興味を示すカメラマン、井上タカシ。
常連客の恋愛のもつれに、お得意のお節介で首を突っ込むマスター。
自分にしか見えない幽霊の奇怪な行動に振り回されながら、喫茶店でのドタバタを取り纏めようと苦慮するバイトの子。
果たして、喫茶店は無事に経営破綻から抜け出せるのか。そして、常連客の恋愛、幽霊の恨みの行方は・・・

喫茶店の店内を舞台にして、スタッフルーム・トイレ・外への扉を利用して、登場人物のスレ違いを引き起こす。
揉め事は、勘違いにより、どんどん増幅させて、ドタバタを膨らます。
喫茶店の経営再生というマスター・バイト・コンサルタントの話と、常連客・カメラマンの恋愛話を交錯させて、双方の解決へと話を収束させる。そして、どちらにも関わっている匂いを終始感じさせる幽霊の話。

自分でどんどんと深みに勝手に入り込んで話を複雑にしてしまうコンサルタントや常連客の相手に、飄々ととぼけた感じで流されてそんな話に巻き込まれてしまうマスターやカメラマン。
一線引いたところで、他人は関係無しに好きなように自由にふるまう幽霊。
絡み合う全ての登場人物の交通整理をしているバイトの子。

コメディーの王道のような設定で、登場人物の役割分担が明確なので、コメディーとして、非常に分かりやすい作りになっているように感じます。
また、スレ違いや勘違いで、話が複雑化し過ぎそうになると、うまい具合にそこに止めが入り、ドタバタが逸脱してぐちゃぐちゃになることを防いでいるような印象でした。
燃え拡がりそうになると、軽く消火、また燃え始めるという、一本調子でどんどん盛り上げていくのではなく、起伏を楽しませているようなところも観やすかったように思います。

まあ、感想ブログなので、少しは何かを書かないとさみしいので色々とごちゃごちゃ書いていますが、結局はこの一言なんですけどね。
面白かった。

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