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2014年7月 8日 (火)

火曜日のゲキジョウ【グランドキャニオン×Perfect Match】140708

2014年07月08日 インディペンデントシアター1st (35分+30分 休憩10分)

火ゲキが復活。
それだけで嬉しいですね。
新しい魅力的な劇団を見つけて、足を運ぶきっかけになることでしょう。
また、観劇、忙しくなるなあ。

久しぶりなだけに、今回は二組とも、コミカルをベースにして、楽しい作品に。
そこに、若い生き様の想いを込めたグランドキャニオンと、大人の恋愛味をつけたPerfect Matchといった感じでしょうか。

フロントアクトとして、ジャムコント。
小野愛寿香さん、ザキ有馬さんチームと、亀井伸一郎さんとなぜか勝山修平さん(彗星マジック)チームの対決。
客が書いたキーワードをセリフに入れて、90秒でコントを創る。
まずは、お題の初音ミクで小野さん・ザキさんチームが。お兄ちゃんに初音ミクとして画面に閉じ込められた妹が脱出するまでの話。かなり無理があったか・・・
次は、お題の七夕で亀井さん・勝山さんチーム。短冊に書く願い事をキーワードで埋めていき、笑いをとる。比較的やりやすそうでした。ちなみに、このお題、私が書いています。よかった、よかった。
勝山さんなんて、ついさっきまで、一緒にタバコを吸っていて、ジャムコント観るからお先になんてお別れした数分後に、何か無理やり舞台に立たされることになったみたいですから。

・「天保山なんて大キライ!」 : グランドキャニオン

ヒョウ柄のフリフリミニスカドレスに、でっかいお花のついたステッキといういでたちの、ちょっと痛い魔法少女系アイドルに、貴婦人風のお姉キャラのマネージャー。
袖がヒョウ柄模様の白シャツに、キラキラサスペンダーといういでたちの、ちょっと冴えない男性アイドル風ユニットに、コテコテ関西系の柄悪いヤクザ風のマネージャー。
二つのグループが、日本で二番目に低い山なってしまった、大阪、天保山でPV撮影。
こんな場所で撮影が重なるのも偶然だが、さらに、魔法少女アイドルと男性ユニットアイドルの片割れが元恋人同士。
場所の取り合いでマネージャー同士が揉めている間、男はあの頃を思い出す。
いつも自分の歌を聞いてくれて、隣で微笑んでくれた彼女。彼女の笑顔が見たくて歌を歌い続けている。
どうして、別れたんだろうか。思い出せない。それは、彼女も同じようだ。
今の素直な気持ちを二人で確認し合う。
もう一度、二人で。
その時、あの頃と同じように、二人に魔の手が迫り・・・

前半は、ただあなたに笑って欲しかったという気持ちだけで、好きなことをやり続けようとする原動力や、高い山に登ることだけが大事なことではない、こんな低い山では、登っても景色なんか何も変わらないけど、一歩踏み上がることが今は大切だったりする。
なんてことを、若いこのユニットを組まれたご自分方の演劇や生き方に対する揺れ動きの中で、誇りに感じられていることを描いているのかなと思いながら観ていた。
後半になると、少し様相が異なってくる。
魔法少女アイドルのマネージャーが、二人の恋愛感情を消し去り、アイドルとして成功することに、裏で策略していたという展開になる。魔法少女アイドルも本当に魔法少女らしく、ステッキを持っていれば、そんな策略から身を守れるのだが、それを取り上げられてしまい、まんまとその策略にはまっていく姿が映し出される。
再び記憶を消された二人だったが、男性アイドルユニットのもう一人の方が二人の想い合いを覚えており、それで記憶が復活しそうになるが、それすら、マネージャーは消してしまう。
ステッキという魔法少女にとっては、自分自身そのものであるような物を、成功と引き換えに取り上げられてしまい、自分たちの大切な想いは薄れてしまう。それでも、仲間たちがそんな大切な想いを再び思い起こさせようとしてくれるが、やはり邪魔が入る。いつまでも、子供じゃいられない。目の前にある小さな山を素晴らしい風景に見て楽しむ時代にはいつしか終わりがやって来て、はるかかなたにある高い大きな山に目を向けなくてはいけなくなる。マネージャーは、そんな不条理な現実の象徴みたいな感じだろうか。
最後は、武道館で男性ユニットをダンサーとして従えて、コンサートを開く魔法少女アイドルの成功した姿、そして、それを操るマネージャーの姿で締められる。
でも、それは、恐らくはマネージャーだろうか、誰かの夢の世界で描かれたもう一つの世界といったような終わり方。
実際は、あのコテコテ関西系のマネージャーの手によって、関西で自分たちの想いに素直に、そして真摯に対峙して、出会った仲間たちと楽しいことをやり続けている現実を思い浮かべればいいのかなとも思う。
現に、この公演自体が、その一つの姿になっているのだろうから。
一応、初採点なので、基準の5点をベースに、キャラを際立たせて、元気いっぱいの姿に+2点、オチにもやもやが残るところに-1点とし、6点評価。

・「ハツコイ29 28」 : Perfect Match

制服姿で意を決して電車に乗り込む女性。28歳、OL。
通勤でいつも使う電車。その電車で毎日出会うちょっと不機嫌そうにいつも、ウォークマンならぬ、iPodを聞いている男子高校生。
昨日、彼が傘を忘れた。神様がくれたチャンスでは無いのか。これを返す時に、自分の想いを告白しよう。
妹から借りた制服に、妙齢の女性がしたためただけにちょっと重いラブレターを手に、チャンスをうかがう。
そんな中、妹とその彼氏が偶然にも乗り込んでくる。
妹の彼氏は、USJに行きたがる彼女とのデートの前座にUFJ銀行を襲うといったアトラクションまで用意してくれるようなかなり飛んだ男。
こんな飛んだ男を現実的で冷静な妹が本気で相手にするわけもなく、言い合いの末に、彼氏は電車を追い出される。
そして、妹は姉を発見。
事情を聞くが、あまりにも無謀な話だ。
でも、姉は真剣そのもの。昨日から、何度も頭の中でシミュレーションしたのであろう、妄想的な展開を妹に聞かせ、ついに行動に移すことに・・・

分かりやすい話に、役割が明確でしっかりしている役者さんのチームワークが抜群だった。
制服姿からもう飄々とボケている小野愛寿香さん(i_gaeden/ステージタイガー)、冷静なツッコミ上手の辻るり子さん(売込隊ビーム/baghdad cafe')、コメディーキャラの王様ともいえる貫禄を醸す上原日呂さん(月曜劇団)、豪快なボケを勢いで貫き通すザキ有馬さん(ar9stage/ステージタイガー)。
結局は、告白するものの、上手くいくはずもなく、おばさんの一言で撃沈。色々あって、妹の彼氏と意気投合してしまう展開に。
そして、ラストが秀逸で、男子高校生と妹が結ばれるのかと思いきや、妹は言い寄ってくる男子高校生を相手にもしない。そして、あれだけ嫌悪を示していた彼氏への想いをちょっぴりほのめかして終わる。
姉も妹も、これが初恋だったらしい。
初恋だから、初めてだから、上手いことやれない。そんな、後から振り返ると甘酸っぱい恋を感じさせるようなところも盛り込んだ素敵なコメディー作品。
キャラとチームワークに+2点。本当は、さらに巧妙な話に+1点しようかと思ったが、結局は7点評価にした。

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