クルージングアドベンチャー3 オオサカリバーフォーエバー編【劇団子供鉅人】140615
2014年06月15日 大阪 天満橋~中之島周辺 (160分)
昨年のコノハナアドベンチャーに引き続き、今年も観劇。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/2130401-4911.html)
最高だったな。
船に乗って、大阪の景色に想いを馳せながら、みんなと一緒に旅する。
大阪よ、いつまでも、この景色、人たちであってくれ。
そんな願いが自然と沸いてきて、本当に大阪の危機を救うための一派として、3時間弱を過ごす。
<以下、レポ調に記録しているので、思いっきりネタバレします。重々、ご注意願います。公演期間が長いので白字にもしていません>
ちなみに、いつもならその日のうちに、少なくとも次の日のお昼ぐらいには感想を書くのですが、体が動きませんでした。何か、体がガチガチに固まって、思いっきり疲れます。書き終えた今もぐったり。観るだけで、この状態ですから、演じる方々やスタッフの方々の疲れはいかほどか・・・
想像するだけでゾッとすると同時に、これだけの公演を3週に渡ってされる、この劇団には敬意を表さざるを得ません。
大阪をこんなに愛してくれて、みんなを楽しませてくれて。
本当にありがとう。観れて幸せでした。
この公演を最後に拠点を東京に移されるらしいですが、大阪が誇る素晴らしい劇団。ご活躍をこの大阪から祈り続けます。
大阪、天満橋のとある場所に集合。
既に何人か集まっている。天候は晴れ。
1週間前ぐらいに送られてきたパスポートを紫外線を気にする女性に見せて確認してもらい、首からそれをかける。
黒スーツ姿のSPの厳重なチェックを受けて、別の場所に連れて行かれる。
SPは、マンホールや通風孔の隙間などを神経質に気にしている。監視されているのか。何かあれば、手にする銃を発砲するぐらいのつもりみたい。
何やら高架下の怪しげな所に到着。既に連れて来られた方達が神妙な面持ちで椅子に座って待機している。
しばらくすると、携帯電話が鳴る。
隣のOLだった。
電話に出て、何やら話をしている。会社からのようで、今はタクシーの中で、すぐに戻るとか嘘をついている。ブラック企業にでも勤めているのか。本人の能力不足もありそうだが、職場環境にも色々と問題があるみたい。
そのうち、小説家を名乗る男がやって来る。それほど有名でもないのに、自信だけはあるみたいで、自分を知らないOLに対して否定的だ。いわゆる、自尊心の高い奴ってところか。
二人は、布で覆われた大掛かりな装置を見つける。
それは157年後の未来との通信装置。
未来人カゲヤマの姿が映し出される。残念ながら、今回は可愛らしい妹は連れていない様子。
彼曰く、大阪に危機が迫っているのだとか。
確かに、最近の大阪は元気が無い。楽しいこと大好きな大阪人が、先行き不透明な不景気が原因なのか、働くこと以外に目がいかなくなってしまっているような。OLはそのことにいち早く気付いており、自分の周りが宇宙人のように見えていたのだとか。
またしても、妄想族の仕業だ。このあたりの詳しい事情は、上記リンク先を参照。
要は、私たちは妄想族を倒すべく、大阪で妄想力の高い人として選ばれたらしい。つまりはレジスタンスということだ。
確かにそうかもしれない。こんな奇抜な公演に、絶対に観に行かねばと、満員御礼になる前に早くから予約をしたのだ。楽しいことを見つけ出す能力に長けていることは間違いないだろう。
そんなことをしているうちに、この場所も妄想族に見つかってしまったらしい。
妄想族の親玉であるリリー・モーソの右腕であるジョニー・モーソが現れる。さらに、先ほどまでのSPもその仲間だったみたいだ。
未来人カゲヤマは貞子システムとかいう未来技術を利用して、画面からこちらの世界にやって来る。そして、妄想ガンで反撃。
私たちもそれを手渡されて応戦。妄想してバーンとか言って攻撃しないといけないので恥ずかしい。でも、そんなこと言ってられない。レジスタンス仲間には、まだ幼児も含まれており、そんな子も奇抜なキャラに怯え、お父さんに泣いてしがみつきながらも必死に頑張っているのだから。
二人をとりあえず、原始時代に追いやってしまい、何とかこの場はやり過ごす。
でも、この場所は完全に見つかった。いち早く、この場を去り、リリー・モーソを探さなくてはいけない。
かくして、いつの間にか巻き込まれた、妄想族との戦いである、クルージングアドベンチャーが始まる。
川辺であのタイガー・タイが、リリー・モーソと対決中との情報が入る。
急いで駆け付ける。
整列して、暑いねえとか世間話をして、女性は紫外線を気にして、カフェで涼む方々を羨ましげに見ながら。
青空が広がる。空には飛行機、いや、妄想族が打ち上げたミサイルが飛んでいる。
大阪は確実に危機に向かっている。
到着した船着き場では、船上で確かにタイガーとリリーが戦っている。銃とか物騒なものを持っているが、勝敗を決める一番大事なのは指相撲みたいだ。
タイガー有利に戦いは進み、リリーはいったん逃げ出す。
私たちは後を追うために、船に乗り込む。
船長さん、助手のような女性はロボットみたいな被り物を。制服には大阪にいるなら知っている○○株式会社。こんな仕事をすることになるとは夢にも思っていなかっただろう。
そして、集まって来た私たちを奇異な目で見る数々の方々に手を振って、出港。
この方たちは知らない。私たちが大阪を守るために、こんなことをしていることを。
船上では、タイガーが今の状況を説明。
歴戦をくぐり抜けてきたレジスタンスのリーダー。そのかっこよさに惚れ惚れする。
船の動力源は私たちの妄想力。
みんなで手をつないで、妄想をして船を進ませる。タイガーの隣だったので、手に触れるという光栄なことも経験させていただく。
船の真ん中は変なカプセルが置いてある。リリーから略奪してきたものらしい。
そのカプセルから、何と木下藤吉郎が現れる。さすがは大阪を制した男だけあって、その妄想力は異常なまでに高く、これをリリーは利用しようとしたらしい。
何やら訳の分からないことを言っているが、少なくともリリー側に付いているわけでは無いみたいで、心強い仲間を得る。
目指す先は造幣局。
何やら、妄想族は妄想力を消してしまう成分を含んだ硬貨を発行させようと企んでいるらしい。
こんなことをされたら、日本中の妄想力が消えてしまう。
ちなみに、157年後もこの造幣局は健在で、お札の肖像画は、一万円札はあの捏造騒ぎの女性研究者、五千円札は永ちゃん、千円札はマイケルなのだとか。
と言って、造幣局の中に潜り込むのは困難を極める。
だったら、タイムスリップして、造幣局のある場所で再び現代に戻るという計画を立てる。
みんなで船ごとタイムスリップ。ボケーっと座っていたら、首が吹っ飛ぶらしく、前傾姿勢を取れと厳しくタイガーに注意される。
タイムスリップは成功したみたいで、船は紀伊国屋文左衛門の船宿にたどり着く。
可愛らしい女性3人、随分と綺麗な女形みたいな人、これは無いだろうというどう見ても男の5人娘の案内でお茶をいただく。
壁に貼られたお題で、何やら妄想ネタをその5人娘が披露してくれて、すっかり遊びに興じ、自分たちの目的を忘れてしまう。
しかし、この5人娘の中に仲間がいたみたい。
パンツァー・パイ。タイガーと義姉妹の契りをかわした名前のとおり、セクシーな女性。
久しぶりの再会を喜び合う二人だったが、数々の仲間たちは妄想族にやられたという事実も明らかになる。
ここも危険らしい。
新たな仲間を得て、再び出港しようとしたところ、5人娘の中の一人があるお願いをしてくる。
好きな人がいるのに、紀伊国屋にそれを邪魔されているのだとか。
娘の名前は小春。つまりは近松門左衛門の心中天網島だ。
この分野になると頼りなく、これまで何の活躍もしてこなかった小説家が力を発揮する。
心中をした振りをして、紀伊国屋の目を誤魔化したらいいのでは。その相手役を自分がやると名乗りをあげる。
計画通りに、事は進みそうだったが、紀伊国屋が正体を現す。彼も、既に妄想族の手中におさまっていたらしい。しかも、パンツァーも裏切って、そちら側についている。
完全に計画は失敗し、しかも妄想族に屈服せざるを得ない危機だったが、やはり義姉妹の絆は深く、パンツァーは再びタイガーと共に戦い、紀伊国屋を追いやる。
しかし、リリーはここまで既にやって来ていた。
自分の力が既に大阪を支配していることを見せるために、みんなを船に乗せて、出港。
小説家がいない。先ほどの心中騒ぎで本当に心中させれられて殺されそうになったので、もう怖くなってしまったらしい。もう無理ですの言葉を連呼し、泣きながら船を見送る。彼とはここでお別れみたいだ。まあ、あまり役には立ちそうじゃなかったので大きな戦力ダウンにはならない。
船は大阪城へと向かう。
船の中は完全に妄想族に支配されてしまっている。
途中に見つける大きなビルも全てリリーランドビルとなっているらしい。
リリーは藤吉郎と一緒になるつもりみたいで、色々とその準備をしている。
ふんどし一丁の藤吉郎のために、橋の上から服や、貫録をつけるためのサングラスを吊り下げてもらう手筈も整えていたみたい。
そして、忠臣として真田幸村を形どるアンドロイドも用意し、その勇ましい姿が船から見える。
ここまでしてもらっているのに、藤吉郎は誰かに支配されることを嫌ってか、それともリリーがタイプじゃないのか、一切心をなびかさない。根っからの天下人で、自分が頂点にいないとダメなのだろう。
さらには、OLが気に入ったみたいで、嫁にすると言って聞かない。
OLは冗談じゃないと拒絶を示す。
その拒絶のパワーが、妄想力を異常なまでに高め、二人は船上で完全に拘束されてしまう。
船は大阪城を離れ、元の船着き場に向かう。
特に何をするわけでもない、まったりとした時間。
動きが止められた設定になっているリリーと藤吉郎の不自然な態勢が可哀そうである。出ている汗は暑さだけではなく、苦しさからの油汗のようにも見える。
OLからドーナツをもらって、小腹を満たす。
話が船着き場に着くまでは、展開させようが無いのだろう。
こんな時間も必要だ。数々の戦場を経験するタイガーの言葉は決して、言い訳には聞こえない。
船着き場に到着すると、そこにはあの小説家に似た人がいる。
チカマツと名乗っており、彼の子孫らしい。
彼の残した記録によると、彼の大活躍で、レジスタンスは危機を救われたことになっており、自分もご先祖様を見習って、手伝いに来たのだとか。
小説家とはいえ、歴史を歪めたのか。
一部の人は船を降り、トイレ休憩。
船に残る人たちは、写真を撮ったり、お喋りしたりと。
敵味方関係無くの和気あいあいの時間。
船から見える橋の上では、共産党・・・うんぬんの声が聞こえるデモが行われている。恐らくはリリーランド建設反対のデモなのだろう。
やがて、再び全員が船に乗り込み、ゆったりとした時間は終わりを告げる。
囚われの身であるリリーと藤吉郎をチカマツに引き渡したところ、トイレに行きたいとかいう常套の姑息な手段に引っかかり、二人を逃がしてしまうことに。
あの小説家、子孫まで使えない奴だった。
船は淀屋橋へと向かう。
OLの職場に向かうことにする。恐らく、この会社の社員たちも妄想族に支配されてしまっているはず。
船からは芝生、ビアガーデンで楽しむ人たちがたくさん見える。
大阪の危機を知らないカップル、異国の人たち。妄想族にやられたのか死んだように眠るおじさん・・・
淀屋橋の船着き場には、大きな船が既に停泊している。
しばらく待機。どんな大義がこちらにあろうと順番は順番。
あの船なら、屋根もあり、クーラーも効いているのだろうなあといったような考えはもちろん夢にも思わない
船を降り、街中を歩いて、OLの職場があるビルへと向かう。
妄想センサの反応する方向へ。
そんなことしなくても、OLが道は知っているのだが、カゲヤマはそれを信じて違う方向へと進もうとする。
狭い歩道を迷惑にならぬように細く短く整列して歩く一行の逆側の歩道にカゲヤマの姿が見える。
サン○ルクの中を覗いたり、バスに乗り込もうとしたり、着物姿の人に話しかけたりと、いらぬ心配をかけながら、目的地へと進む。
ビルに到着。
エレベーター前で集合。でも、職場へは階段で。
部屋の中に入ると、確かに社員たちは黙々と仕事をこなしている。
戻って来たOLへの視線は冷たい。
そして、社員たちがついに正体を現す。
やはり、リリー率いる妄想族に支配されていたらしい。
OLはこれまでのことから、そんな社員たちに一切逆らえず、卑屈になってしまっている。
でも、今、妄想族を倒せるのはOLしかいない。自分との戦い。
そんな言葉を、あのチカマツが投げかけ、OLは目が覚める。
楽しく生きたい。みんなで仕事をして、終わったら飲み会。お金が無いなら芝生で缶ビールだって構わない。
そんな妄想力が社員たちを正気に戻す。
そして、最大限まで高まった妄想力がついにリリーを封じ込める。
リリーに洗脳されてしまっていた藤吉郎も目を覚ます。
あらためて、大阪を自分が制するために、OLを側室に迎えようとするが、OLは今の時代で楽しくみんなと生きていくことを語る。
そんな姿を見て、藤吉郎は自分の時代に戻り、大阪の原点を創ることを決意する。
これまでに見てきた大阪城や、大阪の川の街並みを自分が創り上げていくと。
カゲヤマたちも未来へと戻る。もう、大阪はきっと大丈夫。あの楽しいことを目一杯楽しめる大阪に戻ったと。
一人、部屋に残るOL。
社員たちは目を覚まし、いつもどおりに仕事を始め、退社していく。
OLは、飲みに行かないかと声を掛けようとするが、その言葉が出てこない。
結局、みんな帰ってしまう。
窓の外を見ると、共に旅した仲間たちが船の上にいる。
タイムスリップの前傾体勢に入った。みんな、それぞれの時代に戻っていく。
OLは勇気を振り絞り、主任の携帯に電話する。
みんな、まだ近くにいるらしい。
これから、一緒に・・・
数十分後には、はにかみながら嬉しそうな表情をみせるOLと笑顔を取り戻した人たちが、芝生の上で缶ビール片手に乾杯をしているだろう。
愛すべきこの大阪はこうして築き上げられていたのか。
藤吉郎は、きっと、今回、経験したことを踏まえて、楽しい大阪を夢見て、秀吉となって大阪の都を創ったのだろう。真田幸村の執念、人知を超えた力も当然か。
そして、未来からも、この大阪はずっと見守られている。語り継いでくれる小説家の血もずっと繋がっているみたいだし。ちょっといい加減なところも、また大阪らしくて良しといったところだろうか。
OLは心機一転、みんなと一緒に楽しみながら、仕事もそつなくこなすようになるだろう。ギスギスせずに、まあ飲みますかで、済ませちゃうようなところも大阪らしいいいところだ。
去年もそうだったが、どうしてこのアドベンチャーを経験するとこんな気持ちになるのだろう。
今、本当にとても幸せだ。
| 固定リンク
「演劇」カテゴリの記事
- 【決定】2016年 観劇作品ベスト10 その3(2016.12.31)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その2(2016.12.30)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その1(2016.12.30)
- メビウス【劇団ショウダウン】161209(2016.12.09)
- イヤホンマン【ピンク地底人】161130(2016.12.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント