ハッスル神功!!!!【アコヤの木】140513
2014年05月13日 音太小屋 (65分)
1年半ぶりぐらいに拝見。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/foll-in-down-fe.html)
前回拝見した作品が、かなり魅力的だったので、今回も期待していたが、実験的なところがあるが、なかなか面白い趣向の作品だった。
神功皇后を描いた作品で、少しとっつきにくいところがある。
だって、私は聞いたこともない人だったから。
でも、それでいいような作品です。
そんな状態で、歴史書で調べることもなく、この作品から浮き上がる神功皇后に想いを寄せてみればいいのだと思います。
そこには、本当にハッスルした、はるか昔の人だとは思えない、今、すぐ傍にいるような神功皇后を見つけることが出来るはずです。
<以下、ブログを書くにあたって、大したことはありませんが、少しWikiで調べてしまったことを書いています。これが上記したように観劇の妨げになるように思いますので、公演終了まで白字にします。公演は明日、水曜日まで>
後に神功皇后と呼ばれる息長足姫は、後に仲哀天皇と呼ばれる足仲彦尊と結ばれる。仲哀天皇が亡くなった後、神功皇后は神託を授かり、お腹に子供を宿したまま、九州から朝鮮半島の新羅へと出兵する。
日本書紀や古事記などの歴史書によるとそんな記載があるらしい。
Wikiで調べると、何やら難しいことがたくさん書いてあるが、ざっくり言うとこんな感じだろう。
神功皇后のことを教えてと言われ、上記のようなことを言えば、まあ何とか恰好がつくのではないか。
でも、それは本当にその人のことが語られているのだろうか。
作品を拝見して、得た神功皇后の姿。
敦賀の海で神の声を聞く。波の音がこれからの歴史をあなたが作れと聞こえたのかもしれない。
息長足姫。通称、タラちゃん。
自分は大陸から渡って来た角が生えた先祖の子孫らしい。今では角が無いが、はるか昔の自分の出生の源を想う。
出会った足仲彦尊。通称、ナカツ君。ヤマトタケルノミコトの子供だから、まあ王様ということだ。
タラちゃんを妃とする。
王様だから偉いのかと思えば、ちょっと優しくするとすぐ甘えてくるし、ちょっと厳しくするとすぐ泣いてしまう甘ちゃん。
それほど能力は無いのかもしれない。武内宿禰、通称、タケウチという長年に渡り、奉公してくれている部下が実際の政を行っているみたい。
新婚旅行を兼ねて、九州、熊襲を征伐に向かう。
牛車に乗ってドライブ。タラちゃん世代は、やっぱり流す曲はユーミン。
途中から船でクルージング。ここはナカツ君のセンスで加山雄三を。
やっぱり好きになれない。毎日、一緒に寝るのは辛いから、せめて週何日かは別々にとタケウチに直訴するが、そんな必要も無くなった。寝室はしばらく別になりそう。
妊娠発覚。
途中の島で対策会議。
今こそ神の声が必要。元々、それだけのために妃になっているような道具みたいなものだから。
ご神託は、大陸の新羅へ向かえと。そこには角が生えた人が暮らすところがあるかもしれない。自分の出生が分かるかもしれない。
反対する王様、ナカツ君は、ご神託に逆らうから虐殺。
お腹の中の子供が、次期王様だ。
まだ、この世に姿を現していないが、声がする。その声は、我が子なのか、神様なのか、タケウチなのか。それとも、亡きナカツ君なのか。
流産。
神の声を聞くことと、女でいることは両立出来なかった。
やがて、タラちゃんはタケウチの活躍により、新羅を平定。次期、王様は、再び妊娠した子供へと受け継がれる・・・
この作品では、人間が今の姿で無いかもしれないくらいのはるか未来の人たちに、今の私たちを知ってもらうとしたらどうなるか。
私たちは、今、生きていて、何かを見て、言葉を発する。そんな、紡がれた時が伝わるのかみたいな感覚から出来ているみたい。
歴史書には書かれていない些細な出来事。
でも、それが、その人の見たものであり、聞いたものであり、発した言葉であり、その人の紡いでいった人生である。
様々な出来事から、積み重なる悲しみや喜びの心情。その蓄積の上に、人は何かを成し得る。多くの歴史書は、その最後の部分しか描かれていないのかもしれない。
例えば、誰かがとても有名な建築物を建てても、はるか未来ではその事実と根拠しか語られないだろう。そこに至るまでの、その人の楽しい出来事、悲しい出来事などの積み重ねは見られることなく、人物像を創り上げることになるのではないか。
人を描くのに、その生きてきた流れではなく、至った所々の一点の事実だけのように感じる。
その建築物を建てるまでに、その人がどんなものを見て泣き、笑い、そして、どんな言葉を紡いでいったのかをちょっと考えてみようかなといった感じだろうか。
今回のような古代の人を描く歴史書は、今の私たちにとっては、感覚も違い、言葉も違い、そこから想像するその人は本当にどんな人だったのか、私たちのはるか昔のご先祖様はどんな人だったのかまでにはなかなか至らない。
今の自分が存在する、その原点にある人はどんな人だったのだろう。
歴史書には書かれていないところを、想像しながら、今だったらこんな感じだろうかと、現代的な感覚に変換してみながら、その人に想いを寄せてみる。
そんな感じで、出来上がった神功皇后の姿は、はるか昔の人でも、今、隣にいるような存在として受け入れることが出来るような気がする。
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コメント
遅くなりましたが、ご来場ありがとうございました。
次回はどんな題材になるかわかりませんが、またお待ちしております。
投稿: 秋津ねを | 2014年5月17日 (土) 20時24分
>秋津ねをさん
毎回、コメントありがとうございます。
とてもチャーミングな役者さんですね。
歴史上のあの人物が、身近にいる一人の女の子のように映りました。
また、登場人物に触れられるような楽しい作品を期待しております。
投稿: SAISEI | 2014年5月19日 (月) 09時56分