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2014年3月 8日 (土)

グッド・バイ【メイシアタープロデュース SHOW劇場】140307

2014年03月07日 吹田市文化会館 メイシアター小ホール (180分 休憩5分)

太宰治の同名作品を原作にした、ちょっと異色の作品。
やはり難しく、よくは分かりません。

太宰治って普通に考えれば、あの生き方は異常ですよね。
でも、この作品は、本名、津島修治としての生き方、グッド・バイの中の主人公、田島周二の生き方を交錯して描き出しているような感じで、その中から彼の生の捉え方に少し近づけたような気がします。
そこには、生きづらい中で必死に生き、その生まれた愛を全うしようとした姿が浮かび上がります。そして、そんな彼を愛した女性たちの心も美しく見えてきます。

舞台の奥は食器棚や衣装棚、部屋には小さなちゃぶ台があり、昭和風の家屋の具象舞台。
部屋は広いのだが、真ん中に境界線のように溝があって、客席側になるその手前がフリースペースみたいになっている。
溝から役者さんが登場したり、飛び込んで消えたりと、生死の間みたいなイメージか。
最初は奥側は主人公である津島修治の現実の生活、手前はその津島の絶筆となった作品名でもあるグッド・バイの小説の世界かななんて思って観ていたが、境界はあいまいで、しかも客席にも役者さんは現れるので、あやふやである。実際に話もそんな世界が交錯しているような感じである。
床は原稿用紙の模様になっており、津島の生活そのものが、原稿用紙の文字となって描かれ、彼の作品が出来上がっているといったことを示しているのだろうか。

キャストは男優さんが一人、女優さんが11人。
あらかじめ調べたグッド・バイのあらすじからは、きっと男優さんが太宰、同時に作品の中の主人公、田島周二で、女優さんの誰かが絶世の美女、永井キヌ子、残りが田島の10人の愛人なんて思っていたが、これは思いっきりミスリードであり、そんな話では無い。
まあ、そりゃあそうだろうな。そんな、そのままグッド・バイをするわけがないわなあなんて、いつまでたってもそういったことが見抜けない自分に呆れ笑い。
と言って、観てその全容が理解できたわけでもない。
けっこう交錯していて、混乱する。

二幕に分かれているが、重大なことに気付いたのが、一幕の終わり直前だろうか。
一幕では津島修治が、貞淑な妻、美知子と質素な暮らしをしている。
津島は過去にある女性と入水で心中を図り、自分だけ生き残っている。
純朴な少女との恋、共に自殺未遂を起こした前妻。
津島は小説を執筆中で、それがグッド・バイ。
この小説を新聞で連載するように尽力してくれている女性編集者。これはどうも、愛人でもあるみたい。
どこかの小料理屋では、いつも女性を連れて、飲み代を踏み倒していたりする。
その連れてきていた女性は編集者や、最後に入水自殺を完遂する美容師仲間の女性のようだ。
そんな女性とお別れするために、永井キヌ子も登場する。
これがどうもグッド・バイの世界で、その主人公である田島周二が登場する。津島を演じる役者さんである。
妻には途中原稿は読まさないが、愛人には見せていたみたいで、小説の原稿を読む愛人は、自分を永井キヌ子に投影している。虚栄心を満たしているような感じだろうか。
ぐちゃぐちゃになっているが、一幕はそのあたりが描かれる。
ただ、上記した津島修治は、恐らく誤りで、観ていたのはどうも太宰治だったみたいだ。
このあたりが、この作品の難しいところで、どうも太宰治でなくては生きていけなかった素の津島修治いう存在がある。
一幕の終わりに、そんな津島修治が登場する。どういうわけなのか、永井キヌ子を演じた役者さんである。
実際はガサツで言葉も悪く、優しさも無く、自己愛に満ちているような女性で、その上っ面だけの感じの良さを自分自身と同化させているのだろうか。よくは分からないが、貞淑な優しい妻にどこか潜んでいるように感じる絶対的な自信みたいなものを象徴化しているような存在としてキヌ子を観ていたので、ここで私の頭の中は完全に崩壊する。

休憩を挟み、二幕。
ここからは津島修治が描かれているみたいだ。
自分の人生を歩むといって津島の下を去っていった母。その代わりに乳母としてずっと面倒をみていたが、ある時、女中に全てを任せて逃げてしまう。
その女中は、津島へ割り切った愛情を注ぐ。母のように構ってはあげられない。だから、本を読み、自分の世界を切り開くようなアドバイスをしている。そんな、どこか切ない愛情も津島にとっては救いだったのか、彼女が初恋の女性でもあるみたいだ。
どうも、初めから津島はグッド・バイという人と別れることから人生をスタートさせているようだ。
何となくだが、そんなトラウマなのか、グッド・バイを自分がするのが嫌で、人を好きになっては、別れることなく蓄積し続けてきたような感を得る。
それはそれで、ひどくつらいことだったのであろう。
津島は、太宰治という、ある意味で傾奇者として許されるような人格を自分の中に創り上げたように感じる。
そんな太宰治となった彼は、妻の働く小料理屋で、あろうことか愛人たちと酒盛りをしている。こんなことが許されるのは太宰だからであり、津島ではそんなことは出来ないことだったのだろう。でも、彼はそれでも、みんなとグッド・バイすることが怖かったのかもしれない。
酩酊して、帰宅する。この時、太宰は津島となっている。
そこで、妻に素の自分をさらけ出す。
津島は太宰でいなくては生きていけなかったこと、そして小説の田辺周二は自分であることを妻に伝える。
妻はそんなことは、初めから分かっていたみたいだ。
だから、太宰として行っていた数々の奇行には目を向けず、その内側に常にあった津島の想いを見詰めていたようである。
そして、彼が恐れていたであろうグッド・バイを小説にして描き始めたことで、ある覚悟もしていたようだ。
翌日、彼は愛人と入水自殺を完遂する。
それは太宰であり、自分の愛した男である津島の想いは、彼が自分のためだけに残した秘密の原稿に詰め込まれているかのように、その原稿を川にまき散らして笑顔で彼を送り出す。

と難しいながら、自分なりに必死に解釈。
要は人の様々な愛し方に潜む本当の愛を見詰めているような話のような気がする。

あと、ひどかったな。
久しぶりにあれだけ観劇マナーの悪い人を見た。
終始、体を動かし、頭を動かし、面白くなかったのか、舞台はほとんど観ず。
後ろだったので、気になって仕方が無い。まあ、あの人のせいで、よく分からなかったと言い訳が出来るのが救いだけどね。
あれだけの場合は、会場内のスタッフも声をかけるべきじゃないかな。
動くな、じっと観ろなんて注意する必要は無い。どこかお体の調子悪いんでしょうかぐらいのことを言えば、普通の人なら気付くだろう。
ああいうのを見ると、本当にがっくりする。
残念でならない。

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