« ツレがウヨになりまして。【笑の内閣】140304 | トップページ | PACO ~パコと魔法の絵本~ from「ガマ王子vsザリガニ魔人」 140306 »

2014年3月 5日 (水)

ポリアモリー・ラブ・アンド・コメディ【匿名劇壇】140304

2014年03月04日 芸術創造館 (95分)

ポリアモリーに従ってシェアハウスで暮らす8人の男女。
表面的には、ある均衡を維持し、楽しく暮らしている感じなのだが、鬱積しているものが滲み出てきそうな不気味な気配も漂わす。
そんな人たちを、様々な表現手段を持つ各人たちの視点から映し出して、この演劇作品にしたような作品かなあ。
非常に面白い作品です。

私は都合があって、もう観れませんが、恐らく、観るのも視点を変えると面白くなりそうな作品です。例えば、別の登場人物の誰かに完全に感情移入して観てみるとか。
お時間ある方は、リピートをお勧めしたいと思います。

あるシェアハウス。
演出家の男が家主で、ミュージシャン、棋士、写真家、漫画家、女優を目指す人たちが集まる。目指すといっても、特にそのための活動はしていない。
それともう一人の女性。彼女はポリアモリーという考えを持っている。要は双方合意の上で、複数の相手と同時に恋愛関係を持つ形態らしい。
そんな彼女のことが好きな家主は、彼女と一緒にいるため、いつの日か自分だけの女性になることを心の中では願い、恋愛をするなら全員を愛するという、彼女の考えに従ったルールを、このシェアハウスに適用する。恋愛をするならなので、しなければ誰とも付き合わないことも出来る。選択肢は0か100といった感じだ。
と言っても、男女が一つ屋根の下で暮らして、恋愛感情を抑えることなど出来るはずもなく、シェアハウス内では複雑に絡み合った恋愛関係が成立している。
もちろん、ルールはシェアハウス内だけなので、ここを出ていけば、その制約に縛られることは無いが、あるカップルが二人だけのために出ていくということは起こっていないみたい。
どこか、誰もが現況に対して不可解なことを感じているような、薄気味悪さを漂わせながらも、そのポリアモリーの関係は不安定なバランスを維持する。
そこに、演出家の後輩である映画監督を目指す男がやって来る。
そのことで、バランスは崩壊の兆しを見せ始める。

このポリアモリーの中で暮らす人たちに興味を持った男は、ドキュメントとして映画にしたいとカメラを回し始める。
その中で、家主はその女性が好きで、写真家は家主のことが好きで、女優は棋士が好きで、漫画家はミュージシャンが好きで・・・でも、みんながみんなと付き合っているという実態が浮き上がってくる。
これは面白い。
作品の魅力をさらに高めるために、男はネタを放り込む。
妊娠が発覚したらどうなるだろう、ある女性の入浴を盗撮したら一番怒り出すのは誰だろう。
こんな観る側の刺激を煽るバランスの崩壊を引き起こすであろう男の演出は、このシェアハウスの人たちに見事にはまり・・・

以前のPUNK HOLIDAYを拝見した時のように、最初に独特な作品の設定を理解させておいてから、今回は映画撮影といった形でメタフィクションの形態へと引き込む。
これだけなら、よくあるパターンだが、さすがは知的な面白さを魅せるこの劇団。これをさらに複雑にして、演劇的な面白さを高めると同時に、わざわざ混乱させるように仕向けているかのごとく、複雑な構造へと導かれる。
シェアハウスの面々は、何らかの形で創り手を目指す人たち。
みんなにとっても、自分たちの生活は観る側にとって刺激的だということに本能的に気付いたようで。まあ、客観視が出来るからこそ、こんな生活を維持できるのかもしれないが。
途中から、映画だけでなく、各々が創り出した小説、演劇、棋譜、音楽、写真、ドラマのような作品を交錯して観ているのかもしれないという不思議な感覚になり始める。
各々が演出しているので、その視点によって、一つの事件に潜む捉え方が異なってくる。ある人の演出では、自分に都合の悪いことは、ドキュメントとはいえ虚飾してしまったりもしているが、それが別の視点から発覚したりする。
結局、私たち観客が観たものは、一体、何だったのか。

話だけを追えば、複雑なシェアハウスの人間関係を理解しようと頭を悩ます。これがある程度分かって、安心しても、今度はどの視点から、誰の演出効果が入って描かれているものを観ているのかに頭を悩ます。
複雑に絡まっているのは、話だけなく、この作品の構造であり、頭を使って観なくてはいけないので疲れる。
ただ、それが観終えて爽快に思えるところが、この作品の面白さを証明しているのだろう。
本当は何か答えみたいなものが、出てくればもっと気持ちいいのだろうが、そんな頭の良さは持ち合わせていないのが残念だ。

|

« ツレがウヨになりまして。【笑の内閣】140304 | トップページ | PACO ~パコと魔法の絵本~ from「ガマ王子vsザリガニ魔人」 140306 »

演劇」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ポリアモリー・ラブ・アンド・コメディ【匿名劇壇】140304:

« ツレがウヨになりまして。【笑の内閣】140304 | トップページ | PACO ~パコと魔法の絵本~ from「ガマ王子vsザリガニ魔人」 140306 »