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2014年3月

2014年3月31日 (月)

怪談&演劇公演企画【くさび企画】140330

2014年03月30日 BONZEくらぶハウス堀北庵 (100分)

怪談をベースにしたバラエティー企画。
20分のお芝居と、怪談士による怪談話。この回は無かったが怪奇漫才なんかもあったみたいだ。
頭の回転速くズバズバと切り込む言い回しの作道雄さん(月面クロワッサン)と、落ち着いた雰囲気でそれに少しズレ気味に対応する、この企画の主宰である小笠原将人さんの、微妙な空気の軽快なMCトークで、舞台の雰囲気を盛り上げている。
舞台監督さんは、どこかこの世の人とは思えないような雰囲気を醸して、そして、会場には座敷童を配置して空気を作る。

何かよく分からない作品や話もあったが、それも含めて、まあ楽しめる企画なのではないだろうか。
そもそも、私自身が引いてものを見るところがあるので、こういった怪談は鼻から斜に構えてしまっているところがあり、そこはあまり自分とは合わない企画ではあったが。
それでも、当日チラシに書かれているように、普段、芝居を観ているだけでは見えてこないその人の魅力を感じられるところがあるように思う。

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パフ【劇団しようよ】140331

2014年03月31日 人間座 (100分)

作風をかなり虚構のファンタジーワールドにしているが、直面する厳しい現実を残酷に鋭く描く作品だった。
そこには、お別れ、命とのお別れを現実的に描いている。
でも、そのお別れの悲しい涙の前には、出会えた楽しい笑顔があったことを決して忘れたくない、忘れないで欲しい、そしてそのことを胸に抱いて頑張って生きて欲しいという強い祈りを感じさせられる話のように感じる。

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2014年3月29日 (土)

みんなのゴルフ・ピアノマン【題名のない演劇会】140328

2014年03月28日 大阪大学豊中キャンパス21世紀懐徳堂 (60分+20分)

笑いに包まれる2本立ての公演。
両作品とも設定は、漫画のように無理やりなもので、登場するキャラもかなり色濃くしてあるので、ずっと笑いっぱなしぐらいの状態で観ることが出来る。
ただ、その中で感じる共通テーマは好きという言葉だろうか。
ゴルフもピアノも、かなりの鍛錬を積まなくては出来ないことだろう。だったら、どうしてそんな辛い想いをするのか。そこに好きの答えが見えてくるような話になっている。
両作品とも、笑いの要素をふんだんに盛り込みながらも、ちょっと温かい気持ちになってしまうような良く出来た作品だ。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

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2014年3月28日 (金)

男の60分 2014【ゲキバカ】140327

2014年03月27日 世界館 (80分)

徳島、淡路島と旅行に行っており、千秋楽に間に合うように大阪に戻る。2日しか公演が無かったので、こんなスケジュールを組むしかなかった。大阪に来られたここを観逃すことは私には絶対に許されない。
・・・つもりだったが、帰り道が大渋滞。
彼女を家まで送ってから、劇場に向かっては絶対に間に合わない。
一緒に観るしかない。
ということで、私は楽しみにしていたからいいとはいえ、疲れた体に鞭打っての観劇に。
普通なら、無理やり連れて来た彼女に気を使いそうだが、ここはその点、安心。
間違いなく、楽しませてくれるはずだから、観終えた後は、逆によかった、楽しかったという言葉が聞けると信じていた。
その通りになりましたというのが、この作品の感想そのままでいいだろう。

母が亡くなった俺が、久しぶりに戻ってきた故郷で少年時代を思い起こすことで、郷愁感を漂わせながら、母への変わらぬ想いにつながっていくまでの時間を共有する。
ほとんどの時間で繰り広げられる少年時代のおバカな遊びっぷりは、個々の弾けた役者さんの悪ガキキャラを笑いながら楽しむ。ダンスパフォーマンスも今まで以上の凄さだ。
そうしている中で、自然とその仲間たちへの大切な想いが、母への感謝の気持ちへと通じていくようになる。
主人公の俺が特別に何かするわけでは無い。
母との強烈な思い出がつづられるわけでもない。
でも、いいお母さんだったんだろうなという、像が浮かび上がって来る。
笑って面白かったのに、何か心の中ではじわ~っと温かいものが残るような作品。

出会いと別れ。
初めて出会うのは母親。そして、それから数多くの人たちと出会って、自分と一緒の時間を刻んでいく。
やがて別れる時。死んだらもちろんだけど、生きていたって、もう会えなくなる人なんて幾らでも人生の中で出てくる。
そんな人たちを思い出す時。色々な想いが駆け巡るのだろうが、最後はありがとうと感謝の気持ちで締めくくりたい。会えなくなっても、一緒に時を過ごした楽しかった思い出と感謝の気持ちは消えることは無い。
人生の原点である母への想いが、歳を経た今でも変わらないことを俺は知り、自分のこれまでの生、そしてこれから続く自分の時間に対する尊き気持ちが沸き上がったように感じる。
そして、そんな俺を通じて、私たちは俺と同じ気持ちを抱えて劇場を後にするような話だ。

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2014年3月25日 (火)

一千戯曲【私見感】140325

2014年03月25日 芸術創造館 (105分)

素晴らしい作品だった。
話の内容はもちろん、この劇団らしいリズミカルな言葉遊びを多用した演出。
それだけなら、これまでもそうだが、今回は表現物を創るということの覚悟を強く感じさせる。
語られる話から物語を創る。それを映像化する。その姿、風景を写真や絵で残す。その時の想いを手紙で言葉にする。そして、こういった演劇作品を創る。
そこには過去にあった事実が書き留められているだけでなく、その中に閉じ込められた人の想いが刻み込まれている。そんなことを、戦争や震災をベースに、失われた命への想いを描くことで伝えているように感じる作品だった。
それにしても、素晴らしい。
話もちょっと泣けるのだが、それよりも作品自体に深く感動した。

<以下、若干ネタバレ注意。特に整然と話を書いているわけではないので、許容範囲として白字にはしてませんので、ご注意願います。公演は明日、水曜日まで。社会人は公演時間が厳しいと思いますが、無理してでも観たらいいと思える作品です>

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2014年3月24日 (月)

tango@bye-bye【劇団うんこなまず】140323

2014年03月23日 CafeSlowOsaka (70分)

あれかなあ。
昔、ちょこっと読んだ、僕が世界を旅する理由。退屈なのは世界か、自分かみたいな話。

あいかわらず、よくは分からない。
笑いの感性が恐らく若者向きで私には合わないのだろう。よくTwitterで拝見するような笑えたみたいな感想には全くといっていいくらいに同調できない自分がいる。笑いという点では、ここは面白いと思ったことがないくらいだ。
それでも、観に行くのは、そんな笑いを求めるのではなく、毎回、何か心には残る作品だからだ。
今回は特に、自分が既に経過してしまった人生の時のような感覚を得て、悲しい想いが残る。
葛藤の中でも、奮い立ちたい気持ちを率直に伝えようともがきながらも楽しんでいるいい作品だと思う。

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2014年3月23日 (日)

労働逃避絵巻 ㈱×忍【劇団ヨメニコ内科】140323

2014年03月23日 OVAL THEATER (70分)

正直、久しぶりの公演なのか、テンポにぎごちなさが残ります。
話自体、そして展開の仕方が面白いだけに、もう少しスムーズな流れがあれば、もっと笑えて、もっと楽しめる作品だったように思います。

それでも、役者さんの芸達者ぶりや熱量で、うまくカバーしているところがあり、楽しい時間でした。
忍者が働く特殊な会社で起こる事件を通じて、一人の社会に馴染めずモヤっとしている男が、自分の力を信じることができるようになり、その力を発揮する楽しさを知るまでを描いたような話でしょうか。
忍者を役者さんなんかに置き換えてみると、演劇の世界もこんな作品みたいになればいいのになあなんて思えるような作品でした。

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緑子の部屋【鳥公園】140323

2014年03月24日 芸術創造館 (70分)

とんでもない作品だ。
好きなだけ翻弄され、とまどい、不安にさせられる。

京都で短編を拝見して、これは本公演を観たらえらい目に合うだろうと思った上での観劇だったが、思った以上にやられた。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-4.html
ただ、何か面白いと思ってしまうことが、逆に腹が立つ。

<あらすじが書けるような作品ではありませんが、以下、記してしまったキーワードが重篤なネタバレをすると思います。東京公演が来週からあるようです。重々、ご注意願います>

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みなそこにいる【劇団いちびり一家】140322

2014年03月22日 シアトリカル應典院 (90分)

人魚姫をベースに、現実と空想が複雑に絡み合ったような構造をしており、かなり混乱する難解な作品でした。上手いこと創るものです。ただ、描きたいことはきちんと伝わるような作品ではあります。
劇団としては恐らく初見だと思いますが、イメージと異なり、少々、驚きました。
音楽劇のような作風なんですね。そして、話の構造同じく、重層化された面白い舞台セット。少し、話の内容は重いのですが、それを軽んじることなく、機転の効いた会話の掛け合いなどで笑いを組み込んだりもします。
エンタメ色豊かな楽しい作品でした。
現実的に描かれる苦境が重いですが、家族を想わせる優しい話です。

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2014年3月22日 (土)

MONO DRAMA【彗星マジック 米山真理一人芝居】140322

2014年03月22日 PLACEBO (65分 休憩10分)

二本立ての米山真理さんの一人芝居公演。

昨年の劇団本公演で拝見した作品「チムニースイープ・ラララ」。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-4.html
一つ目は、その後をDJとして生きる主人公の純粋な少女ラララが、その作品での話を振り返ると同時に、これからを描いた話として新たに創られたような作品。

そして、もう一つは、昨年のINDEPENDENT:13と称する一人芝居フェスティバルで予選を突破し、本選での公演を勝ち得た名作「シロとクロ」
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/independent13-1.html
今回は、石川晃さん(PLACEBO演主)が、その公演を観て、この作品のためにご自分が創った音楽にあわせて演じる新しい作品となっています。

特に多くを語る必要は無いでしょう。
素直に米山真理さんの可愛らしい表情、軽快な楽しくなる動き、心情こもった演技・・・に魅了されるだけの公演です。

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2014年3月21日 (金)

over the Rainbow 虹の彼方に【劇団態変】140321

2014年03月21日 ABCホール (80分)

もう2年前になるのかあ。
かなり衝撃を受けた劇団で、コンテンポラリー風なので、色々と想像して観たものを補完しないと訳が分からなくなるから、大変なんだけど、美しくもあり、面白くもある独特の空気が凄さを感じます。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/121006-5e9e.html

今回の作品は、まあ、記念的な公演でもあるみたいなので、ご自分方の歴史をベースに描いているようなところがあるみたいです。
ただ、それよりも、何かもっと大きな宇宙とか自然とかの中にいる自分たちみたいな壮大な感覚を呼び起こすようなところが、この劇団の最大の魅力のような気がします。

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父を葬る【燈座】140321

2014年03月21日 インディペンデントシアター1st (85分)

前作同様、壮絶な迫力ある舞台だった。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/130117-efad.html
ズシリスシリと容赦なく、厳しく色々なことを突きつけてくる。逃げ場無し。
でも、前回よりかは、そこに親子愛が深く感じられて、それで重苦しさは緩和されていたような感もある。
何にしても、強烈な印象残る作品だ。

父と娘の絆をベースに、震災によって浮き上がった歪んだ今の世の中を描いたような作品でしょうか。
親子の切っても切り離せない想い合う心の繋がりに感動するもよし、日雇い労働者のような格差社会の最下層を生きる人たちの言葉から歪んだ社会構造を見詰め直すもよし、震災によって引き起こされた原発に代表される諸問題の実態に対峙するもよしといった感じかな。もちろん、鬼気迫る迫力ある演技に魅了されるもよしでしょう。
単独視点でも見ることが出来る上記の事項は、実は連鎖して繋がっていることに気付かされるようなラストを迎えます。
3.11が私たちにもたらしたものは何なのか。もちろん、本当に被災した人は、不条理に悲しく辛い苦しみを体感したのでしょうが、被災はしていなくとも、同じ日本で生きる者たちにも、大きなものを突きつけたように感じられてくる話です。

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2014年3月20日 (木)

無差別【東洋企画】140320

2014年03月20日 大阪大学豊中キャンパス 学生会館2階大集会室 (90分)

昨年、柿喰う客で拝見した作品。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/121003-b399.html

話としても、その演出も難しい作品だと思うが、熱量ある動きと、真剣な眼差しでの心情のこもった演技が光る。
作品の世界により浸らされる大掛かりな舞台セット、神話と現実の世界を交錯させるような衣装など、不思議な世界観を味わいながら、作品名の差別や、生きるということの意味合いを考えさせられる作品でした。

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2014年3月16日 (日)

B&B【JACKPOT】140316

2014年03月16日 芸術創造館 (110分)

ハッピーエンド過ぎやしないか。
そんなくらいに、ラストはハッピーが連鎖する。
ここまで、完璧にハッピーエンドにしている作品も珍しいのではないだろうか。
だいたい、何かちょっとブラックなところも入れたくなるのが常だろうに。
そして、さすがは演劇作品らしく、メタフィクションの形でうまいなあといった作りも魅せている。
見事な作品だと思う。
幸せでおなかいっぱいだ。

テーマは引き籠りらしい。
心に抱える闇は、人それぞれあって、色々と大変だ。歩みを止めざるを得ないことだってたくさんある。
でも、本当にちょっとしたことで変わる。ちょっとしたきっかけだ。それに恵まれていないだけなのだろう。
引き籠っているだけでは、そのちょっとしたことを得ることが出来ない。
だから、少しだけでいいから、顔を出したらいいのではないだろうか。それか、入り込んでくる人を少しだけ受け入れてみたらいいのではないだろうか。
周囲の人の姿を見るだけで、きっと自分は変われるはず。
そんなことを観て思う。
当日チラシにも書かれている。
この作品も、そんな苦しむ人たちの心がやわらぐ、ちょっとしたきっかけになればいいのになあと思う。

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珠光の庵【劇団衛星】1403015

2014年03月15日 乾窓禅院 (120分)

本当に出来るのか。茶道と演劇の融合。
いったいどんな作品なのかと興味津々に伺った公演。
非常に面白い試みで、楽しいの一言であった。いい勉強にも、経験にもなるし、おまけにけっこう笑えるしで、色々な表現があるんだなあとつくづく感心。
こういったスタイルの演劇もまた一つの文化となって、歴史に刻まれていくのでしょう。

最初は、舞台上での話の進行に従って、この演劇作品の観客であると同時に、闘茶を見物にやって来た客となる。いつの間にか禅を組まされ、用意されたお茶会に参加し、舞台の一員に変わっている。
前半の仕込まれた笑いを楽しむ面白さとは別の心地よい時間が流れ始める。
本当に茶道に通じる、お茶の席ではみな平等みたいな感覚。
侘び茶という一つの文化が生まれた瞬間を描いたこの作品同様、新しい演劇といった文化に自分も立ち会い、その先を見詰めるといった不思議な気持ちになる作品でした。

<以下、ネタバレ注意。この公演は47都道府県上演を目指して、現在も全国を巡演中の作品です。これから観ようと考えている方は、ここで読むのをやめて下さい。大したことは書いていませんが、流れを記録的に書いてしまっているので、これを読んで観に行ったら、恐らく興醒めです。本来はこういった感想の書き方をすること自体が、この作品の世界でいう無粋なのでしょうが、まあ、俗人の書く感想ですから、そこはご容赦ください>

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2014年3月14日 (金)

箱~forget me not~【TrouBleMaker*people】140314

2014年03月14日 シアターOM (90分)

前半の個性的なキャラによるドタバタコメディーの笑い。
後半からラストに向かっての意外な話の展開による脚本の妙。
閉鎖された心が解放する中で、溢れてくる優しく温かい想いから得られる感動。
心情表現豊かな役者さんの見事な演技。
総合的にそれらがこの作品の面白味に全て繋がっており、魅力溢れる作品に仕上がっている。
良く出来た作品だなあといったのが率直な感想だろうか。

<以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。上記したように意外な展開も、この作品の魅力だと思うので、これから観られる方はご注意願います。公演は明日、土曜日まで>

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メルティ*メルヘン*チョコレイト【大阪大学劇団ちゃうかちゃわん】140314

2014年03月14日 大阪大学 豊中キャンパス 学生会館2F 大集会室 (105分)

五つの童話をベースに、作品名どおり、メルヘンチックな世界を創り上げる。
各役者さんの持ち味を存分に発揮した笑いありの面白さを十分過ぎるくらいに魅せながらも、ちょっと不気味な精神世界を描くようなファンタジーワールドの要素も絡める。
卒業公演なので、楽しい作品であると同時に、仲間たちと共に過ごしてきた4年間を各童話の中でたどりながら、これから飛び立つ世界で、物語を自分たちで創り上げていくといった気持ちも垣間見られる巧妙な脚本になっているようにも感じる。

この代の方々はこれまでにもけっこう拝見してきた役者さんたち。
男優さんは顔と名前もほとんど知っており、そのバカをとことんまで魅せる力はいつもながらのさすがの出来であった。
驚いたのは、失礼ながらあまり知らなかった女優さん方が、それを上回る破壊力抜群の弾けた演技で笑いを好きなだけかっさらっていかれる。
いったい、この劇団にはどれだけ面白い人たちがまだ潜んでいるのか。
キャストの数も多く、笑いに秀でた個性がぶつかり合い、ドタバタが過ぎてしまうような感覚があるのだが、その割には終始、綺麗なまとまりを見せて、話の展開を邪魔せず、各々が見せ場を楽しませている。
個々の力と全体を見通して一つの作品を創り上げる力。卒業生ともなると、これまでの数多くの経験が、こんな巧妙なバランス感覚を身に付けさせ、よく出来た面白い作品を生み出すのだろう。

<以下、ネタバレしますので公演終了まで白字にします。公演は明日、土曜日まで>

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2014年3月11日 (火)

曇りのち光【劇的☆爽怪人間】140311

2014年03月11日 道頓堀ZAZA (80分)

心を描く作品にしては、少しテンポが早いといった感じで、話の展開よりも、もう少し時間をかけて丁寧に登場人物の心情を蓄積して欲しいなといった前半。
でも、後半はいつの間にか、その心の中がしっかりと見えるような感覚になり、実は前半に感じていたことは成されていたようです。
一人の女性の真の気持ちが、周囲の人たちの心に変化を及ぼしたといったような話。想いは必ず伝わり、それは自分にも必ず返ってくるといった強い想い合いを見出せます。
作品名のとおり、曇った空に光が挿し始め、あっ、そろそろ晴れるなといった爽快な気分になれるような作品でした。

<以下、かなりネタバレしていますのでご注意願います。公演終了まで白字にします。公演は明日、水曜日まで>

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のぞき穴、哀愁【MONO】140310

2014年03月10日 HEP HALL

テンポのいい会話のリズムにのって、時折、心に突き刺さる言葉にハッとしながら、展開する話を楽しく観劇。
何をしてんだよ、この人たちはといったバカバカしい呆れや笑いに浸っていたら、最後はいつの間にかしんみりと切ない感覚が襲ってくる。

自分が、もうそこそこの歳だというのもあるのだろうか。
そうだよなあ、のぞいているだけでは、確かに何も変わらんわなあ。でも・・・
みたいな、作品名どおり、哀愁が心に浸み込んできた。
楽しかったけど、悲しい中年の姿が浮き上がる。
いや、それでも、あれだけの人たちだ。
きっと、どこかで時には懸命に、時にはしたたかに、また子供のようなところを見せながらも頑張っているだろう。
ラストに捨てられてしまった人たちの行方はエピローグで描かれていないので、勝手にこちらで想像して、頑張れ、頑張れ、負けるな。光あるところで生きている人をのぞいて、うらやましがるな、誇りを持ってニヤリとしてやれ。
なんて、自分にも伝えたい激励を頭にしながら、帰路につく。

<以下、若干ネタバレ。既に長期間の公演をされているので、少々は問題ないだろうと判断して白字にはしていませんのでご注意ください>

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2014年3月10日 (月)

荒野の家【水素74%】140309

2014年03月09日 芸術創造館 (90分)

家族が崩壊していく様に心ざわつかせて、巧みな演技を魅せる役者さん方による極端に特徴化された登場人物の一挙一動を見守る。
登場人物たちは、どこか実生活とオーバーラップしているようであったり、伝えたいテーマを明確化するためにかなり歪曲した虚構の像にも感じられたり。
自分と重ねて家族というものを考えてみたり、単なる嘘の物語として悲劇的な家族の崩壊を皮肉めいた笑いを込めて楽しく観たりと、バランス感覚が絶妙で、彷徨いながらも舞台に完全に惹きつけられる作品。

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2014年3月 9日 (日)

萱場ロケッツ!【第2劇場】140308

2014年03月08日 インディペンデントシアター1st (100分)

凝りに凝りまくった構造で、しかもある男の妄想世界を辿るような話なので、まあ頭が混乱する。
さっぱり訳が分からない状態になるが、忘れるということを意識させ、そこから目を背けている自分の抱える問題たちと対峙させる、厳しく突き刺さしてくるような感覚を得る。
それでも、どこか楽しく観ることができるのは、数々の不可思議なキャラたちの存在であり、ちょっとしたファンタジー色を持たせながらも、今の社会問題をも鋭く警鐘するような話となっている。

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2014年3月 8日 (土)

ウルトラガーリー1000%!【DEW PRODUCE】140308

2014年03月08日 道頓堀ZAZA HOUSE (90分)

ファッションショーを題材に、綺麗なモデルたち、そして個性的な周囲の人たちが一つの仲間となって、大きなことを成し得るまでを描いた話かな。
かしこまって書くと、作品名にもある少女から大人への成長、一つのことを目指す中で生まれる仲間意識、周囲の人たちをも巻き込んだその目的への真摯な想いなんていうご自分方の姿を描いたようなところも感じられる。
共に化ける、自らを表現するなんて感覚があるモデルを、演劇の世界でこのような作品を公演するにまで至った役者さんはじめ、創り手である自分たちに投影して、その演劇への想いを伝えた作品として捉えてもいいのかもしれない。

まあ、そんなことより、綺麗な女優さん方のまぶしい姿に見惚れ、本当に美しく化ける姿に恐れにも似た驚愕を感じ、かっこいい男にイラ立ち、切ない哀れな男の行く末を案じ、強烈な個性が爆発するキャラを引いて笑いながら、90分の時を、彼ら彼女らのこれまでの頑張りを想いながら、楽しめばいい公演であろう。

DEW PRODUCEは2年ぶりの公演。
(1回目の感想:
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/paradise-cityde.html
2年の時を経て、あの頃から活躍されている方々をはじめ、今、これからが期待される方々も入れ込んでの公演となっている。
恐らくは演劇だけをしていればいい状況ではない中で、それでも続けてきた演劇が繋いだ仲間の強い力を堂々と見せつけられる。
やり抜く力だろうか。そこに、成長、懸命、絆、仲間、信頼なんてことも含まれている、若い方々が成し遂げた、人を魅了する大きな力に溢れている学生演劇祭にとてもふさわしい作品に仕上がっているように思う。

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女子がほぼ裸のチラシに釣ラレテ見に来たんだがもうダメ限界【百々目色学園御戯レ部】140307

2014年03月07日 MOVE FACTORY (95分)

本当に作品名どおりの感覚で足を運んでいるので、どんな話なのかとかは事前に全く把握せず。
ナカバシマリナさんが主宰で、可愛い女優さんを集めたプロデュース公演らしい。
今回は笹倉ととさん、ばんち。さん(斬撃☆ニトロ)、木村友香さん(劇団暇だけどステキ)、吉沢ナチさん、西田美咲さん(劇的☆ジャンク堂/ぺんぺん種)。

こんな女優さん方が、ある話の設定の中で、様々なパフォーマンスで客を魅了する。
大変、ありがたい公演形式で、これが単なるイベントだったら、足を運んでいない。いや、運びたいけど、何か気恥ずかしくて運びにくいのだ。
こうした演劇公演ならば、何となく観に行きやすい。
おかげで、すっかり楽しめてしまった。本当に可愛いからね。

そして、実は主宰のナカバシさんもかなりお綺麗な人。面接官という役どころの前田ひとみさんも不思議な色気がある魅力的な方だ。
このお二人もパフォーマンスに参加され、5人の可愛い女優さんとはまた違った形で魅惑する。
今回は、実は前田さんが、パフォーマンスだけでなく、面接官としての数々の掛け合いで非常に力を発揮されており、一番の敢闘賞であろう。
さらには、面白い踊れるイケメンお兄さんとして北山貴晴
2014.03.11訂正貴靖、優しくも厳しいご先輩の方から指摘を受けました。たかと打ったら、自動でこれが出てきたので過去の感想ブログでも間違ってるかも。申し訳ありませんさん(劇団ペーさん's13)も、ちょこっと出演される。
残念ながら、パフォーマンスを観ることは出来なかったが、女性たちにやり込められる三枚目の面白い姿は拝見できる。
楽しい時間が過ごせること、間違いなしの公演であろう。

(以下、パフォーマンスがネタバレするのでご注意ください。公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで)

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グッド・バイ【メイシアタープロデュース SHOW劇場】140307

2014年03月07日 吹田市文化会館 メイシアター小ホール (180分 休憩5分)

太宰治の同名作品を原作にした、ちょっと異色の作品。
やはり難しく、よくは分かりません。

太宰治って普通に考えれば、あの生き方は異常ですよね。
でも、この作品は、本名、津島修治としての生き方、グッド・バイの中の主人公、田島周二の生き方を交錯して描き出しているような感じで、その中から彼の生の捉え方に少し近づけたような気がします。
そこには、生きづらい中で必死に生き、その生まれた愛を全うしようとした姿が浮かび上がります。そして、そんな彼を愛した女性たちの心も美しく見えてきます。

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2014年3月 7日 (金)

PACO ~パコと魔法の絵本~ from「ガマ王子vsザリガニ魔人」 140306

2014年03月06日 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ (165分 休憩15分)

昨年、関西の学生劇団でご活躍する役者さんを集めたプロデュース公演で、この作品を拝見して衝撃を受ける。(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/mid-summer-caro.html
涙溢れそうになって、急いで劇場を後にして、その後もしばらくは思い出すと泣けてくるから、電車の中で困ったことになったことは記憶に新しい。

2004年、2008年版のDVD、さらには映画のDVDも購入して、何度、観て、家で好きなだけ泣かせてもらったことか。
そして、タイミングよく、再々演があるという。
いつも観に行く小劇場では、ギリギリ予約、または当日券での観劇がほとんどだが、早々と予約をし、ずっと楽しみにしていた。

とそんな、テンション上がって足を運んだ公演だったが・・・
もちろん、面白くないことは無いし、感動もする。話もよく出来ているなあと改めて思ったし、出演されている役者さんの各々の魅力も味わえる。商業演劇だけあって、舞台は凝って迫力がある。
でも・・・、でもだ。
もう一度、話を確認するためになぞったような観劇になって、全くといっていいほど衝撃を受けない。
観終えて、普通にいい話でしたな、よく出来た作品でしたなと冷静に劇場を後にするだけで、何度も何度も反芻して涙するなんて状態にはならなかった。

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2014年3月 5日 (水)

ポリアモリー・ラブ・アンド・コメディ【匿名劇壇】140304

2014年03月04日 芸術創造館 (95分)

ポリアモリーに従ってシェアハウスで暮らす8人の男女。
表面的には、ある均衡を維持し、楽しく暮らしている感じなのだが、鬱積しているものが滲み出てきそうな不気味な気配も漂わす。
そんな人たちを、様々な表現手段を持つ各人たちの視点から映し出して、この演劇作品にしたような作品かなあ。
非常に面白い作品です。

私は都合があって、もう観れませんが、恐らく、観るのも視点を変えると面白くなりそうな作品です。例えば、別の登場人物の誰かに完全に感情移入して観てみるとか。
お時間ある方は、リピートをお勧めしたいと思います。

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ツレがウヨになりまして。【笑の内閣】140304

2014年03月04日 KAIKA (100分)

再演。
初演の感想:
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/120528-f0e0.html
多くの再演される作品と同様、やはり、その魅力がさらに高まっていた。
改めて、上手くまとまった話だよなあと感じる。
パロった作品名から想像できる、ネトウヨを笑うだけでなく、愛するということの本質を問い詰めたような話として仕上がっているようである。
いつもながらの、個性的なキャラの魅力も初演時とはまた違ったものとなっており、より完成度が上がったといった感じだろうか。

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2014年3月 2日 (日)

たちぎれ線香売りの少女【ナントカ世代】140302

2014年03月02日 アトリエ劇研 (75分)

この公演前が人間座での月面クロワッサン。
終わったのが14:05と、開演の14:00に間に合わずで、もう諦めようと劇場を後にしましたが、必死に走る女性の姿を発見。
きっとアトリエ劇研を目指しているのに違いない。ならば、私も走らねばと、その女性の後を追いかける。
何か追われる女性と追うおじさんみたいな構図が危ないなあと思いながらも、久しぶりに必死に走る。
途中、二人ほど合流し、恐らく事情を知っていた制作さんが開演を遅らせていたのでしょう。14:10の開演に間に合いました。
待っていてくださったお客さんにも感謝ですね。イライラされたでしょうに、申し訳なかったです。でも、おかげさまで・・・

と、ここまで多くの方のご協力の下、最初から最後まで観れた公演。
感謝をしてしっかり観なくてはという気持ちが高まり過ぎたのでしょうか。いや、それはいい訳か。
もう、頭が混乱して・・・
これでは、最初から観ても、途中から観ても変わらんかったんじゃないのかとお叱りを受けること止む無しのような状態になっています。
いつも以上に難しい不条理会話劇でした。

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同情セックス、強く押すのをやめて下さい【月面クロワッサン】140302

2014年03月02日 人間座スタジオ (120分)

二本とも傑作。
京都は遠いけど、こんな作品が観れるなら幾らでも足を運ぼうといった気になる。

男だけ二人芝居と女だけ三人芝居、陽と陰、正と負といった真逆に位置するような二つの作品ですが、共通テーマは生きる力といったところでしょうか。
男二人芝居では思いのままに馬鹿馬鹿しく、女三人芝居では心の奥深くの闇部分まで暴露しながら、それを浮き上がらせているように感じます。

いいもん観ました。

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エリー【劇団ちゃうかちゃわん】140301

2014年03月01日 道頓堀 ZAZA HOUSE (95分)

厳しい現実から逃げ込んだ空想世界の中で、その葛藤に苦しむ少年。
彼が最後に信じて、自分自身の世界へと歩みを向けたのは、一人の少女のほのかな光だった。
といったような話かな。
病んだ精神世界が描かれているようでもあるが、同時に輝く楽しいファンタジーの世界が交錯しており、不思議な優しい感覚と共に、どこか不安感が煽られるしっくりこないもどかしさが残る。

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アッシュ メロディー ~遺灰の歌~【満月動物園】140301

2014年03月01日 シアトリカル應典院 (130分)

失った者への悲しい心を抱える二人のウタイテを通じて、戦争への怒りを厳粛に感じさせるような話。
五感を刺激する独特の世界観の中で、悲しき心が、いつの日か消えて欲しいという祈りに溢れている作品。
各々の立場で、悲しみを希望に変えようと、前を見詰める強き人間の姿が浮き上がります。

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2014年3月 1日 (土)

ライトハウス【空の驛舎】140228

2014年02月28日 アイホール (95分)

認知症の父を持つ家族の介護における葛藤を描いた作品。
家族と共に、介護職の人たち、周囲の人たちとの関わりを示しながら、これから辿るべき道筋を探し出すような話だろうか。

作品名のライトハウスは正しい家という意味を持つRight Houseと、灯台の意味を持つLight Houseからつけられているらしい。
介護における正しい姿とは。つらく苦しい介護に光ある道筋は見つかるのか。
その答えが、観れば、各々の頭に浮き上がってくるように思います。
 

<以下、登場人物の特徴を記すことで、話の内容がネタバレするような感想になっています。ただ、この作品を観劇する上で問題ないと判断して白字にはしていません。気になる方はご注意ください。公演は日曜日まで>

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