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2014年3月23日 (日)

みなそこにいる【劇団いちびり一家】140322

2014年03月22日 シアトリカル應典院 (90分)

人魚姫をベースに、現実と空想が複雑に絡み合ったような構造をしており、かなり混乱する難解な作品でした。上手いこと創るものです。ただ、描きたいことはきちんと伝わるような作品ではあります。
劇団としては恐らく初見だと思いますが、イメージと異なり、少々、驚きました。
音楽劇のような作風なんですね。そして、話の構造同じく、重層化された面白い舞台セット。少し、話の内容は重いのですが、それを軽んじることなく、機転の効いた会話の掛け合いなどで笑いを組み込んだりもします。
エンタメ色豊かな楽しい作品でした。
現実的に描かれる苦境が重いですが、家族を想わせる優しい話です。

美人4姉妹として名をはせるバケツ屋。
もう一人、五女がいたのだが、人魚姫のように足を得て、人間の世界に王子様を求めてどこかへ行ってしまったみたい。
四女もそんな王子様を求めて、姉妹から離れる。
そして、残された三人も何かに引っ張られるように散り散りに。

三女は魔女からもらったナイフを持って、姉妹たちを人魚姫に戻そうと人間界を彷徨う。
五女は、人間界で痴呆症を患った老人となっている。
子供は、双子の兄弟に、長女と次女。双子の兄は亡くなってしまったらしい。
弟が母の介護をしている。
弟は既に結婚をしているが、その前に弁当屋で働く婚約者がいたみたい。結局は、母や姉妹の反対もあり、見合いで別の人を選んでしまったようだ。
その弁当屋で四女は働いていたが、その後、政治家の秘書をしている。
長女か次女も政治家の秘書をしており、四女はその政治家の愛人と偽って手切れ金を騙し取ったみたい。ただ、本当に好きだったみたいで、自分の王子様を探した結果だったのだろう。

・・・、無理か。
頑張って、覚えている限り、話を繋げてみようと思ったのだが、頭に残っている記憶の断片がどう頑張っても繋がらない。
要は、痴呆症の老人が、自分を人魚姫に置き換えて繰り広げている夢の世界を描いているようです。
何で、人魚姫なのかは、恐らく被災所にたくさん貼られた安否確認の紙のような舞台セットから、双子の兄が海の藻屑となってしまった過去からなのでしょう。

ある日、突如として海に失われてしまった家族である兄を母は連れ戻そうと必死に探したのでしょう。
自分の体を犠牲にしてでも、海から本来の陸に連れ戻す。人魚姫とは逆ですが、母の子供への愛はそれほどの覚悟あるものだったに違いありません。
バケツは、ちっぽけな人間でも、かきだせるものなら、かきだしたいような絶望の中でも諦めない祈りでしょうか。実際に、家族が兄のために必死になった頃のことが思い出されているような気がします。
そんな想いが、痴呆という彷徨う世界の中で、今度は自分を探す家族たちの姿として置き換えたような感じかな。
その母の切ない空想に、弟は双子だったからか、いち早く応え、その姿に姉妹も母のことを理解するようになる姿を描いているように思いました。
空想世界に彷徨う母を子供たちは見つけ出し、自分たちはここにいることを母に分からせた。そして、生き残った家族たちは、各々、自分の生の道を全うしようとしていることが伝わり、安堵のような涙を流す最後のシーンが、悲しいながらも強い家族の絆を想わせます。

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