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2014年2月 9日 (日)

月雪の娘【ムーンビームマシン】140208

2014年02月08日 ABCホール (130分)

関西小演劇、エンタメ最高峰の劇団ですから、本当は絶賛なんでしょうが、もうハードルが最高級に上がっていますから、生意気にもそれなりのものをしっかり魅せていただいたといったところです。
観劇し始めた頃に観ていたら、もう目を剥いていたでしょうが、今はもう目が肥えすぎました。昔に戻りたい気もします。

知り合いの観劇客の方が、TwitterでHEPとABCを間違えないようにとつぶやかれていました。
両方とも観ましたが、まあ、間違えても、行ってしまったところを観ておけば、それでOKでしょうね。今週はそんな最高級作品が重なっている週なのでしょう。
全く、関係ありませんが、今週は月曜日から毎日接待仕事。料亭で毎日のように高級懐石を夜は食しています。そして、週末の観劇がここも含め、梅棒と桃園会。
何から何まで最高の、贅沢三昧の週となっています。

作品の感想はネタバレになってしまいますが、よかったあ、本当によかったと最後に思わせる話でした。よかったのはもちろん、作品もそうなのですが、話としてそう思える話だったのです。
どうなるのかと思って観ていましたが、いい意味で裏切られた感じで、ハッピーエンドを求めてしまう私としては、そんなよかったという気持ちで観終えることが出来て、本当によかったのです。

雪女と男は子供をもうける。
やがて、男は妻が雪女だと気付き・・・
と、有名な小泉八雲の雪女の話の続きを描いた話のようだ。

雪女と人間が結ばれたことは、水の狼とやらいう神を怒らせ、子供達に危害を及ぼそうとしたらしい。
男は、姿をくらますために、山奥の寺の僧となり、自分の子供達と孤児たちを住まわせる。
それでも、その追っ手は執拗で、男の故郷である忍びの里にまでその被害は及んだのだとか。
やがて、男は人生を全うするが、その意志は、孤児として寺にやって来て、僧のことを父のように慕った男によって引き継がれる。
でも、雪女の子供達は、自らの運命を呪うかのように寺を出て行く。
初という女もその一人。後を継いだ男とは恋仲であったが、男はそれを止めることは出来なかった。いや、しなかったのかもしれない。

そんな初は、今、遊郭にいる。
そこの主人は、自分の店の権威を維持するために、幕府に取り入り、思いのままに自分が振る舞える体制を築き上げようとしている。そのために、用心棒として武士まで雇っている。
目的を達成するためには、将軍家の跡継ぎ問題を都合のいいように仕向けなくてはいけない。その都合のいい世継ぎが命尽きようとしているらしく、雪女の血を使って永遠の命をもたらす薬を開発しようとしているらしい。
女郎たちはそんな企ての実験台となっている。

盲目の剣士、風翔。
彼の目は雪女の呪いにより、暗闇に包まれている。
その呪いを解くためには雪女を斬らねばならない。自分のことは別にどうでもいい。一緒に呪いをかけられ、命が尽きようとしている妹を助けなくてはいけないのだ。その妹は、今、孤児を集めた寺で暮らしている。その寺には出生に訳があるらしい威勢のいい元気な男の子や、何か不思議な力を秘めたキラキラと輝くアイドルみたいな可愛い女の子がいたりして、そんな子たちの面倒を見るお姉さんのような存在みたいだ。
でも、相手は物の怪。斬るには炎の蜘蛛という神の助けが必要だ。男はその炎の蜘蛛を探し、彷徨い続けている。
そんな中、ある女が追っ手に追われているところに出くわす。
風翔は持ち前の剣術で、追っ手をあっという間に斬りつける。
盲目ゆえの直感ですぐに分かる。その女も雪女の血を引くことを。
本来は自分の敵である雪女。でも、その雪女から感じられる優しさは、風翔の覚悟を惑わす。それはこれまでの雪女に対する仕打ち故に人間に不信を抱く雪女も、その風翔の優しき心に惹かれていく。

そんな辻斬りのようなことを繰り返す風翔。
岡っ引きの耳にも入り込む。
絵に描いたような気は優しくて力持ちの男と、何でも情報を手に入れる影のある男を下っ引きに従え、辻斬り事件や遊郭の怪しげな行動を調べ始める。

盲目の剣士の力を借りたいと仲間に願い出る忍びの女。彼とは腐れ縁らしい、八雲という遊び人。
風翔を取り巻く人たちの関係が徐々に明らかになる中で、風翔はついに炎の蜘蛛の力を手に入れ、雪女と決着をつける日を迎える。
しかし、そこには風翔が考えもしなかったことが隠されており・・・

伏線が多くて。
後半はこれでもかとどんでん返しが続き、少しやり過ぎな感があるくらい。
それでも、上手い具合に伏線回収して、話をまとめているなあといった感じです。
あらすじをしっかり書くのはなかなか大変です。ポロポロと大事なところが抜けながらのだいたいの筋です。
DVDを購入して観ないと文章では難しいですね。
決して複雑な話では無く、所々にお得意のエンタメ要素を存分に盛り込みながらの楽しくも惹き込まれる素晴らしい話の展開となっています。
難しいところです。話をしっかり理解するにはDVDで落ち着いて観るのがいいでしょうが、あの感動的なエンタメの数々はやはり生でしょうし。まあ、結局、当たり前のことになりますが、生で観ておいてDVDで思い起こすという王道を薦めることになってしまいますね。

それにしても、作・演のSarahさんは男を最高に魅せるのが上手い。
登場する男優さんが各々、惚れ惚れする魅力的な姿で描かれています。
外観もお綺麗な方ですが、まさにこれこそいい女という称号を与えて然るべきなのではないでしょうか。
遊び人ながら、その優しき想いの溢れた八雲役の早川丈二さん(Mouse Piece-ree)。ダンディーさの中にお茶目な一面を惹き出される岡っ引きの上杉逸平さん(イズム)。この方、踊るんだあなんて姿まで魅せています。
下っ引きのお二人。純粋な男気を見せつけまくり、ほのぼのと温かい気持ちになる竹村晋太朗さん(壱劇屋)。一途な姿に惚れ込みます。お得意のコミカルな一面を魅せながら、影ある悪を醸す大塚宣幸さん(大阪バンガー帝国)。
強き覚悟を持つが故の苦悩、己の弱き心に悔いる真摯な姿が印象的な僧の浜口望海さん(STAR☆JACKS)。
この方、男ということでいいのかな。遊郭の主人、一明一人さん。ご想像どおりの姿ですが、その魅力を最大限に引き出した役となっています。
用心棒の武士役の鈴木洋平さんは、ちょっとお調子者のなかなか上手く事が進まない頼りなさを見せながらも、まっすぐに人と接するというある意味、男気のある姿を演じられます。
炎の蜘蛛、和田雄太郎さんは、この役、鉄板ですからねえ。この気味悪くも惹きつけられる動きねえ。今回も凄かったです。
そして、何よりもこの方でしたねえ。風翔、河口仁さん(シアターシンクタンク万化)。もう、いい加減にしろよというぐらいにかっこよくて。最後は、己の想い、妹の幸せ、民たちの平穏な生活などの様々な葛藤が渦巻く中で、必死の決断をするのですが、その苦悩の様がもう、こちらの心まで苦しくさせて。元々、この方、好きなんで贔屓目がありますが、最高でしたね。
もちろん、女優さんはダンサーさんも含めて魅了される方がたくさんいますし、正直、私は普段は女優さんに基本的に目がいくのですが、この劇団では、どうも男優びいきにならざるを得ないぐらいに、素敵な姿で舞台にいらっしゃいます。

いい作品でした。
話しとしても、そして、役者さんの素敵な姿を観るという点でも。

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